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東京電力改革・1F問題委員会(第9回)-議事要旨

日時:平成29年3月28日(火曜日)17時00分~18時31分 
場所:経済産業省本館17階 第1特別会議室

出席者

委員
伊藤委員長、遠藤委員、小野寺委員、川村委員、小林委員、白石委員、冨山委員、船橋委員
オブザーバー
廣瀬東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長
事務局
日下部資源エネルギー庁長官
多田資源エネルギー庁次長、村瀬電力・ガス事業部長
山名原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事長
西山原子力損害賠償・廃炉等支援機構連絡調整室長

議事概要

  • 事務局から、東電改革提言後の主な動きについて説明。
  • 廣瀬オブザーバーから、新々総合特別事業計画書の骨子及び社債市場への復帰・免震重要棟の耐震性問題について説明。
  • 各委員等からの意見は、以下の通り。

事業再編

(1) 総論

  • 東電委員会の提言を受け、ここまできちんと骨子に反映されているのは、廣瀬社長の強いリードシップがあったからであり、評価したい。これを実際に数字に落とし込みながら改革を進めていただくということによって、東電委員会の提言が実現されていくのだろうと思う。
  • 経済事業の総論については、再編が必須ということだと思うので、再編を現実的にどう進めるかということが鍵である。さらに相手がいる話であり、警戒感を持たれがちなので、そこをどう解していくかが重要である。東京電力は巨大なので、吸収合併されてのみ込まれるのではないかという恐怖感を相手に持たれると、現実的には進まない気がするので、そうはならないという点を打ち出す必要がある。
  • 東京電力の株式の持ち分自体を、例えば、50%超あるいは50%よりも低くするとか、柔軟に考えていかないと、なかなか現実的には動かない。
  • 再編・統合を全国レベルでやった場合に、東京電力が50%とるということはあり得ない。
  • エグジット、つまり、最終的にどのようにキャッシュの回収を目指すかという点について、企業価値ベースのものは、やはり株式を売却しなければキャッシュにならないため、どこかのタイミングで売却をするということになると思う。従来の東京電力グループの構造が変化していくことが当然起き得るが、それは当たり前のことというか、それが起き得るべきことだと認識する必要がある。これが同時に、相手方の警戒感を解くポイントにもなると思うので、この点は明確にしていった方がいい。独立した運営になって、巣立っていくのを親が引き止めるのは変だし、福島問題は、企業価値を高めるにしても、最終的にはキャッシュで弁済するため、政府も大株主として後押ししてもらわないといけない。
  • 最終的に売却するなり独立するというのは、一つの方法だが、その時点で借金がいくら残っているかということや、売ったらいくらになるのかということ、借金を返しても何も残らなければその後どうするのかということも、当然考えなければならない。
  • 共同事業体のリングフェンスの問題は、鮮明にしていく必要がある。当然、国のサポートも必要である。ある意味では、今のJERAが一つの先行モデルにはなっているが、仮にある種制度的な担保も必要であれば、いろいろな形で国からもご支援いただくのが重要なポイントである。

(2) 原子力事業

  • 原子力事業者と共通の課題を解決して優れた軽水炉を実現することや、海外、国内を問わず原子力発電事業や廃炉事業のビジネス展開を目指すことに関して、時間軸と具体的なイメージがほしい。
  • 今回は骨子なので定性的な方向しか書いていないが、具体的な例を明示したいと思っている。
  • 再編・共同事業体に関しては、他電力等から様々な批判や疑問等が呈されている。
  • 原子力に関しては新増設について考える必要があるのではないか。今後、新しい増設をしなければならない時期が来ると、従来の原子力の再稼働の時は、各電力会社で今と同じようにやるわけだが、新増設となるとエンジニアリングの人が足りず、様々なものが昔と同じようにはできない。一緒にならざるを得ないという話が少しいるのではないか。
  • 再編・統合について、他社の心配は強く感じているので、具体的な例をもと当面の議論を始めていかなければならない。
  • 原子力事業で免震重要棟の問題が出た理由の一つには、原子力事業がホールディングの中にあり、1つの原子力カンパニーというものになっていないこともあるのではないか。いわゆる原子力事業の中に群雄が割拠していて、ピラミッド型の組織体に必ずしもなってない。その点、PGや小売の方は、それぞれの子会社になっており、社長以下で指示命令系統もできている。原子力事業に関しては、疑似的な原子力会社という形で、誰が何をやっているかが今まで以上に整理され意思が統一されて、情報共有が適切にできているような、そのようなガバナンスの話も記載をいただきたい。
  • 原子力については自ずとカンパニー化していかなくてはいけない。現在は収入がないが、再稼働して得られる稼ぎの中で費用で賄うという、自由化の状況下での逆転の発想を取り入れていかなくてはいけない。そうした意味からもガバナンスに生かせるようなピラミッド構造のようなものを早く作っていきたい。
  • 柏崎刈羽原発の免震重要棟問題について、今の基準地震動では、免震構造で基準地震動を満たすのは無理である。現在唯一使っていいのは、今度作った5号機の緊急対策室が何らかの関係で使えなくなってしまった場合ということになっているが、そうしたシナリオも想定しづらい。他方、立派な建物なので、今後、免震重要棟をどのように使っていくのかは、考えていきたい。

(3) 送配電事業・小売事業

  • 送配電について、2020年になると東京電力以外の電力会社は初めて法的分離に直面するので、法的分離したときに日本中の最適運用というのがどうしても出てくるということなど、例題をうまく散りばめ、やはりこういうことが必要になってくるという表現の工夫がいる。
  • 全国メリットオーダーのように、各社にもメリットがあることもあるので、逆にバスに乗り遅れるなというような環境を作っていくことが大事である。
  • 小売については比較的アライアンス自身が組みやすい。失敗を恐れずにいろいろやってみるしかない。

企業改革

  • 次世代の経営のあり方の問題について、現実に行う上で非常に大事なのは、指名委員会が独立しきちんと機能しているという点である。東電は古くて大きい組織であるため、内部の論理で物事を進めると、どうしても反対の力が人情として働きがち。基本的には指名委員会は、客観的に見て的確な人事を行うことに関して、独立性と専門性が担保されていることが肝心であり、政治的な関与はあり得ない。なぜこの人なのかという点については、ジョブディスクリプションというか、これをするのでこの人なんですよという点をはっきりさせていかなくてはいけない。
  • 報道で新しい経営体制について様々出ているが、これは東電委員会の提言をどの程度踏まえたものとして受け止めているか。
  • 新しい経営体制については、指名委員会で議論をし、取締役会で決めていくということ。
  • 今回、国の持ち株に関する議論が一応延期というような表現になっているが、東電が国と相談をし、ある程度自由度を持って、あるところまでやれるとの記載が、どこかに必要ではないか。 

収支の見通し、財務基盤の強化

  • 東京電力は、賠償・廃炉のために必要な資金として、年間5,000億円を稼がなければならない。昨年12月の東電改革提言でかなりまとめてはあるが、もう少し定量的なものや柏崎刈羽原発の6・7号機がいつごろ動いたらこうなる等、具体的なアクションプラン、収支のバランスシートあるいは、キャッシュフロー等を書く必要があるのではないか。
  • 収支については、リアリティが大事である。例えば、柏崎刈羽原発の再稼働は不透明。動いても、全部の稼働は考えにくい。動いても一部であろうという展開を基本シナリオにしておくべきであり、ウイッシュフル・シンキングをすることは危険。
  • 需要減や原油価格の低下、原子力のメリットが少ないことなど、これらはコントロールできない部分なので、こういったリスクも踏まえた現実的なシナリオを描くべき。いろいろなものが下振れしたときに、引き続き社債が発行できるかは必ずしもわからないので、ダウンサイドシナリオにどう備えておくかという点は考えるべき。社債が発行できないとすると、間接金融に頼るか、原賠機構かということになるので、その可能性は留保しておくべき。ウイッシュフルな話が新々総特に並んでいて、そうじゃないことが起きたときには、何だったんだあの計画はとなると、そこで身動きとれなくなるリスクがあるので、リアリズムという側面は、大事にしてもらいたい。
  • 定量化については、10年間の収支見通しは出す。柏崎刈羽原発の稼働の件も、想定の設定も含めて、現在数字を作っている。
  • 柏崎刈羽原発の再稼働については、かなりの部分が稼働しないというシナリオも、そうでないシナリオも、両方持っている。総合特別事業計画の認定をもらうに際しては、例えば、電気の需要の見通しは、ある程度の経済成長に見合った絵は描かざるをえない一面もあるが、他方で、もっと厳しい計画で実態に合ったようなものも合わせて持っておくということもこれまでしてきている。
  • 収支の見通しについて、世間の心配事項は、電力単価が全面自由化されるので、従来の総括原価制度に慣れた人たちがどういう挙動をするかという点。そのため、電力単価が自由市場で決められてきた場合の対応、あるいはそれに対する準備も記載をしておく必要がある。
  • 料金単価については、コストプラスフィーの考え方から脱却して、利益が最初にあって、これだけ利益を積まないといけないという中で、売り上げはこれくらいだから、コストはこれくらいに収めないといけない、という考え方で現在進めている。勝手に高い単価を設定すると、競争に負けてしまう。むしろ自由化のアドバンテージを戦略的に使いながら、売り上げを確保していくようにしていかなくてはいけない。
  • 金融機関の借換えを続けていくということはナンセンスであり、自社での社債の発行は必要条件だが、投資家は後側にいる国に対する期待で投資をしていないのか。そのあたりの曖昧さが後々のリスクになって発散しないように、リスクが投資家に伝わっているかという点には留意をしなければならない。慎重に慎重をおいた上で社会とコミュニケーションしていくことも重要なのではないか。
  • ステークホルダーへの協力要請に関して、やや命令調に聞こえなくもない。書きぶりは難しいが、考慮していただきたい。

その他

  • 社債の話に一番象徴されるが、あくまで今回の新々総特も、経済事業は、事業の拡大を目指していく利益のキャッシュフロー増大を求めて追求していくということになれば、前向きな話がどんどんと出てくると思うが、あくまでこれは国民の負担があるからこそ成り立っているということを留意すべき。
  • 企業力、経営力、競争力の強化という観点から、特に送配電や小売分野での競争力の確保は実現すればよいが、特に今後、人口減少社会を迎え、所帯数が減り、ガス・電気業界に交じっての競争が激しくなる中で、皮算用どおりいくのかというのは単純な疑問であり、実際のところの実現可能性はどうなのか。
  • 今後、エネルギー需要は間違いなく減るが、インフラとしてのシステムを整えることに活路がある。IEAなどでもエネルギー需要は少なくなるが、電気の需要は伸びるというのが定説であり、日本でもそうしたことを狙っていくべき。システムとしてのインフラ整備の可能性はまだかなりある。他方、国内では限度があるかもしれないので、海外に出ていくことも重要であり、電気事業のモデルをこれから伸びでいくところで実現していくべき。
  • 海外展開については、まだ難しいが、何か具体的なプロジェクトができるなど、もう少し詰めていった段階で見えてくる。そういう方向に向けてしっかりやっていくことは、計画に盛り込みたい。

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部政策課 電力市場整備室

最終更新日:2017年4月7日
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