経済産業省
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石油精製・流通研究会(第2回)‐議事要旨

日時:平成28年11月7日(月曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者(敬称略)

橘川座長、石岡、岩井、上原、牛島、河本、神津、佐藤、新家、長谷川、飛田、松方

プレゼンター
日本政策投資銀行 伊藤産業調査部ソリューション企画室長、みずほ銀行 山岡産業調査部副部長、株式会社野村総合研究所 原田上級コンサルタント、株式会社東京商品取引所 小野里執行役
事務局
山下 資源・燃料部長、三浦 政策課長、西山 石油精製備蓄課長、小山 石油流通課長

議事要旨

議題1

日本政策投資銀行 伊藤産業調査部ソリューション企画室長から資料2「我が国石油精製・元売産業の立ち位置」、みずほ銀行 山岡産業調査部副部長から資料3「石油精製・元売産業の収益環境と目指すべき姿」、佐藤構成員(マッキンゼー・アンド・カンパニー パートナー)から資料4「我が国石油産業の国際競争力」の説明後、出席者から主な意見は以下の通り。

  • 日本の石油精製マージンのボラティリティは、海外の比較において特に高いが、精製事業のコスト構造は国内外で大きく変わるものではないはず。ここに日本の市場及び産業に固有の要因があるのではないか。
  • 石油産業の成長のためには、海外、特にアジアへの進出が重要という見解は共通しているが、石油産業はこれまでも海外進出を模索しており、新しい考えではない。何故、これまで上手く進んでこなかったのかについて、検証が必要ではないか。
  • 石油精製元売各社では、これまでも海外における潤滑油・石油化学事業や石油製品のトレーディングなどに取り組んでいる。しかし、海外に製油所を建設する場合、投資額が約1兆円規模になるため、1社の力で取り組むことは困難。
  • 海外市場への参入に当たっては、相手国の今後の経済情勢や将来需給などを慎重に検討する必要がある。また、外資に対する参入制限も重要な要素。
  • 国内需要減少という課題を克服した鉄鋼業では、自動車鋼鈑などの高度な技術力で差別化した商品により海外で成功した。一方、石油精製業では、技術力や商品の差別化が難しい。石油業界が海外への投資で成功するためには、技術力や商品以外の日本の強みを分析する必要がある。
  • 国内石油需要が2030年までに25%減少すると、利益は単純計算で年間4,000億円減。一方、現在予定されている2グループの統合による統合効果は合わせて約1,500億円程度。これでは4,000億円の損失を補填できない。国内事業をキャッシュカウ化しながら、何を次の成長の基盤にしていくのか、そのためにどのような対策が必要となるのか検討すべき。
  • この数年、各社において進められた5,000億円以上のコスト削減は、全て売上減少の影響等により相殺されている。キャッシュカウ化に向けた対策をどうするのか。RING事業や精製会社の合弁、石油精製・石油化学の連携等が既に相当程度進んできている中、更なる方策としては何が考えられるのか。
  • COP21等によりCO2削減プレッシャーがかかった場合、石油需要の予測がどのように変化するのかも考慮すべき。
  • 国内事業のキャッシュカウ化には、石油精製・石油化学事業の更なる最適化のほか、購買調達等においても対応策が考えられるのではないか。

議題2

小山 石油流通課長から資料5「石油製品卸価格指標の現状について」、株式会社野村総合研究所 原田上級コンサルタントから資料6「石油流通業者による先物を活用した顧客ニーズへの対応とそのための環境整備について」、株式会社東京商品取引所 小野里執行役から資料7「石油製品先物市場の利便性・価格指標性の向上に向けて」の説明後、出席者から主な意見は以下の通り。

  • 全体の8割を占める1SS1ディーラーが先物取引に取り組むのは敷居が高いが、難しいからいつまでも関係ないというわけにもいかないので販売業界で勉強会を開催した。適正な卸価格指標は石油業界と消費者双方の便益に資するものであり、信頼できる価格指標の形成は大変重要。需給を反映した卸価格指標が、元売とSSがしっかりと価格交渉を行う上での目安となるようにエネ庁も積極的に関与し、コスト転換しやすい指標を形成するようお願いしたい。
  • 前近代的な取引を改め、活性化されたフレキシブルな市場にする必要があると考えるが、価格指標の相対取引や市場型取引のあり方について、第三者が加わって適正性を確認しているのか。
  • 元売が多く関わる海上マーケットの方が陸上マーケットよりも高いようであり、その海上マーケットについては海外と比べても日本は高いとの話を前に聞いたことがあるが、改善を図るには、公正取引委員会から指摘を受けるような差別対価などの不公正な取引に結びつくものを改めないと、石油産業の活性化につながらない。
  • 取引市場の流動性向上はプレーヤーの選択肢を広げる面でよいことだが、卸価格決定の変遷をみると、その時々の市況局面で試行錯誤があったようであるため、指標の選択肢を増やした上で、その指標の使い方についてもある程度の言及が必要ではないか。
  • 企業間の価格交渉は、基本的に元売会社と流通業者の自立的・自主的な判断に委ねるべきものだが、一方、その物差しを設けるためにも、公正・透明な市場形成や取引環境の整備は非常に重要。しかし、現在の価格指標は相対取引の成約価格によらないメソドロジーとなっている。信頼性を高めるためには、業界が引き続き取引慣行の適正化に努めると共に、価格アセスメント会社がIOSCOのPRA原則を遵守するよう求める必要がある。
  • 陸上マーケットと海上マーケット間の価格差における逆転現象を含めた現状は、市場構造とどう結びついているのか。また、(1)2015年1月頃から元売の卸価格の変動幅の推移が(原油コスト等の推移から)乖離している原因、(2)元売価格全体だけではなく各社間の格差が大きい点についてどう分析しているのか。価格決定方法の編成と連動しているのか。これらは、今後小売価格や小売流通を議論するにあたって必要な事実。
  • 市場透明性、価格信頼性、価格即時性の3つが揃ってはじめて取引市場の流動性に繋がる。国内事業のキャッシュカウ化を進めるためのプラットホームとして公正な競争の場を設けることは重要。

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 資源・燃料部 石油流通課
電話:03-3501-1320(直通)
最終更新日:2016年11月10日
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