経済産業省
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原子力広聴・広報アドバイザリー・ボード(第2回)‐議事要旨

平成23年12月26日(月曜日)15時~16時30分
経済産業省別館5階 第513共用会議室

出席者

小林委員長、北村委員、佐倉委員、辰巳委員、宗像委員、高原長官、糟谷電力・ガス事業部長、後藤総合政策課長、三田電ガ部政策課長、吉野原子力政策課長、森本原子力立地・核燃料サイクル産業課長、苗村放射性廃棄物等対策室長

議題

原子力広聴・広報のあり方

議事概要

1.三田課長より、原子力を取り巻く最近の動き(エネルギー政策の見直し議論の状況、提言型政策仕分けでの高レベル放射性廃棄物広報への提言)を紹介。

2.小林委員長より前回の議論を振り返りながら、論点を抽出。

  • 公正中立な立場からの情報提供については、科学的な中立性の他に、立場の中立性という議論あり。複数の立場がありえる中で第三者的な観点での国の振る舞いという視点がある。
  • シンポジウム等が何のために行われているかが議論。政策が既に決定されて説明責任の立場で行うもの、事前同意の流れに位置づけられるもの、事情説明に近いものなどがある。
  • 行動規範について、立派なものを作ったが、形だけで終わらせないために、現場の人にとって意味のあるものにするため、どうあるべきか、という点。合意形成が難しい問題にかかる広聴・広報であり、その現場に立つ者の評価基準が作れなければ形骸化する。

3.佐倉委員からのプレゼンテーション

  • 3/11前の原発経験としては、発電所を見学したが、クリーン、静か、臭いとか熱いとか、身体感覚で得られるものがほとんどない。自分の感覚では、どこから危険でどこから安全かわからない。このような点が一般の人とのコミュニケーションで大きな要素となると思う。(身体感覚の欠如)
  • 原発について話をするときに、推進派か反対派かということを表明しないとものが言えず、中立というと反対派からも推進派からも責められる。(言説空間の固定)
  • 身体感覚の欠如と言説空間の固定化が共進化する関係にある。自分の感覚で理解できれば、主体的な判断が可能だが、それができない。賛成か、反対か、が先に立ってしまう。
  • 啓蒙普及、市民の理解、市民参加、市民の自覚、という4種類の市民の関与について、目的に応じて適切に組み合わせてデザインされることが大事。
  • 目的を明示、自覚、共有することにより、非専門家の参画の仕方を意識することが大事。また、分野、立場の多様な専門家の参加を最大限に確保することが中立性につながると考える。

4.北村委員からのプレゼンテーション

  • 科学技術に関するコミュニケーションと原子力が抱える固有の困難要因を区別した方がよいと考える。科学技術の問題は、全て原子力に適用されるが、その上に原子力固有の問題がある。
  • 専門家主導スキームからの何らかの脱却が必要。
  • 信頼の構築が重要。これまでに立地地域の少人数グループとの対話、シンポジウム等の企画を行ってきた。資エ庁のシンポジウムにも参画した。その中で得られた教訓は、行政、事業者への信頼が欠けていること。
  • 時代とともに説明が変わると、ご都合主義と批判される。
  • 情報公開、対話は大変。覚悟と能力が必要。
  • 原子力固有の難しさは、論理的に妥当でも説明が難しいこと。基準に適合していることを主張しても、自分の言葉でかつ相手に理解できる言葉でなければ意味がない。
    相手のニーズに合わせた情報提供が必要。
  • 場が違うことを自覚した対応が必要。
  • 自分の考えに合う情報しか入ってこない。自分の考えに合わない情報は見えにくい。
  • 批判的な人々との対話を協働して実現することができた。柏崎刈羽にある地域の会は、考え方の異なる人達で構成されているが、意見の違いを超えて意見書をまとめている。良好な事例があり、これに学び進む他にない。

5.フリーディスカッション

  • 公正性、透明性の基準自体が流動的である。社会の情勢をにらみながら、それ自体を変えていった方がよい。
  • 国民の声をどうとるのか、それが評価につながる。
  • 関心をもって発言をする人、黙っている人がいる。黙っている人が発言している人がどう扱われるかで省庁が評価されている気がする。
  • 欠如モデルに基づき必要なときに知識を入れることは当然であるが、それで自動的に専門家と同じような判断に達すると考えるのは間違い。専門家がもつ限界を補うのが市民。
  • 立地地域の人は、原子力発電所のそばに住んでいて怖くないのかとの質問をよく受け、怖くないと答えるとのこと。これは、本当に怖くないのではなく、怖いと思ったら生きていけないからそう言っているのから。
  • 信念対立の問題だから技術で決着がつく問題ではない、反対派の中にもそう考えている人がいる。理解が信念や価値規範まで降りて進むことが、合意につながる一歩であろう。
  • 安全性を説明されれば、説明されるほど、感覚的に不安になる。
  • 安全説明のパラドックスあり。本当に安全なら、安全ということはない。これからは危険だけれど、こういう形で危険を抑え込んでいるのでご理解ください、としか今は言えない。
  • 安全の問題について、リアリズムの欠如がある。日本全体が、何となく臭いものに蓋をしているうちに、いつの間にか臭いものであることすら忘れてしまったのではないか。
  • 事故が起こる前の警告について、重要と捉えられることができるか、できないか、そこがリアリズムの問題で、そこで我々は失敗したのだと思う。どうしたら次は失敗しないかを考えなければいけない。
  • 次回以降は、国レベルの議論を踏まえて、行政はどうできるだろうかということを、みんなで考えていきたい。

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最終更新日:2012年2月6日
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