経済産業省
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コト消費空間づくり研究会(第1回)-議事要旨

日時:平成27年4月7日(火曜日)15時30分~17時30分
場所:経済産業省別館11階1111各省庁共用会議室

出席者

委員
梅川 智也 (公財)日本交通公社 理事、筑波大学大学院サービス工学専攻 客員教授
占部 裕典 同志社大学司法研究科 教授
小磯 修二 北海道大学 公共政策大学院 特任教授
根本 祐二 東洋大学大学院経済学研究科 教授
松本 大地 (株)商い創造研究所 代表取締役
御手洗 潤 京都大学経営管理大学院 特定教授
保井 美樹 法政大学 現代福祉学部・人間社会研究科 教授
オブザーバー
猿渡 知之 総務省 自治行政局 地域政策課長
天河 宏文 国土交通省 都市局 まちづくり推進課長
長﨑 敏志 観光庁 観光地域振興部 観光資源課長
熊川 康弘 経済産業省 商務流通保安グループ 中心市街地活性化室長
ゲストスピーカー
井口 智裕 一般社団法人雪国観光圏 代表理事
田中 義人 倶知安町 議員

議題

マネジメント組織の財源確保等に係る事例整理(1)

議事概要

1.事務局説明(資料3)

  • 地方でのしごと作りという観点から、モノを売るだけではなく、さまざまなモノやサービスが集積した一連の体験として、コトを消費できる場を作っていく。このコト消費が行われる場となる空間には、大資本によって一体的に整備が行われる大都市やリゾート地もあるが、中小規模の事業者が多数集積した中心市街地や観光地域もあり、この場合の一体感をもたせるための面的なマネジメントが重要となる。
  • 本研究会の論点は、1)組織の事業活動とそれを支える財源確保の手法、2)組織の公的な位置づけ、付与されるべき権限と組織の活動を取り巻くさまざまな規制、制度との関係、3)組織の可能性と持続性を高めるために必要なマネジメント人材の確保、の3点である。
<討議>
  • 地方創生を背景にして、改めてコト消費について検討することの意味をもう少し明確にしたほうがよい。人口減少時代には設備投資モデルが成立しなくなるため必然的にコト消費に向かざるを得ない。これからはハード整備ができなくなるため、ハード整備とコト消費の関係が補完関係から代替関係に変わるという決定的に重要な変革の時期にあたる。
  • コト消費は制度ありきのものではなく、地域のためにどういう事業ができるのかが出発点にある。諸々の制度や仕組みの中でコト消費の活性のために何が利用できるのかという視点で事例の研究をする必要がある。そのためコト消費の財源の確保の方法としては様々な形態が考えられ、公的資金に依拠する場合も私的資金に依拠する場合も考えられる。
  • コト消費を実現する上で重要なことは、従来の観光消費とは異なり、体験的なストーリーを観光地に付加することで、訪れた観光客の滞在時間が長くなり、消費行動を多くしていけるような仕組みをつくることである。必ずしも遠隔地から人が来る観光行動だけを想定しているのではなく、地元の人が中心市街地まで出かけて時間を過ごすことも想定している。
  • コト消費の最初の課題意識としては、コト消費を個々の店舗だけでなくエリア全体を通して仕掛けられないかということがある。そのためにはコト消費をマネジメントする組織と運営資金が必要であり、それに伴い財源・制度・人材に関するいくつかの課題がある。財源の問題ばかりではないということを念頭に柔軟な検討が必要である。

2.事例報告

(1)「100年後も雪国であるために~雪国観光圏が目指すもの~」(資料4)

一般社団法人雪国観光圏 代表理事 井口 智裕 氏
  • 雪国観光圏は新潟、長野、群馬の3県7市町村の広域の観光圏として2008年から活動している。地域の民間側のプラットフォームとして、情報共有、商品造成、品質管理、プロモーションを行っている。
  • 雪国観光圏の具体的な取組事例としては、ロングトレイル、「雪国観光圏パス・テガタ」といった交通インフラの整備、雪国A級グルメや宿泊施設の認証制度といった品質向上への取組、ウェブサイトやフリーペーパー、ウェブマガジンによる広報の強化などである。
  • 湯沢町の課題として、個々の店舗が拠出した組合費が大手の広告代理店に流れ、また、観光協会の事業の構図が町の財源のお金の流れを不透明なものにしているということが挙げられる。
<質疑等>
  • 湯沢町観光協会の非会員や外資の割合について。
    (回答)非会員は5%くらい。外資については法整備が整っていないため、町(行政)の議論になりにくい。
  • 日本の法の枠組みでは全ての事業所から税金として徴収するというのは難しい。

(2)「ニセコひらふエリアマネジメント」(資料5)

倶知安町 議員 田中 義人 氏
  • ニセコエリアではFITの外国人観光客が非常に増え、それに伴い外国人をターゲットにした不動産販売が増加し、コンドミニアムが短期間に急増した。しかし、町内会に参加しているのは全体の15%で、町内会の財源不足から公共サービスの提供に支障が出ている。
  • 検討委員会を立ち上げ、治安維持、景観美化、交通インフラ、環境保全、マスタープランづくりなどのテーマに関して事業者と地域住民の利害調整を図り、ニセコひらふエリアマネジメント条例の制定が実現した。財源確保が課題で、徴収条例の制定や分担金制度の検討が進んでいる。しっかりとした法規制の下で外資との共生を図っていくことが目標である。
<質疑等>
  • 外資の参入による法人税や地価の高騰による固定資産税の増税があると思うが、それとの兼ね合いで現在考えている事業では財源的にどのくらいの分担金や法定外税が予定されるのか。
    (回答)固定資産税の税収は上がっているが、法人住民税は外国人が海外で契約するケースが多いため、なかなか上がっていない。また、固定資産税の増加に伴い、地方交付税交付金が減らされている。
  • ひらふがつくる分担金条例と市がつくる法定外税は二重に作用するのか。
    (回答)分担金ができるかは難しいところでそれに代わる財源も探している。より広域的な連携も考えられ、法定外税の議論も同時並行的にある。

(3)「分担金を用いたエリアマネジメント」(資料6)

法政大学現代福祉学部・人間社会研究科 教授 保井 美樹 氏
  • エリアマネジメントのモデルである欧米のBIDでは重点が置かれるのはほとんどの場合、パートナーシップ・公民連携であり、日本で維持管理が着目されるのとは異なる。実際の公民連携事業の多くが施設レベルのものであるが、コト消費空間づくりが目指すものは、ある程度広範で、行政事業への受身の参加というより、自立した事業ができるような仕組みづくりである。
  • 大阪市では民間主導によるインフラ整備、あるいは管理の方法が課題となり、分担金を充てられるような条例作りが行われた。
  • 公民連携のプラットフォームの一つとしてBIDもあり、ニューヨークでは財政的なインセンティブとして機能している。
<質疑等>
  • ニューヨークや大阪市のような大都市の事例は、地方都市では参考にならないのではないか。
    (回答)地域マネジメントの仕組みとしてのBIDはその都市その地域の体力に合わせて、それぞれのやるべきことをやっていくという仕組みなので、大都市だけとは限らない。
以上

関連リンク

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最終更新日:2015年6月22日
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