経済産業省
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まちづくりと一体となった熱エネルギーの有効利用に関する研究会(第3回)‐議事要旨

日時:平成23年6月6日(月曜日)15時~17時30分
場所:経済産業省別館5階526会議室

出席者

委員

柏木座長、下田委員、中尾委員、村上委員、村木委員

オブザーバー

国土交通省都市・地域整備局、国土交通省住宅局、国土交通省河川局、環境省水・大気環境局、東京都環境局、東京都都市整備局、大阪府都市整備部、横浜市温暖化対策統括本部、東京都市サービス株式会社、関西電力株式会社、東京ガス株式会社、大阪ガス株式会社、一般社団法人日本熱供給事業協会

議題

  1. 事業者プレゼンテーション
     東京都市サービス株式会社、株式会社日建設計総合研究所、関西電力株式会社、三菱地所株式会社
  2. 自由討議

議事概要

柏木座長からの挨拶の後、事業者プレゼンテーションと自由討議を実施。主な議事内容は以下の通り。

「まちづくりと一体」に関する論点(1) まちにおける熱インフラの整備について

  • ヒートポンプ利用あるいはコジェネ高温系都市排熱利用等、システムによって最適な街のスケールがあるのだとすれば、システムごとに将来のビジョンを考える必要もあるのではないか。またスケールメリットについてどう考えればよいかは教えて欲しい。
  • スケールメリットについては上限があり、一つのプラントが賄う範囲は限定的である。熱供給対象エリアを拡大するにはメインプラントとサブプラントをうまく配置していくことが重要。
  • 熱供給の普及やエリア拡大を図っていく上では、現状まちや熱インフラの開発の動きがなくとも、将来的に開発が起こりうる可能性を鑑みた上で、いかに熱利用の有効性や必要性について啓蒙し理解を促していくかとの視点が重要。
  • 熱供給インフラの整備の目的はコミュニティにとって最適なシステムを構築することであり、そのためには最適を評価する指標の検討が重要である。排熱利用によってどの程度省エネになるのかといったエネルギー的な視点に加え、防災性向上等の観点も検討すべきである。
  • 丸ノ内のような熱の面的利用を行うエリアでは、共同溝や洞道を整備できるよう、中央緑地帯や歩道を幅広くとっておくことも重要。

「まちづくりと一体」に関する論点(2) タウンマネジメントについて

  • 面的システムの普及の鍵はタウンマネジメントやエネルギーマネジメントである。したがって、特区など地域指定する際に、タウンマネジメントやエネルギーマネジメントの機能が整っているかを付帯条件とすることが考えられる。ただし、タウンマネジメントはかなりハードルが高いので、エネルギーマネジメントが出来ている段階とタウンマネジメントが出来ている段階は切り分けて制度設計する必要がある。
  • 地域冷暖房等の熱インフラへの接続義務がない場合は、接続することの意味・重要性を地域住民にいかに理解してもらえるかが重要。その意味では、晴海や大丸有におけるタウンマネジメント組織の役割・意義については興味深い。
  • 晴海でタウンマネジメントが機能しているのは、まちづくりと一体的に開発したことに、タウンマネジメントの活動やその効果(地域冷暖房の効率等)を対外的に公開していることによるところも大きい。新たに開発しようとする人に地域特性を理解してもらいやすいメリットがある。
  • 大丸有では再開発協議会組織を組成し、再開発を進めてきた経緯があり、まちづくりガイドラインの策定など一定のルールの中で合意形成を行ってきたため、地権者の合意形成がしやすく、現状は地域冷暖房への接続率が高い。

未利用エネルギー利用に関する論点(1) 熱源配管の整備全般について

  • 熱源水ネットワークについては、ネットワークそのものを公益性あるものとして整備することにより、利用者の公益性の有無に拘わらず開放していくことが必要なのではないか。
  • 熱源水ネットワークは有効であるが単独では投資負担が大きい。そのため、熱源配管を多目的に使う視点や別の主目的があってその付帯目的として熱源利用があるという視点が必要である。
  • 熱源水ネットワークは、熱源水を配る主体の事業性が確保できるかがポイント。大規模なネットワーク整備であれば公的主体が行うとの考え方もあるのではないか。
  • プレゼンの中で河川水利用のための配管を公的に整備すべきとの指摘があったが、議論に飛躍がある。民間による整備を誘導する方法もあるだろうし、仮に指摘のように社会インフラとして公的主体が整備する場合でも、どの公的セクタが行うべきかとの議論が必要。
  • 下水熱利用が処理場周辺に限定されている状況を改善するため、ささしまライブ24のような下水道事業により、水質浄化、修景用水等の再生処理水配管を公的主体が整備する事業とのパッケージ化を推進したい。民間事業者としては熱導管の直接的な投資をしなくて済むメリットがある。ただし下水道法上の位置づけもなく財政出動への動機付けが課題になることもある。今回の都市再生特別措置法の改正では官民が参加する協議会で計画を策定する形としているが、熱利用についても同じようなスキームがあれば合意形成が円滑になるのではないか。また、トイレ用水や雨水貯留機能などの、治水機能との複合化により公共性を高めれば、パッケージの中身も充実し、実現例が増えるものと期待される。
  • 都市再生法改正で下水の民間開放が実現したが、今後、下水管きょ内に熱交換器を敷設することが出来るような規制緩和も検討すべき。
  • 下水管に熱交換機を入れる取り組みは興味深いものと考えている。下水の温度が上がると処理場の微生物が死んでしまう問題もあり技術的検討も必要だが、今後増大する下水管更新事業とのパッケージ化という観点からも検討していきたい。

未利用エネルギー利用に関する論点(2) 環境影響評価や利用条件について

  • 地下水利用時に密閉回路で還水する場合は揚水規制から除外して良いのではとの提案があったが、止水壁で囲まれた閉鎖性の高い場所であればさらに安全であり、くみ上げ規制を緩和しやすいのではないか。
  • 閉鎖性のないところでは地下水位を観測し水位を適正レベルに制御する方法もありえる。浅い層の地下水位を1~2m低下させても5cm程度の沈下で済み、むしろ液状化防止に寄与するとの研究事例もある。揚水規制の検討に際してはこうした視点も踏まえてはどうか。
  • 河川水利用が河川に与える影響についてはかなりシビアにならざるを得ない。特に熱を空気中に捨てるか水の中に捨てるかの判断は地域の合意や環境影響調査をきちんと踏まえる必要がある。
  • 河川水の熱利用に関する温度条件などの運用面での課題について、水利使用許可を得る際に調査を行った条件の範囲内であれば柔軟に対応することも考えられ、個別に相談してもらえば良い。
  • 水の都づくりの観点から、河川法の運用に関しても、占用準則の緩和などを検討しているが、今後の具体的な河川熱利用については、個別の地点に応じ、例えばまちづくり協議会といった場を活用していくことなどが考えられる。
  • 下水熱の利用手続や接続時の技術基準等については、ガイドラインを整備して明確化を進めていきたい。

未利用エネルギー利用に関する論点(3) 河川環境に関する情報共有について

  • 未利用エネルギーはエネルギー資源ととらえ、その利用を促すには、各未利用エネルギーの温度状態や流量等のデータベースを国で整備し、導入時の効果検討や利用後の環境影響など皆でそれを活用できる仕組みが必要である。
  • 河川に関するデータは、ポイントは限られるが河川水辺の国勢調査等で公表されているものもあるので活用して欲しい。
  • 河川に関するデータの活用の観点からは、先行して調査を実施した事業者が保有するデータも重要だが、そのデータの第三者利用については、そのデータを保有する事業者との関係も課題になると想定される。

未利用エネルギー利用に関する論点(4) 未利用エネルギーの表現方法について

  • 未利用エネルギーという言葉は長年使われているが、現下の政策課題に応じた表現方法もあるはず。例えば、河川水・海水・地下水の熱エネルギーは再生可能エネルギーだろうし、バイオマスの熱も再生可能エネルギーなので、「再生可能エネルギーの利用促進」という表現をしていくことも考えられる。

地域熱供給への接続義務について

  • 東京都の地域冷暖房接続検討義務の制度下で、実際にどの程度接続されているのかは興味がある。
  • 地域熱供給では計画通りの負荷であれば熱源機を最高効率で運転できる、負荷が平準化できる、未利用エネルギーを使いやすいという利点があるので接続の検討義務化は有効であると考えられる。その中で、個々の需要家の受容性も重要であり、地域の熱供給事業者と協議し個別熱源などと比べて全体として良いかどうかの検討を行い、効率が向上し地域全体の省エネに寄与するとなれば接続するという検討のプロセスそのものを義務化することが重要ではないか。
  • まちづくりの中で、地域冷暖房の効率向上が個別ビルの省エネ向上につながるという方向で、需要家の理解を得ていくことが重要と考える。また、現状の大丸有の接続率は高いが、今後さらにエリアとしてのエネルギー利用効率を上げるため、接続義務を是非検討してもらいたい。
  • 地域冷暖房導入検討の義務化は重要だが、それでは不十分。行政が積極的にリーダーシップをとってまちづくりを進めることが重要でそのためにはエリア指定を行い、その中でインセンティブ付与や規制緩和と併せて導入義務化を行うべき。また、今後の制度設計を進めていく上でも、評価軸をしっかり作るということは重要である。

文責:事務局 議事概要についてはご出席者からの指摘を踏まえ修正させて頂く可能性があります。

問い合わせ先

経済産業省資源エネルギー庁
省エネルギー・新エネルギー部 政策課 制度審議室
電話:03-3501-4031
FAX:03-3501-1365

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最終更新日:2011年7月7日
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