経済産業省
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コト消費空間づくり研究会(第2回)-議事要旨

日時:平成27年4月21日(火曜日)14時00分~16時00分
場所:ルノアール貸会議室プラザ八重洲北口3階6号室

出席者

委員
梅川 智也 (公財)日本交通公社 理事、筑波大学大学院サービス工学専攻 客員教授
占部 裕典 同志社大学司法研究科 教授
小磯 修二 北海道大学 公共政策大学院 特任教授
根本 祐二 東洋大学大学院経済学研究科 教授
御手洗 潤 京都大学経営管理大学院 特定教授
保井 美樹 法政大学 現代福祉学部・人間社会研究科 教授
オブザーバー
天河 宏文 国土交通省 都市局 まちづくり推進課長
大岡 秀哉 観光庁 観光地域振興部 観光資源課 ニューツーリズム推進官
山北 和徳 経済産業省 商務流通保安グループ 中心市街地活性化室長補佐
ゲストスピーカー
菅野 隆博 北海道釧路市 総合政策部都市経営課長
原 拓也 株式会社シグマ開発計画研究所 常務取締役

議題

マネジメント組織の財源確保等に係る事例整理(2)

議事概要

1.事務局説明(資料2)

  • 第1回研究会で発表いただいた湯沢町と倶知安町に関しては、今後、合意形成が進んでいくように省として支援していく。
  • 事務局では、コト消費空間となるための要件は、(1)コト消費に対応した個店が集積すること、(2)個店の取り組みを活かす集客のためのイベントや仕掛けが「まち」を横断して、効果的、計画的に実施されていること、(3)統一された空間的コンセプトの下に公物私物を問わず一体的な景観が形成されていること、と考えている。
  • 従来のまちづくりは人口増の社会の中でハード整備が中心だったが、これからは賑わいを創出するためのソフト面の対策にシフトする必要がある。
  • コト消費空間は観光地域づくりにも中心市街地活性化にも作用するものであり、マネジメント業務はそのどちらか一方を目標にしたものではない。マネジメント業務にはA. 個店のコト消費への転換、B. 広域的な空間の管理・活用、C. 一体感のある空間づくりの3つの要素があると考える。
  • 財源の確保に関しては、特定の受益者に対して公的制度を活用して負担を求める。イメージとしては従来の行政と民間再開発のケースの中間形態である。自主財源には、網羅性・自立性・持続性の3要素が求められる。
  • 法定外税と分担金の比較をすると、分担金の方が使途は制限されやすい一方で、法定外税の方が裁量があって利用しやすい。
<討議>
  • 第1回研究会で紹介された地域を、地域側の意識が活性化するモデルとしてフォローしていく。実際にマネジメント組織をつくるにあたり、既存の組織を利用するか、新しい組織をつくるかは当該地域の状況によって対応を変える。そのためにもさまざまなケースでの類型化が必要である。
  • コト消費から得られるキャッシュフローは大きいものではないが、コト消費が活発化することで、過去に失敗したハコ投資が生きるような波及効果を期待できる。投資の未開発地域については、コト消費はハコ投資よりも初期投資が低いため、新たな活性化の手段になり得る。
  • 財源となる資金は「とる場面」と「渡す場面」でそれぞれについて合意形成が必要である。「とる場面」では、受益者と負担者が一致するように関係を整理する必要があり、「渡す場面」では、マネジメント組織のガバナンスのあり方を検討すべきである。
  • コト消費を高めていくためにマネジメント組織がなすべきことなど、組織のあり方についての議論と、財源確保についての議論が必要である。
  • 資金を集めるにあたりレバレッジの考え方が重要であり、そうでなければ協働・公民連携が生まれない。単年度で使い切らねばならないといった従来の予算制度の柔軟化も重要である。
  • 財源の確保の方法についてだけでなく、財源を確保した後のコト消費の活発化のためにすべきことや必要な要素もより詳細に検討しなければならない。

2.事例報告

(1)「入湯税の超過課税とまちづくり」(資料3)

釧路市総合政策部都市経営課 課長 菅野 隆博 氏
  • 平成13年から財源確保の仕組みとして入湯税を導入したが、平成13年度に約170万人であった観光客は平成25年度には約97万人となり、約40%減少して財源確保が危惧されるようになった。
  • 独自財源研究会や宿泊客へのアンケート調査を通じて、一般の宿泊者(1人1泊)に対する入湯税を150円から250円に引き上げることとした。ただし、奢侈性の低い宿泊施設には軽減措置を導入し、奢侈性の判断はサービスの質の差異で行うこととした。
  • 入湯税の課税対象は入湯者であるため、エリアを区分して課税することはできない。
  • 引き上げ分の入湯税は年間48,000千円を見込んでおり、具体的な使途として、(1)国際観光地環境整備事業(フォレストガーデン整備事業、まちなか活性化事業)、(2)おもてなし事業(まりも家族手形、無料の循環バス)がある。
  • 入湯税引き上げ分については、釧路市観光振興臨時基金として積み立て、NPO法人等に補助金として支出し、NPO法人等が阿寒湖温泉で実施する観光振興事業に使う仕組みである。
<質疑等>
  • 阿寒湖温泉のリピーター率は高いのか。コト消費という観点で重要なポイントであり、観光客から得られたものを、観光客に対して還元していくストーリーが大事。そのことで投資などの財源確保の効果の可能性も得られると感じる。
    (回答)リピーターは、数値は取っていないが少ない。団体旅行客に依存しているホテルは、特に客数の変動が大きい。以前、阿寒湖はマリモ中心の観光であったが、阿寒湖の自然資源などを活用し、リピーターを増やす必要がある。
  • 入湯税について、奢侈性の低い施設の課税軽減措置については、何を根拠にしているのか。地方税法の第6条第2項を根拠にしているのか。課税対象はどのように考えているのか。
    (回答)根拠はそのとおりであるが、受益者をどう定義するかが問題で、釧路市では国際観光ホテル整備法を根拠とし、サービスの質に対して課税を行うという整理をした。課税対象は入湯行為であり、宿泊や食事などによるサービスの質の差異を奢侈性として評価し、課税対象を定めた。
    なお、課税については、地元に対して税収の使途を明らかにすることが重要であるため、域内全ホテルに通知を出すなどして、理解に努めた。
    (回答)年間4,800万円の税収を見込んでおり、安定的な仕組みを作れたと考えている。また事業者の意識も高くなっている。もともと入湯税は、地方自治体の財源確保の施策として導入されたものであり、その意味では一定の効果があると考える。
  • 将来的に市町村合併を検討する際に、今の入湯税の問題が課題とならないか。
    (回答)周辺地域には、国際観光ホテルはそれほど多くない。入湯税で市町村合併ができなくなると本末転倒になるので、課税対象の問題などを含めて慎重に進める必要がある。
  • 入湯税の導入時から、仕組みの変更などはあったか。変更するときの悩みなどはあったか。
    (回答)入湯税は、観光振興を目的としており、観光振興臨時基金として積み立てた。その範囲内の目的で使途している。今後の10年間についても、納税者、市民に説明しながら進めていく。
  • 釧路の入湯税について補足説明すると、当初自治体は財源が少なく、財源確保の手段として、観光振興を目的とした入湯税を導入した。当初は、一部のホテルなどが反対したが、各事業者への入湯税の間接的な効果を説明し、導入に至った経緯がある。

(2)「鎌ヶ谷駅東口駅前プロジェクト~地権者主体のNPO法人による官民施設の一体管理・運営~」(資料4)

株式会社シグマ開発計画研究所 常務取締役 原 拓也 氏
  • 鎌ヶ谷市の土地区画整理を通じたマンション開発と管理手法に関する報告。地権者の合意形成のために13名のメンバーによるNPO法人KAOの会を結成し、勉強会などを実施した。
  • KAOの会の方針として、(1)官民施設を一体的に管理する組織として、駅前広場の日常的な管理(清掃、植栽など)、(2)継続的に運営するための収益源の確保、(3)管理運営に対する市民参画の仕組みを作ることを目的とした。
  • 先行的に行ったBブロックの開発事業では、匿名組合を作り、等価交換を組み合わせ、分譲事業利益を上げ、KAOの会の基金とした。
  • NPO法人KAOの会の事業としては、地権者所有床の管理業務を収益事業として受託し(約180万円/年)、マンション居住者からも景観維持管理費(約60万円/年)の負担を得て、美観活動を行っている。
<質疑等>
  • NPO法人の事務局の体制はどのようになっているか。
    (回答)事務局長はこれまで交代性であり、現在は3代目である。理事は基本的には地権者である。KAOの会に入会していないがボランティアとして参加する者も多数いる。
  • 収支構造や組織マネジメントについて、仕組みの導入時から変更はあるか。
    (回答)収益の一定比率を基本としているが、資産価値の軽減など状況に合わせて対応している。管理費はマンションの交流プログラムなどに使うが、居住者の高齢化、子育てなどで変わる可能性もあり、ニーズに合った価値を提供できなければ、事業内容を変更する必要がある。
  • 事業は課税対象か。匿名組合とはどのようなものか。匿名組合とNPO法人との関係、床の所有と地権者との関係について確認したい。
    (回答)税についてはすべての事業が課税対象になる。匿名組合は、分譲マンションの事業者(不動産業者)である。床については、マンションの販売後は、1~2階は地権者5名の所有で、3階以上はマンション購入者の所有である。
以上

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最終更新日:2015年6月22日
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