経済産業省
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新クレジット制度の在り方に関する検討会(第1回)‐議事要旨

日時:平成24年4月16日(月)15:00~17:00
場所:全国都市会館第1会議室

出席者

茅委員長、新美委員長代理、大塚委員、小林委員、荘林委員、田海委員、新澤委員、松橋委員、宮城委員、椋田委員

議事概要

1.挨拶等

  • 茅委員を委員長に、新美委員を委員長代理に選出。
  • 出席委員から一言ずつ挨拶。

2.事務局からの資料説明

事務局から、本検討会の設置及び運営方法について、国内クレジット制度の概要、J-VER制度の概要、検討会における論点等の例、アンケート調査案について、資料に沿って説明。

3.委員の発言要旨

  • 新クレジット制度の在り方として、環境十全性及びクレジットの信頼性を確保することが重要であると考える。他方で、制度を活発化させていくためには、使い勝手にもある程度配慮する必要がある。
  • まず、経団連の低炭素社会実行計画との関係、森林吸収源の取扱いが大きな論点となると考える。
  • 新設プロジェクトの考え方は、ベースライン・アンド・クレジットの考え方を徹底するか、実排出量を考慮するかという哲学的な問題であり、きちんと議論すべき。また、審査機関による審査の保証水準、地方自治体との連携が論点として挙げられる。
  • 移行措置については、両制度に参加してきた事業者が不利益を被ることがないよう十分に配慮してほしい。
  • J-VER制度の特徴として、森林由来のプロジェクト(吸収系プロジェクト及び排出削減系のバイオマス関係のプロジェクト)が認証量ベースで全体の97%を占め、地域偏在性がなく、「地産」「地域分散」ということを示している。
  • J-VER制度の森林系プロジェクトによって、温暖化政策の推進に加え、地域経済の活性化、木質バイオマス資源(林地残材)の有効活用等が推進できた実績がある。被災地の復興にも貢献できるものであり、また、これまでの取組を水平展開していくことも可能である。
  • クレジット活用側でも、イベントでの活用や商品の販売促進等により、収益の増加だけでなく、企業イメージの向上や社員教育にも役立っている。温暖化対策条例における企業の削減目標に使えるようにしている自治体もある。
  • 新クレジット制度の課題としては、クレジットの需要の拡大、クレジット市場の確立、両制度のバイオマス関連の方法論の整理、COP17で合意された伐採木材製品の取扱い、国際展開等が考えられる。
  • これから検討する新クレジット制度は、シカゴ気候取引所(CCX)で扱われているボランタリークレジットに近いと思われるが、ボランタリークレジットの意味合いを十分に議論し、整理する必要があるのではないか。
  • 日本では、農業分野の排出割合は小さいが、世界全体では非常に規模が大きい。我が国は農業分野における排出削減に係る知見の蓄積があることから、海外の排出削減にも貢献できる。また、農業分野の排出削減・吸収事業には、温暖化対策だけでなく持続可能な農業の確立といったコベネフィットの効果もあり、市場に対する厳格性を失わないようにしながら、農林水産業者が取り組みやすい制度にし、着実に進めていく必要があるのではないか。
  • 新潟県では、平成21年度から間伐による森林吸収プロジェクトを扱う都道府県J-VERを運営している。この制度を活用し、中山間地域の経済の活性化が図られている。
  • 森林吸収プロジェクトにより地域経済を活性化する観点から、新クレジット制度においても都道府県J-VER制度と森林吸収プロジェクトの継続をお願いしたい。
  • 新クレジット制度における方法論の調整は大変な作業になると思うが、J-VERの方法論の特徴をご紹介させていただくと、保守性という観点から、更新プロジェクトに限定していること、ベースライン排出量は既存の施設の最大容量を上限としていること等が挙げられる。新設プロジェクトを対象としなかった理由としては、京都議定書の目標の下で、本来多くの主体が何らかの義務を負っており、施設の新設の際には、できる限り高効率性のものを入れるべきであり、そこにクレジットを生む余地はないという解釈があったのではないかと理解している。
  • 方法論の調整については、新設・増設プロジェクトの取扱い、追加性の考え方、ダブルカウントの防止が論点となるのではないか。
  • 現在日本が置かれている状況を踏まえると、2013年度以降の環境政策は、これまで以上に環境と経済の両立を図ることが非常に重要である。
  • 森林吸収プロジェクトは、排出削減プロジェクトとは異質なものだと考えるが、制度の活性化という観点からは、同じ制度に位置づけるのが望ましい。
  • 森林吸収プロジェクトによるクレジットの地産地消のみならず、排出削減プロジェクトにおいても、同様に地産地消が大事だと考えており、地産地消を推進するにあたっては事業者に近い地方自治体の役割が重要になってくるのではないか。
  • CDMでは、制度を厳しくしすぎてしぼんでしまった例もある。
  • 運営体制については、テクニカルな問題なので、各省で検討いただけるとありがたい。
  • 事業者の利便性という観点から、国内クレジット制度とJ-VER制度を統合することに賛成である。新クレジット制度では、企業の温暖化対策を後押しする使い勝手のよい制度にしてほしい。
  • 2013年度以降、経団連では、現在の自主行動計画に続く新たな計画として低炭素社会実行計画を策定することを想定しており、クレジットの活用先の一つとして位置づけることが重要であると考える。また、CSR活動への利用も視野に入れた制度設計をすべきと考える。
  • 国内クレジット制度では、主に中小企業及び家庭部門の排出削減を進めることを目的とし、それをより一層推進するための仕組みとして、プログラム型排出削減事業等の仕組みが整備された。新クレジット制度においても、これらの仕組みを継承してほしい。
  • 利用者の立場から使いたいものであることが重要であり、活用先を広げる方向でクレジットに種類があっても良いのではないか。
  • また、活用先に制限を設けつつ排出削減事業者の間口は広げておくことも重要であると考える。
  • 中小企業のインセンティブを確保する観点から、新設プロジェクトは新クレジット制度でも対象にしてほしい。
  • 新クレジット制度が国際的に評価される取組とするためには、ISOを視野に入れた制度設計が望ましい。他方、制度を活性化する観点からは、信頼性と確実性に加え、利便性を重視する必要があるため、保守的でありつつ手続きは簡略化されたポジティブリスト方式のような制度設計とするのが望ましいのではないか。
  • 一般の消費者は、いろいろな評価軸でかなり中身を見ているので、消費者が魅力を感じるような、それぞれのクレジットの特色を出すような目印をつけるのも一案ではないか。
  • 各委員の発言を踏まえ、国内クレジット制度とJ-VER制度の統合を前提として議論を進めたい。
  • 新クレジット制度の在り方としては、使いやすく適用範囲を広いものにすることに関心があると承知したので、国際的な整合性や、地方自治体との連携も視野に入れつつ、方法論の見直しなどを議論したらよいのではないか。
  • 各委員から頂いたご意見については、今後事務局で整理して、次回以降の議論の基本とさせていただく。

以上

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最終更新日:2012年4月24日
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