経済産業省
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東京電力改革・1F問題委員会(第8回)‐議事要旨

日時:平成28年12月20日(火曜日)7時00分~8時55分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

委員
伊藤委員長、遠藤委員、小野寺委員、川村委員、小林委員、白石委員、冨山委員、三村委員
オブザーバー
廣瀬東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長
事務局
日下部資源エネルギー庁長官
多田資源エネルギー庁次長、村瀬電力・ガス事業部長
山名原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事長
西山原子力損害賠償・廃炉等支援機構連絡調整室長

議事概要

  • 事務局から、東京電力改革・1F問題委員会 提言原案について説明。
  • 各委員等からの意見は、以下の通り。

事業再編

  • 送配電事業の再編・統合については、事業規模を拡大するだけでなく、例えば生産性を上げる、技術力を構築する等も加えた方がよいのではないか。事業規模を拡大すれば解決のような印象を他電力に持たせかねない。
  • 他の電力会社の信頼と協調が非常に大事だが、現状の他の電力会社は、すぐに東京電力のやり方に移らず、2020年の電力自由化までぎりぎり持ちこたえて、その後少しずつ東京電力と料金価格で競合してくる可能性がある。長期的な対策の結果、海外展開まで含めて強くなっていけば、日本国内の電力料金も下がってくるので、長期的にはこの方向で結構だが、短期的なところで他の電力会社と不必要な競争をしてしまわないかが少し心配。
  • 東電独自の改革と、東電だけではできない他事業者を巻き込んだ協調・連帯を、どうやって形作っていくか。今の電力事業者の状況を見ても、東電の主導の下ではできないのではないか。2020年の完全自由化を挟んで、どういう時間軸の中でこれを進めていくか。
  • 再編は、東京電力に飲み込まれるのではないかという恐怖がある。その恐怖感は払拭しがたいのが自然な感覚で、どう払拭していくかは今後進めていく上でのリアルな課題。当然、相手方も相当深刻な機関決定をしていくので、トップの独断ではできず、組織として相当なコンセンサスをつくらないと本格的な統合に踏み込めない。東電以外の電力にはそれを乗り越えるために努力してもらうしかないが、飲み込まれるのではないかというイメージ払拭については、東京電力が能動的な努力をしていかなければならない。
  • 早急に東電改革を実行に移すと同時に、各電力事業者が同等の権限と発言力の下で協議するラウンドテーブルが必要になっていくのではないか。それでも数年かかると思うが、まずはそのような話し合いを始める機運を作っていかなければならない。それは、経産省の主導の下ではなく、自発的な行動の中で進められることが望ましい。東電が主導権を持つのではなくて、志を同じくして国際展開をし、競争力を持たせ、果実をユーザーにも還元していくという観点から将来性を議論する場が必要。それをどう作っていくのか。それがないと他事業体との共同参画が実現しないのではないか。
  • 総じて電力料金の値上げとならないとはっきり記載されている点は結構だが、基本的な仕組みは何ら変えないのであれば、一般消費者がどうとるかは考慮すべき。

企業改革

  • 従業員一人一人に原罪意識を持たせるのは間違いではないか。もちろん、事故を起こした当事者の一員として、社会的な責任、地域への責任を感じていくのは当然としても、日本型の企業文化の中で、上から下までとにかく原罪意識を持って当たれというのも酷な話ではないか。責任をとるべきは経営者であり、その下で執行を務める取締役等の責任こそ重大であって、一社員まで求めるのは酷な話。末端の従業員に過大な責任や原罪意識を持たせないような仕組みも必要ではないか。
  • 指名委員会等設置会社としてのガバナンスを日本の電力会社で初めて行っているところでもあり、種々の主導的な役割も今の東京電力の取締役会は果たしているので、東京電力のガバナンスに、執行役員に対する依頼だけでなく、取締役会が執行陣と一緒になって取り組んでいただきたいという点をもう少し表現した方が、実態に合っているのではないか。
  • 東京電力が、今後自分の言葉でその決意表明する際も、取締役会による指導、管理監督、その全体のチェックの下に行うという点が非常に大事。
  • 指名委員会等設置会社にした効果についても、触れるべきではないか。
  • 今後の東電委員会のフォローとして、新総特改訂のウオッチ、株主総会に向けた具体的な取組のチェックがあり得るが、東電の取締役会なり執行会議とガバナンスがオーバーラップしないように運用してもらいたい。取締役会あるいは指名委員会で決めるべきことに対し、オーバーラップし過ぎではないかはかなり気を使ったほうがいい。
  • 今後半年間、この東電委員会は継続すると思うが、それとは別に、もう少し日々の活動に近いところで取締役会には活躍していただく必要がある。東京電力の取締役会の役割は非常に大きいという点をもう少し表現する方がいいのではないか。
  • 福島の現地で東京電力の一般従業員が一生懸命やっていることに関して、現地の人は評価している。本当に一生懸命やってくれているという感覚はあるが、当時の経営陣に対しては難しい。当時の経営陣世代との関係を切らないと、福島の人達の信頼は得られない。実際福島では風評被害がまだ続いているのが現実。
  • 新しい世代が担う新生東電が、福島の人にとっても一番受け入れられる。いろいろ難しい問題はあるが、この改革を機会に強力に世代交代を進めていただき、新しい世代が頑張って企業価値を高め、キャッシュフローを生み出し、福島に貢献する将来を目指して頑張っていただきたい。
  • 相手方の感覚は大事。業界内の序列等、長い歴史の中で東京電力は傲慢なイメージを強く持たれている。東電は世代が下るにしたがって、そういう感覚はより少なくなるはずなので、世代交代はすごく大事なポイント。

達成目標と脱国有化

  • 福島への責任について。東京電力が果たすべき福島への責任というのは、福島廃炉の責任であって、例えば国や地方自治体が負うべきものは、福島復興への責任。そのあたりを全体として福島への責任としてぼやかしてしまうのは、違和感がある。ここはきっちり、福島廃炉への責任は東電にあり、福島復興への責任は国にあり、福島復興への制度を整えるのは、国や自治体であると示すべきではないか。
  • 福島復興と言えば言うほど、例えば原発からの距離は仙台より遠い会津からするといい迷惑。東京電力の中で風化させないというのは大変大事なことだが、会津からしてみれば風化しなければしないほど、風評被害が残る。このパラドックスに対してきれいな答えはないが、その存在は今後も継承していただけるとありがたい。
  • ステークホルダーの資金支援について、金融機関の支援を期待するとしているが、違和感がある。資金が必要に応じて協力できるような制度の構築を国がすると表明すべきであり、金融機関に支援で協力を期待したいとするのは、踏み込み過ぎではないか。

その他

  • 東京電力は、福島への責任を果たすために存続を許されているだけではなく、この管内で安定的かつ品質の高い電力を供給することも大事な役割。
  • 「電力ユーザー」という表現は、大口ユーザーである企業のイメージが強いので、「消費者」と言ってしまったほうがいい。
  • エネルギー政策全体の中で長期戦略を言っているが、80%の削減なり、2030年、2013年ベースで26%削減という目標は原子力なくして具体的には難しいということを書くほうが良いのではないか。
  • 全体として原子力発電所の再稼働は非常に重要なので、国としても、引き続き前面に立ってやっていただきたい。
  • 2050年のパリ協定の遵守と、2030年のエネルギーミックスで掲げている20~22%の原発のエネルギーソースとしての存在を、どうやって実現するか。原子力発電所の再稼働が非常に難しいことは承知しているが、そこはやはり再稼働に向けて、技術、安全の確立を含めて、国民の信頼を得ていくことが、必要ではないか。

委員長締括

  • この委員会は、世耕大臣からの依頼を受け、10月5日に第1回の会合を開き、かなりの時間をかけて、今日の提言案をまとめるに至った。 印象的だったのは、回を重ねる度に国が果たすべき側面支援、そして東電が果たすべき役割について、委員の間で意見が徐々に収斂し、そしてそれが東京電力側にも浸透し、大きな合意形成がなされたこと。これは委員の深い見識と、経験の豊かさに裏づけられた意見が、同期化した結果だと思っている。
  • 思い起こすと、初回の委員会で、各委員から、東電自らが、内部から湧き起こる改革の意思と行動なくして、この難題を解くことはできないという指摘があったことが、強く印象に残っている。この意味で、この議会で議論を重ねる度に、東電自身が自らの改革の意思を徐々に固め、最後は送電事業等の再編・統合に向けた行動を具体的に提案するようになった点を高く評価している。この点がこの委員会の最大の成果の一つだったと思っている。
  • 国の役割に関しても様々な意見をいただいた。送電事業については、他社を超える合理化分は、福島の廃炉に充てるべきという意見もあった。あるいは、国の制度が不備であった点の反省を踏まえて、賠償への備えの不足分は福島のため、そして公平の観点から、新電力のユーザーにも協力を求めるという観点から、今回の改革の全体像を消費者の視点で提示すべきという意見もいただいた。東電改革を支える国の役割として、重要な論点を提起していただいたと考えている。
  • 当委員会は、東電改革をテーマとした。この提案が福島復興の礎となり、福島の皆さんの安心、福島で作業に当たる皆さんの士気向上につながり、そして東電のみならず、日本の電力産業の全体の改革につながることを期待してやまない。
  • 若干の修正をした上で世耕大臣にこの提案を提出する。東電改革は早期着手、しかし時間をかけても理想を目指す。この理想を求めつつも、現実に根差した対応が大事だと考えている。是非、東電とともに改革を指導し、国民の財産となるような電力産業を築き上げていただきたいと願っている。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部政策課 電力市場整備室

最終更新日:2017年1月16日
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