経済産業省
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東京電力改革・1F問題委員会(第5回)‐議事要旨

日時:平成28年12月5日(月曜日)8時00分~10時04分
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

出席者

委員
伊藤委員長、遠藤委員、小野寺委員、川村委員、小林委員、白石委員、冨山委員、船橋委員、三村委員
オブザーバー
廣瀬東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長
事務局
日下部資源エネルギー庁長官
多田資源エネルギー庁次長、村瀬電力・ガス事業部長
山名原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事長
西山原子力損害賠償・廃炉等支援機構連絡調整室長

議事概要

  • 事務局から、東京電力と国の役割、非連続の経営改革の方向性の確認、企業改革・脱国有化シナリオの推進体制とガバナンスについて説明。
  • 廣瀬オブザーバーから、東京電力グループの企業改革について説明。
  • 各委員等からの意見は、以下の通り。

事業再編

  • 東京電力がトップランナーになり、色々な電力の改革を行い、他の電力会社も色々な形で巻き込んでいくべきではないか。それぞれの部門がそれぞれの他の電力会社の関係部門と協力しながら、全体を伸ばしていくという新しい方式にしていかなければならない。
  • 経済事業については、未来志向の事業に転換することを鮮明にすべき。電力事業は、グローバルに見れば成長産業で、今後大きなイノベーションの波が来そうな領域と言える。
  • 東電の自己改革は、単に東電の問題のみならず、他の電力会社にも大いに実践していただきたい。他事業者の改革を自己改革に取り入れることは、業種を問わず実践されている。これは非連続の改革にもつながると思うので、取り組んでいただきたい。
  • 原子力であれば、今は各電力会社が自分の再稼働に集中して、先の話を考えられていない。一端、再稼働が実現してはじめて、長期的にどうやっていくのか、個社では解決できない困難な問題に直面する。そのような事態に備えて、今のうちからある程度の連携を作らなければならないという気持ちに各電力をさせる必要があると思う。
  • 送配電に関しては、将来必要になる全国的に最適な運用を目指し、今のうちから他の電力会社を巻き込んでいく必要がある。また、メーカーの関係部門も、ある程度巻き込んでいくことは必要。それから若手人材を、各内部会社の社長等に抜擢し、人を教育していくということも、各電力会社共通の話になっていかないといけないと思う。
  • 「司令塔的統合アライアンス」という表現は、説明を聞けば、中身は納得できるが、1回読めばすぐわかるような言葉にしていただきたい。
  • 今回のように非常に大きなことをする場合は、わかりやすい言葉を選んだほうが良い。
  • 「司令塔的統合アライアンス」について、他の電力会社や異業種とのアライアンスも含めて考えているのであれば、その統合アライアンスの肝となる司令塔に、年齢にとらわれず、発想豊かで行動力があり、統率力にすぐれた人たちを、外部の人材も含めて登用し、新しい時代のための基盤づくりにつなげていくことが必要。具体化は今後としても、ある程度わかりやすく説明する必要があるのではないか。
  • 原点である福島を第一にしながら、企業価値を高めるための色々な事業も必要という議論をしているので、様々なアライアンスを組むときの機能強化は必要だが、司令塔的という言葉は誤解を生む。破綻した東電が先頭に立つことに対する抵抗感は強いのではないか。
  • 東電委員会が示すべきは、本格的な廃炉まで含めた費用捻出をするという東京電力の覚悟の決め方と、東電委員会のきちんとした意思表明だと思っている。そのためにも過去と決別する新しいスキームが必要であり、資本を統合に向けて進めていくという方向性を示す必要があると思う。
  • でき上がりとして、現状の地域別の企業体ではなく、自由化を前提とした水平分業化の中で、世界で競争できる企業体を作っていこうという趣旨と理解して良いか。そうなると、東京電力自身もある意味では触媒と言える。
  • 経済活動をやっている民間事業に対し、司令塔的役割を果たすためには、株を通じて議決権を握る以外に何か手段はあるのか。

企業改革

  • 各会社をインターナルに分離していくことで、それぞれ独立意識が出て頑張るようになることは大変良いが、壁は昔よりきつくなる。このため、ホールディング会社にある司令塔による横串通しの力が非常に大事になる。組織の壁を取り去り、良い事例や成果が他の内部会社にも及ぶようにする横串通し機能が非常に大事。
  • 過去の負の遺産を乗り越えていくためには、経営のトップマネジメントの意識が一番重要な改革なのではないか。
  • 執行役クラスに外部人材をどんどん投入していかないと、本当の意味での企業文化改革は、なかなか難しいのではないか。
  • ホールディングス制の中で、大きな統合アライアンスを仕掛けるのは、ホールディングスの社長。社長が、まず形をつくらない限り進まない。若手の登用も同じ。
  • 連続・非連続改革について、例えばかなりの解体が伴う再編に乗り出すことになると、高い年齢層の社員は本格再編になった場合の変革リスクを危惧する傾向がある。現実問題として、ここを断ち切っていかないとならない。そのためには、大規模な世代交代が必要。幹部の人事権、とりわけ経済事業に関する人事権については、取締役会に集中していくべき。
  • 若手の育成は非常に大事だという意見が出たが、育成の一番の基本は、仕事を与えること。責任ある仕事を与え、それを評価し、できるだけそのまま経営としてこれを採用する。こういうことの繰り返しではないか。このプロセスの中で、一番大事なことは、「権限を与える」「責任を与える」ということではなく、それを「採用する」ということ。この繰り返しで若手あるいは会社は変わっていくのではないだろうか。是非ともそのようなプロジェクトごとのフォーメーションをやり、提案を採用するということをあらかじめ宣言して、実行することが必要なのではないか。
  • 若手からカンパニーの社長なりを経験させ、将来的には、ホールディングスに社長として戻ってくるというオプションも十分考えていかなければならない。
  • 東京電力は、極めて優秀な人材が集まっているポテンシャルの非常に高い企業だと思う。若い世代の人たちも、事故責任の完結に向けた取組をしなくてはならないが、長期的には国際的な競争に参画していくという夢も若い世代には与えた方が良い。働く意欲を確保し続けるという意味でも、分離を含めた整理を行う必要がある。

達成目標と脱国有化

達成目標

  • 福島への「貢献」と「責任」については、明確に定義し直す必要がある。企業が稼ぎ、その稼ぎをもって福島事業をやることは「責任」であり、社会貢献ではない。これは社会責任であり、そのためには、やはり稼がなければならないということを、もっとしっかり認識する必要があるのではないか。アニマルスピリッツが欠けている。まずは配当よりは企業収益をあげ、蓄積をしていくという精神でないと、責任を果たせないのではないか。そこはしっかりと国民にも説明する必要がある。
  • 提示されたベンチマークは正直まだ粗い。売上高で生産性を計るというのはかなり荒っぽい議論。付加価値ベースで計れないか。
  • 経済事業において、世界的なレベルの数字をKPIとして掲げることには賛成。他産業でもだが、日本はまだ世界的な生産性レベルに達していない。収益レベルだけ見ても、世界全体の中のオリンピック記録になかなか届かない。最初はまず、国内トップに向けて東京電力が頑張る。送配電単価の例を見ても、国内トップの送配電単価に東電が届き、1,000億円/年オーダーの利益が得られるということは、それはそれで非常に大事だが、その後さらに10年かかっても世界レベルに行くんだということが大変大事。社内の士気や司令塔の士気も上がると思う。
  • 託送代金のコスト比較などのベンチマーキングを、各社長以下の評価に紐付けることも検討していただきたい。
  • 時間軸の問題については、新・総合特別事業計画における次の次の経営評価のタイミングとなる2019年、そして発送電の分離が行われる2020年が、目標を掲げるべき時期ではないかと思う。

脱国有化・国の関与

  • 再編の流れについて、そのスケジュールに加え、その広さ、深さも明確にし、東京電力自身が世の中に宣言するべき。東京電力の宣言によって世の中の空気が変わる。東電委員会に言われたからやるという感じではなく、むしろ積極的、能動的に、元東電の人たちが今後日本の電力システム改革の旗手になっていくことを宣言したほうが良い。
  • 50.1%の株を国が保有している中で、ホールディングス制をとっているのであれば、ガバナンスは国なのか。あるいは指名委員会なのか。ここははっきりさせておかないと、今後、ややこしくなるのではないか。
  • ガバナンスの体制を、国が50.1%持っている期間と保有株を売却している期間それぞれで、どう考えるかについて、真剣に考える必要があるのではないか。
  • 責任と権限を統合的に持つ事業体をプロジェクトとして出し、それを参考にして広げていくという考えに立った場合、ガバナンスが決定的に重要になる。50.1%の株を国が持っている会社がそのようなリーダーシップを発揮できるかというとかなり疑問。指名委員会が決める人事に対し、50.1%の株を持つ国にも責任があり、国会に対する説明責任もある。しかし、その責任は何に対してかというと、やはり福島への責任であるという再定義が必要になるのではないか。国の責任は、福島への責任という長期的な責任と再定義し、経営事業におけるオペレーションやエグゼクティブについては指名委員会に任せるという原則を明確に出す必要があるのではないか。
  • 50%超の株を国が持ち、その傘の下で指名委員会等設置会社を設置している。人事は指名委員会で決めるが、結局資本の50%超は国が持っているため、ガバナンスの主導権はどうしても50.1%の株を持っているところになる。ただ、この50.1%株の意味が、福島への取組という枠組みの中でのガバナンスなのか、あるいは、もう少し経営にも何らかのガバナンスの範囲が及ぶのか。このようなガバナンス構造はなかなかない形態。
  • 福島事業の問題があるので、国の関与を継続することは是とするが、それはあくまでも福島事業を貫徹するという観点においてであり、その観点から、東京電力の人事に意見を言うことはありだと思う。しかし、経済事業、とりわけ市場部門がリスクを取った方が良い原子力以外の発電、送配電、小売の3つに関しては、東電のマクロ的責任を果たしてもらうためにも経済価値を最大化することが正しいので、経済価値を最大化することに関しては経済的専門家に委ねるべき。その線引きは明確にしておかないと、今後のガバナンスは危うくなる。
  • 株主総会で選んだ役員と、その役員らで形成された委員会なので、基本的には委員会が決めるべきだが、最終的な権利はやはり国家が持っているのではないか。そこを明確にしておかないと、何かあったとき、あるいは何かと決めるときにややこしくなるのではないか。とにかく明確な法律専門的な議論が要るのではないか。
  • 資本を持っているのであれば、ありとあらゆることに口を出す権利があると思う。ただ問題は、ありとあらゆることに口出す権利はあるけれども、それは資本家も自制しなければならない。その自制として、どこまで任せて、どこまでは関与していくのかということを、予め決めておく必要があると思う。
  • 発電、送配電、小売という事業ごとにアライアンスを組むときに、司令塔的な機能を持つのが必要だということはよく分かる。そのようなときに、国が50%超の株を持っている東京電力が主導権を握ってアライアンスの主導的な機能を果たすのは、他の電力事業者も抵抗感が非常に強いのではないか。
  • 電力会社は電気事業法というルールで規定されている。ルールの運用は行政の責任であって、ルールを守って事業運営する責任は事業者だと考えると、ここでの議論も、ルールを変える話なのか、それともルールは変わらず解釈を変える話なのか。その辺りがはっきりしてくれば良いのではないか。
  • 経済価値に対する責任は株主に対して当然負うと思うが、それ以外の、例えば社会的責任は、電力事業者の場合は電気事業法で規定されている責任を果たすことだと思う。廃炉の問題については社会的責任を、経済論的な問題については株式会社として株主に対する責任を負っている。まずはこの点を整理するべきだと思う。50.1%の株を保有している国が関与するべきものはどこかということを、もう一回はっきりさせる必要があると思う。
  • 福島事業は東電ホールディングスが軸になると思うが、これは持ち株比率の観点から見ると、東電ホールディングスが国有化状態となる。この状態が、長期にわたって続くことを意味しているはっきり示した方がいい。
  • 廃炉については長期にわたる国の関与がどうしても不可欠の中、これをどういう形でやっていくか。出資をどういう形で引き上げていくのか。東電が前面に出てやっていかなければならないことは間違いないが、その中で国の関与をどこまで続けていくのかを、具体的な形として、国民に理解されるように提示しなければならないのではないか。その際、官民の間の仕切りを、官の関与が過大にならないような形で進めていくにはどうするかということも考えなければいけない。
  • 事故炉を保有するホールディングへの出資比率が落ちれば、当然事故炉に対する国の関与が減らないかという指摘もあるかもしれない。事故炉に関しては、国としてきっちり最後まで関わって行く姿勢を見せるためにも、今の50.1%の出資の仕方をどう考えていくのか。ホールディングスに出資しているため、下で分社しても、結局ホールディングスの出資比率がそのまま下にも効いてくる。これは、他社とのアライアンスを組む場合にも非常に論点になってくる気がする。
  • 福島事業に対しては、東京電力の過半を握る国としてやっていき、その一方で、経済的事業からの国の関与は薄めていく方向性であるという整理だと思う。
  • 国の役割との整理について、廃炉は100年の事業。このリスクを内包できるのは国以外にあり得ない。廃炉に向けて、東京電力は頑張って取り組んでいるが、将来にわたってその人材を確保していくことは、一民間企業の領域を越えるのではないか。集まったノウハウを共有し、国際的にも貢献していく観点も踏まえると、国の長期関与は必然。他方で、経済事業を早期自立させていくことにも賛成。
  • 国の関与については、今回の機会に明確にした方が良いと思う。その中で、福島事業と経済事業という2つで分けることがいいのかは少し疑問。同じ経済事業の中でも、市場部門でリスクをとったほうがいいものと、市場のリスクでは対応しきれないものは分けて議論すべきではないか。
  • 経済事業への実質的な関与は、可及的早期に下げたほうがいいのは間違いない。これが下がっていかないと、相手方からすると福島リスクを遮断できない。経済事業の議論は、組む相手方の視点で物を見なければならないので、国の関与度を薄めていく方向で考えないと難しいと思う。
  • 経済事業のモニタリングについては、資本的統治で行くのか、業務的統治で行くのかの2通り。電力システム改革の流れで考えると、最終的に分離することになるので、資本的統治に持っていくべき。
  • 経済事業が、できるだけ早期の自立を目指すことはよく分かるが、原子力事業から国が手を離すことは実際にできるのか。国の関与はしばらく続く覚悟をした方がよい。原子力事業のあり方や送配電の規制内容の見直しを、国として、もう少し徹底的に進めた方がよい。

その他

  • 事故炉の取り扱いは、過去と未来の両方とも非常に重く、一企業レベルで40年計画を実行することは難しい。イギリスの100年計画のように、国であれば40年の時間軸でも可能だが、企業の40年は、人や稼ぎを持続的にできない限り、計画も立たない。
  • 送配電事業の合理化分を福島の廃炉費用等に充当していく仕組みが示されたが、実施するに当たっては丁寧な説明が必要。
  • 東電と国の役割の中で、「1.国は事故事業者に一時的支援、時間を与え、非連続の経営改革で責任遂行を促す」「2.事故事業者は、非連続な経営改革を実行、責任を果たす」「3.国も被災地復興には前面に立つ」は、今までやってきたことで、「4.事故炉廃炉事業を安定実施するための事故炉廃炉管理型積立金制度の創設等を行う」「5.事故炉廃炉のため事故事業者の発電・小売分野の合理化分に加えて、規制分野である送配電事業の合理化分を優先的に充当する」「6.賠償制度が不備な中で福島原発事故が発生したことに鑑み、積立不足分を全需要家から公平回収する仕組みを検討する」については、今からやることを指していると思うが、そこは明確にした方が、外から見たときに分かりやすい。
  • 電力会社の人達と話しをする中で強く感じるのは、時間軸の考え方の違い。電力事業だと30年先を見てという話になる。この時間軸の考え方が一つの鍵だと思う。環境問題や新規事業者の参入など、過去に比べて電力全体の変数が多くなってきている中で、各電力の考え方を導くためにも、国がもう少し明確に電力事業の将来像を出すべきではないか。事故炉の廃炉については、30年~40年という長い時間軸が必要になるため、国が関与していかざるを得ない。
  • 国の支援策が出る度に、東京電力を破綻させて会社更生法にかけ、金融機関や株主にも責任を負ってもらい、資産を売却して破産させるべきという議論が必ず起こってきている。だが、その措置では、最終的には、福島事業に対する費用が捻出できないということを丹念に説明していくべき。
  • 国民の原発に対する理解が未だに進んでいない。国として、原発に対する理解を促進する仕組みを是非考えいただきたい。原発の再稼働の必要性が理解されていない場合が多々あるということをもっと認識しなければならない。
  • 事故炉の廃炉については、技術革新が必要なのは明らか。そして、この技術革新は日本にとって非常に大きな資産になりうる。事故炉の廃炉について、もっと前向きに考える姿勢を、国民にアピールできると、国民の見方も変わってくるのではないか。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力市場整備室

最終更新日:2016年12月28日
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