経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

石油精製・流通研究会(第6回)-議事要旨

日時:平成29年2月27日(月曜日)9時59分~11時54分 
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

(敬称略)
橘川座長、石岡、岩井、上原、牛島、河本、佐藤、新家、長谷川、飛田、松方
(事務局)
山下 資源・燃料部長、三浦 政策課長、西山 石油精製備蓄課長、小山 石油流通課長
(オブザーバー)
(一財)日本エネルギー経済研究所 小林研究主幹、(株)ローランド・ベルガー 遠山プリンシパル、日本政策投資銀行 伊藤産業調査部ソリューション企画室長、みずほ銀行 山岡産業調査部副部長、(株)エイジアム研究所 比留間取締役副社長、石油コンビナート高度統合運営技術研究組合(RING)能村研究主幹

議題

  1. 石油精製・流通研究会 報告書骨子案について
  2. エネルギー供給構造高度化法について
  3. その他

議事概要

議題1

西山石油精製備蓄課長及び小山石油流通課長から資料2「石油精製・流通研究会 最終報告書 骨子案」、西山石油精製備蓄課長から資料4「石油精製分野における課題認識と政策の方向性について」の説明後、出席者からの主な意見は以下の通り。

  • 今回示された今後の政策の方向性としては、従来の全ての製油所を対象とした画一的なアプローチを改めて、競争力が高い製油所に重点化して強化を図るなどメリハリのある政策に舵を切っていく印象。アジアとの競争の中、プレゼンスを高めることができるのは競争力の高い製油所であり、政策の方向性については賛同したい。
  • 国内の石油需要が縮小していく中、人材確保は重要な課題。従来事業に必要な人材に加え、研究開発に必要な人材や、今後の海外進出にあたりグローバルに活躍できる人材をどのように育成していくか。
  • 国内製油所の国際競争力強化を政策的に支援していく上では、定量的な政策目標が必要。支援した製油所が国際競争のなかでどこに位置するかで、政策の内容も変わってくるべき。
  • アジアの需要は伸びるが、それに伴って供給能力も高くなるため、ある時点で供給過剰になる見込み。その中で、我が国が輸出を行うためには、海外にアウトレットを確保することが必要。具体的には、海外の販売会社の買収や、オイルターミナルの建設などの事業投資が必要。その際、JBICやNEXIのファイナンスを活用することがありうるが、活用の条件として自国への裨益が付与されている。この運用を、石油分野の海外進出については、自国に裨益するものとして案件を審査するなど、柔軟にして頂きたい。
  • 海外展開を推進すると、その裏で国内空洞化の懸念がつきまとう。海外展開により、国内のサプライチェーンが十分に維持できないということや、国内に人材を確保するということに対して、支援をどうしていくのか。
  • 今後は、石油の安定供給の確保のためにも、“単なる精製能力の削減ありき”ではなく、製油所の生産性向上を通じて、余剰生産能力を活用したアジア新興国等への輸出拡大、石化シフトなど、製品の高付加価値化を拡大させていくことが重要。
  • 国内市場での企業間競争だけでなく、輸出市場での厳しい競争にも打ち勝てる強い製油所を目指すことが重要。こうした競争力強化の取組に対する、積極的な政策支援が必要。
  • 需要が減少している中で、元売とSSとの共存・共栄は大変重要。最終報告にしっかりと盛り込むべき。また、アジアへの進出について、冨尾石油という事業者はミャンマーに進出し、現地法人とジョイントベンチャーを組んで日本式のサービスを現地スタッフに教え込んでいる。こうした取組も含め、SS業界も経産省とともに研究し、前向きに取り組む必要がある。
  • 国内での業界再編が進んだからといって、国内の石油企業がアジアへ進出できるわけではない。国内再編等により、一定の競争力の底上げが期待できるが、それだけでは縮小均衡から抜け出せない。今後は、国内の製油所の競争力によって政策的支援の段階やメリハリをつけるようなやり方があるのではないか。
  • 海外展開の支援としては、流通販売網を含めた設備投資や企業買収等、輸出や精製ではない部分についてもしっかりと支援していくということが政策項目にしっかり盛り込まれることが必要。
  • 海外での評価という観点からは、日本で育てた精製技術をパッケージ化したものや、災害対応能力・強靱化や、人材・スキルといった国内の強みを海外に活かすことも考える必要。また、海外から評価を得やすい金融面での支援も含め、幅広い対策を講じていくべき。
  • 日本の石油産業は、アジアの石油産業全体に貢献してきた。日本は、中東の原油を調達し精製する能力を持ち、それを化学と結びつける力がある。さらに、その力をアジアに移転するなどサプライチェーン全体にわたっての強みを持っている。今後は、日本の強みを活かして、アジア市場に展開するようなビジネスモデルを作っていくことが国際競争力の本質なのではないか。
  • 今回の研究会における議論の方向性には概ね賛成。しかし、未だに精製と流通で議論が分かれているという印象。原油調達からSSまでのサプライチェーン全体としてアジアでどう勝負していくのかという構図にして、今後の方向性を捉えていく必要がある。
  • 日本からどのように輸出していくかという議論も重要だが、アジアの中でいくつかの拠点となる製油所を持ち、その中で、日本の製油所に特別な位置付けを与えるという、パン・パシフィックで捉えたアプローチが必要。日本のニードルコーカーやRFCCもそれで活きてくる。アジアの石油産業の拠点である日本、そのために、それを支える業界再編という位置付けでものを考えていった方が良いと思う。
  • 精製業界として稼ぐ力を取り戻すことが大事。いかにキャッシュ、稼ぐ力を高められるか。石油企業においては、経営のやり方を見直すことが今まで以上に必要。
  • 北東アジア、特に輸出志向の高い中韓製油所は、製油所の国際競争力の強化のための積極的な戦略投資を推進。一方、日本の石油会社は、精製能力の削減ということで分解装備率を上げてきたが、製油所に対する大規模な戦略投資は活発ではなく、投資額を回収できる利益レベルにもなっていない。
  • 利益確保のためには、合理化や効率化による製品の高付加価値化に加えて、国内の石油製品の価格政策を抜本的に見直す必要がある。日本の卸価格は、自ずと低い方に流れる傾向にあるなど、業転格差や系列内格差の問題が大きい。これを解決することにより、フェアな競争が実現し、その中で事業の効率化、合理化が図られる。これを解消しなければ、日本の石油産業の継続的な発展には繋がらない。
  • 競争力の強化は重要であり、その際、精製のみならず、流通、上流の調達を合わせた競争力強化が必要。
  • 競争領域と協調領域を分けることが重要。欧州の自動車産業でも、基礎研究等は協調している。たとえば原油調達や物流、研究開発などについては、国内の事業者間で協調していくことで、国内の石油産業全体の競争力が高まるという視点も必要。
  • 日本マーケットに供給することだけを前提とした事業展開だと限界がある。新たな市場に進出することと、原油を調達することをうまく連携させることで、新しい付加価値を創造し、日本式の新しい事業モデルを構築し、差別化を図っていくということが重要。
  • 人材確保や国際競争力強化、海外進出に当たっての強みづくりのためにも、石油と化学の連携は不可欠。主製品のアウトプットだけではなく、連産品や副産品のバリュー向上も一体的に考え、コストを引き下げることが必要。燃料油では差別化が難しいが、潤滑油や化学製品は、差別化が可能。
  • アジア企業が日本の石油精製会社と組みたいと思うポイントの一つが、石油化学。石油と石油化学のインテグレーションを海外は渇望している。石油と化学のインテグレーションを、KPIやベンチマークとして設定してはどうか。
  • 人材については研究開発の話が大きいが、石油精製と石油化学を両方知っている人材は少ない。両方に精通した人材は重要。
  • 海外で最近新設が進んでいる事例を見ると、スタンドアローンではなく、石油と石油化学のセットになっている。重質油から白油を精製するということだけでなく、石油化学の素材も供給している。石油と石油化学の企業連携や、既存設備をうまく使ったコンビナート・地域全体の最適化を通じて競争力を強化していく必要があり、この点に、国からの後押しが必要。
  • 石油の需要は減るが、なくならない。研究会の最終報告の内容としては、石油産業が、今後もいかに成長していくかという点に重点をおく必要がある。
  • コンビナートが与える地域経済や地元雇用へのインパクトは大きい。コンビナートとしてどのように競争力を高めるか、コンビナートをどう維持していくかという観点も重要。国や地元の自治体による、コンビナートの競争力に向けた対応の方向性は最終報告に盛り込むべき。
  • 世界的な潮流として燃料転換が進み、重油の需要量は減少しているが、エネルギー安全保障の観点からは、石油火力発電も含め、重油をどのように活用するかも重要な視点。エネルギーミックスの議論かもしれないが、石油精製サイドのいろいろな努力がエネルギーミックスにも反映されると良い。
  • 国際競争力強化ということで、どれくらいの時間軸で海外展開を考えているのか考えることも重要。日本の製油所の分解率を上げることは総論的には重要だが、日本の製油所の強みをどこに置くのかを考えることも重要。また、FCCをどうやって活用していくかを考えないといけない。
  • 今後の政策の方向性を考える上で、上流を含めたサプライチェーンという観点は非常に重要。JOGMEC法の改正により、JOGMECが中東やロシアの国営石油会社の株を持つことが可能になった。上流を足がかりにして、下流のビジネスチャンスを獲得する機会も十分ありうる。
  • SSについては、都市部と地方の2つの柱に分けて考える必要がある。日本の都市部SSはアジアでSSをやるためのノウハウを十分に持っているため、元売と協力してアジアにSSを展開していくという発想が良い。地方SSは日本コミュニティを支える柱という位置付けで未来像を描くべき。
  • 日本は、OECDの中で、原油を持っていない国でありながら一番消費している国。原油から付加価値を生み出すことについては日本が一番得意という姿にしなければ、日本の特性を活かせない。日本の石油産業の強みは、石油から高い付加価値を創出する力であり、この力を磨いていく必要があるのではないか。

議題2

西山石油精製備蓄課長から資料5「エネルギー供給構造高度化法について」の説明後、出席者からの主な意見は以下の通り。

  • 1次告示や2次告示のような割り算だけでなく、競争力強化に向けた対応として、輸出や石油化学に係る取組をきちんと考慮してほしい。
  • 連産品の有効活用という視点から、石油化学との連携の要素をどう取り込んで、競争力を高めていくことが重要。ナフサは輸入に頼っている状況だが、いかに地産地消を実現していくのか。
  • ユーティリティを含めたコスト構造、競争力のある製油所にメリハリを付け、強いところは更に強化し、そうでないところは底上げを図ることが必要。
  • ファイナンスの観点からは、国内製油所の収益力がなければ、新たな投資資金を確保しにくい。ハード面としての対応は、設備削減という形ではあるが、重質油分解装置の比率の改善が進んできた。今後の対応としては、ソフト面の対応に着眼した方向性が、現状に即している。さらに、設備の増強といったハード面に軸足を置くような方向性とするならば、安定的にキャッシュを稼げることが前提となる。
  • 重質油分解能力を向上させることによって、重質油の需要に対して十分な供給を実現できるかの検証が必要。競争力の強化と安定供給は二律背反になるので、その2つのバランスを取ることが大事。
  • 次のエネルギー供給構造高度化法の告示の対応としては、過去の告示のような分母(原油処理能力)中心の対応ではなく、どちらかというと、分子中心の話になる印象。かなり重要な政策の転換になると思う。規制的視点ではなく、誘導的視点によるものと考えるため、告示の対応期間は、少し長いスパンで考えるのがいいのではないか。
  • 国際的な競争の中で国内の寡占化の問題をどう見ていくか。連携を進めていく上では、それらの問題は多少低く見ても良いのではないか。連携を進める上では、高度化法を利用することはそれなりに有効だと思っている。
  • 製油所の処理能力は、企業が自ら判断すべきものであり、国がキャップをかけるべき話ではない。枠をはめることにより、生産性が高く優秀な製油所にとって逆に生産性低下をもたらすことになる。
  • 原油の有効利用を進めることは重要。有効利用を進めることが、競争政策との関係で、寡占化につながることはないと思う。また、報告書をまとめる段階では流通と精製をうまく連携させてまとめると良いと思う。
  • ある地域の生産から流通段階まで押さえ込めばうまくいくという発想が、これからの石油業界には必要になってくるのではないか。
  • 公共分野と違って、消費者志向から離れたような感覚が石油の分野には残っている印象。公共事業としての自覚にやや欠ける部分があったために、末端の価格の問題なども起こりうる。今後、寡占化が進むに当たり、消費者とのコミュニケーションをしっかり図っていただくということをお願いしたい。
  • 総括原価の下の電力やガスと比べると、競争がある石油の方がはるかに消費者利益を実現できているのではないか。
  • 業転格差や系列内格差の解決は、必ずしも元売と販売店だけで解決できる問題ではない。ある程度行政が関与しなければ、両者にとっての稼ぐ力を実現できないと思う。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 資源・燃料部 石油流通課

最終更新日:2017年3月3日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.