経済産業省
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石油精製・流通研究会(第4回)‐議事要旨

日時:平成28年12月20日(火曜日)16時00分~18時01分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者(敬称略)

橘川座長、石岡、岩井、上原、牛島、河本、佐藤、新家、長谷川、飛田、松方

プレゼンター
Solomon Associates Kevin Henke Project Manager、石油コンビナート高度統合運営技術研究組合(RING)能村郁夫研究主幹
事務局
山下 資源・燃料部長、三浦 政策課長、西山 石油精製備蓄課長、小山 石油流通課長
オブザーバー
岩成 公正取引委員会事務総局経済取引局取引部取引企画課長

議題

  1. ガソリンの適正取引慣行に向けた方向性について
  2. 石油精製・元売産業の生産性向上に向けた取組
  3. その他

議事概要

議題1

小山石油流通課長から資料2「ガソリンスタンドの適正取引慣行に向けた方向性について」の説明後、出席者からの主な意見は以下の通り。

  • SSは元売と一層の協力関係を築いていかなければネットワークを残せないが、仕切価格の建値化、形骸化でコストがわからないまま商売を続けており、同系列内にも疑心暗鬼が生じているのが実情。これを是非改善していただくよう強く要望する。また、卸価格は元売とSSの交渉ごとで決まるとはいえ、基本的に元売と系列SSとは元売が優越的地位にある以上、本来なら淘汰されるべきSSを存続させることで個人資産の消失を招き、その結果、逆に勝ち残るべきSSや事業者を廃業に追いやってしまうケースも出てくる。エネ庁と公取委に深く関与してもらって公正透明な仕切価格体系が形成される取引慣行のガイドライン策定を実現してもらいたい。二点目は元売販売子会社の問題。シェアがどんどん伸びている。今や25%近くある。市場における影響も大きい。元売販売子会社が連結決算であり実態はわからないが、元売販売子会社単体で見れば赤字になっているという噂もある。エネ庁におかれては元売販売子会社の実態について定期的にヒアリングをしていただきたい。三点目は国内の需給ギャップの解消について、仕切価格をはるかに割った極端な廉売、こういうことがおこる以上、供給過剰になっているからではないかと考えている。海外の価格も必ずしもそうでないケースがあるが、悪循環を断ち切るためにも、第三次告示を実施してもらい、過剰設備の削減や設備最適化の措置対策をしっかりとやってもらいたい。これによって廉売合戦が減り、SS過疎地が増えないようにしてもらう。SS過疎地が増えることは、消費者利益に反する。需要にあった、身の丈にあった生産をしてもらいことで更に輸出することに対して輸出インフラの整備について是非、予算措置を講じてもらうことで需給バランスを保つということを是非お願いしたい。前回の東洋大学小嶌先生の説明の中で、「アメリカではSS産業はなくなった、いずれ日本もそうなる」との発言があったが、大変違和感がある。我々としては自負心をもって、油でもって皆様のために災害対応を行っている。そういうことには絶対ならない、絶対しないと考えている。
  • ガソリンの流通問題についてはガイドラインを出したり、実態調査をしたり等を行い、独占禁止法の考え方を明らかにしてきている。今回の議論はガソリンの取引適正化を行うための議論だと理解している。取引の適正化について望ましい行為を議論することには意義があると思う。ここ数日、いくつか新聞記事が出ているが、その観点で補足すると元売の場合、系列特約店に対して仕切価格、指標、基準価格等を通知しているが、通知後の事後的な仕切価格の修正には2種類ある。一つは系列特約店の申出を受けて個別の値引き交渉をする方法。もう一つは差別なく一律に当日内で仕切価格の修正を行うという方法。大半は前者。一部後者がある。仕切価格の修正と言っても複数の異なる方法がある。その上で、公取委としては事後的な価格交渉にせよ、差別なく一律に行われる仕切価格の修正の方法にせよ、最初に通知した仕切価格の修正を行うこと自体が独禁法に違反するものではないと考えている。価格交渉することは通常の商慣習。そういった修正をすることが常に問題があるということに踏み込むことのも適当ではないと考えている。
  • 最初に申し上げたが、ソフト面から考えて、国内状況の変化や社会の変化に応じた対応が必要。災害対応も必要という話をした。災害の多い我が国で安定的に石油供給を行うために元売、SS、行政の連携の中で推進していってもらいたい。過疎化している地域でエネルギーの供給に支障を来してはならないという思いで価格を安くしてほしいということを表面に出すことを控えてきたが、全国の消費者が良きサービスを受けられなければならない。力のある人だけが安いものを入手できるような不公平があってはならない。災害時のことに関しては、災害弱者である人々、高齢者の見守り等事例の報告があったが、様々な業界の方々が高齢者の見守り、生活支援を行っているが、そういったことをやってもらうためにも元売とSSがエネルギーを安定供給させるという社会的使命のために大きな価格差を設けないで適正な競争の中で透明性のある価格構成で進めてもらいたい。今回、状況の把握ということでSSに取引の実態を調査し、実態を把握されたと思うが、これはフォローアップ調査が必要。記名、無記名と色々あるが、生の声を聞けるような調査には配慮が必要。価格の修正の基準の明示化・透明化、独禁法そのものや指針、これまでの調査報告書を踏まえた対応等を遵守して、良い関係を構築していってもらいたい。消費者にも安心してどこでも買えるような見やすい表示広告、適正な料金構成、良き品質のものを川上から川下まで流していただきたい。
  • 資料における「政府としての対応(案)」について、「…各系列の当初の仕切価格と、原油コストやスポット価格指標等の推移の傾向を比較して、建値化が起きていないかどうか実態を把握するのも一案」とあるが、政府が、仕切価格の決定方式やその水準にまで踏み込み、元売の仕切価格を指導することにつながるような対応を行うことは適切ではないと考えている。以前にも申し上げたが、石油製品取引のあり方については、企業の自律的な事業活動に委ねるべきであり、「資源エネルギー庁が、各系列の仕切価格が建値化していないかどうか実態を把握する」との表現が望ましいと考えている。また、「卸価格の事後的な修正の基準の明確化」について、言うまでもなく、民間企業として、独禁法上の問題になる行為は厳に慎むべきであるが、「政府としての対応」としても、どのようなケースが「独禁法上の問題になるような事例への厳正な対処方針」を明確に示していただきたいと考えている。繰り返しになるが、精製・販売双方が、経済合理的な事業活動を行う上で、国内の価格指標が需給状況やコスト動向等を適切に反映し、信頼性・透明性を高めていくことが何より重要であると考えている。政府におかれては、信頼性・透明性の高い価格指標の整備に向けた取組みの強化を引き続きお願いしたい。
  • 一点目は業界が全体の量と価格に関する情報を共有する仕組みを構築してもらいたいということ。二点目が先物の情報についても共有できるような仕組みを構築してもらいということ。それにより各々が価格に対する反応、行為を作り出せる。三点目が流通の多品目化を進めていただきたいということ。石油だけで流通は成立しないというのが世界の流れ。ガソリンステーションの特性を活かした多品目化をしてもらいたい。結合利益といっているが、色々な機能を結合して利益を取っていく方法を模索していただきたい。最後に取引の公正化の問題。商業利潤を事実的に確保できる仕組みを構築してもらいたい。
  • これまで石油流通に関し、系列取引の特性について色々話を聞いてきたが、従来の系列の問題は、系列内の事業者で優遇し、より優先的に取引を行うことで取引が固定的になったり、市場が閉鎖的になるようなことに対する議論だった。流通取引ガイドラインは系列内の取引ということで作られたもの。石油流通については系列内格差の対応が一つのポイント。従って、差別対価、廉売という表に出てきた論点が議論の中心となる部分もあるが、ガイドラインの策定にあたっては取引関係の格差とかそういったことに由来する適正化の問題を中心に議論することが前提としてあった上で、廉売、差別対価の問題を抽出してもらいたい。公取委は法を適用することが前提。そのため違法性の判断基準に特化した議論となりがち。ガイドラインの議論としては、公正競争原理は共有しながらも、公取委の議論とは方向性、正確の違ったガイドラインとすることは意識するべき。判断基準が二重化しないように理念面での共有は重要だが、資源エネルギー庁ができるものと公取委ができることは異なる。基本的な方向性は賛成であるが、実際にガイドラインを議論する中では色々と議論する必要がある。
  • 需給ギャップの問題に関して、輸出だけで対応しても需給ギャップを解消できないのではないかと言うことで、三次告示、法律の対応で設備を廃棄することを誘導してはどうかということで意見を紹介されたが、他方、研究会で議論したが、需要が減少していくことは今後も続いていく。他方で、大きな変化としては海外との競争にさらされるということ。中長期的に日本のエネルギーの根幹を担う石油サプライチェーンを残すことは上流中流下流特に特にダウンストリームはしっかりと残していくことを前提と考えている。単に闇雲に設備を廃棄することを誘導することは物の本質を解決することにはならないのではないかと考えている。状況の変化を踏まえて、精製元売もガソリン流通業界も長期にわたってサプライチェーンを維持できる、再投資ができるためにはどういう施策が必要かを議論したい。
  • これまでも高度化法によって精製能力削減、資本の枠を超えた提携、企業再編を行ってきた。ここに更に設備を切ってしまうと、安定供給の担保ができないかもしれない。単に精製能力削減で全てが解決されるわけではない。
  • あまりにも現状が良くないという状況がある。仕切価格体系が商社経由でPBに安い価格で出さざるを得ないのか出しているのか、そこがわからない。エネ庁のヒアリングでもそこまでは把握できていない状況。そうなると供給過剰が一つの要因ではないかという意味で申し上げた。身の丈にあった生産をしていただき、適正な利益が取れるような仕切価格体制としてもらえれば問題ない。
     

議題2

Solomon Associatesから資料3「Suggestions for the Refiners in Japan」、石油コンビナート高度統合運営技術研究組合(RING)から資料4「石油コンビナートの連携・統合による生産性向上」、松方早稲田大学理工学術院教授から資料5「石油精製業における将来技術の可能性」の説明後、出席者からの主な意見は以下の通り。

  • 日本の製油所の稼働信頼性が低い理由の一つとして、製油所に対する、日本独自の様々な規制がある。製油所の安全性向上を実現するための法律であるはずなのに、逆にマイナスの方向に導いてしまっている。また、製油所の修理のために装置を停止する際、実際の工事期間は他国と変わらないが、装置を停止するまでに要する時間や工事後に通常稼働に戻すまでに要する時間が非常に長い。その理由は、状態を戻すまでの作業手順や技術スタッフ数の差などが考えられるが、この点は、設備投資を必要としないすぐに改善できる面であると言える。
  • 日本の製油所ではプロセスエンジニアを一製油所当たり平均19人が働いているが、仮に韓国に同じ設備規模の製油所があると考えると同国では、約2倍近くの平均33人が働くことになる。
  • 韓国の製油所では、こうしたエンジニアを活用し、日々、エネルギー効率を高めるための努力を行っている。他方で、日本は2012年、2014年と石油製品価格が高かったにもかかわらず、改善が見られない。
  • 製油所のエネルギー効率を改善するためには製油所の稼働信頼性を高めなければならない。停止期間が長くなれば余計なエネルギーが使われる。また特に効果が期待出来るのは、使用蒸気量を減らすことである。
  • 日本のトップ10の製油所には、世界トップクラスの製油所と同レベルの生産性を持つことができる。ポテンシャルのある製油所に集中投資すべき。
  • 日本の製油所は、十分な2次装置を持っているが、それらの装置の稼働率が低い。製油所の2次装置の稼動率を上げるような取組を評価すべき。
  • 製油所の統合運営は、隣接する製造部門の連携を想定しており、物流連携とは、別のもの。
  • 人材育成は、産学ともに喫緊の課題。大学において石油関連の講座はほぼなくなり、指導者も大幅に減っている。産学連携によるオープンイノベーションで新しいテーマを創出し、石油精製分野において主導的に取り組んでいける若手人材を育てていくことが重要。
  • 企業によって、研究開発へのスタンスは異なるが、将来にわたり国内に製造基盤を維持する観点からは、国と連携しつつ、引き続き力をいれていきたい。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 資源・燃料部 石油流通課
電話:03-3501-1320(直通)
最終更新日:2017年1月12日
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