経済産業省
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地域ストーリー作り研究会(第4回)-議事要旨

日時:平成27年1月7日(水曜日)13時30分~16時00分
場所:経済産業省本館2階西3共用会議室

出席者

委員
阿久津 聡 一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授
三田 愛 (株)リクルートライフスタイル 事業創造部 じゃらんリサーチセンター 研究員
島田 昭彦 (株)クリップ 代表取締役社長
殿村 美樹 (株)TMオフィス 代表取締役
前原 まさみ (株)よしもとクリエイティブ・エージェンシー 業務推進担当プロデューサー
森 好文 (株)KADOKAWA IP事業推進本部 副本部長
山下 真輝 (株)ジェイティービー 観光戦略室 観光立国推進担当マネージャー
渡邉 太志 九州旅客鉄道(株)鉄道事業本部 営業部 担当部長
ゲストスピーカー
池田 紀行 (株)トライバルメディアハウス 代表取締役社長

議題

ストーリー作りのプロセス、観光経済波及効果に関する調査、ストーリーのPR戦略、共創マーケティング等について

議事概要

本研究会はこれまで、地域ストーリー作りのプロセスや観光経済波及効果の把握方法等、地域側を中心に討議を行ってきた。第4回(最終回)研究会は、それらについて取りまとめに向けた討議を行うとともに(資料2~資料4)、ストーリーを受け手にどのようにPRしていくか、受け手とどのように共創していくかについて、殿村委員(資料5)、ゲストスピーカー(資料6)からのプレゼンを踏まえ、併せて討議を行った。討議における委員等からの主な発言は以下のとおり。

  • 今、マーケティングの業界では、エンゲージメントという言葉が非常にキーワードになっている。これをやはり地域に当てはめたときに、観光客数とか観光消費額とかいろいろなKPIがあるが、その地域にどれだけ思いをもっているかというエンゲージメントみたいなものはなかなか計れなくて、地域も非常に難しいところがあると思う。地域活性化としてのエンゲージメントのあり方は、もう少し研究の余地があると思う。
     今まで観光地は、高度成長時代からずっと旅行者数、人口がどんどん増えるに当たって、マスツーリズムでスペックが相当大きくなってしまっている。失われた10年、20年の中で、供給過剰状態の中で生産調整してきた民間企業と違い、実は観光地は供給過剰状態が続いている。そこで安売りに走っている。結局、田舎にも100室あるような巨大なホテルが並んで、昭和30年代、40年代に投資されて以降、観光地がなかなかうまく作れなくて、とにかく料金勝負みたいなことがすごく多かった。そういう状態が続いてきている。
     その結果、とにかく瞬間風速を吹かせて、観光客を呼ばなくてはいけないというカンフル剤を打ちたがり、それでイベントとかそういう話になってくる。それの繰り返しで、もうそろそろそういうことをやめませんかという話になってきて、地域の価値とはそもそも何かというところや、観光協会のメンバーだけで観光地振興はできないという話になり、いろいろな業種の人とやらなくては地域の価値は生み出せなくなったが、分野を超えてファシリテートできる人材がなかなか地域にいないということで、相変わらず観光事業者だけで観光振興をやるという現状が続いている。これはニューツーリズムという観点で、エコツーリズムとかグリーンツーリズムとか、いろいろな分野の中で農業とか漁業の方、また産業観光の人とやるようになって、そんなものがマーケットにもようやく認知されつつあるので、これからは、PRプランナーの方々がもっと必要な時代になるかと思う。
  • まさに観察というのは、今キーワードと思う。モニターツアーをやって直ぐにアンケートをとると、参加者の90%の方が今回のツアーに満足と書く。それに安心して、みんな満足したで終わってしまっている。そういうことよりも、一日中駅の前に立っていた方が良いのではないか。まさに一緒に旅館に泊まるとか、街歩きを後ろから見るとかということをもっとやったほうが良いと思う。実際にある仮説を立ててモニターツアーに参加して、実際にお客さんを後ろから観察すると、本当に色々なことが見えてくる。
  • 20世紀の観光というのは、ストーリーというよりも、むしろ清水、金閣を見たい旅だったのが、今や旅もかなり掘り下げたり、地域も掘り下げたところのきらりと光る発信がストーリーとしてひっかかればいいのではないか。
  • (ストーリー作りの共創マーケティングにおいて)意見を聞くべきは、やはりその地域への愛を持っている人と、その地域を再発見して良いアイデアを出せる集団。あとは、クリエーターがディスカッションする中で色々な人の意見を聞いた後に、やはりプロが物語を作る。
  • 地域のブランドが定着するにはほぼ20年かかると思う。PR戦略ですごく大事だと思うのは、この先20年間できるかどうか。例えば、境港で「ゲゲゲの鬼太郎」をやっているが、あそこにたどり着くまでにやはり20年かけている。そうなると、今度は外部のプロデューサー的に地域に入っていく人たちも、これから新しい仕掛けをやるときに、これ20年間できますかという観点、そこで手伝えるのはどの部分なのかという観点が必要ではないか。そうなると、20年後にその地域で中心的になる人と議論しなくては全く意味がない。また、境港にしても、20年後、まだ「ゲゲゲの鬼太郎」でいけるのかというと、もしかしたらそうではないかもしれないので、そこで培ったストーリーの本質をうまく紡ぎながら、次のストーリー展開を考えていかなくてはいけないと思う。
  • 人を他県から集めるためのきらりと光るものがないのに、観光客を増やしたいと言っていること自体がナンセンス。先ずそれがあるかどうか。無いなら20年かけて作っていきましょうというコンセンサスが必要なのではないか。
  • 事業計画が全然できていなくて、初めに全然ペイしないような投資をしてしまうとか、顧客がどのくらい来るという予測が全然できていないとか、そういう問題があるところから始まっているのが現実。まずきちんとマーケティング調査しようとか、事業計画を立てましょうというところから始めなければいけない部分が大きいと思う。
  • 商品として地域ストーリーをつくるのか、地域の未来のために地域ストーリーをつくるのかで結構違うと思う。商品としてだと、例えば物を中心としたストーリーをつくって、それの背景をつくるようなことはできると思うが、それはそれで1つ商売にはなると思うが、例えば20年、30年、50年と続いていくものにはならない可能性があるなと思う。地域の未来のためにと思ったときには、多分物が最初に来なくて、本当にその地域の人がもっている生き方、それは人であったり、自然とか、そういったものも含めて、その地域が成り立っている、そして永続している生き方に触れないと、多分表面的な商品のストーリーになるのだろうなと思う。
  • 地域振興のやり方に対して、余りにも対処療法的ではないか。表面的なことばかりまねをして、例えば踊りを踊ってみたりとか、ゆるキャラグランプリで何位になるかということ自体が目的化している。(行政の)担当者がどんどんかわっていって、もともと大切にしようとしていたものが変わってくるので、(行政の)総合政策なども、それをどんどん継承していって、伝えていかないといけないストーリーとは何かというのを長期的に捉えないと選ばれる地域にならないということを、ぜひ各自治体に対して警笛を鳴らすべきではないか。
  • 何をもって地域ストーリーかとするところが大事だと思う。観光としてのストーリーをつくるのが目的ではなくて、永続的に続くような、こんなポイントがあることが地域ストーリーですというようなことが大事なのではないか。
  • 地域のDNAというか、そこは昔から続いているし、今後続いていくだろうというものが、観光地域づくりの基本だと思う。地域のコアになるものを何か見出したら、それがまちづくりとか、商品化とか、おもてなしとか、いろいろなものに反映されていくのだろうなと思う。とってつけたストーリーはだめ、きちんと土づくりからやっていきましょうということは基本原則にすべき。
以上

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最終更新日:2015年2月4日
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