経済産業省
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地域ストーリー作り研究会(第3回)-議事要旨

日時:平成26年12月10日(水曜日)15時10分~16時45分
場所:富岡製糸場内女工館食堂(群馬県富岡市)

出席者

委員
島田 昭彦 (株)クリップ 代表取締役社長
殿村 美樹 (株)TMオフィス 代表取締役
前原 まさみ (株)よしもとクリエイティブ・エージェンシー 業務推進担当プロデューサー
森 好文 (株)KADOKAWA IP事業推進本部 副本部長
山下 真輝 (株)ジェイティービー 観光戦略室 観光立国推進担当マネージャー
吉田 照幸 (株)NHKエンタープライズ エグゼクティブプロデューサー
渡邉 太志 九州旅客鉄道(株)鉄道事業本部 営業部 担当部長
ゲストスピーカー
醍醐 孝典 株式会社Studio-L

議題

ストーリー作りの実践(試行)

議事概要

(1)開催概要

  • 第3回研究会は、ストーリー作りの実践的な手法を検討するため、平成26年6月に世界文化遺産に登録された富岡製糸場を有する群馬県富岡市で開催した。
  • 世界遺産登録効果により、富岡製糸場には多くの観光客が訪れているが(平成26年度の来場者数は、4月から11月までの8か月間で100万人を突破。平成25年度1年間の来場者数は約30万人)、製糸場への来訪者の富岡市街への回遊や、富岡製糸場と同時に世界文化遺産に登録された絹産業遺産群(※)等との連携が課題となっている。
    ※:田島弥平旧宅(群馬県伊勢崎市)、高山社跡(同藤岡市)、荒船風穴(同下仁田町)
  • 当日の工程は次のとおり。
    午前中 富岡市街及び富岡製糸場内視察
    12:00~ 地域の方々とのセッション
    • ランチミーティング

    • ※3年にわたり、富岡市民のまちづくり活動を支援している「Studio-L」の醍醐孝典氏から、活動状況の報告を受けた。
    • 富岡市、伊勢崎市、藤岡市及び下仁田町の関係者による議論の場
      ※第2回に引き続き、「ワールド・カフェ」を実施。富岡市長、4市町の職員・関係団体・企業(商工会・商工会議所、観光協会等)、経済産業省・中小企業庁・観光庁の職員総勢32名を8つのグループに分け、テーマ・メンバーを入れ替え、対話を実施。
      • ラウンド1のテーマ:富岡製糸場と絹産業遺産群を使って、今後、この地域をどのような地域にしていきたいと思いますか。
      • ラウンド2のテーマ:ラウンド1のテーマで出てきた、「目指していく姿」に向かって、あなたがやってみたいことは何ですか。

 15:10~ 研究会

(2)研究会議事概要

  • 観光地に慣れていないために、地元の人は苦労している。世界遺産だけでなく、樹齢1500年の桑の木など、昔から守り継がれてきた物にも目を向けるべき。
  • 富岡は、生活空間の中に世界遺産がある希な場所である。そのため、観光地とはいえないのではないか。長い目でみて、町を継続させることも重要。イタリアでは、観光客を排除するために世界遺産に登録するという動きもある。地域の財産を50年後、100年後に伝えていくという考え方を重視している。富岡の場合、外からやってきた人たちが次々と商売をはじめているが、コンセプトに合わない店はガイドラインで規制するなど、文化レベルの高い観光まちづくりが求められる。世界遺産登録後は様々な問題も出てくるが、顕在化した問題への対応という対処療法では本質を見失ってしまう。
  • 県外資本に好き勝手させてはいけないが、一方で人が来るということは、第三者の目を通じて(刺激をうけて)町が垢抜けられるチャンスでもある。本質的に良い物は残しつつ、よそから良い物を受け入れられると良いのではないか。
  • 世界遺産と観光がつながっていないように思う。富岡製糸場を訪れた人は本当に満足して帰っているのだろうか。工場内(繰糸場)の機械には保護ビニールが張ってあり、「さわるな」と書いてある。これでは心動かされないし、過去にトリップすることができない。地元に帰ってから「富岡製糸場は世界遺産の割にたいしたことなかったよ」と周囲に口コミで伝わると、次第に人が来なくなってしまう。
  • 地元では世界遺産登録を喜んでいるのかと思ったら、皆さんの気持ちは複雑のようだ。Studio-Lのように地域を巻き込む方法は有効だが、時間がかかる。知名度が上がった今こそチャンスだと思う。この時期を逃さず、地域のリーダー(行政に限らず)がビジョンを持って産業振興などに力を発揮できると良い。
  • 「子どもに伝える」というコンセプトは地元に受け入れやすい。修学旅行に力を入れてはどうか。
  • 学びのプログラムをもっと掘り下げ、教育効果を高めることができれば、学生たちが周辺の施設(他の世界遺産)も巡るようになるかもしれない。
  • ブランドコンセプトの核(コアコンセプト)をどこに置くか。「見に来て」だけだと物見遊山になってしまうので、「感じて」が必要である。マスツーリズム(物見遊山)は採算性を重視するため、ありきたりのものになってしまい、お客さんは冷めてくる。コアコンセプトを定め、産業に結びつけていく必要がある。
  • 見学に際しては、見る準備も重要。歴史的背景、例えば「なぜフランスなのか」について、映像などがあれば理想的だ。そのうえで、ガイドによる説明を聞きながら見学を行うと良い。
  • 工女さんの姿をした人が案内するなど、タイムスリップできるような工夫も重要だと思う。駅を降りてから富岡製糸場までナショナルチェーン店を見かけなかったのはある意味貴重ではないのか。
  • 歴史的背景については、地元の人も知らないようだ。知れば誇らしくなるはず。
  • 京都では、琵琶湖疎水の歴史を小学校で教えている。こちらも同じことが考えられるのではないか。
  • 世界遺産である広島県宮島は、路地裏の雰囲気がいい。多くの人が通る(多くの人に見られる)ため、室外機など生活感のあるものを見えないようにしている。宮島の人の意識の高さ、誇りを感じる。富岡でも考えてみてはどうか。
  • 仮説を設定したうえでストーリーづくりを進める必要がある。ボトムアップ型ではとがったものは出来ない(マーケットに刺さらない)のではないか。どの地域でも苦労するのは、ストーリーの本質を地元の人たちに理解してもらうこと。その上で、商品展開の段階での合意形成が必要。また、マネジメント機能が重要であり、推進体制をしっかりと整える必要がある。例えば、鳥取県境港では、地域の人たちが自らガイドラインを設け、ゲゲゲの鬼太郎のコンセプトに合わないもの(偽物)を排除してきたことで、20年間その地位を維持している。そのような地域マネジメントを誰が担うかが鍵になる。

(3)ストーリー及びストーリーを活かした商品プラン等の提案

  • 上信電鉄の活用(デザイン&ストーリー列車化)、各エリアを周遊できるバス等の導入、歩いて楽しいまち作り(景観・グルメ・お土産・人とのふれあい)
    →一番大事なのは地元の方たちのモチベーション(整理、整とん、清潔、清掃、しつけ)
  • 伝統は革新の連続
    →住んでよし、訪ねてよし
    文化力のある旅人を歴史ストーリーで誘客
    地域新産業創出のためゲストハウス SNS発信
  • ワールドワイドな国際修学旅行のメッカをめざし
    リード を上信電鉄と高崎商業大学へ(火付け役)
     同じビジョンを共有して世界遺産からスタートする未来のまちづくりを!!
  • 世界文化遺産群+強烈ワンテーマ → 温故知新 = 知への欲求
    「女工になってみた」 女工体験-JKCafe、機械体験
  • 富岡製糸場の建設の時代背景とその後に日本人が成し遂げたことについて
    まちの人にも外の人にも伝える活動が必要。
    製糸場を見にくるだけの物見遊山観光ではなく、日本人の可能性を感じ、新しい未来を考える新しい観光のスタイルを提案して欲しい。
  • のりすて上等! 群馬シルクロード レンタカーサービス
    地元民映画(歴史認識)→富岡シルク(ほこり)→工女入り見学ツアー(実動)
  • 富岡製糸場は通過点。北関東の中の京阪神をつくる。(上毛かるたで教育。)
以上

関連リンク

お問合せ先

経済産業政策局 地域経済産業グループ 地域新産業戦略室
電話:03-3501-8794
FAX:03-3501-7917

 
 
最終更新日:2015年1月6日
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