経済産業省
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原子力広聴・広報アドバイザリー・ボード(第3回)‐議事要旨

平成24年2月20日(月曜日)15時~17時
経済産業省別館5階 第513共用会議室

出席者

小林委員長、北村委員、佐倉委員、辰巳委員、糟谷電力・ガス事業部長、後藤総合政策課長、三田電ガ部政策課長、吉野原子力政策課長、森本原子力立地・核燃料サイクル産業課長、苗村放射性廃棄物等対策室長

議題

原子力広聴・広報のあり方

議事概要

1.辰巳委員からのプレゼンテーション

  • 企業と消費者とのコミュニケーションについて考えてきた。
  • 環境報告書のチェックリストを作成。特に、消費者とコミュニケーションを図りそれを反映しているか、ネガティブ情報も公開しているか、がきちんと対応されていると信頼性が高まる。
  • 人と人とのコミュニケーションで重要な点は、受け手は目からの情報が8割、顔の緊張感など。耳からの情報はその後から入る。言葉は限られたものであるからこそ、きちんとした言葉で話されなければならない。
  • 商品を選択する際、自ら実感や、科学的な測定分析ができない場合、きちんと説明がなされ、企業がどういう思いでそれを作っているか納得し、心で受け取って、初めて安心感、信頼感につながる。
  • 双方向性は聞いただけではなく、反映したことを見えるようにすることが大切。
  • 信頼性は、聞き手、受け手の視点が重要。人に依拠するところが大きい。あの人が作っているからあの会社を信頼するという思い。
  • 受け手を知りたがり屋にして欲しい。関心をもたせるために、きっかけをつくること。知りたがり屋をたくさんつくることにより、コミュニケーションが発達し、信頼性にもつながる。

2.フリーディスカッション

  • これまでのリスクコミュニケーションの議論でも、データでもメリットデメリットでもなく、結局信頼があるかという議論だった。原子力は、今一番大事な信頼が欠けていてハードルが高い。能力、意図双方について、信頼が欠けている。
  • 科学技術のコミュニケーションでも、顔、属人的関係が重要。エネルギーはそれが見にくいのかもしれない。
  • 個々の製品と企業のブランド、どちらが消費者にとって大事かというと、当初は製品だったが、企業全体となってきた。消費者がもっと活発に動かないとコミュニケーションはうまくいかない。不満をもったまま(モノ、情報、サービスを)受け入れている場合がある。
  • サービス、製品のことを知らなければいけない。電気の一生(ライフサイクル)を見るべきと考えるが、こういうことを言う人はほとんどいない。電気の一生を消費者に知らせていく必要があると思う。
  • 電気という商品の提供してくれる「価値」と、「一生を通じての不利な点」を分けて示す必要があるが難しい。
  • 企業は商品が売れないと淘汰されるのでインセンティブあるが、行政は異なる。この観点からコミュニケーションを見るとどうなるのか。

3.資源エネルギー庁からのプレゼンテーション

  1. 森本課長より、(1)女川プルサーマルシンポジウム、(2)原子力シンポジウム、(3)核燃料サイクルシンポジウムの取り組み事例を紹介。
  2. 苗村室長より、(1)双方向シンポジウム、(2)ワークショップの取り組み事例を紹介。

4.フリーディスカッション

  • テーマを絞ることの難しさ(テーマを地層処分に絞っても、参加者が知りたいのは、原子力、核燃料サイクルなど、もっと広いエリア)は、大きなポイントである。拡散するが分離できない。
  • 専門家として呼ばれるが、技術の問題ですら分野が広いので厳しいものがある。さらに、コストや核不拡散の問題となると、政治社会と密接に関係し、適任者は少ないし、技術論ではない。コミュニケーションスキルといった次元の問題ではなく、広い意味でのアジェンダ設定の問題だと思う。話題の切り口をどう捉えるかと、それに適した説明者をどう探すかが難しいところ。
  • 双方向シンポジウムは、原子力に否定的な意見を持った者と企画段階から一緒につくりあげたもので、過去に例のない取り組みであり、大きな意味があったと思う。
  • シンポジウム参加者の属性について、高齢、かつ男性が多い。未来にかかわる議論について、この男女比や年齢構成でよいのか、真剣に考えるべき。未来のことについては、これから社会をつくっていく人達に考えてもらうべき。告知の手段として新聞を使うこと自体に、問題があるのではないか。社会の声を聞くと言いながら、偏った声を聞いている可能性がある。
  • 女性だけで「エネルギー問題を考えるエネ女の集い」を開いた。学生ばかり集める会、女性に限定する会、そういう方法もあるかもしれない。
  • 原子力への一定の信頼と言うが、高齢者や男性ということではないか。今や、若者、女性が舞台に上がっており、今までとは違う人々が活動しているのではないか。
  • 若者は、インターネット、facebookやツイッターを使う。ブログ炎上ということもあろうが、ある程度のトラブルは覚悟で、事後調整型のアプローチを進めるしかない、今までは、事前調整でコストを抑えようとしていた、それでは限界があろうし、リスクを避けようとしてコミュニケーションが疎かになっていたのではないという気がする。
  • テーマを絞りきれない点について、縦割りは、情報発信側の都合であって、受け手には関係ない。サプライヤー側の論理では限界あり。
  • 遺伝子組み換えの議論でも、技術論だけでは済まなかった。双方向シンポジウムのように、どこを議論するかというアジェンダを議論することが必要になり、どこかで線引きは必要で、扱わなかった領域をどうするのか合意が得られなければ、扱われなかったテーマは勝手に打ち切られたと思われるので、そういう点の丁寧さが求められる。
  • 双方向シンポジウムの21年度は、技術論中心に議論を行ったが、やはり政策論を議論しないと意味がないということになった。22年度の4回目のテーマは、「何を議論すべきなのか・・・その全体像を考える」というもの。3回議論をしたが、議論が足りないということになった。議論していくことで、このような点が根本の問題だということが明らかになってくるのだと思う。
  • そこが出発点であると考える。たいへんだが、何回も議論を続けるしかないと考える。個々の議論の記録を残し、議論の内容を全員が読まないまでも、見ようとすれば見られるようにすることを社会の中で定着させる。そうすれば論点が明確になってくる。オープンな構造で議論すること、閉じた世界では対応はできないと思う。企画する者にとっては、本当に大変な作業である。
  • 原子力問題は、老舗のテーマである。話し合いが大事だと言われて数十年経つ。
    10年前に、この問題に関わり始めたときに感じたが、相手が、推進か反対のどちらの立場であるかとうことを真っ先に聞きたがる。それがハッキリしないと安心して話し合いができないという体質あり。
  • 双方向シンポジウムは、反対派の声を聞いていると言う形で宣伝の材料としないという約束だったとのこと。そのこと自体、反対派の側には、広報に使われることに対する警戒感があったということ。
  • 確率論的安全性評価は、震災前からあったが、地元説明に使ってこなかったのは、事故が一定確率で発生する説明となり地元にとっての安全性の説明にならず、説明が難しい点があったからと推察する。
  • 原子力だけが確率論的説明で苦しんでいるわけではない。自動車保険でも予防接種でも薬でも、みんな確率論を理解している。説明が難しいというだけで、それを避けるのがよいのか、どうか、そこから考え直さないといけないのではないか。
  • 国は、政策を説明する責任がある。今、行われているエネルギー政策の見直しの議論の経緯が重要である。政策決定後の説明は、あらゆる手段を使って行うべき。手法として、シンポジウムがよいのかツイッターがよいのか等、アドバイスをいただければありがたい。
  • コミュニケーションのあり方の認識が、国の中でも変わってきた。今後、国として、意思決定プロセスに、対話を入れ込むことは避けられないのではないか。消費者は活発でなければならない、との話があったが、参加したいという活発な住民を掘り起こすようにするべき。

問い合わせ先

経済産業省資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 政策課
電話:03-3501-1746
FAX:03-3501-3675

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最終更新日:2012年6月8日
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