経済産業省
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東京電力改革・1F問題委員会(第6回)‐議事要旨

日時:平成28年12月9日(金曜日)8時00分~9時45分
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

出席者

委員
伊藤委員長、遠藤委員、小野寺委員、川村委員、小林委員、白石委員、冨山委員、船橋委員、三村委員
オブザーバー
廣瀬東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長
事務局
日下部資源エネルギー庁長官
多田資源エネルギー庁次長、村瀬電力・ガス事業部長
山名原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事長
西山原子力損害賠償・廃炉等支援機構連絡調整室長

議事概要

  • 事務局から、東京電力改革・1F問題委員会 提言原案骨子案及び有識者ヒアリング結果報告について説明。
  • 廣瀬オブザーバーから、再編・統合に向けた経営改革について説明。
  • 各委員等からの意見は、以下の通り。

事業再編

全般

  • 誰かが先行し、他の人もそれに続かないと世界の潮流に乗り遅れてしまうので、まずは動き始めるという東京電力の考え方は良い。東京電力がリードして、より自立した企業になって、自由競争の中で勝ち抜いていくという姿勢を示さないと、他企業は真剣に組もうとはして来ないのではないか。
  • 具体的な再編・統合の取組を、若手を中心に拡大していくという東京電力の意思の表明があり、よくここまで踏み込んだと思う。これは他の電力会社にも良い刺激になる。政府の資料も、非常に踏み込んだ数字が入ったものになっているが、4兆円の株式売却益を得ることができるかどうかは国民も高い関心を持つと思うので、具体的な方向性を示していくことが必要。
  • 東京電力と組もうとした場合、相手企業からすると、利益構造や展望と同じように、ガバナンス構造も、非常に重要なポイントになるのではないか。
  • 他の電力会社は、事故の当事者でもある東京電力が支配的に物事を決めていくことは、歓迎しないのではないか。このため、他の電力会社との協調については、最初の5年くらいは、国がある程度裁く必要が出てくるのではないか。特に、送配電事業については、国がある程度裁かないと、他の電力会社はついてこないと思うので、大きい方向付けが必要なのではないか。
  • エネルギーの安全保障は、国の基本政策であり、国の存亡にかかわる重要な基幹政策。その中で、共同事業から国際展開をしようとするときの外資も含めた自由化をどのように捉えていくのか。
  • 電力の自由化について、我々が外に打って出ようとしているときに、外から入ってくるものはコントロールするという考え方はまずい。例えば電力事業のグローバル展開を進めているイギリスでは、海外の電力会社に自国の電力供給を任せている。外資が日本に入ってきたいと言うのであれば、その阻止はできないのではないか。阻止するのではなく、日本の電力会社が、経済的に他国の電力会社より勝っているところまで持っていくしかないのではないか。
  • 提携による効果は、資本レベルまで踏み込まないと出てこない。いずれの事業も何らかの形で外に打って出るのであれば、緩やかな連合体や持ち寄りのジョイントベンチャーでは難しく、一つの事業体として本気で勝負に出る形を取らなければ成功しない。
  • 福島事業と経済事業は別の問題で、やり方も別。福島事業の問題は、地元との信頼関係を築いていかなければならない。このため、人についてもある程度長く携わらないと、なかなか信頼関係は築けない。一方で、経済事業は、他の電力会社との信頼関係をどう築き直すかが課題。他の電力会社から見たときの東京電力に対する問題を、我々も考えざるを得ないのではないか。
  • JERAの統合は、2014年10月に協議が始まり、2017年春に完全統合に向けた合意がなされる予定だが、これは少し遅い気がしている。他分野でも統合を進めていくのであれば、未来に向かってのイメージをつけるためにも、ある程度の期間の提示があっても良いのではないか。

分野別(原子力、送配電、火力) 

  • 国が関与する福島事業と、民で取り組む経済事業と、言葉ではきれいに書けているが、実際にはどう経営するのか。例えば原子力について、国は長期的に見ていくとしているが、原子力事業のお金の流れは共同事業体に行ってしまう。この関係をもう少し明確にするべき。原子力については長く国が関与するけれども、経済については早期に国の手を離れるというのであれば、ホールディングス制自体が成立しなくなるかもしれない。そうすると、どこかで2つを分けるなどの対策を予め考えておかないと、他企業にしてみれば、共同事業体のパートナーになるという決断は難しい。ホールディングス制からどこに移行して、どう分離していくのかについてもふれて欲しい。
  • 原子力の統合については、応急措置のようなプロジェクトだけでは不十分。そこを越えるためには、国が示す明確な方針や、それを成し遂げるために必要な制度の設置が必要になるのではないか。
  • 研究教育を拠点化することで、「国際的な知見を集め、国内外の知恵と研究の成果を廃炉へ生かしていく。その中で、新しい技術を生み出していく可能性もあり得る」という構想があったが、実際に可能なのか。原子力技術については、個別企業がそれぞれ持つ開発機密やノウハウがあるだろうし、国家の安全保障にもつながりうる。研究拠点化し、ノウハウを確立し、それを国際市場でも売れるようにしていくという流れは願わしいが、本当に可能かどうかは、やってみなければわからないところがある。
  • 送配電のコストを下げることで回せるお金を増やしていくという考え方は問題ないと思うが、ここでカットしたコストのうち、どれだけのお金が福島事業に回るかについては、透明性を持たないとなかなか国民の理解が得られないのではないか。透明性を確保することによって、消費者からの納得を得られるし、消費者の反応も伝わってくるので、ぜひ透明性の確保をお願いしたい。
  • 託送料金で回収する額は、月18円ぐらいで、非常に小さな金額。この金額の根拠をはっきり明示すれば、一般消費者の理解も得られる数字だと思う。例えば廃炉費用を「8兆円」と示すと、一般の人には当然とんでもなく高額だと見える。この金額を30年で割れば一家庭あたりでどのくらいの金額になるかが伝わっていない。
  • 送配電については、送電と配電の取り扱いは一緒でいいのかという問題は残る。配電は、新サービスの提供等により業績を伸ばしていくことになるかもしれないが、送電は、規制業種のため、業績の伸ばし方については、他の電力会社も非常に気にしている。
  • 電力の海外展開は、国際的には、量的にも質的にも、今非常に動いている産業領域なので、JERAは早期に完全統合してもらい、海外へ打って出る動きを加速してもらった方が良い。

達成目標と脱国有化

  • 東電改革について、一つの方向性が示されたことは、非常な進歩だと高く評価する。方向性を示したことで、何をやるべきかという話から、誰がどうリードするのかということに焦点が変わっていくのではないか。このとき、東京電力と国の役割の整理は、再度問題になってくる。例えばJERAについて、完全統合に進むと思っているが、その確信がまだない。パートナーも含め、関係者全員がそのようにはっきり決心して、同じ方向に向かっているのかは疑問が残る。これは、他の電力会社が東京電力をどう評価しているのかという問題にも関係する。送配電にしても、柏崎刈羽の稼働を契機とした原子力にしても、東京電力が努力しリードするとともに、国として必要であることを強く示すべきではないかと思っている。
  • 東電が目指す企業価値向上による4兆円の株式売却益は、すごい数字。この規模の企業価値を持つ日本会社はほとんどない。本気でこれを目指すのであれば、相当大きなことを大胆に行い、成功させないと実現しない。
  • 東電の収益拡大目標については、年間で必要な収益と4兆円の売却益を、はっきり分けて記載するべき。4兆円の売却益は、国が一旦立て替えているお金に充てるもので、すぐにではなく、将来達成すべきもの。それに対し、廃炉や賠償でかかる0.3兆円、0.2兆円という金額は、毎年必要なもの。
  • 株について、目標の売却益を得るためには、バリュー株では実現できないので、東京電力の経済事業体がグロース株と見なされる必要がある。これは市場から見ると、この事業群がグローバル展開を今後中長期的に進めていくという確信をもってもらえないと成立しない。いきなりは難しいが、5年、10年の段階でそのような姿になっていないと、絵空事として、投資家から指摘されるので、覚悟を持って取り組まなければならない。
  • 福島事業や電力の再編などは、中長期にわたる歴史的大事業になるため、生半可な体制や人間ではできない。リーダーシップ体制、ガバナンス体制等を相当強化していかなければならない。これまでの5年間は、緊急対応型として、目の前の問題に対処してきたが、そろそろ中長期でこれだけの大事業をやっていくというフォーメーションに進化させていかなければならないのではないか。誰がどういう役割を果たすかも含めた体制の強化を、実際の行動につなげるための検討をお願いしたい。
  • 国の関与については、ガバナンスという観点からしても、より国の関与を尊重すべきものと、指名委員会の決定を尊重するものと軽重がある。原子力以外の発電・送配電・小売事業の人事やガバナンスは、指名委員会に任せるべきで、国がこの中身について口出ししないことは、多分正しい。逆に、福島事業や原子力事業は、国の関与が必須であり、そこは二人三脚になるべき。そうした軽重なり位置づけは、この機会に整理すべきではないか。
  • 経済事業がうまくいけば、国の関与を減らすことになる。国の出資を引き上げることになると、福島の人達から見れば、明らかに国が少し引いたように見える。そのため、関与の仕方を変えていくことを、もう少し明確に示す方法はないか。国の関与を減らしていくとはどういうことなのかをもう少し明示すべきではないか。

その他

  • 経済事業は、リーダーシップとガバナンスに携わるかたちで若手人材を活用すべきということをはっきり示した方が良い。それを東京電力だけでなく、今後協調することになる全電力にも広げていくことも、明示しておいていただきたい。
  • 原子力、火力、送配電、発電と4つ並行して書かれているが、原子力は重く、難しい。原子力をどう捉えるかは、東電の経営改革の一環の中で、打ち出し方も含めて、考える必要があるのではないか。福島第一原子力発電所の燃料デブリは容易ならざる事態だし、柏崎刈羽原子力発電所が動かない可能性もある。再稼働に対し約半数の国民が反対していることも考慮すると、ミクロだけでは努力してもなかなか難しい状況ので、国の政策とあわせて考えていくべきではないか。
  • 国際的な環境問題では、トランプが気候変動に対し非常に慎重な姿勢を示していることを受け、中国がこれを逆用し、ヨーロッパやアメリカの環境主義者も含めて、原発が必要であり、イギリスと一緒に地球を守るという大きなキャンペーンを始めてくる。日本も気候変動の問題を真正面から受け止め、政治的にも優先順位の高いものにしないと、原発に対する再認識はなかなか生まれない。
  • 原子力は、国策民営という立てつけで、その時代のニーズにあわせた対応をしていたが、危機対応への備えは十分でなかった。原子力を進めるにはこの点も非常に大きな課題。
  • 2年前に長期エネルギー需給見通しとして、2030年のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーや原子力等の目安となる具体的な数字を提示している。また、こういう不幸な事故が起きても、原子力は、化石燃料よりコスト的に十分安い。各エネルギーのコスト比較など、エビデンスが明確にあるものは、国民の納得を得る上での重要なファクターだと思うので、提言に書き込んだ方が良いのではないか。
  • 原子力に関して、国としての広報活動をもう少しやらないと、国民感情の壁は乗り越えできないのではないか。発電単価や温暖化対策、エネルギーセキュリティといった点から、原子力が極めて重要なエネルギーであるということを示し、数年間原子力が停まっていても日本はやってくることができたと思っている人達に対し、そうではないということをよく理解してもらわなければならない。
  • 原子力発電所については、再稼働ですら国民の理解が十分得られていない。国として進めていくとしても、経済産業省以外の他省庁も巻き込んだ形で進めないと、逆効果になる恐れもあるのではないか。
    外部の人間でも良いが、東電改革のスムーズな移行について、東電委員会終了後も考えていくプロジェクト組織があっても良いのではないか。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力市場整備室

最終更新日:2016年12月28日
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