経済産業省
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中小企業政策審議会企業力強化部会(第2回)‐議事要旨

日時:平成23年7月7日(木曜日)18時~20時10分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議事概要

1. 冒頭、海江田経済産業大臣より挨拶

海江田大臣

  • 第1回会合では、まず、東日本大震災からの中小企業の再生・復興策について議論いただいた。更に、中小企業の企業力強化のため、様々なテーマでの方策についてご意見をいただいた。
  • 第二回会合では各々のテーマを掘り下げて検討していきたい。
    1.金融と経営の一体的強化(リレーションシップバンキング。以下、「リレバン」という。)のあり方について。これまで中小企業の発展に向け、信用保証や政策金融といった様々な公的金融支援を行ってきた。今後、中小企業の成長を更に促進していくため、民間金融機関と借り手である中小企業の間で、いかに健全な関係を構築していけばよいか。 2.起業・転業、再生・事業引き継ぎについて。今後、事業者の起業・転業、再生等をより円滑にするためにどういった環境整備が必要か。
  • 委員各位から、忌憚の無い意見を頂戴したい。

(金融(経営支援と一体的な取組))
2.有識者からのプレゼン、事務局説明。委員から概ね以下のような意見があった。

  • 中小企業の場合は、行政機関による中小企業対策、あるいは地域金融機関によるリレバンが中小企業のチェック機能を専ら果たすことになるが、中小企業との関係で押したり引いたりするバランスを図っていくことが重要。
  • 信用保証制度については、徐々に役割を減じていくことが今後の政策対応で必要ではないか。
  • 金融機関は、企業の財務体力に応じて何をすべきかといったソリューション型の支援が必要ではないか。(そのため、マニュアル作成などが必要)
  • 監督指針の改正でリレバンを強化する、あるいはコンサル機能を強化することは大変良い方向。これによって金融当局の行政のスタンスがどのように変わっていくのか。
  • 新規の創業については、支援機関はどういう形で目利き能力を発揮しているのか。その後の経営の指導あるいは支援の中でどの点を重視しているのか。
  • 厳しい内外環境に勝ち抜く自立的な中小企業の強化のみならず、地域の重要な担い手として小規模事業者層の企業力強化も必要。
  • 全ての金融機関にリレバンの実現を過大に期待するのではなく、行政や支援機関等も含めた全体の枠組みの検討が必要。
  • 外部報告用の損益計算書や貸借対照表だけで経営者が自社の経営状況を把握することは、実は原理的に難しいところがある。その意味で、いま「経営の役に立つ新たな会計ルールの整備」が関係者によって進められているが、画期的なもの。急いで欲しい。作りっぱなしにせず活用・普及が大事だが、成功事例をまず示すことが必要ではないか。
  • 経営全体の課題解決にあたっては、部分最適になりがちな支援専門家のサービスをどのように調整・克服するか、検討が必要ではないか。
  • 決算書の信用性確保をどのように図っていくか検討していくべき。
  • 中小企業の内情をよく知っている税理士、会計士との連携も、中小企業の成長を図るうえで重要。
  • 金融機関と外部専門機関との永続的な連携で経営支援のネットワークを形成し、日本全体として総合的な支援対策をとることが必要。
  • 中小企業(特に自動車関連など)の中には国際展開を真剣に考えている企業がいる一方、国内金融機関は国内に視点を絞り過ぎている。このミスマッチの解消が必要。
  • 地場企業との連携や産学官連携は実際にはなかなか難しく、中長期的に取り組まなければならない。
  • 規模拡大による利益拡大を支えるこれまでの信用保証の問題を考え直すことが重要。
  • 経営支援は金融機関の利益につながらないことが問題。リレバンの促進のためには、金融機関の使命感だけでなく、インセンティブを構築することも必要。
  • リレバンの本質は金融機関の目利き機能や長期的に企業を育てる力であり、これはマニュアルになりにくいものである。
  • 新しい会計の整備・活用は、中小企業が借り手側として交渉力を持つことになることから、健全なリレバンの発展につながる。
  • 地銀のトップが、きちんと現場に対して、リレバンを進めていこうというビジョンを示していることが重要。
  • 経営支援を人事考課に組み込むなど、金融機関の現場にインセンティブを付与することが効果的。また連携した外部機関から表彰するなど、多面的なインセンティブを作ることがリレバンの推進には必要。
  • 地域金融機関業界は、ほぼ同じ研修システムを取っていることから、リレバンで必要とされるような人材がなかなか育ちにくいと感じている。
  • 経営支援のノウハウは、真のセールスポイントを生かすこと、ターゲットを明確に絞ること、連携する(提携戦略)こと。
  • ヒト・モノ・カネが不足する中小零細企業の経営支援には、知恵を出せる人材を育成することが必要。
  • 経営支援には最低限の経営知識とセンスが必要。
  • 地域金融機関自身の生き残りのためにも、中小企業に対する経営支援が必要。
  • 地域密着型金融は地域金融機関のためになるビジネスモデル。経営判断により中長期的に取り組まれるものであり、監督官庁の過度な関与は適当ではない。短期の報告ではなく総合的なヒアリングによる確認が必要。

(起業・転業、再生・事業引継ぎ)
3. 有識者からのプレゼン、事務局説明。委員から概ね以下のような意見があった。

  • 中小企業のM&Aには不完全な形で案件が進められることが多いので、金融機関が適切なアドバイスをすればより適切にM&Aを行えるようになるのではないか。M&Aを適切に進めていくことへの現場のニーズは高まっているように思う。
  • 事業を存続するにあたって、一番大きな問題は過度な債務があるため後継者に継がせられないということ。M&Aをするにしても、そのような状態では無理という感じになる。経営者は過度な負債を抱える前に早く第一線を退き、世代交代すべきだが、進んでいないのが現状。
  • 経営者が代わった場合については一定の範囲内で債務を軽減する政策も考えられるのではないか。そのような政策であれば、経営者の世代交代も進められるし、結果として経営が活性化するので、地方の中小企業の状況は大きく変わると思う。
  • M&Aには2種類ある。さらに事業規模大きくするためという前向きなM&Aと、経営者の世代交代をしたいが親族、従業員では承継出来ないから仕方なくという消極的なM&Aの2種類である。
  • M&Aの基本は企業価値あってのものなので、ビジネスに企業価値がないとやはりM&Aはなかなか難しいと考えている。
  • 起業の担い手は誰になるのかという点について議論することが重要。日本においては、大企業に勤めている人は非常に処遇もよいことが多いので起業しようというインセンティブが働きにくい。
  • 大企業に所属する潜在的な起業家層の人が企業外に出て創業(スピンアウト)するようにインセンティブを作っていくことが重要ではないか。
  • 現在の日本は開業率、廃業率ともに大変低い状況。そのことが、日本経済が停滞している原因ではないか。もう少し企業の新陳代謝を促進する方策が必要ではないか。
  • 日本の起業家精神が低いというデータがあるので、その辺りをどうするかという問題は残る。
  • 企業価値をいかに移転するかということに加え、M&Aを起業家のエグジットポリシー(出口戦略)の一つとして位置づけることが重要。
  • そのためには、特に企業を売った側にどのようなメリットがあるのかということを起業のプラス材料として明確に示すことが重要。
  • 起業家を育てる環境作りが急務であり、重点的に起業家教育を考えるべき。どういうようにこれから起業家を育てるのか、今後真剣な議論を進めていくべき。
  • 大企業からスピンアウトできる環境づくりが重要。
  • 優れた技術を持っているが、後継者がいないために廃業を考えている企業が多いという話を聞いた。優れた技術やその技術の担い手をいかに企業に留めるのかということが地域にとっても重要である。そのための対策として、技術を持っているが会社の資産全体に適当な売値がつかないという問題について、正当な評価をして適当な価格がつくようにすれば、M&Aが行われることで技術を残せるのではないか。
  • 新規開業について、91年以降で開業が増えてきたが、ここ2~3年で減少に転じてきている。
  • 事業承継については、従業員に継がせるとしても、M&Aであったとしても、過大な債務が問題になる場合がある。過大な債務を抱えてしまう原因は、100%の信用保証によって融資額が保証されるという ことがあるため、金融機関の融資審査が甘くなることが一因ではないか。
  • 個人保証は問題もあるが、完全に無くすことはできないだろう。経営がうまくいかなかった場合は確かに個人が困難な状況になるわけだが、逆に数十億単位で利益が出ることもある。高いリターンを得る人はリスクもとるべきだ。
  • 第三者保証については、個人の支払い能力を超えるということが大きな問題になる。過度の保証は一律禁止にするなどの措置が必要になるかと思う。
  • 事業再生については、再生しようとしても手遅れになっているケースが多い。早めに金融機関等との連携を進めていくことが必要。
  • 中小企業にとってM&Aの後のプロセスが重要。ヒト・カネ・モノなどの経営資源が激変するM&A後の経営は、ほとんどの中小企業にとって未経験の分野。M&A成約後もフォローやサポートを続ける仕組みが必要。
  • 米国等と比較して我国の中小企業の減少トレンドはなぜか。中小企業を増やすために何か対策を取るべき。グローバル化された世代である日本の若者達が起業しにくいことがないか、検討を深めるべき。
  • 中小企業の場合には自己資本を充実させることが成長の前提となる、この点を経営者に教育・普及することが重要。

4.中山経済産業大臣政務官より挨拶

中山政務官

  • 中小企業憲章の考え方の基本は、関係省庁が連携して中小企業政策を行うということ。
  • リレバンは本当に地域に存在しているのかということを考えていただきたい。中小企業を支えるのはメガバンクというよりも、むしろ信用金庫や信用組合であり、これらの機関が力をつけていくことが、日本の中小企業の成長につながる。
  • 個人保証については、必要悪かも知れないが、経営者の自殺につながったりしてはいけない。
  • 保証機関が全額保証して金融機関がリスクを丸投げしてはいけないが、今この時期は資金をもっと市場に回すべき。

問い合わせ先

経済産業省中小企業庁参事官室
電話:03-3501-1768
FAX:03-3501-6801

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最終更新日:2011年8月12日
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