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電力インフラのデジタル化研究会(E-Tech研究会)(第3回)-議事要旨

日時:平成29年2月6日(月曜日)15時00分~17時30分 
場所:経済産業省別館1階120共用会議室

出席者

赤峰委員、浅野委員、國分委員、柴沼委員、田中委員、西野委員、萩原委員

議題

  1. 日本の電力産業の「強み」とは何か、デジタル化により更に伸ばせる「強み」は何か(発電部門)
  2. 「強み」を如何に競争力の強化につなげるか(発電部門)

議事概要

出席者からの主な意見は以下のとおり。

1. 「強み」を活かす標準化戦略等

  • ISOに基づいたオペレーションマネジメントとパラレルに、透明性・妥当性のあるBOKや資格制度を構築し、マネジメントプログラムとしてその成果を担保した形にしないと国際的に使えない。BOKを中心に、それに基づいた教育及び試験制度を構築し教育機関、講師、教材などを認定することで、ISOに加えてBOKに基づく教育全体、資格の質が「担保」され、それによって初めて日本の強さが透明性と妥当性を持って示される。また、BOKに関連する事業規模もISOに比べ20倍以上のものが想定される。
  • 例えば、ISOの認証はステークホルダーに対して、その企業の製品、サービス等の品質について、規定されたマネジメントシステムや品質の目標を達成していることを「認証状」で確認することができる。つまり、ISOは組織の競争力を示すものではなく、国際的に求められるある領域が担保されていることを証明するものといえる。
  • BOKとして体系化し、日本の電力会社における質の高いオペレーション及びメンテナンスが担保されることで、それらが強みとなり、差別化が図れると思慮。
  • 日本のO&Mの強みが、デジタルを活用することによって、質を可視化することができ、同時に進めているISOと連携して、競争力に繋がっていくのではないか。保安力・防災力なども可視化の対象だと思慮。測定力、データ管理力、分析力、問題解決力、組織的再現力、持続的マネジメント力、組織力、人材育成等のインフラの質を持続的に高める要件などをBOKやISOで定義していくべきではないか。その上で、認証・保険・金融との組み合わせが考えられる。
  • 日本の強みが「高い品質」にあるならば、この要件がきちんと定義できるかにかかっている。日本独特の「気が利く」を規格の世界で通じるよう要素分解して表現することが鍵ではないか。例えば、「台風が来ても電柱に上るような供給責任に対する高いコミットメントがあるから、つまり我々は信頼に値する良い人だから」というような精神論は日本人には感動的でも信頼関係構築はこれからである外国人との契約ビジネスでは伝わりにくい。「コストダウン」、「収入・稼働率アップ」が見える形でのパフォーマンス指標化、差別化は「阿吽の呼吸」や「あいまい」を良しとする日本人にとっては大変なチャレンジであるが、ビジネスでものごとを判断するファイナンスや保険を味方につけるには必要なプロセスである。
  • 「価値の出し方」としては、3つのパターンがあるのではないか。1つ目は、すでに価値化しているものを明確にすること、例えば、保険料引き下げにデータを活用するなど。2つ目は、エクスキューズとなる価値、つまり免除される価値、例えば、訴訟時に適正プロセスを踏んでいることを証明するなど。3つ目は、気が利く、使い勝手の価値、例えば、サービスレベルの飛躍的進化と圧倒的低コスト化、AWSクラウドのサーバー+アーキテクチャーなど。電力分野で「質はいいが値段が高い」というのはあまりニーズに適っていない。4、5年の間で価値を出せるように、「気が利く」ものにしていくことが肝要。
  • 「プロセス」をルール化するのか、「パフォーマンス」をルール化するのかというのがルール形成における一つの視点。プロセスをルールにすると、皆それに倣い個性・競争がなくなる。APECガイドラインはパフォーマンスを定義するもの。プロジェクトマネジメントに如何にプロセスではなくパフォーマンスの要素を織り込むか。例えば、保険会社が「石炭の貯蔵量」を石炭火力発電所の判断ポイントと考えるのであれば、「貯炭率がどれだけ維持できるか」というパフォーマンスをプロジェクトマネジメントの指標とし、船の運用、天候予測等のプロセスは問わない、ということになる。

2. 認証と金融・保険との連携

  • 発電所部位別の保険損害支払額を分析すると、例えば、変圧器に起因する事故は12%もある。日本では、変圧器の事故はほとんど起きない。これは適切な管理基準を設定、運用しているためであり、事実損害支払いは減っている。海外の再保険市場から見ると驚きである。同様の話が事故時の「復旧力」であり、日本は海外の3分の1程度の期間で立ち上がり、ダウンタイムが少ない。その分保険料の支払いは減る、すなわちリスクが減る。これはライフサイクルコストでも非常に有利。こうした強みをデータで示し、保険会社にアピールしていくことが重要ではないか。
  • プロジェクトファイナンスにおけるO&Mリスクについては、専門家による分析に基づく各金融機関の検証が必要だが、日本の電力会社がO&Mを行うのであれば、原則かかるリスクが発現する可能性は極めて低いという判断となる。一方、日本の電力会社がO&Mを行わない、つまり日本企業以外の企業がO&Mを行う場合には、金融機関はかかるリスクについて慎重に検証を行い、かかるO&Mリスクが取れないと判断する場合には、スポンサーに対してかかるリスクの負担を求める。
  • 海外IPPにおける日本企業による受注の実態については、正確な数値を持っているわけではなく、あくまでも直接日本企業と接している個人的な感覚からではあるが、非常に厳しい状況である。JBICがここ数年融資供与してきている日本企業が参画する海外IPPの多くはアジアの案件であり、またこれらの多くは随意契約である。競争入札で勝つことを目指すよりも、むしろ随意契約に持っていく方が日本企業による受注確率は高くなるのではないか。
  • ルール形成の考え方としては、日本の価格が高くても勝てるルールとするか、又は相手の価格を高くするルールにするか、つまり、コスト転嫁させざるを得ない状況を作るか。前者で勝負する場合、価格差に限度があるので、その検証は必要。
  • 発電所のプロジェクトファイナスにおいて、金融機関は建設、操業、需給契約等の各フェーズにおけるリスクを審査する。発電所の質が「規格化」されることで、審査の簡略化、精度向上が期待される。
  • 入札要件にO&Mまで盛り込まれるものもある。多くは「ライフサイクルコストでkWh当たりいくらで売れるか」というものだが、ガス火力の場合、一番インパクトが大きい燃料費を如何に安く調達するかがポイントであり、イニシャルコストでそこまで差はないと認識。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力市場整備室
電話:03-3501-1748
FAX:03-3580-8485

最終更新日:2017年2月21日
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