経済産業省
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東京電力改革・1F問題委員会(第2回)‐議事要旨

日時:平成28年10月25日(火曜日)7時02分~9時05分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

委員
伊藤委員長、遠藤委員、小野寺委員、川村委員、小林委員、白石委員、冨山委員、原田委員、船橋委員、三村委員
オブザーバー
廣瀬東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長
プレゼンター:JERA
ゴーデンカー 代表取締役会長
垣見 代表取締役社長
可児 常務取締役
事務局
世耕経済産業大臣
日下部資源エネルギー庁長官
多田資源エネルギー庁次長
村瀬電力・ガス事業部長
山名原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事長
西山原子力損害賠償・廃炉等支援機構連絡調整室長

議事概要

冒頭、大臣から以下の通り挨拶。

  1. 東電委員会は、東電救済ではなく、東電改革を検討する場。
  2. 東電改革は、電力やエネルギー産業の姿、福島を支える仕組み、そして、事故に備えた制度の在り方を指し示す基礎となる。
  3. 福島の安心、国民の納得、現場のやる気を引き出す提言をお願いしたい。

事務局から、今後の議論の手順(案)(資料3)について説明。

ゲストのゴーデンカーJERA代表取締役会長らから、JERAの経緯や取組(資料4)について説明。

  • この7月から事業を拡大したまだ新しい会社。新しい企業を新しい企業文化の中で進めていく。機能別再編によるシナジーの創出。
  • JERAは国内に留まらず、海外発電も700万kW持ち分容量を既に持っている。石炭トレーディングについても世界規模になる。
  • 事業領域を燃料火力サプライチェーンとしたため、自ずとグローバルな視点が必要になる。
  • 電力・ガス会社の中で、既に世界でもサイズが非常に大きい。国内で事業を拡大する余地もまだあるが、海外に大きな成長余地がある。
  • 海外発電事業における建設契約の仕組みや電力供給契約などいくつかの経験を国内にも導入し、安定的にコスト競争力のある発電所の開発を行う。
  • 規模を拡大することで燃料調達のポジションが向上。色々なオプションを持つことができる。
  • 新しい取組みについて海外からの注目あり。これまで見たことないような提案も出てきている。色々なチャンスがある。

各委員等からの意見は、以下の通り。

事業再編:JERAの事例

JERAの事業展開
  • 今後の成長領域は海外になると思うが、具体的にはどこのエリアにおける成長を考えているのか。そこでの競争相手はどういうプレーヤーになるのか。メーカーによる発電オペレーションの提供事業など、従前のメーカーの事業構造の変化と発電事業の国際的な競争は重複するところがあると思うが、その関係性は今後どのようになると見ているのか。
  • アジア、北東、中米が中心。地域ごとに競争相手は違う。海外勢はアジアだと中国、韓国。特に中国勢。中東はヨーロッパ勢が強い。最近は中国、韓国も参入。北米はマーチャント契約のためリスクが高く、マネージメントが難しい。O&Mのデータを活かす時代に入る中で重電メーカーと発電事業者の関係は重要。発電事業者は実際の運用データを持っている。
  • 海外展開を進める上で何が最大の強みか。また、向こう10年程度を見渡した場合にどこが一番のリスクと捉えているか。 
  • 海外発電事業を見れば、中国の安いコストと勝負するのは簡単ではないが、他の付加価値を付けて競う。最大リスクは燃料。現在は投資の好機であるが環境政策やエネルギー政策等の不確定要素が大きく、決断が難しい。こうした機会を逃してしまうかもしれないというのが最大のリスク。
  • 海外事業については、調達とのパッケージで競争力を強化しており、実際に成果を上げているということだったが、日本の高い発電技術は高コストにつがなる。それによって、競争力の面で中国等に遅れをとる可能性もある。品質の高さは理解できるが、当事者に説明して買ってもらえるのか。
  • 海外展開のパートナー選びは重要。
  • 政治的なローカルのカントリーリスクがあり得ると思うが、これに対する対処はどう考えて実践しているのか。
  • カントリーリスクはリスクが集中しすぎないように事業ポートフォリオで対応することが必要。
  • 「海外の発電でもって成長しよう」「発電は単体の発電ではなく、燃料の上流も含んでやろう」というJERAの方向性は正しい。ただ、最初は投資が要る。海外の発電所をやるために相当お金をかき集めてくる必要がある。海外に出て行って大きな発電事業を、いくつも、何カ国にわたってやることになると、差し当たってのキャッシュがなかなか回ってこないことが心配。そのため、既設の国内や海外の火力を動かして日銭を稼ぐのも、従来以上に工夫してはどうか。
  • 自由な民間企業としての発想と違う制約が出てくるかもしれない。しんどいことかもしれないが、今の全体の流れからいくと、日本の中の福島の問題もきちんと長期的にやっていこうという話と整合しないところもある。
  • 全体としては、最初はしばらく投資の期間に入るが、海外事業で後で大きくそれを取り返していこうというところは正しい。
JERAによる福島への貢献等
  • グローバルな企業、自律的経営ということだが、福島に関わる費用をできるだけ捻出していただきたい。経営思想の中に福島への貢献はどのくらい入っているのか。電力会社を合併することによるシナジー効果についてどのように考えて、いつごろ手に入れようとしているのか。トータルのシナジー効果をいつどういう形で獲得することにしているのか。これからになるのか。
  • JERAは、5年後、10年後の利益はどのくらい期待できるのか。内部留保・新しい投資・配当をどう還元して福島に持っていけるのか。また、COP21含めカーボンプライシングなどによる負担がかかってくるリスクもあると思うが、その辺をどうクリアしていくのか。
  • 海外を中心に稼ぎ、貢献していくことが使命。まずは利益を出す。実際にシナジー効果は出てきている。燃料系で言うとEDFTとの石炭トレーディング事業統合は、JERAを創ったので実施できたし、リーディングロールも取れた。さらにシナジーを出すに既存火力の統合は重要。
  • JERAは高い目標を掲げている。10年後には2000億という利益目標を掲げている。
  • 配当の政策と福島への貢献のバランスについては、今後どういうガバナンスを働かせていくのか。本格的な統合に向けて、クリアすべき課題は何か。
  • 東京電力と中部電力に差はないと感じているし、そもそも異なる企業文化を融合させる工夫というよりは、JERAは親会社とは異なる新しい文化を創造する。元々、両社の従業員にポテンシャルはあると感じていた。これまでは海外事業が本業ではなかったが、これを本業とすることで能力を開放できる。
  • まずは競争に勝って、企業価値を上げ、国民貢献することが大事。競争に勝たなければ貢献できない。投資の機会がある場合、まずは、配当よりも内部留保にまわし、投資を通じて企業価値を上げることが大事と考えている。市場環境等を勘案すると最初の5年が勝負どころ。
  • JERAが成長し、企業価値を上げて貢献する考え方は当然。東京電力と中部電力の今時点の考え方は2社とも変わらないと思うが、今後相違する可能性あり。その中で、最も問題になりそうなのは配当。今の総括原価の考えで言えば、中部電力は、配当をもらったことで収益が上がり、コストが下がって、料金値下げをできる可能性が高い。一方、東京電力はできるだけ福島に使いたい。プライオリティが福島なのであれば、競争を少し犠牲にしないといけない。そこが一番の問題になるだろう。JERAには独自で企業価値を上げ、きっちり企業経営をやってもらうことにつきる。配当については、東京電力、中部電力、資源エネルギー庁が考えるべき問題。
  • 配当にするか、内部留保にするかの議論を整理するために申し上げると、現在、JERAの上げた利益は2社が利益を吸い上げる会計システムになっている。このため、配当が来なくても50%ずつ利益を吸い上げ、企業価値に反映されることになる。他方で、東京電力からすると、キャッシュが欲しいのか、企業価値を上げることでいいのかということの整理も論点。
  • これからは、国内電力が分社化して頑張ろうという時期に入ってくると思う。皆が注目しているフロントランナーという意味で、頑張って欲しい。
企業改革:JERAの事例
  • 内部構造の話になるが、人事はどうするのか。規制環境下という状況が変わらないのであれば、組織規模が大事。企業競争が激しいところに出て行くことになると、スピーディに適材適所で能力と適性とで、人事を決める必要があると思うが、人事組織経営上のポリシーや現状を伺いたい。
  • 組織については、まず目標を皆で共有し、プロセスを一つにすることを徹底的にやっている。
  • 東京電力と中部電力の企業文化は対極的だと言われているが、それを束ねていく上で、一番効いたものは何か。
  • 東京電力と中部電力という、企業文化の統合。しかし、そもそもあまり違わない。異なる企業文化を融合させる工夫というよりは、JERAは親会社とは異なる新しい文化を創造するチャレンジを行うことが重要。
  • 合併事業の弱点や課題をどう認識しているのか。仮に将来、JERAに2社以外の他のパートナーも参加した場合の困難等をどういう形で解決できるのか。
  • 課題は人材とお金。グローバル展開のための人材を確保することが重要。M&Aのような形で手に入れることも必要かもしれない。
その他
  • 資料にある現状0.41兆円/年の基盤収益力を高めないと、国民負担を小さくできないし、料金が高止まりするという問題になるため、発電事業、送配電事業、小売事業とも、収益力を高めることが全ての源泉。それを考えるときに大事なのは、どの事業がどれだけの収益力を持っていて、将来の本当のポテンシャルがどのくらいなのかという点。資料にある数字では、各事業は、均等に儲かっている。内部取引価格とコストの分配でどうにでもなる数字に見える。各事業それぞれ違うレイヤーで競争していると思うが、一番激しい競争になっている小売がいまだに独占の送配電より儲かっていることや、発電と小売が大差ないことは不自然。競争の原理や市場競争の原理で、本当にどういう基盤収益力があるのかということは、きちんと把握すべき。不自然であれば、マーケットベースに置き換えなければいけない。
  • 資料にある現状の数値は2013年度から2015年度の平均となっているが、この数値はこの4月に社内カンパニー制からホールディングス制に移行することを見越して、それぞれのカンパニーで独立した財務三表を作っていこうという、いろいろな試行錯誤の中でのもの。今後もトライアンドエラーでより良くしていかなければならないと考えている。ただし、例えば、小売事業の収益については、燃料費調整制度の期ずれという変動要素の影響が入っていることもある。
  • 原油価格の規定については、商社などは50~70ドルで止まってしまうという見立てもあるが、どう考えるべきか。また、原発の再稼働については、大体いつごろを時間軸として考えて計画を作ったらいいか。
  • 原発の再稼働について、時期をいつに設定するかは決めなければいけないが、世の中からは再稼働に対して非常に厳しい見方をされている。
  • 福島第一については、きっちりと準備が進められており、1F構内の大部分のエリアでは、既に防護服なしで通常の作業服プラス一般的なマスクで十分活動ができる状況になっている。しかし、ステップバイステップで良くなっていることは、マスコミなどでほとんど取り上げられていない。結果、水素爆発直後の映像しか国民の脳裏には残っていない。もちろん徐々に解消され、地元に戻れるようになっているということは報道もされて分かっていると思うが、何で帰れるようになったのかという点はどうか。もちろん除染もあるが、放射能の自然崩壊もある。その放射能の量が正しい情報できちんと伝わっているのか。非常に安全サイドの放射能の規程を守っており、それがある程度の安心を与えているのも事実。けれども国際標準から見たら、とんでもなく厳しい数字を設定している。風評被害の問題もあるので、簡単ではないのも十分分かるが、国民に対する情報提供が不十分。
  • 1Fの廃炉、賠償の責任を果たしながら、国民負担をできるだけ軽減を図っていくというためには、どうしたらいいのか。非常に大きなスコープの中で、あらゆる問題を考えていかなければならない。今は、目標と現状の間にかなりギャップがある。東京電力はこれまでの改革の努力をさらに超えて、継続的に利益を生み出していけるような体制を、短期ではなく、中長期にわたってやれるかの見通しを立てていかなければならない。国全体のエネルギー政策のあり方、その他のまさに原子力の扱い方、それから我が国が抱えている全ての問題を統合して対応していくため、総合的なアプローチをすることが必要である。
     
委員長からの要請
  • 1Fの廃炉費用の金額が増大するという可能性がある中、国民負担を増やす形で対応するのではなく、東電改革で原発事故に伴う費用を上回る原資を捻出し、捻出した資金を福島に優先的に充てるよう、1F廃炉を実施していくことができるような資金確保の制度的手当てが可能なのか、可能とすればどういう設計が必要なのかについて、是非検討していただきたい。
  • また、福島事故関連の費用の増大に対応して、その制度整備を検討しているわけだが、原発のコストが高いからそういうことになっているのではないかという指摘があるため、原発コストというものをどう捉えればいいのかについて今後示していただきたい。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力市場整備室

最終更新日:2016年11月2日
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