経済産業省
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まちづくりと一体となった熱エネルギーの有効利用に関する研究会(第1回)‐議事要旨

日時:平成23年5月17日(火曜日)10時~12時30分
場所:経済産業省別館10階1014会議室

出席者

委員

柏木座長、中上副座長、下田委員、中尾委員、村上委員、村木委員

オブザーバー

国土交通省都市・地域整備局、国土交通省住宅局、国土交通省河川局、環境省水・大気環境局、東京都環境局、東京都都市整備局、東京都市サービス株式会社、関西電力株式会社、東京ガス株式会社、大阪ガス株式会社、一般社団法人熱供給事業協会

議題

  1. まちづくりと一体となった熱エネルギーの有効利用に関する研究会について
  2. 地域熱供給事業の現状について
  3. 地点熱供給事業・建物間熱融通等の現状について
  4. 熱エネルギーの有効利用による省エネ・省CO2効果(暫定試算値)について
  5. 研究会における検討事項について
  6. 自由討議

議事概要

資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部政策課木村課長、柏木座長、中上副座長からの挨拶の後、事務局および国土交通省下水道部からの資料説明と自由討議を実施。主な議事内容は以下の通り。

研究会の進め方等について

  • 「研究会の趣旨と目的」において未利用熱等の融通・利用促進がまず挙げられているが、最終的な目標はエネルギー利用効率向上・温暖化ガス排出削減であるべき。
  • 研究会の目的の中にも「まちづくりと一体」というキーワードが入っているべき。
  • 目的は社会的な背景・意義を含め、単なる省エネ・省CO2ではなく、負荷平準化効果等、様々な社会事情を勘案して精査する必要がある。
  • 電気・ガス等のエネルギーは様々な用途に利用可能であるため品質がしっかりと管理されている。一方、熱供給についてはサービス内容や供給時の品質のフレキシビリティについても議論が必要。また、地域熱供給には電力負荷平準化装置としての意義もある。
  • 熱の面的融通は都市・地域でのエネルギーセキュリティ面でも非常に有効手段である。また、都市機能の高度化にもつながるものであり、国際競争力の強化にもつながると考えられる。
  • 熱エネルギーは、高温熱から低温熱までコジェネ・ヒートポンプを使いながら有効に利用することが重要。既存制度の見直しも重要であると共に、省エネを推進するための新たな仕組みまで考える必要もあるのではないか。
  • 運用についての議論も重要。省エネを進めるためには供給サイドのみならず、需要サイドと一体となって検討を進めることが重要。

まちづくりと一体的に進めることの重要性について

  • まちづくりを進める中で、後続の需要家が結局個別の熱供給システムとなってしまうケースがある。まちづくりと一体の中で推進できる仕組みが不可欠。
  • 「まちづくりと一体となった省エネ」を進めるためには、様々な事業の仕組みがある中で、これにどうつなぐかが重要。イギリスの場合、新規の地域開発の際に周りに導管がある場合、これにつながないと計画が認められない。新規の開発を考えた場合、再開発や土地整備事業等の事業制度で新たに何かを行う際にはいろんな意味でチャンスがあり、その時に地域導管に繋げていくような何らかの仕組み作りが必要ではないか。
  • 既成市街地についても、ロンドンではローカーボン地域等を定めている例があり、市民への教育やモニタリングも含めた取組みを行っている。街づくりの観点からは、大規模なビルだけで良いのかなどの条件を議論することも重要。また、これらの条件を条例として定めるのか他の方法で定めるのか等も重要な検討ポイントとなる。
  • 未利用熱の利用推進においては、再開発のみならず既存建物をどうするかも重要。
  • 過去の地域熱供給事業では、「まちづくりと一体となった」という面がうまくいっている地点では運営もうまくいっている。街区の計画を立てる中で、まちづくりを考えると同時にインフラ・プラント建設面・導管敷設等も含めて早い段階から検討を進めることが重要。検討の中で「まちづくりと一体」とは何をどう進めることなのかについても議論が必要。
  • 出来ていくまちや工業団地などに熱供給等をどうすれば受け入れられるのかという考えもある。ユーザーの視点で熱供給のあり方を検討することが重要。
  • これまで環境面から地域熱供給を推進してきたが、震災を機に都市の防災という観点も重要。今後、高度成長期に建築された建物の老朽化が進むと考えられることから、既成市街地での対応も重要と考える。
  • この震災を契機に、東北は住宅の熱利用が大きいため復興と「まちづくりと一体となった熱利用」について、再生可能エネルギーの活用も含めて良い提案が出来るのではないか。
  • 既存インフラの有効利用が都市機能の高度化につながるということが一つの大きな方向性ではないか。既存ストックの利活用や新規との併用等を進める上での制度面での課題が解決できれば、大きな飛躍につながると感じる。

熱エネルギーの有効利用に係わるインフラ整備、評価等について

  • 熱の有効利用推進においては、既存の都市インフラの活用も忘れてはならない。上水、下水、工業用水など既存の管路を排熱の処理、回収に活用していくことも重要。
  • 新たに導管を敷設する際、建設費が事業費の半分近くを占めてしまうことが大きな問題。例えば高速道路の下の空間、河川や鉄道路線沿いに導管を敷設するなどの工夫をすれば、道路沿いの埋設管路より工事費が下がり熱供給事業全体の建設費低減につながるのではないか。
  • 熱融通だけでなく他のインフラ機能とのハイブリッド化することで負担を減らせる可能性がある。名古屋市の事例が紹介されたが、再生水の供給と熱源水としての利用の両方を併せ持ったインフラ整備ということも考えられる。
  • 排熱融通について良いものを普及させることが重要である。この点、評価のあり方が重要となる。
  • 運用段階の評価とあわせて、事前の評価等も合理的なものとなるよう考えていくべき。

熱供給事業等の現状と課題について

  • 近年は地域熱供給事業の導入が停滞している。これは、大規模開発自体が減っている側面もあるが、熱供給事業自体が需要家に充分受け入れられるものになっていない面が大きい。経済性・環境性などの面でインセンティブの与えられる仕組みが組み込まれるようになれば、利用促進につながるのではないか。
  • 熱供給事業は電気事業やガス事業に比べて面的には狭く、地域ごとの特徴的活用がなされている。未利用エネルギーを利用している地域熱供給事業も多いが、コストが高くなってしまいユーザーから割高感があるという指摘を受けている。熱供給事業法そのものを見直すという話も聞いているが、良い方向性を打ち出して頂きたい。

文責:事務局

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最終更新日:2011年5月30日
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