経済産業省
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地域ストーリー作り研究会(第1回)-議事要旨

日時:平成26年10月22日(水曜日)16時00分~18時00分
場所:経済産業省本館2階西8共用会議室

出席者

委員
阿久津 聡 一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授
島田 昭彦 (株)クリップ 代表取締役社長
殿村 美樹 (株)TMオフィス 代表取締役
前原 まさみ (株)よしもとクリエイティブ・エージェンシー 業務推進担当プロデューサー
森 好文 (株)KADOKAWA IP事業推進本部 副本部長
山下 真輝 (株)ジェイティービー 観光戦略室 観光立国推進担当マネージャー
吉田 照幸 (株)NHKエンタープライズ エグゼクティブプロデューサー
渡邉 太志 九州旅客鉄道(株)鉄道事業本部 営業部 担当部長
ゲストスピーカー
三田 愛 (株)リクルートライフスタイル 事業創造部、じゃらんリサーチセンター 研究員

議題

観光の現状と地域ストーリーの必要性等について

議事概要

第1回地域ストーリー作り研究会では、事務局説明(資料3)、ゲストスピーカーによる事例報告(資料4)、討議を行った。討議概要は次のとおり。

(1)観光産業の抱える課題

  • 宿泊業などに限定した狭義の観光産業による対策に限界が来ているので、いかに広い分野の人たちを巻き込めるかが重要。
  • 観光施策に関して定量的に効果を図る尺度を持っていないため、行政自体が目指すべき効果が何かわかっていない。
  • 休日と平日、年間を通したかき入れ時と何もない時季の繁閑の差が激しい(安定した雇用を生み出せない)。
  • 繁忙期は何もしなくても人は来る(収容力は限界)。むしろ閑散期を「ポテンシャル」と考えて取り組むべき。
  • 観光産業の主役は、個別の企業ではなく「地域」。
  • 自分が体験した旅行商品の善し悪しを消費者が判断する基準は、「記憶に残るか」。

(2)マーケティング

  • マーケティングの基本を理解した上で、地域がストーリー作りなどの取組を進めていくべき。「何をやっていて、どういう意味があって、どういう結果が出るのか」という最低限のところについては理解できるようにすることが必要。
  • 4C(カスタマー・カンパニー・コンペティター・コラボレーター)、4P(プロダクト・プライス・プレイス・プロモーション)、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングなどをテンプレートを用いながら分析して、わかりやすく人に響くアイデアを入れ込みながら実践していくべき。
  • マズローの「欲求5段階説」のような階層が観光商品にもあり、より低次な食・住などの欲求に向かって直接供給される個別の商品から、より高次なサービスを提供するいろいろな商品が結びついたパッケージ型の旅行商品まである。この場合、あくまで低次な商品・サービスの品質が保たれることが、ストーリーを使った高次の商品パッケージの前提となることを留意すべき。
  • 消費者のライフスタイル、ニーズを地域が理解できていない。
  • ストーリーが多くの来訪客を呼ぶためには、ストーリーが紡ぐ地域資源の有機的なつながりを消費者がきちんと認知させることが不可欠。単に近接しているだけで無機質につなげているだけでは、何の意味もない。

(3)きっかけ作り・場作り

  • 最初の「めんどくさい」というフェイズを乗り越えるきっかけをキーパーソン等がつくれば、地域から協力してくれる。
  • キーパーソン探しが重要。地域の人達は対話しているようでしていない。第三者が入ることにより対話が活性化する(ただし、あくまで主役は地域)。
  • 行政の仕事は予算事業ではなく、地域のことをみんなが真剣に議論できる「場」の運営。問題意識を持ったキーマンは実は沢山いるが、語れる場がない。成功した地域は、場を上手く作れたところ。
  • 「仕組み」から入らない。仕組みを作っても魂が入らないと続かない(「やらねばサイクル」)。
  • 多くの人を巻き込むには、“楽しそうな”アロマを出すことが大事。最初はエンジンのかかる3~5人から始めて、それを広げていく。楽しそうなものは伝染する。共感できる人達でスモールスタートを切らないと、ストーリーは根付かない。
  • 一時代を築いた観光地の再活性化と今から観光に取り組む地域との温度感は違う。特に前者については、成功体験が革新を阻害したり、新たな事業のスタート地点で障害となる可能性がある。
  • もともと地域にあったモノで、地域が全く見向きもしなかったモノでも、メディア等が取り上げて褒めまくることで、「これはもともと自分のものだ!」と排他して守るべきものと地域に認知される。
  • キーパーソンなど「人」だけでなく、地域が一つにまとまるための「対象物」も重要。

(4)受入体制

  • 行政、観光協会がマーケティングをして情報発信しても、観光地が観光客の期待に応えられていない。マーケティングも大事だが、マネジメントはもっと大事。如何に観光客がストーリーを感じ、経験価値の上がる受入体制を構築できるかが重要。
  • 観光ガイドなど受け入れる現場がストーリーを理解しておらず、伝え切れていない。首長がCMOのような役割を果たし、徹底してストーリーを伝え、トップダウンで根付かせていくべき。
  • (1)「(東京から)褒められたい」、(2)「稼ぎたい」の2つの感情が地域活性化のモチベーションを加速させる。前者はナイーブな動機であり、後者ほど地域自身による活性化への強い動きにつながりにくい。
  • 地域によっては「来て欲しくない」観光客などが存在することも事実。例えば、「知的好奇心の高い人」といった客層をターゲットにしたり、特定地域同士の観光客の交流促進を狙った「クローズ型」の協定などのオプションを考慮すべき。
  • 地域によっては、観光協会・旅館組合・従業員組合の関係が悪く、地域での取組の阻害要因となることもある。
  • 毎日の様に顔を合わせている幼馴染みであることがかえって、地域のために手を組むことが小恥ずかしいことになる場合もある。
  • 素晴らしい景観などが眠っていても、安全等の規制や土地の権利関係などにより誰もその点に触れることができなくなっている場合がある。
  • 既存の旅館街ほど利害関係が見える形となってしまうので難しい。農商工業者から「どうせ旅館だけが儲かるだけ。うちは関係ない」と協力をしてもらえない。
  • 取組を「みんなゴト化」して、恩恵を全体で共有する仕組みの構築が必要。
以上

関連リンク

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電話:03-3501-8794
FAX:03-3501-7917

 
 
最終更新日:2014年11月19日
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