経済産業省
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コト消費空間づくり研究会(第5回)-議事要旨

日時:平成27年6月11日(木曜日)14時00分~16時00分
場所:経済産業省本館1階西共用会議室

出席者

委員
占部 裕典 同志社大学司法研究科 教授
小磯 修二 北海道大学 公共政策大学院 特任教授
根本 祐二 東洋大学大学院経済学研究科 教授
保井 美樹 法政大学 現代福祉学部・人間社会研究科 教授
オブザーバー
大井 裕子 国土交通省 都市局 まちづくり推進課 まちづくり企画調整官
大岡 秀哉 観光庁 観光地域振興部 観光資源課 ニューツーリズム推進官
熊川 康弘 経済産業省 商務流通保安グループ 中心市街地活性化室長

議題

組織の権限と規制・制度、人材確保に係る検討

議事概要

1.事例報告

「REVICの観光まちづくりの基本的考え方と佐賀県有田町における取り組みについて」(資料2)
株式会社地域経済活性化支援機構
ディレクター 大田原 博亮 氏

  • 株式会社地域経済活性化支援機構(REVIC)は、内閣府に属する機構で、観光活性化ファンドを地域ごとに作り、REVICの職員が地域に実際に入り込み、地域活性化の業務を行っている。
  • 現在、多くの観光地の事業者が負債を抱え、地域経営の負のスパイラルに入っている。この状況に対し、REVICでは、事業性を見ながらリスクマネーを供給すること、新しい事業モデルを導入して地域活性化にきっかけを与えることに取り組んでいる。
  • 観光活性化ファンドは、初期投資と長期運転資金とからなるが、この他に補助金も活用し、設備等の整備も行う。
  • REVICの事業では、地域の経営体を作るために、まちづくり会社を設立するケースが多い。実情として地域の事業体は疲弊しており、投融資が難しく、まちづくり会社を通してきっかけづくりをしていく必要がある。まちづくり会社の主な機能として、(1)商品企画・発信機能(観光商品づくり等)、(2)不動産管理機能(不動産の購入や賃貸借)の2点がある。有田の場合では主な事業は、(1)イベント事業、(2)直営(飲食・宿泊等)事業、(3)不動産管理事業、(4)公益事業、(5)陶磁器流通事業、の5つを想定している。
  • プロフェッショナル人材については、REVICでは様々な分野の専門家を抱え、観光分野でも10名ほどの観光専門家が社員又は業務委託で従事している。これらの人材を、まちづくり会社や事業者に派遣する。専門家が地域に入り当事者として実務を行い、経験学習(OJT)を通じて地元人材を育てていく。

<質疑等>

  • 窯元や旅館等で事業を行いたい者には、観光活性化ファンドから資金を出す予定。・経営の苦しい事業体が多い状況下で地域活性化に取り組むには、不動産管理(サブリース等)事業で街並みを整備する基盤を作り内外からテナントを誘致することが打開策となる。サブリースの物件については、REVICが地元の商工会議所等と協力して、物件をロングリスト化して、物件調査や所有者に意向を確認し、活用計画を検討している。
  • 支援を希望する地域に対して、REVICが重要視しているのは、地域の人材である。REVICの事業は7年間を期限としているので、その後地域づくりを担う、やる気と覚悟がある人材が最低2名程いることが鍵となる。また地元行政機関や地域の金融機関との連携体制も重要である。
  • 新規事業に伴うトレードオフに留意している。例えば、旅館が多い地域で完全に顧客層がバッティングする宿泊業をまちづくり会社が行うと町の反感を買う。有田の場合はもともと観光地ではなく、窯業の生産地であったので、新規で宿泊や観光プログラムを事業化する際にはトレードオフは生じない。
  • 地方創生の流れの中で、金融機関のスタンスが変わってきている。通常は担保に基づく融資が基本であるが、事業内容を評価した上で必要最小限の担保によるリスクマネーの供給が可能な状況が生まれてきている。
  • 地域の事業者への波及効果について、有田は窯元が多いため、窯元が来訪客を受け入れ、陶磁器を販売することで収益を上げる効果も目指している。
  • 有田まちづくり公社では、営利を目的としていないが、妨げるものではない。利益が上がれば、次の事業に投資することを考えている。配当は、利益が上がれば行うことを想定している。

2.事務局説明(資料3)

  • コト消費のマネジメント人材に求められる能力は、リーダーシップ、マネジメント、マーケティング能力などがある。体系化された知識の習得のみでなく、現場の実践で必要な企画、管理能力をOJTで養っていく必要がある。そのための場の提供やメンターの確保も必要となる。
  • エリアマネジメント事業の財源について、(1)公共物管理業務からの指定管理等の委託料、(2)BtoC、BtoBサービスからの事業収益、(3)エリマネ協働事業のための税・分担金、などが考えられる。
  • 観光等マネジメント組織のPLを分析すると、総収入額に対する人件費の割合は、概ね30%くらいである。税・分担金を財源にすると、マネジメント人材1名の人件費を800万円と仮定し、総収益に占める税・分担金の割合を50%とすれば、単価100円で13万人、単価200円で7万人からの徴収が必要となる。
  • 現在の地域活性化等の外部人材の派遣制度は、フルタイムに近い形で、地方創生人材支援制度、地域おこし協力隊などがある。その他、講師や専門家の派遣制度が7つほどある。
  • コト消費空間づくりに関連する規制について、公共空間活用のための法規制や、関係者との合意形成がある。そのためマネジメント組織は、(1)経験とコミュニケーションを備えた人材の確保、(2)安定的な財源の確保、(3)地域を代表する公的な位置づけと権限の付与、が必要となる。
  • 諸規制に対しては、法律レベルの規制、条例レベルの規制、現場レベルの規制がある。法制度が規制緩和されていても、現場で実施されていないこともあるので、事例を積み上げ、対応策を体系化していく必要がある。

<質疑等>

(1)人材確保について
  • アメリカのBIDでは、人件費、諸経費を安定的に確保し、スタッフが事業に専念できている。コト消費では、事業費の確保に加えて、民間の発意とともに、新しい公共性を説明できるロジックが必要ではないか。
  • 地域おこし協力隊を例にとると、地域の担い手としての定着率が高い。やる気と経験のある人材を地域づくりの担い手として確保していくための制度的な議論が必要となるだろう。
  • 財源確保の方法について、来訪者への課税(法定外税)だけでなく、他の財源と組み合わせる方法が妥当であろう。一方で、初期資金の確保も議論していく必要がある。事業が軌道に乗れば法定外税による安定財源の議論に繋がっていくと考えられる。
  • 地域に税収が増えると人件費にも反映させるという仕組みは、人材確保の観点から望ましい。成果に応じたリターンを提供していく仕組みを作っていくことが求められる。
(2)規制への対応について
  • ツールド北海道では、道路の使用許可、占有許可は、担当行政が別々で手間がかかるが、警察の許可申請は一つの窓口で済むようになっている。地域の活性化に向けて、行政の体制が改善されているので、コト消費においても政策的な規制緩和を打ち出していけるとよい。
  • 規制緩和に加えて、権限委譲が必要となる。地方自治体が権限を持ち、コト消費のマネジメント組織が必要な権限を付与される仕組みが求められる。また、収集した財源の使途方法を決定できる権限も必要だろう。例えば、市川市の1%支援制度は、市民税の1%を指定する市民団体に寄付できる仕組みで、個人レベルの目的税となっている。
  • アメリカのBIDでは、空間そのもの(広場など)の民営化を目指し、まちづくり団体が管理している。行政と融合した事業(警察+治安維持等)も行っている。
  • 指定管理者制度ではハコの管理は委任できるが、コト消費の機能は委任できない。機能づくりの委任、地域を盛り上げる業務を委任できないか検討している。
  • 現行法のままでも、指定管理者が道路を一体的に管理する中で、使用許可も行い、イベントを行うこともできる。現行法でできることも検討していくべきであろう。
以上

関連リンク

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最終更新日:2015年8月11日
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