経済産業省
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東京電力改革・1F問題委員会(第7回)‐議事要旨

日時:平成28年12月14日(水曜日)13時57分~15時48分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

委員
伊藤委員長、遠藤委員、小野寺委員、小林委員、白石委員、冨山委員、船橋委員、三村委員
オブザーバー
廣瀬東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長
事務局
日下部資源エネルギー庁長官
多田資源エネルギー庁次長、村瀬電力・ガス事業部長
山名原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事長
西山原子力損害賠償・廃炉等支援機構連絡調整室長

議事概要

  • 事務局から、東京電力改革・1F問題委員会 東電改革提言(原案)について説明。
  • 廣瀬オブザーバーから、送配電事業の再編・統合に向けた取り組みについて説明。
  • 各委員等からの意見は、以下の通り。

事業再編

  • 送配電の再編・統合については、タイトなスケジュールでないと2020年の発送電分離に間に合わなくなる恐れがあるが、どういう形で誰が主導して、3年~4年の間にやらなければいけない他の電力会社との調整を進めていくのか。他の電力会社の理解と協力も得なければいけないし、一般の需要家、特に小口の需要家にとってどういうメリットがあるかも示さないといけない。大口の需要家に対してはいろいろな措置が取られているが、小口の需要家についてはどうなのかという疑問はなかなか氷解しない。そこが課題になるのではないか。
  • 配電部門については、様々なアライアンスの可能性があり、グロースのイメージを担うべきだと思っている。また、毎年0.5兆円の確保については、グループ全体のコストダウンや効率化を通じて生産性を高めてキャッシュや超過利潤を生み出していく。これに加えて、再編・統合についても考えていく。
  • 託送料金への上乗せについては消費者委員会の調査報告書でもいろいろな注文が出ている。どうやって消費者、需要家へ利益還元されていくのか。新電力についてもベースロード電源として安い電力を既存の電力会社から事業者に供給していくので、年間で60億円の負担は賄えるという理屈は分かる。利用者に対しても、東電以外の電力会社から選んだ電気に託送料金という形で上乗せされ、本来安価な電力であるものが下げられないことに対する疑問や不満を解消するため、十分に説明する必要がある。
  • 4兆円の株式売却益を捻出するためには飛躍的な企業価値の向上が必要だが、送配電事業を統合し、キャッシュフローを福島に充てる事業をもって、果たして企業価値がそれほど上るのだろうか。やはりこれは送電と配電を分離し、配電事業については、IoTやAIを使ったグリット情報サービス企業のような形で高みを望んでいかないと実現しないのではないか。
  • JERAの完全統合を実際進めていく過程で国が背中を押すことは今後も大事。
  • 石炭火力に依存してコストを安くしても、これではCO2排出を抑えることはできない。提言では、もう少しクリアに「エネルギーミックス」「CO2」「コストダウン」にふれた方が良い。
  • 福島事業もNASA、NIH、DARPAなどの可能性のある企業体に生まれ変わるかもしれない。例えば無人ロボットや、最先端の放射線医学なども見ていくことは、実際の廃炉費用を圧縮していく取組という意味出も必要なのではないか。そういった形で、東京電力で働いている若い世代にも未来を見せていくことが必要になるのではないか。
  • 福島については、ロボット開発などの先端的な取組というイメージを出していかなければいけない。イメージアップは間違いなく必要。

企業改革

  • 当座は、経済事業の改革を進めていく責任者が肝要。原子力以外は完全に純粋な経済事業なので、ここは社外取締役の専権事項であるべき。指名委員会の権限事項にこのクラスの幹部人事は入っているはずなので、その形でやっていくべきではないか。
  • 東京電力の依願退職者は若手の割合が高い。その傾向は収まってきていると思うが、それでも東京電力の未来に対する希望がなかなか持てていないのではないか。今回、特に送配電や原子力で、いろいろと新しい改革ビジョンを出しているが、再編・統合による新たな魅力、新たなチャレンジという方向性を打ち出すに当たっては、そのための資源や人事についても、しっかり取り扱う姿勢を示すことが非常に重要なのではないか。加えて、プロパー職員にオーナーシップを持たせ、責任感やリーダーシップを育てることも必要なのではないか。
  • 統合・再編に向けた改革を中心に議論を進めてきたが、人の手当をどうするか。特に長期的にどう考えるかはもっと詰めなければいけない。
  • 関係者がこの計画に納得できたかどうかは重要。例えば従業員にとってはやる気が出る計画であるかかどうか、実際の事業を進める上で起こりうる値下げなどにも十分耐えられるのかどうかを考えると、実際のキャッシュフローは年間0.5兆円よりももっと大きくなる。この辺の整理をどうしておくのか。一番気になるのは従業員がこれから30年~40年間対応を続けていくわけだが、今我々が持っているストイックな気分が社内でどれだけ継続できるのかは非常に心配。これをどうするかは、東京電力としては大きな課題になってくる。
  • ドメスティックな国有企業のグローバル展開という話は、日本たばこ(JT)といういい例がある。JTは、今の社長・副社長が、非常に若かった時から力を持って改革を引っ張ってきたという実態がある。東京電力の場合、例えば送配電一つとっても10年規模の事業。今からものすごく急いでも現実になるのは10年後ということになると、10年後も現役で働いている担い手に権限・権力を渡してしまった方がいいのではないか。

達成目標と脱国有化

達成目標

  • どんな計画でも計画の良さというのは、向かうべき方向が極めて明確になっているかどうか。しかもその背景、リーズニングがはっきりできているかどうか次第。その意味では、今回、再編・統合と明確に方向性を掲げて、それから若手を育成しながら改革をしていくという方向性については、非常によくできているのではないかと思う。
  • 計画の実行可能性については、我々の計画はあくまでも「ねばならぬ」という計画。こういうことをやらねば、全体としては福島の再生も東電の再生もこれはできない。やらねばならないことを確認したので、これ以降はこれから進められる新・総合特別事業計画の改訂の中で進めていただきたい。
  • 22兆円という数字が与えたインパクトの大きさはもう一度確認しておくべき必要がある。世間の受け止め方からすると、22兆円が福島事故に使われることのショックは大きい。その規模の費用であることをもう一度きちんと認識して、適正化をしていくということも厳しく見ていかなければならない。
  • 国民目線で見たときに、22兆円という数字が一人歩きして、何となくとんでもない数字だという話ばかりになっている気がしてならない。1つの要因は、毎年このくらいかかる、いわゆる年間0.5兆円の問題、それと将来の問題、そこの切り分けは書いてあるが、なかなか理解されていない。
  • 4兆円の株式売却益を得るためには、相当野心的な改革が必要だということはきちんと共有しておくべき。0.5兆円/年を達成すれば良いという話になってしまうのは良くない。
  • 年間目標は0.5兆円だが、企業価値という点から見たら、プラスαのところが大事。仮に年間0.5兆円の利益を生んでもそれはキャッシュ・アウトフローであり、フリーキャッシュフローとして残らない限りは企業価値には反映されない。そうすると年間0.5兆円を廃炉・賠償のために確保し、残りのフリーキャッシュフローで4兆円の株式売却益を生み出すことは相当難しい。この問題をどう解決していくかは、かなり重要な問題として残っている。
  • 国民目線、もしくは消費者目線で見ると、送配電のところで明示的にこれだけの額を福島事業に回していくということを将来的に出していくタイミングも重要。仮に毎年0.5兆円のお金が必要な実際の廃炉作業が早くても2年~3年後からだとすると、それまでに送配電のコスト削減を行い、そこから捻出したものを回して、消費者から見たときの料金については少なくとも値上げにはならないということを何とか見せれば、消費者の納得度も随分違うのではないか。

脱国有化

  • 責任とガバナンスをもう少し明確に切り出し、項目として立てたほうが良いのではないか。専門家にも見ていただきたいと思うが、鍵は、今までの5年間のいわゆる緊急体制から、いよいよ次の再編・統合という経営改革に向けての新しいステージになること。違うステージに入る際に、国と東京電力のそれぞれの責任・役割を、ガバナンスとしてどのような形できちんと定義するかを明確にしておくべきではないか。
  • 国の関与については、少なくとも2019年度までは、相当国が関与しなければいけないのではないか。福島事業の安定と同時に、経済事業の改革も相当大変な改革。経験則だが、これだけの改革をやろうと思ったら社内でも抵抗が起きる。そのため、改革の旗を振っていくトップ経営陣の背中を援護射撃するという意味で、国の関与は大事なので、国の関与が続くことは明確にしていくべきであろう。
  • 国の関与について、例えば出資額もしくは出資比率を下げてしまうと、国が福島事業への関与を減らすととられかねない。とすると、例えば優先株のような形にして、議決権については減らすが、お金の問題については、相変わらず国が関与するという方法も1つの方法ではないか。そこで何か工夫の方法はないのか。
  • 国が50.1%の株を保有している中での自立という表現は、分かりづらいので工夫が必要なのではないか。
  • 専門分野の違う委員から、それぞれ多角的な視点から多様な意見が集約されて新しい方向が見えてきている。あとはどういう形で実行体制をつくっていくか。これは一重に東電側だが、国の関与も必要。どういう形でやるかは今後の株主総会で体制がはっきりするまで見なければいけないし、必要があれば、我々の知見を提供することも必要ではないか。
  • 全体の体制をこれからも考えていく場合に、アドバイザリーパネルやボードみたいなものが必要ではないか。それを東電の中で持つのか、ホールディングの中で持つのか外で持つのか。国の関与をどういう形でやるかは別として、直接的ではない間接的な形で国が面倒を見ていく、監視していくという意味でも中立的なアドバイザリーパネルが必要ではないか。肝心なのは、改革を断行するのに必要な人材を集め、人材を指揮していける指導力のある人が必要で、構想力・発想力、それから統率力・指導力、並びに実行力と交渉力、こういう3つの段階の人がそろわないと難事業はできない。議論することは簡単だが、実際にどうやっていくかは大変。そのために必要ならば我々の経験、知識を提供することもあろうかと思う。どういう形で反映していくのかも含めて検討する必要があろうかと思っている。

その他

  • 東電委員会として、ここまでいろいろやってきたので、提言後の動向をある程度見届けることには賛成。
  • 東電委員会の今後の対応については、何らかの形で見届ける必要があるのではないか。
  • 東京電力は、この先ストレスのかかる改革をやっていかなければいけないので、東電委員会を一つのプラットフォームとして残した方が良い。
  • 東電委員会として提言を出すところまで来たので、最後のフォローは必要。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力市場整備室

最終更新日:2016年12月28日
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