経済産業省
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新クレジット制度の在り方に関する検討会(第2回)‐議事要旨

日時:平成24年5月14日(月曜日)14時~16時30分
場所:経済産業省別館1028会議室

出席者

茅委員長、新美委員長代理、大塚委員、小林委員、荘林委員、田海委員、新澤委員、松橋委員、宮城委員、椋田委員

議事概要

1.制度参加事業者等アンケート調査結果

事務局から、制度参加事業者等アンケート調査結果について、資料2に沿って説明。

2. 制度参加者からのヒアリング

  • 東京農業大学農山村支援センター、イオン株式会社、三菱UFJリース株式会社、全日本トラック協会から、資料3-1~3-4に沿って説明。主な質疑応答は以下のとおり。
  • 「お客様にとって自分事に感じられる身近さ」とは具体的にどういうことか。
    →例えば、機能性インナーを購入してエアコンの温度を上げ、地球温暖化対策への貢献というコベネフィットや自分たちが主体的に貢献しているということをわかりやすく伝えることなどが考えられる。
  • 山林全体の収入の中で、クレジット収益は、どれくらいを占めるのか。
    →売却価格やプロジェクトの規模にもよるので一概に言えないが、林野庁等からの補助金が整備費用の約7割であるので、めどとして残りの3割に貢献するようになればありがたい。
  • GIOによる買取制度について、価格の固定化により事業者の立場からはリスクヘッジになるというメリットになるのではないか。
    →対策を実施する事業者にとってはそうだが、色々な人が購入して、クレジットの市場を活性化させるという観点からすると、価格が決まっているという状況はよくないと考える。
  • 自主行動計画の参加者も対象者とすることについて、具体的にどのようにするのがよいと考えているか。
    →自主行動計画においては、個々の運送業者がエコカーを導入するなどに重点があるが、今後は荷主と協力して車をいかに効率的に運用していくかが重要になる。そうしたときに、自主行動計画に参加しているために国内クレジット制度が使えないという問題になるので、分けて考えていただきたい。
  • 分かりにくい制度という課題の中、クレジットを活用する際に、どのように基本政策を立て、浸透させてきたか。
    →2008年に出した温暖化防止宣言の4つのうち1つに排出量取引を掲げていた。事業活動に伴う削減が最優先であるが、国内の制度に関与していくということも重視し、まず商品に着目して、地域貢献のニーズに応じてきた。
  • 安いクレジットでオフセットしたいというニーズ、安いクレジットを調達してきてほしいというニーズはあるか。
    →事業活動との親和性を最も重視したが、大規模な取組であったので、価格も考慮した。
    →ストーリー性を重視される方が多く、安いものをというニーズはあまりない。
  • 自主行動計画参加者については何らかの対応を考えること、クレジットの種類によって価格が異なることについて検討が必要であると理解した。

3.新クレジット制度の在り方について(骨子案)

  • 事務局から、新クレジット制度の在り方について(骨子案)について、資料4に沿って説明。委員からの主な意見は以下のとおり。

運営の体制について

  • 運営の体制については、委員会の数、委員の構成、第三者機関がバリデーションとベリフィケーションの両方やるのか、機関としての要件をどのようにするか、モニタリングにおいてどの程度の簡素化と信頼性を確保するのかが論点となり、MRVと併せて考える必要ある。どの程度厳密にやるのか、簡素化するのかという基本的考え方を整理したうえで考えていく必要がある。

制度の対象者

  • 自主行動計画との関係については、ダブルカウントの問題というより、ベースラインの考え方の問題。自主行動計画の目標がベースラインであり、そこまでは自力で削減を行うべきなので、クレジットを生む余地はないが、目標以上に削減したということであれば、クレジットが認められるということではないか。
  • クレジットの区別については、わかりやすさを考慮すべきではあるが、区別を考えるとすれば、自主行動計画の参加者が創出するクレジットは、別の種類のクレジットということになる。
  • クレジット制度が自主行動計画に参加することのディスインセンティブにならないようにしてほしい。

環境価値の正確な把握と事業者の利便性のバランス

  • 環境価値の二重使用に関して、クレジットを二重に売っているわけではないので、売り手側も減った後の報告をしても結論としては問題ないのではないか。
  • 温対法の報告はそのままの運用でよいと思うが、少なくとも売り手側で備考欄に記載するといった措置は必要。目標達成計画については、効果を足し上げていないので大きな影響はないと思うが、売った側は削減効果に充てないという計算をするということについて、注書きは必要でないか。
  • 制度の信頼性という観点から、この会議において、ダブルカウントは起こっていてもいいという結論にならないようにすべき。
  • 2013年以降の政府の目標計画における森林吸収源の扱い等が明確になった時点で考えていくのがよい。
  • 温対法の報告について、当面は、備考欄への記載によって情報開示を行うということでよいのではないか。
  • 自主行動計画に参加している製造業者が、オフィスや物流部門で削減活動を行うなどの場合にはダブルカウントにならないと思うので、企業単位の参加・不参加ではなく、自主行動計画の削減目標との関係での整理もしてほしい。

クレジットの活用先

  • 排出削減系のうち低炭素社会実行計画に使えるもの、CSRやオフセットに使われるもの、森林吸収系の3つの色に分けて、1つの制度の下に置くのがよい。森林吸収系は、防災等の意義もあるため性質は異なるものの、1つ傘の下で、オールジャパンでやっているという説明が必要。
  • 価格が異なる実態を考えると、森林吸収系クレジットは別の種類のクレジットと考えたほうがいいのではないか。
  • 海外のクレジット制度を見ると、キャップ・アンド・トレードに外部クレジット制度がくっつくという形が主であり、ボランタリーな制度は別枠となっている。自主行動計画は正式なキャップではないが、形態としてはそういうニュアンスがあるものと、ストーリーが重視されるCSR目的のものが新制度では一緒になる。安ければいいというコモディティとしての商品と、ラベリングのされた商品が混ざり合う制度となる。両者に区別を付けないとすれば、ラベルのついた商品の価格がコモディティの価格に影響を与えるため、色をつけるというのはアイデアとしてよいと考える。
  • 継続性やわかりやすさ、信頼性の確保という観点から、森林吸収系も同じ枠組みで認めてほしい。森林吸収プロジェクトの中でも価格は様々であり、十分社会の中で受け入れられている。
  • 森林吸収系クレジットも何らかの形で企業が使えるようにしてほしい。
  • 森林吸収プロジェクトをクレジット制度にどう取り込んでいくかは、2013年以降の森林保全に民間資金をどう活用するかという政策的な方向性次第である。

方法論及び対象プロジェクト

  • 排出削減の取組を促す制度であるので、柔軟性を持って考えるべきであり、新設を認めること自体は、制度の趣旨と矛盾することではない。問題はどの程度のベースラインを設定するのかということ。
  • ベースラインの設定が大切だというのはもちろんのことであるが、制度の発展性の観点からも新設は認めてほしい。
  • これまでの実績を活かしポジティブリスト化するのは賛成。ただし、新たな方法論について、リストに掲載がないことを理由に排除するのではなく、実績ができれば速やかにリストに掲載するという方式にすべき。
  • ポジティブリストに関連するかもしれないが、最近のJ-VER制度でもイージーオーダーが多くなっている。
  • 競争相手になる海外の制度を考慮し、CDMや、自主的な制度であればVCSの方法論との比較を視野に入れる必要があるのではないか。
  • 係数については、削減活動が報われることが重要。
  • 現行の移行限界電源方式を維持すべき。

地方公共団体との関係

  • 全てを中央政府でやるのではなく、地方公共団体でやることも構わないが、方法論は国のものを尊重してほしい。また、データベースは一元化して統一的な管理をするとともに、海外にも情報発信できるようにすべき。
  • 都道府県J-VERは、国の方法論やガイドラインに従って、国の制度の枠組みの中で行っているものである。地方の事業者にとってのメリット、地方の特性を活かしたクレジットの創出、首都圏から地方への資金の還流など優れた点があり、こうした仕組みは引き続き継続してほしい。
  • 都道府県J-VERはJ-VERと品質は同列と考えているので、温対法の報告に使えるようにしてほしい。
  • 新クレジット制度において、都道府県の取組を進める場合には、都道府県J-VERの立て付けを参考にできる。一つの都道府県だけではなく、広域化ということも検討していってはどうか。

制度の終期

  • エネルギーに関する機器の償却は約10年のサイクル、森林になると40年以上というサイクルになるので、2020年に近づいた際に、プロジェクトが止まってしまうことのないよう配慮が必要。
  • プロジェクト期間をどうするのか、クレジット期間をどうするのか両方の点から検討する必要がある。

その他の論点

  • 事務手続の簡素化について、どのように簡素化していくのか明確に記載してほしい。
  • 登録簿上でそれぞれのクレジットのストーリーがわかる設計にしてほしい。
  • マーケットと一言で言っても、コモディティとして流通するマーケット、地域的なマーケット、プレイヤーが限定されたマーケットなど複層的であり、それを踏まえた制度設計が必要。
  • 登録簿は、一覧性のある部分と詳細がわかる部分とを分ける必要がある。クロスレファレンスや方法論のファイリング、簡単な検索などができるように構築する必要がある。

以上

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最終更新日:2012年5月18日
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