経済産業省
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本邦における資源開発の在り方に関する検討会(第2回)‐議事要旨

日時:平成28年11月29日(火曜日)17時00分~19時00分
場所:経済産業省別館3階312各省庁共用会議室

出席者

中谷座長、西村委員、松岡委員、山冨委員、岩田オブザーバー、加藤オブザーバー、河合オブザーバー、木村オブザーバー、塩川オブザーバー、土田オブザーバー、續オブザーバー、常山オブザーバー、中島オブザーバー、峯岸オブザーバー、山崎オブザーバー
事務局
山下資源・燃料部長、三浦資源・燃料部政策課長、鈴木鉱業管理官、廣田石油・天然ガス課長補佐、辻本鉱物資源課長、武藤研究員(株式会社三菱総合研究所)

議事概要

各議題について事務局から資料に沿って説明。各議題の議論における委員及びオブザーバーからの主な意見は以下のとおり。

議題(1)本邦における資源開発の促進に向けた鉱業法上の課題について②

1.未処分出願の早期・実質的解消に向けた取組

解消すべき案件の分類
  • 「なお議論が必要と考えられる点」の基本的な考え方についてはいずれも違和感はない。
  • 基礎試錐の公募は未処分出願を持っている事業者がいることが前提となっているが、未処分出願の処理を進めていったときに基礎試錐をどのように実施していくのかを整理する必要があるのではないか。
解消の程度(例えば国際法上、自制義務がかかっている出願の扱いなど)
  • 国連海洋法条約上の自制義務が課されている範囲に限定すべきではないかとあるが、事業者からすると自制義務が課されている範囲がわからない状況にあり、予見可能性がない状況をどうするのか疑問。
  • 国連海洋法条約上の自制義務が課されている範囲についてはいろいろと議論があり、どの範囲を指すかは解釈が分かれると思われるため、外務省と調整した方がよい。
  • 日韓共同漁業協定の暫定水域付近で過去に物理探査を実施した際は、暫定水域内に入らないようにという国からの要請があった。また、韓国側の漁船のコントロールは企業努力だけではなかなか立ち行かない。自制義務との関連はわからないが、暫定水域内では実質的に企業努力だけでは探鉱作業が進められない状況を勘案してほしい。
解消のための具体的な措置の内容(職員の審査能力増強、一件当たりの業務負担軽減、情報公開等)
  • 役所側の体制のことであり記載されている内容はこのとおりだと思う。一方、特定区域制度に関して、審査基準において探査データの解釈の内容まで審査の対象にするかどうかこの後の議論となっているが、仮にそこまで評価を行おうとする場合には、海域について所管する本省においてどのように評価していくのかという体制についても考慮が必要ではないか。
  • 地方経済産業局の処理能力に関連して、鉱業法改正に伴い事務処理負担が荷重となってきているため、参加者を増やして資源開発の促進を図る観点からも好ましい状況ではないと思われるため、何らかの軽減を図ることの検討を進めてほしい。

2.鉱業権に係る事業着手延期・事業休止認可、試掘権延長許可の運用の見直し

事業着手延期・事業休止認可の運用について
  • 調べた限りでは何十年という長期にわたって未着手等の状態のものが存在している。いろいろな理由づけがされているが、今の資源ビジネスの中で5年、10年、あるいは20年もビジネスが先に進まない状態でいるということ自体、実質的にはプロジェクトを進める意思はないと判断してもよいのではないか。そこまで斟酌する必要があるのか。
  • 一般的に鉱物資源は市況がある程度のレベルを超えた状態で初めて経済性をもつため、それ以下では資源にはならない。現実的にはある価格を超えないと鉱山は稼行できないため、ある価格を下回ると高くなるのを待つということを繰り返し、休眠あるいは場合によっては売りに出すという行為が世の中で一般的に行われている。したがって、特定区域制度の下で施業案に従ってずっと稼行し続けることが求められると、市況が下がって掘れなくなった状態が天災地変等の不可抗力とみなされないと事実上困ることになる。
  • 認可事由「K」は明確に実態として行為が伴っているが、認可事由「B」は非常に漠としている。最終的に企業としての合理的開発として適当であれば認めるという文脈だが、合理的開発が何かという定義が少し人によって、あるいは時代によってもしかすると明確ではない気がする。
  • 採掘権について未着手が認められることが、企業の技術開発努力を妨げたり、将来のリスクを民間企業がとらずに国がとったりする形となるのはよろしくない。例えば、未着手等の理由に今後のガス市況の動向等を考慮しながら云々と書いてあるが、これは民間企業が、将来の需要が明確にならない限り、リスクがあるうちはやらないと言っているようにも聞こえる。開発に関するリスクがゼロになるまで持っていてもいいとも聞こえるのはよろしくない。水溶性天然ガスに関しても、地盤沈下はなかなか問題ではあるが、将来規制の見直しが行われて採取井禁止が緩和された場合にやるということで認めているのであれば、地盤沈下しないようにする企業努力はしなくていいともとれる。実態としては多くの企業は水溶性天然ガスを開発するときに企業努力をして技術開発をしているが、何が企業として合理的かという言葉の意味をもう少し業界として共有する必要があるのではないか。
  • 将来的に地質構造を天然ガスの地下貯蔵に利用するというケースが今後考えられる。現在当社がそれを理由にした未稼行鉱区を持っているわけではないが、将来的なことを考えればそのような視点もあるのではないか。
  • 北海のノルウェー側やイギリス側に割と大規模な油田の権益を持っており、周辺にサテライト候補は多くある。しかし、順次開発できるからという理由で鉱区を保有することは鉱区をコントロールする法規にも反するため、厳正に年限を区切って放棄することが当たり前となっている。例えば、生産期限が迫ってくると、その期限は厳守となり、そこで継続的に生産したい場合は新たな探掘などの今限られている鉱区の中でのさらなる活動をきちんとやることが求められる。例えば、そのための評価が必要だという話になっても、厳密に1年間や2年間などの期限を切られ、さらなる延長は認めないということになっており、インフラ共用するとか、油価が上がるまで待ってくれということが許されるというのは一般的ではないのではないか。コストが高い油田については、今の油価だとしばらく休眠したいというところが実際のところだが、赤字を出しながらでも操業せざるをえないというリスクを負いながらやっているのが上流企業。順次開発は陸上がほとんどという話があったが、もしこのようなことが理由として許されると、今後海洋においても同じような理由が逃げ道になるということが行われかねないため、このようなことは厳正にやる方向で考えることがあるべき姿ではないか。
  • 今後のガス需要の動向を考慮しながらという事由が認められている点について、将来のリスクを民間が取らずに国がリスクを取るような形になるという指摘があったが、特に、ガスの開発をするときはなかなか開発に向けてのハードルが高い面がある。オーストラリアではリテンションリースという仕組みがある。オーストラリアはかなり資源国で大規模な構造があるが、LNG化したいが需要がはっきりしないとなかなか開発着手ができないという事情があり、これを主な理由としてこのような制度が認められているのではないかと思われる。日本においても、我々も探鉱を促進したいが、日本の場合はLNGではなしに例えば発電所をつくるときにもし8年間で開発まで考えなければいけないとなると、これはなかなか難しいことは理解いただけると思うが、そのときに延長の審査が厳しくなると、そこで制約がかかって探鉱促進につながらないという面もあろうかと思う。このリテンションリースのようなものが制度として導入されるならば我々にとっても安心してガス開発、探鉱に挑めるという面があるため、考慮いただければありがたい。
  • 水溶性天然ガスは、持続的な開発・生産を進めていく上での留意点として、坑井間隔・掘削時間間隔をあける等の地盤沈下対応が必要であること、インフラとしてガスパイプラインに加えて生産された水を流す送排水管も同時に敷設する必要があること、フィールドに密接した着実かつ継続的な環境技術などの研鑽と技術開発を行う必要があることがあげられるため、まとまったエリア内で試掘から採掘までの長期的な視点を持って段階的に進めていくことが必要。水溶性は「その他」の認可事由に分類されているとのことだが、地質的には認可事由「B」の考え方に基づいて多くの場合延期とさせていただきたい。今後とも認可事由「B」の適切な運用の継続は妥当。
  • 将来規制の見直しが行われて採取井禁止が緩和された場合にやるという事由を掲げているエリアでは、現在新しい開発が認められてこなかったということであろうが、このようなエリアでも地盤変動状況のモニタリングや環境技術の研鑽などを踏まえて新たな開発を目指されているものと思われる。例えば千葉県では技術的可能な適切な地盤沈下対応のもとで、毎年新規エリアの開発が経産局、地方行政から認可されている。
試掘権延長許可の運用について
  • 文献調査などの現場作業を伴わない探鉱活動による延期は原則として認めないとある点について、文献調査だけでは許可の理由にならないという点は妥当。一方、現場作業を伴わない探鉱活動の中には、例えば地質解釈作業や取得データのコンパイル作業など、場合によっては外部への委託作業費を伴う作業もあるため、これらは許可理由として認められるよう配慮いただきたい。
  • 特定区域制度に基づく鉱業権について、施業案で進捗状況を確認する仕組みとなっているとのことだが、従来、施業案は試掘作業の数カ月前に出せばよいとされているので、まず物理探査作業をやり試掘は数年後に想定されている事業計画で特定鉱区が付与された場合には、当面数年間は事業計画書しかなく、施業案がない状態となるのではないか。その場合には工夫が必要ではないか。

3.特定区域の指定提案の促進

  • 国内の探査データは、知る限りでは民間独自の調査はほぼなく、ほぼ全て国の委託事業。特定鉱区の申請はある程度データを持っている者しかできないが、国の委託を受けた会社のみがデータを知り得てその権利を主張できる状況とならないよう、国の委託事業で取得したデータは早期に開示して、誰もが参加できる形とし、その評価基準は諸外国の例にあるようなものを用いるべきではないか。
  • 日本も特定鉱区の申請を受け付けているとあるが、諸外国の場合と日本の場合では意味合いが全く異なる。諸外国の場合は鉱区は既に国として設定されている。特定区域制度の運用について、何らかのデータを持っているところ、あるいは実績のあるところからの指定提案を待つという旧鉱業法時代からの流れに基づいたやり方では、活性化はなかなか進まないのではないか。
  • 諸外国では、マルチクライアントという形で非常に広域な範囲の探査が行われ、そのデータを開発業者が自分が興味を持つ鉱区の部分に関して購入するなどして鉱区入札が行われるのが一般的な動きであり、鉱区指定の提案者へのインセンティブはない。鉱区に指定された場所で以前に探鉱実績がある会社がいれば自分のデータを持っているから多少有利に働くくらいの話であろうと思う。物理探査などのビジネス形態の変化を積極的に取り入れた形で皆が機会均等に入札をしていくというのが一番健全な形であり、誰にインセンティブを渡すかという議論していても進まないだろう。
  • 民間提案者データを非公開とする限りにおいては当該データを保有する提案者が公募手続において優位性を持つことにほかならないとあるが、必ずしもそうではない。仮に作業の量だけで入札が評価されるのであれば、かえって地質データなどをあまり知らずポテンシャルがものすごく高いと信じている人が多くの義務作業量を提案することで入札に勝つことが懸念されるため、データが非公開になることだけをもって優位性が確保されているとはいえないのではないか。仮にデータを非公開にすることで優位性を持たせようとするのであれば、地質データの解釈の妥当性まで評価する必要があるのではないか。しかし、評価者側の判断の難しさにつながるため行政コストがかかると思われる。仮に探鉱作業量や試掘までの期間等を評価するにとどめるのであれば、例えば資料中に意見として記載されているようなインセンティブの仕組みの検討が必要と考えられる。
  • 地質データの解釈の妥当性を評価するべきかどうかという点について、その評価を行うほうが、国としてもより合理的な開発につながるのではないか。例えば鉱区入札においてある会社が提案したことをもって面白いに違いないとして、普通なら2本掘ればよいところを3本、4本掘るという提案を別の者が行うことはあり得るが、提案が守れなかった場合に諸外国ではペナルティが課される。例えば4本掘るという計画を出すとそれが義務作業となり、実際には3本で終わり4本目を掘らなかった場合には、試掘の見込額・見積額、あるいは何らかの規定に基づいたペナルティ額を支払う義務を負う。このような制度があれば、懸念は少しでも緩和されるのではないか。
  • 最近民間で海上のデータを捉えている例は非常に少なく、国による基礎物理探査のデータが圧倒的に多いため、企業が持っているデータにはそれほどばらつきがないのではないかと思われ、データを持っていることがインセンティブになるということはないと思われる。一方で、陸上は全く状況が異なり、データを持っている企業はかなりいるため、考えなければいけないと思う。
  • 開発者の評価基準について、多くの国では義務量に従って選ばれるが、ノルウェーなどでは義務量を多くすると落とされるということもあり、きちんと地質を考えて、どのような探鉱が最適かをきちんと評価している。そのためには評価側がかなり情報を持ってスタディしておかないとそういう評価ができないという評価側の問題はあるが、どちらかというと、量で選ぶよりもきちんと最適な提案をするところが選ばれるべきではないか。

4.鉱区・既出願区域に係る情報のデータベース化・公開のあり方

  • 新陳代謝を高めるという今回の見直しの目的からすれば、開示される情報はなるべく多いほうが目的に寄与するのではないかと思う。一方で、行政法的な観点で公平性の観点から閲覧者の制限をかけることが適当ではないとあるので、そうであるならば開示情報を絞るということになるのは仕方がないが、もともとの目的と少し違う方向にいっていることに若干違和感がある。鉱業権は権利を付与するに足る有資格者にしか与えられないのだから、資格者足り得ない人が鉱区等の情報にアクセスできてもあまり意味がないのではないかと思う。
  • データベースの整備について、まず海域からとのことだが、陸域データの公開も陸での資源開発の活性化には有効。データベースを整備して公開するということではなくて、例えば事業者が役所へ出向けば、白地情報等を知り得るという行政対応を確実に実施していただけるだけでも十分なところがあると思われるため、検討いただきたい。
  • ある世界的に有名な情報提供会社が日本の鉱区マップを出しているが、その中では30年くらい前の情報が今も使われている。そのような間違った認識が出ているので、それをアップデートするためにもある程度の情報を開示したほうがよいのではないか。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 資源・燃料部 政策課

最終更新日:2016年12月8日
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