経済産業省
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石油精製・流通研究会(第3回)‐議事要旨

日時:平成28年11月21日(月曜日)9時30分~11時30分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者(敬称略)

橘川座長、石岡、岩井、上原、牛島、河本、神津、佐藤、新家、長谷川、飛田

プレゼンター
東洋大学 小嶌経営学部教授、(一財)日本エネルギー経済研究所 小林研究主幹、株式会社エイジアム研究所 比留間取締役副社長
事務局
山下 資源・燃料部長、三浦 政策課長、西山 石油精製備蓄課長、小山 石油流通課長

議事概要

議題1

東洋大学 小嶌経営学部教授から資料3「諸外国の石油流通産業の動向」、昭和女子大学現代ビジネス研究所 上原特命教授(研究会構成員)から資料4「石油業界でのチェーン・オペレーションの活用に向けた協業体制の構築について」の説明後、出席者からの主な意見は以下の通り。

  • 米国もヨーロッパも精販分離の方向で進んでいるようだが、日本では元売直営が10年前が13%だったのに対し、現在は22~23%となっている。都市部では60%以上のシェアを元売直営SSが占めるところもある。日本と欧米ではなぜこんなに異なるのか。今後、日本の業界構造はどうなっていくのか。
  • 今後、元売が直営SSを続けていくかどうかは、新たなコ・ブランド等のプレイヤーがこの業界に出てくるかによる。
  • 欧米はセルフSSの増加や業態の多角化が進んでいるようだが、日本で問題が多々起こる荷卸しの際の立会いを欧米ではどのようにしているのか。また、日本のSSではフルタイムで働く従業員が少なく、パートタイムが多いと聞くが、欧米はどうか。石油製品を売る上で、荷卸しや就業者構造における日本との大きな差は何か。
  • 欧米における荷卸しに関しては、プロが行い、かつ、ジョイント等が明確に分かれているため問題とならない。実際に、荷卸し自体、無人のところは自動だが、カメラ等で確認している。また、SSは従業員の働く場所として大きく改善しており、コンビニ等の様々な業態を取り入れることによって従業員の確保はしやすい状況となっている。
  • (日本でコンビニ併設型SSがアメリカのように拡がらない理由は。との質問に対して、)コンビニ併設型のSSは現在260程度しかないが、年々増加しており、販売量は増加している。日本は一度走り出すとすごい勢いで業界構造も変わるため、コンビニ併設型SSも急激な変化があれば10年もかからず増加していくだろう。
  • 従来から続く元売主導の精販関係に問題があるという主張が、業界の視点から見ても正しい理解か確認した上で、議論を進める必要がある。顧客視点に立った事業展開ができていなかった理由は元売立脚型の流通構造であるからなのか。本当に精販分離で顧客視点に立った様々な事業展開が可能になるのか。
  • 欧米で見られるコンビニとSSのコ・ブランドは今まで関係特殊的な資源だったSSをコンビニ業界が汎用的資源として利用できるようになっていることを示すが、既にコンビニが全国において飽和状態の日本でも同様に、SSが汎用的資源になり得るかが、一番理論的に重要な問題。石油業界からだけではなく、小売業界から問題を見ることも重要。
  • SSは約20年前から社会貢献運動を各地域で展開しており、地域社会に貢献する活動など多様なサービスをしてきたと理解している。石油製品のコモディティ化により価格が安くなることにこしたことはないが、価格競争だけでは消費者にとって良いとは限らない。地域社会のエネルギー供給拠点としてのSSというものが必要である。
  • 日本の過疎化の方向性について、SSの収益自体が今後大幅に増加することはない。ガソリン単体の商売で、収益を20%上げるということはマージンを20%上げることとなり許されない。全体の収益を上げるためには、プロフィットセンターとなること、つまり、コ・ブランド等が増加することが必要。
  • SS過疎地の問題はますますひどくなる。SSは燃料供給場所ではなく、ストック場所であると聞いたが、ストック場所がなくなると災害時に孤立しやすい。
  • (コモディティ化により、系列の関係価値が低下するとあったが、石油製品は元々コモディティではではないか。との質問に対して、)石油製品は元々コモディティであり、必需品であるが、サービスの差別化も進んでいない。(高額ではない)化粧品もそうである。従来のようなメーカー主導型のシステムは難しくなっており、多品目化して生きぬくべき。自社製品で生き残れなければ、多角化するしかない。
  • 元売は配送面で合理化を進めており、コスト削減を行っている。新たな仕組みをつくったときに、それが活かせる仕組みができるのか。また、油槽所の共同利用や製品の共同配送の考えもあるが、その場合には製造物責任や品質保証の責任問題が発生する。その整理が必要。
  • 過疎地にどう対応するかということで重要なことは、規模をある程度チェーンオペレーション化してコストを吸収できる体制にすること。それにより本部に情報が集約され、色々な地域の情報が得られる。チェーンオペレーション化と多品目化が重要。
  • 元売起点での流通販売という体制を歴史的に考えると、石油精製は非常に多額の投資が必要な産業であり、エネルギーセキュリティという点から見ても流通経路まで一つの場につくっておくことが、一定の社会経済発展に貢献してきた。石油製品の確保、安定供給を得るということから変わりつつあり、今後も大きく変わるのではないか。「顧客視点」に、地域間の差を意識しておく必要がある。流通販売の新たな顧客ニーズを取り込むということは、元売側でも新事業への変革を進めるということであり、流通販売の改革と元売の新事業構造への転換とを合わせていくことが必要。石油業界全体を通したバリューチェーンの再構成という一気通貫の視点で見ていくということが必要。

議題2

(一財)日本エネルギー経済研究所 小林研究主幹から資料5「欧米・豪州における石油精製事情」、株式会社エイジアム研究所 比留間取締役副社長から資料6「中国・台湾・韓国の石油製品輸出動向」の説明後、出席者からの主な意見は以下の通り。

  • 我が国は、イギリスやオーストラリアのように、国内に原油やガスといった天然資源を有し、製品調達時の価格競争力を持つ国と事情が異なる。エネルギー安全保障の観点から、国内に製油所を維持する必要がある。
  • 平時に国内に生産余剰が生じている現状において、経済合理性のある形で製品輸入ビジネスを継続することは困難。他方で、災害時には、製品輸入には一定の意義がある。原油や石油製品の備蓄を前提にしつつ、国内精製と輸入のベストミックスを考えていくことは有意義ではないか。
  • 石油製品の輸出という観点からは、当面、東南アジアやオーストラリアが市場として考えられるが、我が国は消費地から遠いため、輸送コストの面で競争不利にあることは認識する必要。また、中国・韓国・台湾の輸出型製油所と異なり、我が国の製油所は国内需要への対応を前提としてきたため、バースやタンクといった設備の能力が低い。
  • 国内製油所の輸出競争力を高めるためには、追加投資が必要となるが、その資金調達のためには、採算が見込めるビジネスモデルが必要。今後、輸出を志向するのであれば、民間ビジネスベースでは取り切れないリスクについて、公的資金の活用も検討する必要。
  • 石油製品は製品毎に市況が変動するため、製油所の競争力を高めるためには、柔軟な生産・販売を可能にする能力を持つことが重要。
  • 我が国の石油業界は安定供給を強調するが、民間企業である以上、経済合理的であることが大原則であり、安定供給のために損失を出していいわけではない。安定供給と経済合理性の両立を図るために、民間企業がどこまでできるのか、どのような政策的支援が必要なのか、役割分担を検証する視点が必要。
  • 石油精製業界では、これまでも、調達コストの削減、精製コストの削減、高付加価値化の実現に取り組んできた。国際競争力を高め、国内に製油所を維持していくためには、引き続き設備投資が必要となる。輸出能力を高める投資も含め、政府による支援措置の拡充・強化をお願いしたい。
  • 設備稼働率や需給ギャップは、業界全体の収益構造に大きな影響を与える。流通・販売業界における過度な安値競争問題にも直結する。
  • 米国のValeroのように、製油所アセットのポートフォリオ転換をスピーディーにやろうとすると、地域経済や雇用問題への影響が出てしまうのではないか。海外の取組事例を、日本に活用できるかについては慎重に考える必要。
  • 輸出能力が高まれば、製油所の稼働率の改善や国内の需給調整にも資する可能性がある。例えば、次期の高度化法告示において、桟橋の輸出能力を評価することも検討するべきではないか。

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 資源・燃料部 石油精製備蓄課
最終更新日:2016年11月25日
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