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高速炉開発会議(第4回会合)-議事要旨

日時:平成28年12月19日(月曜日)9時15分~9時35分 
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

世耕 経済産業大臣(議長)、松野 文部科学大臣、児玉 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構理事長、勝野 電気事業連合会会長、宮永 三菱重工業株式会社代表取締役社長 等

議事概要

冒頭、世耕大臣、松野大臣から以下のような冒頭発言があった。その後、議長である世耕大臣の司会で議事が進行した。

  • 高速炉開発会議は4回目となる。これまで3回の議論を通じて、事業者や外国政府との対話も行いながら、「国内に蓄えられた技術や人材の厚み」と「世界からの高い期待」を確認してきた。これまでの議論の成果をしっかりと踏まえ、「高速炉開発の方針」の案をとりまとめたい。
  • これから大事になるのは、「常陽」や「もんじゅ」の開発で培われた人材を、日本としてどう活かしていくのかという視点である。過去20年余りの間、世界の高速炉開発は、様変わりした。ロシアやフランスは開発を加速し、中国やインドも新たに加わって、二国間や多国間での国際協力が拡大している。すなわち、人材の活躍の舞台は、国際協力プロジェクトに大きく広がっている。日仏協力を国内施設の活用とも組み合わせ、世界最高レベルの技術力の礎を固めていきたい。
  • これから先も技術と人材を磨いていくには、研究者がメーカーや電力会社と共に切磋琢磨する場が必要となる。高速炉開発の中核を担うチームを組成し、「戦略ワーキンググループ」において、年明けから高速炉開発の「ロードマップ」の策定に着手する。これが新たな取組の第一歩となる。
  • 開発体制を組み直す上で、「もんじゅ」の教訓をどう踏まえるのかという点も欠かせない。「責任の自覚」と「連携の強化」をキーワードとしてお示ししてきた。これからは、政府、メーカー、電力、研究機関の各者が相互に壁を作らず、責任関係を一元化して連携する体制を構築していきたい。
  • 高速炉開発は、我が国の将来に欠かすことのできない、重要なプロジェクトである。新たな方針案では、目標を高く掲げ直した。ここに示す大きな方針の下で、我が国の高速炉開発を一歩も二歩も前に進め、開発に携わっている人々に、確かな希望を感じてもらいたいと思う。ここに集まるメンバー各位におかれては、これまでの議論を通じて、高速炉の実現に向けて、これからも情熱を注ぎ、強いコミットメントを続けていく意志をお示し頂いてきたと思っている。そうした皆さんの思いをしっかりと受け止め、とりまとめの議論を進めたい。
  • これまでの高速炉開発会議において、文部科学省からは、原型炉「もんじゅ」によって得られた成果や教訓、「もんじゅ」を再開する場合に要するコストや期待される成果などを紹介し、私からは、国内における高速炉に係る技術開発の基盤を、適切に維持・活用すること、高速炉の実用化に向けて、この分野での優秀な技術者・研究者を育成・確保すること、我が国の核燃料サイクル政策に、これまで多大な協力をいただいてきた、「もんじゅ」の立地自治体のご意見にも十分に配慮することなどの重要性について発言をしてきた。
  • 本日の会議で、これらも踏まえて、我が国における高速炉開発の在り方について、様々な観点から検討が加えられ、「高速炉開発の方針」案が取りまとめられることとなった。我が国の高速炉開発を再び加速させ、現在、高速炉開発に携わる技術者・研究者が、将来に向けた展望を実感できる、実現可能かつ説得力のある「高速炉開発の方針」案となることを期待している。

議題1:「高速炉開発の方針」の案について

事務方(資源エネルギー庁、文部科学省)から資料を説明。その後、以下のような議論があった。

  • 皆さまに御議論いただいたとおり、放射性廃棄物の有害度の低減や、我が国のエネルギーセキュリティ問題を解決するために、また、保有するプルトニウムを消費する解決策として、高速炉及び高速炉サイクル技術は非常に有効であり、将来的には、必要不可欠なものである。この前提の下、原子力機構は、国の研究開発を担う主体として「常陽」、「もんじゅ」をはじめ、多くの技術開発に取り組んできた。
  • 特に「もんじゅ」については、我々の保守管理の問題等から、長期にわたり運転できていない状況にあり、誠に申し訳ないと考えているが、一方で、これまでの設計、建設、運転・保守管理を通じて、一定の成果を上げてきており、さらに再稼働が出来れば、実証炉の安定稼働、経済性などに直結する、有用なデータや知見を取得可能となり、実証炉・実用炉へとつながる開発の近道と主張してきた。
  • しかしながら、東日本大震災、東電福島原発事故以降は、我が国の原子力を取り巻く環境が大きく変化し、高速炉についても実証炉以降の見通しが不透明になったが、そうした中で、高速炉開発会議において、実証炉以降の開発に向けた議論がなされ、議論の中で、「もんじゅ」再開に関わるハードルや不確実性が非常に大きいこと、および、新たな方策を持って代替しうるということ等が報告された。
  • この「もんじゅ」を使わない開発方針には、未だ不確実な部分があるとは考えるが、実証炉に向けて、国と民間が一体となって、今後、開発を推進するという共通の目的を確認した事は、非常に重要な意味を持っていると考える。
  • また、今回示された方針案については、将来の実証炉の実現に向けて、関係者が一致してとり進めていくための目標やロードマップを設定し、強い連携の中でこれからの高速炉開発を積極的に推進する方針が示されたものと理解している。
  • 方針の中では、様々な技術課題を克服するためのいくつかの具体的方策が示されたが、機構としても、研究機関としての知見をフルに活用し、機構が有する研究基盤としての人材や施設を最大限に活用し、今後の高速炉開発に貢献していきたい。
  • また、これまで御支援をいただいてきた地元に対しても、研究開発や人材育成を通じた地域振興を通じて、今後とも貢献していきたいと考えている。
  • これまで4 回に亘り、集中的に議論をさせていただき感謝。震災以降の停滞していた高速炉開発の歩みを一歩先に進める方向性について議論がなされたものと思う。特に、高速炉開発方針として、「昨今の状況変化によっても、開発の意義は何ら変わるものではない」と、関係者で合意できたことが大きな成果であったと考えている。
  • これまでの議論から、高速炉開発を前に進めていくためには、国、研究機関、電気事業者、メーカーのそれぞれが「責任を自覚」し、「連携を強化」していくことが大切である。その中で、我々中核企業に対しては、「技術・人材両面での一層の能力向上を通じた開発への貢献」について、御期待を頂いている。
  • 我々としては、この御期待に応えるべく、国をはじめ、関係者の方々と連携して、年明け以降のロードマップ策定作業に積極的に貢献していくとともに、国内プロジェクト、及び国際協力を通じ、更なる知見の獲得、技術・人材の涵養に努めていきたいと思っている。
  • 福島第一原子力発電所事故以降、電力自由化やシステム改革など電力を取り巻く環境は厳しさを増す一方で、高速炉開発においても、FaCT(高速炉サイクル実用化研究)凍結など、その開発の道筋が見えにくい状況にあった。
  • このような状況の下で、今回の高速炉開発方針は、国を挙げて高速炉開発を推進することを改めて宣言し、そのために戦略ロードマップ策定を決めるなど、大きな第一歩であると言える。
  • これまでの会議においても、我々電力会社は、軽水炉事業者として、持てる知見・経験を高速炉開発に資するため、積極的に検討に参画していくことを述べた。年明け以降設置される戦略WG等でのロードマップ策定に当たり、まずは取り組むべき開発目標の明確化において、軽水炉事業者としての経験を活かし、検討に積極的に関わっていきたいと考えている。
  • 東電福島原発事故以後、不明確になっている、実証炉以降の開発の道筋が示されたことは、大変重要であると考えている。
  • 「高速炉開発の方針」案の中で、「もんじゅ」については、設計・建設・運転保守を通じて、高速炉に関する技術的知見や人材基盤等を蓄積してきており、今後の高速炉開発に向けて、こうした資源を徹底活用していくこととされた。
  • 一方で、「もんじゅ」の再開によって得られる知見については、「再開に要する期間や費用、今後の不確実性等に鑑みれば、「もんじゅ」再開によらない新たな方策によって獲得を図る」こととされた。
  • 大変難しい判断ではあるが、様々な観点から検討を行った結果、このような方向性となったことを踏まえ、「もんじゅ」の取扱いの方針案を明らかにすることとする。
  • また、長年にわたり「もんじゅ」を支えていただき、我が国の核燃料サイクル政策や高速炉開発に多大な協力をいただいてきた立地自治体の皆様に対しては、「高速炉開発の方針」に沿って、高速炉開発の新たなステージに進んでいくことを、私としても丁寧に説明していきたいと考えている。
  • 文部科学省としても、実証炉の実現に向けて、実効性のある「戦略ロードマップ」が策定できるよう、地元のご意見も踏まえつつ、しっかりと役割を果たしていく。
  • この会議の使命は、今後の高速炉開発の大きな方針・道筋を示すと同時に、今後技術的な見地からより一層具体的な計画を作り込んでいくための基礎を提供すること。今回示した「高速炉開発の方針」の案は、そうした趣旨にのっとったものだと考えている。
  • 将来を見据えた長期に渡るプロジェクトの成否は、組織の壁を乗り越えて大きな方向性を共有し、いかにして具体的なアクションを積み重ねていけるかが重要なポイントになる。皆様からの力強い御発言は、この方針案が、そうしたアクションにつながる基礎となっていることを示すものだと考える。

以上のような議論を踏まえ、資料1及び資料2について、案のとおり決定。その後、世耕大臣から以下の発言があった。

  • 秋口から集中的に議論を続け、「高速炉開発の方針」の案を、この高速炉開発会議として決定することができた。毎回議論に貢献いただいたメンバーの皆様に、心から感謝申し上げたい。
  • 高速炉開発会議としての、今後の高速炉開発の進め方に関する議論は、これで一区切りということになる。今後は、この会議の下に新たに立ち上げる「戦略ワーキンググループ」において、より技術的な具体論に落とし込んだ議論を、実務レベルで進めていくことになる。これまでの4回にわたる議論を通じて、土台作りをしっかりとすることができたのではないかと思う。
  • 高速炉開発のロードマップ作りは、海外も地元も現場も注目する将来に向けた重要な作業である。検討プロセスは、なるべくオープンにして丁寧な議論を進めるようにしたい。関係者の引き続きの協力をお願い申し上げる。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 原子力政策課

最終更新日:2016年12月21日
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