経済産業省
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アジア・インフラファイナンス検討会(第1回)‐議事要旨

日時:平成28年1月29日(金曜日)18時30分~20時00分
場所:経済産業省本館13階西8会議室

議事概要

検討会の目的

ASEAN各国においては、PPP・インフラ整備に関し、JICA/JBIC等の支援もあり制度整備は進展してきているが、実案件の積み上げはこれからという状況。援助資金に頼りたくないという国も現れているが、政府資金のみでインフラ需要を満たすことができる状況でもなく、PPPや民間資金を活用する必要がある状況下で、日本として上手く関与することで、アジアのインフラプロジェクトが形成され、インフラプロジェクトに関わる日本企業のみならず、進出する企業にも裨益することが期待されるため、本検討会ではそのような方策につき議論し、政策提言につなげていく。

第1回検討会の位置づけ

第1回検討会では、インフラプロジェクトの様々なステークホルダーから、現場での経験に基づいた様々な問題意識を聴取し、政府資金の活用にとどまらず広い範囲でアジアでのインフラファイナンスの促進に必要な課題を集め、論点を抽出することにより、第2回・第3回への議論の深堀につなげていく。

議事概要

  • インフラプロジェクトについては、必要あらば公的資金を活用すればよいが、プロジェクトによって、民間資金のみで賄える場合も、官の後押しが必要な場合もある。民間資金の活用については、日本の資金活用のみならず、最終的にはアジア域内の資金の活用も視野に入れることを想定している。
  • 民間が投資可能且つデット調達可能な公共事業について、政府等の公的機関は売却・民営化・コンセッション等を通じて資金化し、その資金をもとに民間事業としては成立しないグリーンフィールド案件に投資する「インフラ資金のリサイクル」を生むことが重要である。このようなサイクルが上手く回っている国ではインフラ整備が進んでおり、日本がアジア諸国に対してこのようなサイクル確立のための後押しを政策的に行ってはどうか。
  • インフラプロジェクトは情報が少なすぎるまたは開示されておらず、デューデリジェンスに時間がかかったり、情報が少なすぎるために、ファイナンスの検討対象になり得ないということが起きている。民間同士の競争はありつつも、プロジェクトや事業者等の情報のデータベース化等、官民間の情報共有体制の構築は方策の一つとなりうる。また、「質の高いインフラ」を推進するためには、質の高さを測る指標が必要であり、契約・調達の場面に基準を盛り込む等標準化の取り組みにおいて日本がリードしていくことも一案である。評価基準を明確化することにより、ファイナンスもしやすくなる。
  • 日本にインフラ投資家がほとんど存在しないのは、インフラ投資とは何なのかを投資家があまり理解していないためである。インフラ投資の特性を理解してもらうような取り組みも必要である。
  • 今回の検討会で、何らかの領域にフォーカスして議論を進めるべきか、広義のインフラを議論するのか、「環境整備」にフォーカスを当てるのか等ある程度明確にすべき。広義のインフラについて議論するのであれば、アジアのお金を日本のインフラに循環させるという論点もあり。
  • 邦銀のインフラプロジェクトファイナンスという点では、ドル調達コストの上昇・バーゼルIIIの規制強化等、長期資金の供給が困難な環境になりつつある。現時点では、邦銀がプロジェクトファイナンスのリーグテーブルの上位を占めているが、今後その地位を確保することができなくなる恐れがある。
  • インフラ事業による収入の多くが現地通貨で得られるため、ファイナンスも現地通貨建てで実施されるのが望ましい。現地通貨建てでの長期資金の供給を行うためには、カントリーリスクの低減による国の信用力の向上、当該国政府における強いコミットメント等によるPPP実施体制の強化等が必要となってくる。既にJBIC等が支援しているが、資金調達の仕組み・サイクル作りを日本として支援していくことは重要である。
  • 邦銀は長年にわたるプロジェクトファイナンスの実績があるが、インフラファンドの活用、インフラに関する投資家の育成の観点からは日本が先進国という訳でもなく、アジアの成長も投資とリターンの双方から取り込んでいく必要がある。
  • インフラファイナンス活性化を阻む要因として、日本のインフラオペレーターの不足という課題がある。国内のPPP案件では欧米のオペレーターが主要な事業会社として参入しており、実力あるインフラオペレーターの存在はファイナンスの重要な判断要素となる。オペレーターの信用性の観点では日本企業である必要はないという見方もあるが、長期的な視点から、投資先に人を送り込む等の方法を通じた育成は必要であり、このアプローチを広げていくことが重要である。また、海外のプロジェクトで経験を積む事だけではなく、国内のコンセッション市場が拡大し、そこで技術・運営ノウハウを蓄積し、輸出するという観点からの検討も必要である。

今後の進め方

上記主要論点(長期ファイナンス・インフラプロジェクトの情報の開示・オペレーターの育成等)を整理し、右を踏まえた他のステークホルダーの意見も参考にしつつ、第2回の議題を決定する。

以上

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最終更新日:2016年2月12日
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