まちづくりと一体となった熱エネルギーの有効利用に関する研究会(第6回)‐議事要旨
日時:平成23年7月4日(月曜日)10時~12時
場所:経済産業省別館10階1014会議室
出席者
委員
柏木座長、中上副座長、佐土原委員、下田委員、中尾委員、村上委員、村木委員
オブザーバー
国土交通省都市局、国土交通省住宅局、国土交通省水管理・国土保全局、環境省水・大気環境局、東京都環境局、東京都都市整備局、大阪府都市整備部、横浜市温暖化対策統括本部、横浜市温暖化対策統括本部、東京都市サービス株式会社、関西電力株式会社、東京ガス株式会社、大阪ガス株式会社、一般社団法人日本熱供給事業協会
議題
- 中間とりまとめ(案)
- 自由討議
議事概要
柏木座長からの挨拶の後、中間とりまとめ(案)について自由討議を実施。とりまとめは座長、副座長に一任し、修正案を改めて委員に確認いただくこととなった。主な議事内容は以下の通り。
熱エネルギー有効活用の推進に向けた考え方について
- 震災を踏まえ、世の中は、大規模電源を維持しつつ、分散型のネットワークやスマート化をどうやって進めていくかというパラダイムシフトに入っている。このような中で、本中間とりまとめは、アライアンスを組みやすいファーストステップを与えている。既存のDHCが、より気楽なDHCにできる可能性もあり、熱供給事業法の枠外のものを枠内のもののように扱うこともできる。
- 熱エネルギーについての必需性を再確認する意味でも、未利用・再生可能エネルギーの活用など個別ではできないことが面的に広げて行くことで取り込めるといった共同で利用することのメリットを全面に打ち出すことが必要。
- 復興まちづくりとの関連も踏まえ、東北地方のまちづくりは農水省が大きな比重を占めると思われるが、寒冷地における新しいまちづくりと熱利用の展開について中間とりまとめにおいて記述してはどうか。
- 新規開発だけなく、既存地域や建物単体でもでも、河川水や地下水などの再生可能・未利用エネルギーの有効活用を図っていくことが有効。
- 熱供給事業法は熱を製造して供給することを前提として構成されている。自然発生したエネルギーの活用や熱の面的利用、有効活用を考えるためには、熱供給事業法とは異なった角度での推進策が必要。街づくりと一体となった熱利用のために、色々な方が集まって協議ができる体制づくりが重要。
熱エネルギー有効利用計画の評価・認定等による推進方策について
- 都市開発がペースダウンしている中、本研究会で提示されたような次世代の熱供給モデルができていないことが課題。今後具体的な案件についていろいろな課題をクリアしながら実現していくための支援が必要である。具体的検討を進めていく中で、今回想定しなかったような課題も出てくると思われるため、省庁間で連携・調整しながらまちづくりとのパッケージで支援していけるような体制づくりと併せて、公益性と需要家メリットの両面から評価していくという仕組みづくりについて、考えることが重要。
- 評価・認定制度では新規開発がイメージされるが、既存の地域熱供給エリアに対しても、システムを評価し、効率レベル等のランクに応じて熱供給の検討義務化等を行うような仕組みづくりがあれば、規制市街地の既存DHCストックが活きてくるのではないか。
- 認定制度において事業を評価する際には、目標値を設けることが望ましい。
- 地域冷暖房や未利用エネルギーの活用に当たっては、評価の枠組みをどのようにしていくかが重要。自治体としてもどこで何をしたら効果的かについて、実際の事例に即して検討に参画していくことが重要。
- 日本の中小ビルの空調はビルマルチエアコンが中心であるため、熱導管への接続は困難である。熱のシステムのあり方について広い視野で考える必要がある。
- 街づくりと一体となった熱の有効利用の促進のためには新たな法制度の整備が重要であるが、既存制度でなぜできないのか、新たな法制度を作った際に本当に永続的に役に立つのか等の議論がある。その点ではまずは支援事業を立ち上げ、モデルプロジェクトを通じて、新たな推進法の課題や必要条件を整理するとともに、継続的にプロジェクトが進んでいくことを検証することが必要。
- 既存の熱供給事業の維持、発展も重要であり、これを今後の検討の中でどう組み合わせていくのかについても着目いただきたい。
- 地域によっては容積率緩和がメリットとならない場合もある。地域ごとに需要家メリットを明らかにしていくことも重要である。
- 下水道法では、熱利用やバイオマス・バイオガスの利用推進を位置付けることが難しいため、低炭素まちづくりのために、再生水等の下水道事業を実施するためには、何らか強力な動機付けが必要。このためには、全国的なやる気の醸成や持続性を担保するような枠組みが重要であり、評価認定の枠組みや地方公共団体の取組の推進は重要。
- 新たな熱利用システムを導入した際に、環境価値として認められて不動産の価値が向上するのか等、環境配慮型の街づくりに対して不動産価値を認める仕組みづくりも必要ではないか。
都市基盤施設の複合化による熱エネルギー有効活用の推進について
- 熱源水ネットワークは、熱を売るだけでなく捨てる熱も熱源水として供給するというものであり、建物単体でも熱供給のプラントでも利用可能である。従来の熱供給のインフラとは意味合いが異なる熱源水ネットワークが、新たなインフラとして整備がされて行くような仕組みがこの研究会をきっかけに進んでいくことを期待する。
- 大阪市の周辺部では工業用水や上水等、都市内の既存管路ネットワークの活用もポテンシャルが高いため、それらを活用していくことも重要。
エリアマネジメントとエネルギーマネジメントの推進について
- エリアマネジメントとの連携や供給サイド・需要サイドの一体的な取り組みとは具体的にどのような取り組みか。
- 具体的な方策については今後詳しい検討が必要である。例えば熱供給事業法では、供給義務や供給条件を規定するものの、需要家側に需要抑制等の協力を求めるような規定はない。また省エネ法は需要家側を規定するが、供給側との一体運用を求めるものではない。需要と供給が一体となり最適化を図ることの重要性が指摘されているが、現行制度はこれを求める体系となっていないため、今後検討を進めていく必要がある。
- エリアマネジメントによる街づくりの初期段階からの一体的開発は重要であるが、熱ネットワークへの接続対象は大規模建築物が中心となる。エリアマネジメントと連携した組織が実現できた暁には、構築された仕組みや得られたノウハウを周辺の中小建築物にも拡張し、エリア全体として有効利用を図ることが重要である。その手法として、ITの活用によるエネルギーマネジメントが有効と考えられる。
地方公共団体の積極的取組みの推進について
- 本枠組みに基づき、まずは街づくりとエネルギーの有効活用に積極的な自治体に取り組みを進めていただきたいが、次のステップとして、温暖化対策に消極的な自治体を取り込んでいくための方策を検討することが重要。
- ごみ処理場の排熱を利用した熱供給において、ごみ処理場の設備更新で供給が止まってしまうという事態もある。地域全体の視点、中長期的な視点が不十分なため、地方自治体を中心とした地方行政がイニシアティブを取り、大きなビジョンをもって進めていくことが事業の継続性という観点でも重要。
- 工業団地での熱利用について、誰がコーディネーターになって熱融通をするか、最終的には工業団地の開発主体である行政や民間が主体となってやっていくことが重要。
- 大阪府では、熱供給に地下水を利用するような場合に、その水を河川の浄化に役立てることを一体的な取組としてできないかと考えており、本研究会が一つのきっかけになればと考えている。
今後の検討体制について
- 可能であれば法整備の形でまとまれば望ましいが、現段階では困難な面もある。本研究会は、検討の方向性を示したという意義は重要であり、今後、環境省、国交省、経産省が協業し、具体的な詰めを行っていくことが重要。
- 街づくりの初期段階からエネルギー供給のあり方を検討することは重要であり、エネルギー利用の高効率化等につながるものと認識している。既存の認定制度もあるが有効に働いていない部分もあるため、進化させながら経産省と連携して動いていきたい。
- エネルギーの有効利用を考える際には、広義のまちづくりと密接な関係があり、エリアマネジメントが重要となるが、マネジメントでは色々な観点の事を複合的に検討していくことが求められる。熱供給事業という体系に関する検討とあわせて、エリアマネジメントのような総合的な問題を具体的な地域にどのように落とし込んでいくかが非常に難しい課題であり、そのような課題をこなしていくことが推進の仕組みとなる。今後、評価の仕組み、エリアマネジメントの在り方、都市開発事業の評価を考えていく必要があり、それらを評価していく上で、勇気を持って評価の基準を広げていくこと、専門家が自らの領域に留まらず専門領域を広げていくことが今求められていると思われるので、経済産業省と国土交通省で連携して検討を進めていきたい
- 研究会での議論を、今年度の予算執行、来年度予算要求に活用していきたい。
文責:事務局 議事概要についてはご出席者からの指摘を踏まえ修正させて頂く可能性があります。
問い合わせ先
経済産業省資源エネルギー庁
省エネルギー・新エネルギー部 政策課 制度審議室
電話:03-3501-4031
FAX:03-3501-1365
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最終更新日:2011年7月19日
