経済産業省
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石油精製・流通研究会(第7回)-議事要旨

日時:平成29年3月24日(金曜日)9時30分~11時30分 
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

(敬称略)
橘川座長、石岡、岩井、上原、牛島、河本、神津、佐藤、新家、森、飛田、松方
(事務局)
山下 資源・燃料部長、三浦 政策課長、西山 石油精製備蓄課長、小山 石油流通課長

議題

  1. 石油精製・流通研究会 最終報告書について
  2. ガソリン適正取引慣行ガイドラインについて
  3. その他

議事概要

議題1及び2

西山石油精製備蓄課長及び小山石油流通課長から資料2「石油精製・流通研究会 最終報告書について」、小山石油流通課長から資料4「ガソリン適正取引慣行ガイドライン」の説明後、出席者からの主な意見は以下の通り。

  • 第3次告示により、重質油分解設備の有効活用が図られ、白油化が進むことになれば、ガソリンを中心に過剰供給になり、業転市場に流れるのではないかと懸念。国内製油所が輸出競争力を持つよう生産性向上に取り組んで欲しい。
  • SSについては、これまでに、災害時に備えて、中核SSを全国に約1,600ヵ所整備した。加えて、10/10の国の支援により、自家発電機を備えた住民拠点SSを全国に約8,000ヵ所設置する予定。全石連では、設置された自家発電機がいざという時に稼働できるよう、3月11日(東日本大震災)及び9月1日(防災の日)を中心に、年2回の稼働訓練を実施し、災害時に備えた体制を強化していく。また、石油連盟とも連携し、災害への備えとして自動車の満タン運動を実施していきたい。
  • 報告書に記載頂いた、過疎地や離島等においての灯油配送合理化や協業化の問題だけでなく、最近では研究会で御提案のあったSSの海外展開の問題も含めて未来志向の新たなSS経営の在り方について勉強会も行っている。こういった取組のうち、公益性があると判断されたものについては支援をお願いしたい。
  • 仕切価格の建値化、事後調整の在り方について「ガソリン適正取引慣行ガイドライン」について御説明いただいた。取引の透明化・公平化のために、ガイドラインについては実効性が高まるよう、作って終わりではなく、定期的に検証して欲しい。元売、販売子会社、商社等に対するヒアリングを定期的に実施するなど、ねちっこく、粘り強く、丁寧なフォローアップをお願いしたい。
  • 石油精製元売各社としては、国内需要の構造的縮小や国際競争の激化という厳しい事業環境に対して、今回示された方向性を踏まえ、経営基盤強化と効率的な石油事業の担い手としての役割を果たしていきたい。
  • 報告書中、系列特約店向けの卸価格と非系列のスポット価格との比較について、一部の会社のデータのみを使って比較することはデータの信憑性と公平性に欠ける。過去の研究会でも一度も議論をしていない内容であり、唐突感が否めないため、削除をお願いしたい。修正方法は座長に一任。
  • 電気分野でも、石油元売や全石連などの燃料分野との災害時における連携の大切さが指摘されていた。災害時協定も自治体等との間での協定は進んでいるが、自然災害が多い我が国では、エネルギー間の災害時協定もこれから先必要となるのではないか。また、燃料分野は、災害時に他のエネルギーへの支援ができるよう余力を残しておく必要がある。
  • 適正取引関係について、消費者に対して配慮されているようだが、仕切値が高値に張り付いては困る。従来の枠組みにとらわれず、精販両方にプラスになるよう、事後調整が複雑化・長期化しない仕切値の在り方を検討してほしい。また、消費者としては、会員限定のものなど条件付の価格をはっきり認識できる価格表示の明瞭化を望む。
  • 研究開発体制について、質・量ともに人材を強化するのは難しい。企業が継続的に進める取組に加え、オープンイノベーション的な広がりのある、産官学連携のような取組が必要。課題により臨機応変に体制を組み替えたり、多くの人の知恵を入れたり、この分野への参入者が増えるような取組が必要ではないか。そういったことを明記して欲しい。
  • 日本の石油安定供給を担う一翼として、日本の石油需要のために商社として何ができるかを社内でよく考えた上で、国内の石油精製業者や資源エネルギー庁に対して積極的に具体的な提案をしていきたい。
  • 石油産業と行政の関係は、企業が選択と集中を念頭とする自発的取組を行い、行政が個別企業では対応しにくい部分について政策的な支援を行うという関係であるべき。
  • 競争力のある製油所をどこまで残していくかという判断は、企業にとって非常に厳しい判断となる。企業の自主的な判断を尊重しつつ、行政側が政策的に支援するという大原則が今後も守られていくことが重要。
  • 「ガソリン適正取引慣行ガイドライン」について、販売価格政策は、経営ガバナンスの問題でもある。企業として持続可能な価格決定が行われるような経営としてのガバナンスがしっかりと効いているのかという部分を今後、ガイドラインに沿って行政側がモニタリングしていくことは重要。
  • 精製と流通、あるいは石油化学まで含めたバリューチェーン全体での全体最適を考えて将来を考えることが求められていく。また、精製・流通の海外展開について、経済産業省がアジアや国際的なグローバルスタンダードを検討していくと面白いのではないか。
  • 報告書そのものは賛成。他方、研究会を政府主導で行うこと自体が、この産業の限界を露呈している気がする。石油産業が未だに霞ヶ関にグリップされていることが問題であり、この構造を打破することが必要。
  • 最近、ガソリン取引とLPガス取引のガイドラインをエネ庁から出されたが、それぞれ焦点が違う。ガソリン取引は、元売とSSの関係に焦点を当てている。一方、LPガス取引の方はLPガス販売事業者と消費者との関係に焦点を当てている。その違いは、販売チェーンのどこに力があるかを考えてのことであり、ガソリンは元売に優越的地位があるという考えからそこに焦点を当てていると思料。ただ最終的には消費者の利益が最優先であり、今後、消費者サイドから見てこの問題がどう見えるかという視点まで考える必要があるのではないか。
  • 構成員から要望のあった系列特約店向け卸価格と非系列スポット取引の価格比較については、エネ庁からは計算根拠を示していただきたい。また、提案側は今回初めて出てきたものだから削除して欲しいということではなく、代替案を示していただきたい。前向きな処理が適切。

総評

第1回から第7回までの議論を踏まえた、出席者からの主な意見は以下の通り。

  • 海外ではトッパーを持たずに石油化学製品を精製する“Crude to Chemical”の研究開発も始まっている。日本企業もキャッシュフローが安定しているうちに、新しい取組の方向性を示し、踏み出していく必要がある。
  • 日本国内だけに目を向けるのではなく、需要が伸びるアジアを中心に国際展開を進めていけば、まだ日本の石油産業に健全な発展の道はあると考える。
  • 最近のオイルピーク論では、従来の資源枯渇など供給サイドの事情によるものではなく、環境対応やイノベーションの影響といった需要サイドの事情によるものが語られている。将来の世界全体の需要縮小を見据えた準備を進める必要がある。
  • 今後、国際競争の激化を受けて元売の投資配分構造が変わるため、流通体系が自ずと系列から協業に変わってくるのではないかと考えている。これまでの元売主導型の系列体制ではなく、流通業者に機能を持たせた新しい水平的な協業関係を作っていくべき。
  • ガイドラインはあくまで競争が前提のもの。販売店側はガイドラインの策定で安心してはならず、今後水平的な協業化が予想される中での販側の競争力強化によって消費者利益を確保することがガイドラインの目的に含まれることを認識してもらいたい。
  • こうしたガイドラインでは差別対価や不当廉売に着目しがちだが、今回は系列間問題を優越的な地位に着目してまとめたもの。従来、取引当事者間での力の非対称を見出して問題を把握することは独禁法や競争政策上の考え方であるが、今回のものは、取引当事者間の力の非対称に着目しながらも、違法性の判断基準となるものではなく、望ましい取引慣行や他社の取組の情報共有化を進めるためのもの。今後も、建値化を作り出す構造がどこにあるのかを中心にフォローアップしていただきたい。
  • 仕切り価格の建値化や事後調整、不当廉売に議論が終始してしまったが、もっと将来のSSネットワーク維持に向けたSS収益力強化について深掘りする議論があっても良かったのではないか。
  • ガソリンについてはネットワーク外部性による効果が強い。皆がガソリン車に乗っているからガソリンが売れ、そのためにSSが至る所にでき、使い勝手が良いからガソリン車に乗る。需要が減少しているとはいえ、こういう好循環、順風が、石油産業には吹いている。これが他の産業で見られるような逆風になったときの需要減少ペースは、過去のトレンドの延長に留まらない可能性がある。そのような事態に対応する時間と体力がある今のうちに、将来の絵を描くことが重要。
  • 想定外の問題に対応するためには、スピード感と冷静な視点を持って、土台となっている部分に焦点を当てた議論をする必要がある。土台を踏まえつつ、その上の部分については柔軟に考えなければ、今回研究会で出たいろいろな提案は実効的な対策とならないのではないかと思う。
  • 石油産業は、株式市場からはあまり高くない評価をされている。企業が自主性を持って効率的に利益を生む体質に改善し、様々なステークホルダーに対し利益還元を実現できる主体になって欲しい。
  • 報告書を活かすためには、精製や流通の団体に非加入のアウトサイダーに対してもメッセージを届けることが必要。
  • 様々な規制により工場稼働を停止しなければならず、それが逆に負担をもたらしているのであれば規制間の調整が必要であり、世の中の風潮に添う形で、業界全体として効率化を進める必要もある。加えて、暮らしの安全を考える上では、プロフェッショナルな人材の活用が重要。
  • 内需減少に直面し、また、自由化の長い歴史を持つ石油こそが総合エネルギー企業となりうるに一番近く、エネルギー産業の土台を変えていく中心になり得るのではないかと考える。エネ庁の資源分野は、企業が外に出て行くために必要なことは何かという視点で政策を考えていると感じるが、資源問題は、相手国が国で対応してくることもあり、その場合には日本も企業対応ではなく国対応が求められる。この業界において国の役割はまだまだある。
以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 資源・燃料部 石油流通課

最終更新日:2017年4月27日
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