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電力インフラのデジタル化研究会(E-Tech研究会)(第4回)-議事要旨

日時:平成29年3月8日(水曜日)15時00分~17時00分 
場所:経済産業省別館2階227共用会議室

出席者

赤峰委員、浅野委員、國分委員、柴沼委員、田中委員、西野委員、萩原委員

議題

  1. 発電分野におけるメーカーのO&M戦略
  2. 信頼性重視保全等による保安力の向上
  3. オペレーション技術の差別化・売り方
  4. その他

議事概要

出席者からの主な意見は以下のとおり。

1. 発電分野におけるメーカーのO&M戦略

  • 海外の大手メーカーにとって、O&M等のサービス事業の重要性が増しており、半分以上がサービス事業による収益という企業もある。彼らは、顧客を知り、顧客が求めるニーズに応じて、物を作り、O&Mを提供している。また、近年ではそのサービスのデジタル化が進展している。
  • 日本のメーカーは、特にGTCCの場合、現地の拠点・メンテナンス人材が足りていないため、日本から人を派遣するケースが多く、結果としてメンテナンスコストが割高になる。これを解決するためには現地での人材やパートナー企業の育成が必要。
  • 大型ガスタービンについては、国内外どのメーカーもO&Mが儲けどころなので各社リソースを割いてO&Mをやっている。一方、中小型は日本と海外でかなり差がある。海外メーカーはボリュームがあるのでO&Mをやると稼げるが、日本は数が少ないので難しい。数が多いとメンテナンスをしたい現地パートナーも多く現れる。この点においても、日本は現地でしっかりと人材育成を行っていくことが肝要。
  • 日本のO&Mの強み、例えば環境性能等を数値で示すとき、「日本で日本人が運営したプラントのデータ」ではなかなか評価されない。日本の企業が海外に建設したプラントの実データでないと説得力は低い。

2. 信頼性重視保全等による保安力の向上

  • 自由化が先行している海外電力市場において、保安力を評価する最大の指標はリライアビリティ、もしくはアベイラビリティ。受給の変動が大きい事業環境の中で、「約束した時間に約束した電力供給をきちんと行えるか」、「給電指令が守れるか」というところがIPP事業者としての経営の根幹。
  • RCM(Reliability-Centered Maintenance)の規定を遵守する上でも、BoK(Body of Knowledge)は重要な役割を果たす。ISOで考えたときに、ISOは頻繁に改正されないので、技術進歩、環境変化等に柔軟に対応するにはBoKが重要であり、BoKを運用するには、ガイドラインの作成やKPIを設定して習熟度をチェックことも肝要。このことはRCMに当てはまる。
  • 電力会社は、長年の運転経験や技術開発研究によって、運転に基づく設備への影響や材料の耐久性に関する知見があり、それらから、マニュアルやメンテナンス計画を組んでいる。TBM(Time Based Maintenance)の体系になっているが、その考え方はRCMに通じており、ここをうまく紐解いてBoKに落とし込み、客観的に示すことができれば、日本の強みになるのではないか。
  • 製造業では、生産設備をまず一度壊れるまで運転して、そのデータをもって信頼度を適切に担保するような取組みも行われている。
  • 発電所の数や人材が減っていく中で如何に保安レベルを維持していくか、ということを考えたときに、海外に出て行くことも一つの方策。高度な保安力を有する事業者が海外事業で得た知見を国内にフィードバックし、国内の保安力をさらに高める、といったサイクルが回れば理想的。そのためには、国内で努力する方向と海外で売っていくための努力の方向性を合わせると効果的。国内のルールが海外でも適用されれば、そういったことが可能になるのではないか。

3. オペレーション技術の差別化・売り方

  • 海外の大手メーカーはO&Mの領域に進出してきているが、メーカーが想定しないような運転パターンによって故障モードが変わってくるのであれば、その知見はオペレーターが勝るはずであり、競争力になり得るのではないか。
  • 日本が「稼働率が低くなっても低コストで運転可能」、或いは「停止・起動の頻度が増えても故障率を抑えるメンテナンスが可能」という強みを有しているのだとすれば、新興国に対して、将来の様々なパターンの電力供給構造、例えば大量の再エネ導入パターン等をシミュレーションするように働きかけるような戦略もあるのではないか。例えば、マスタープランで再エネ導入拡大を掲げている国であれば、「柔軟な運用ができるスペックの火力発電を導入すると10年後、20年後の再エネ拡大に資する」ということを示し、ルールに埋め込んでもらうようなことが想定される。
  • 最近は再エネ導入量の増加に伴い、1日に1、2回起動停止する火力プラントも出てきている。低出力運転するか、起動停止かの判断や起動停止時間の短縮等の実機データも蓄積され初めており、これらが強みになるのではないか。センサー、人工知能等を駆使してGTCCの再エネ追従性を高めるトライアルも興味がある。
  • 日本の優秀さが何かを、もう少しブレイクダウンして分析してみてはどうか。例えば「モノが素晴らしい」のか、「人が優秀」なのか、「マニュアルが優れている」のか。全てが素晴らしいことが理想論だが、それならば自然と世界に普及するはず。そうでないならば現状認識をあらためて、「真に勝てる組み合わせ」を考える発想も必要ではないか。仮にある市場ではモノはオーバースペック、つまりコストで負けていて、人、マニュアルが勝っているのだとすると、安い海外製品を日本のマニュアルで日本人がオペレートする、という組み合わせがグローバルベストということとなる。そうであれば、現状では機器も含めてオールジャパンで全部勝てるという世界が現実的には描きにくくなり、日本の課題も明確になる。
  • 今までやってきたものをそのまま出すのではマーケットとれない。未来にある市場ニーズを捉まえて強みを作って売っていかない限り勝てない。RCMも「日本でやっているものはこれです、どうですか」ではない。強みの可視化の議論と別に、未来にある市場ニーズも議論しなければ解にたどり着かないのではないか。

4. その他

  • IoTのトライアルは、新たな通信プラットフォームやクラウドサービスの出現により、非常に安く、簡単に始められる世の中になっている。電力産業は時間軸が非常に長い業界だと思うが、これからはアジャイルにとにかくやってみる、というように意識を変えていく必要がある。
  • IPP向けだと事業オーナーのマインドも様々で、例えばPPA契約期間の15年で壊れるプラントが欲しいというニーズもある。安価な海外EPCメーカーでは、15年間何とか動くプラント作りも腕の見せ所だったりする。

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力市場整備室
電話:03-3501-1748
FAX:03-3580-8485

最終更新日:2017年4月13日
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