経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

東京電力改革・1F問題委員会(第4回)‐議事要旨

日時:平成28年11月18日(金曜日)6時58分~9時10分
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

出席者

委員
伊藤委員長、遠藤委員、小野寺委員、川村委員、小林委員、白石委員、冨山委員、船橋委員、三村委員
オブザーバー
廣瀬東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長
事務局
日下部資源エネルギー庁長官
多田資源エネルギー庁次長
村瀬電力・ガス事業部長
山名原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事長
西山原子力損害賠償・廃炉等支援機構連絡調整室長

議事概要

事務局から、新総合特別事業計画と前回の廣瀬オブザーバーからの説明内容と比較しながら、どのような非連続な改革の議論が行われつつあるのか等について説明。

廣瀬オブザーバーから、改革に向けたより具体的な取組内容やコスト削減などの定量的なイメージを説明。

事務局から、1F廃炉の現状と課題について説明。

各委員等からの意見は、以下の通り。

事業再編

総論

  • 「アライアンス」という言葉は非常に漠としているが、JERAの話を踏まえると、相手を探していくプロセスが必要。ただ、相手側の問題もある。株主の問題等を考えると、制度的には福島第一原子力発電所のリスクを遮断するシステムができていないといけない。それをもとに、公募のような公明正大なプロセスを進める必要がある。相手が名乗り上げるかどうかは条件次第。
  • 託送料金や再稼働については、国民の納得感の問題があり、この観点からすると、あらゆることを徹底的にやったというところが見えてこないと難しい。時間軸はともかくとして、再編をやっていく姿勢を明示しないと納得感は得られないのではないか。
  • 前向きな事業について、長期的な人材やモチベーションの確保を考えても、やはり再編は必要。時間軸の差はあるので、それぞれの事業について現実的な時間軸を設定していけば良いと思うが、プログラムそのものは始動をしないと何も起きない。できるかできないかの議論も、踏み出せば必然的に相手方がいろいろな条件を言ってくるので、そこから自然に決まっていく。
  • 連携・提携を組むときは、強力な指名委員会で、独立して人事を決めるという原理原則を決める必要がある。
  • 震災後のコストダウンから得られる利益だけでは、廃炉や賠償費用を全て賄うことは難しいのではないか。
  • 非連続の提携・再編・統合にかなり力を入れないと、飽和状態になるまでコスト削減を続けても、絵に描いた餅になってしまう。この5年間のトレンドも踏まえ、キャッシュフローベースでコストダウンの定量的なフィージビリティースタディーを行う時期に来たのではないか。
  • 今後は、提携・再編・統合によるコストダウン・売上増の効果により、収益を拡大していくことになると思うが、再編がどのくらい現実的で、どのくらいの効果が期待できるかをもっと詰める必要がある。舞台は国内でなく海外になるが、不確実性は大きいので、海外展開だけに頼るのではなく、出来る限りしっかりした着実な絵を描いておく必要がある。
  • 東京電力は、非連続の経営改革を通じ、ここまで積み上げてきているという印象を受けた。東京電力の非連続の経営改革の中身を見ると、ほとんどが他の電力会社にも当てはまる。東電改革の内容を他の電力会社にもシェアし、コスト削減できた分で、少し料金を下げ、それでも浮いてくるお金をプールできるという東電の努力を展開するうまい仕組みができないか。これならば、東電の負担も減るし、非連続のコスト削減の効果が国民に対しても料金値下げという形で見えてくる。
  • 他社との競争環境下で、全社が同じようにコストカットをすると、国民経済的にはいいが、競争力も同程度になるため、自社の売り上げはあまり上がらない。他方で、このコストダウン方策を他社に売り込み、他社で上げた利益を折半するといったWin Winの関係に持っていくということはありうる。
  • 他の電力会社にも一緒に考えてもらうという方向性を出さないと、東電だけが突っ走っても、他社は何もなしではついてこない。そこをどううまくやるのかは考えなければならない。
  • 再編は誰かが一歩踏み出さないと何も動かない。今、能動的に動けるのは東電だけ。東電側から能動的にこのステップに踏み出すことを明示することで、他の電力会社も巻き込む手順に入ることはすごく重要。コストダウンのメリットも、再編までしないと共有できない。

原子力

  • 原子力の統合・再編について、将来は、BWRとPWR、東と西、一社統一といったように、どのような可能性がありうるか検討すべき。
  • これまでのコストダウンは、非連続と言いながら、従来からいろいろな生産者がやってきたようなものなので、この後は大きな方向性を変えていくという話になってくる。例えば柏崎刈羽原子力発電所を動かすと多額の利益が得られる。いろいろなコストダウンをしているが、コストダウンだけでは利益額は出てこない。やはり効果的なのは原子力発電所を動かすことではないか。今すぐではないにしても、今後、そうした大きな話を実際の形にしていくことが、一番効果があるのではないか。
  • 原子力に関しては、メーカー側も電力会社の統合時期と合わせながら、統合的な動きを進めていく必要がある。この統合により、今まで各メーカーが何十年も蓄積してきたものを出さなければならなくなるが、原子力は国全体で一丸となってやっとやれるような種類の事業ではないか。
  • 地球温暖化やエネルギーセキュリティという大きな話についてもきちんと国民に説明する必要がある。例えば天然ガスや石油は、今は問題なく輸入できているので、安い電気の安定供給ができているが、実際は中東の状況に大きく影響を受ける。地球温暖化に関しても、原子力なしでは難しいということについて、もう少し国民へ説明する仕方を考えることが必要ではないか。

福島事業、経済事業とのブリッジ

  • これまでの議論の中で、例えば利益を上げる、企業価値を上げる、料金を引き下げる等、いろいろな項目をどれだけ満足させるかについて議論したが、廃炉のための費用捻出が第一の優先順位であると改めて思った。これ以上の推進を図るためには、統合・再編をやらずして、我々が狙っているいろいろな要件を満足することはないのではないかと、改めて強く考えた。
  • 有限とはいえ、極限まで東電に負担していただくのは筋なので、そのための改革をやっていただく。
  • 福島第一原子力発電所の廃炉事業は超長期かつ不確実性が高い事業だと実感。同時に、この廃炉事業は、安定的に入ってくるキャッシュフローがないと継続が困難だということもわかった。そのため、送配電部門から出てくる安定的なキャッシュを廃炉に充てていく仕組みづくりが何よりも最初に必要。また、基金として集め、廃炉事業の必要に応じて調整できる仕組みも前提になるのではないか。
  • 企業価値の向上については、送配電部門でも貢献できるのではないか。海外では、送配電部門で合併や子会社創出により、価値を上げている例がある。AIやIoTテクノロジーを使った効率的なグリッドの形成など、コスト削減だけでなく、前向きに収益を拡大していく様々な取り組みがなされているので、送配電部門でもアップサイドがとれていくのではないか。
  • 一般的には、コストダウン額=利益にはならないが、規制分野である送配電部門に限っては、現状の託送料金水準を維持できるとすれば、コストダウン額のほぼ全額が利益となりうる。コスト削減総額のうち約3分の1は送配電部門での削減を予定しており、コストダウン分をそのまま福島第一原子力発電所の廃炉費用に活用できる。

企業改革

  • 「非連続の生産性改革」と「非連続の提携・再編・統合」及び「非連続の企業改革」を時間的に分離すると、時間軸としては企業改革が一番初めに取り組むべきことではないか。
  • 普通の企業の常識からすると、信じられないコストダウンの規模を短期間に実施しており、これ自身は非常に評価できる。ただ、ここで提示されているのはコストダウンの結果のみ。通常我々がコストダウン目標をつくるときは、ベンチマーク先として世界一流の企業の中身を精査し、それに比べて自分たちの状況がどの程度劣っている部分を改善するという手法を取る。計画だけでなく、実績でも十分な成果を出しているが、これで十分かどうかは確信がない。これだけの金額が出てきたということは、一番初めの状況が物すごく緩かったからなのではないかと邪推してしまうので、他社との比較もやっていただきたい。
  • 1つの納得感をつくっていく材料として、国内企業だけでなく海外企業も対象としたベンチマークをきちんと見せてもらいたい。特に、労働生産性が低いと、人員が出てこなくなるおそれがあるので、労働生産性のベンチマークを見てみたい。
  • 東電改革によるコストカットや費用捻出に加え、他の電力会社や異業種との連携も視野に検討するということだが、今の状況では、具体的な絵姿は見えない。

その他(国の関与など)

  • 福島第一原子力発電所における廃炉事業の円滑・着実な推進を可能とする体制を、東電自身はもちろん、国も含めてバックアップしなければならない。
  • 我々の議論の原点である福島の復興が国民の原発に対する不安・懸念を解消する安心・安全につながる唯一の道だと思う。そのためには、コストダウンや企業改革だけではなかなか生み出せない費用の捻出が必要であり、別の委員会で検討されている託送料金の上積みについても、止むを得ない状況だということはよく分かるが、そのためにも、国民に対し、きちんと説明をしなければならない。後の世代に負債を残さず、不安感を除去するためには、廃炉事業を着実に進めなければならない。約半世紀かかるかもしれない事業を進めるためのバックアップ体制を、東電だけで維持することはなかなか難しいということは、理解されるのではないか。
  • 超長期のリスクを東電だけに負わせるということが果たして可能なのか。国が資本を出し続けることが必要なのではないか。
  • 超長期の廃炉における資金については、キャッシュのアンバランスが起こらない確実な仕組みを作ることが一番大事。東電の自由な事業ではなく、政府が、必要に応じて命令をするような仕組みが必要なのではないか。こういう政府の強い関与については、英国のNDAの例なども参考になる。
  • 現在、法律的に福島第一原子力発電所の廃炉をガバナンスできている法律は、原子力災害対策特別措置法、原子炉等規制法、原賠・廃炉機構法の3つ。今後の政府ガバナンスをどう捉えられるかという点は論点。
  • 廃炉事業が、例えばもっと国際展開できる事業として成立していくような将来像は描けるものなのか。
  • 廃炉の国際展開は、あり得る。東京電力がプロの廃炉エンジニアになり、他のメーカーとも連携して廃炉ビジネスとして構築すれば、これは国際事業になり得る。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力市場整備室

最終更新日:2016年12月2日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.