経済産業省
文字サイズ変更

アジア・インフラファイナンス検討会(第2回)‐議事要旨

日時:平成28年3月4日(金曜日)13時00分~15時00分
場所:経済産業省本館17階第4共用会議室

議事概要

検討会の目的

ASEAN各国においては、PPP・インフラ整備に関し、JICA/JBIC等の支援もあり制度整備は進展してきているが、実案件の積み上げはこれからという状況。援助資金に頼りたくないという国も現れているが、政府資金のみでインフラ需要を満たすことができる状況でもなく、PPPや民間資金を活用する必要がある状況下で、日本として上手く関与することで、アジアのインフラプロジェクトが形成され、インフラプロジェクトに関わる日本企業のみならず、進出する企業にも裨益することが期待されるため、本検討会ではそのような方策につき議論し、政策提言につなげていく。

第2回検討会の位置づけ

第1回検討会で出された意見等をもとに、事務局にて「インフラファイナンス活性化に向けて、アジア各国で整備が必要な制度や必要な国際的枠組みは何か」「どのようにすれば我が国の戦略投資家を育成できるか」「投資家(我が国の金融投資家を念頭に置きつつ)が参画しやすい環境を整備するにはどうしたらよいか」という3つの論点を設定。委員からの現状認識や改善に向けた方向性の提案を受け、報告書の内容の基礎とする。

議事概要

  • 先進国のインフラ案件でさえ、「規制の確かさや運用状況」、「規制産業である」「安定的なキャッシュフローが確保できる」「インフレ連動の条件がついており、長期的な事業実施が可能である」点などを精査して投資の可否を決定する。アジアの案件においても、投資家がエクイティを投下するインベスタブルな案件にするための基準としては、規制環境がどの程度しっかりしているかが重要である。
  • アベイラビリティペイメントのような、マーケットリスクを取らせない仕組みを導入していくことが非常に重要である。スキームの外側で最後に保証するということではなくて、スキームとの中で採算が取れる形でプロジェクトを仕立てていくことが重要である。
  • 過去の事例からも、わかりやすく、透明性があり、しっかりとした枠組みで民営化を行うと、かなり高価格で落札されることが証明されている。
  • CGIFで多国間の枠組みでインフラ関連ボンドの取り組みが始まっているように、多国間機関の動きとの連携も一方策ではないだろうか。
  • インフラファイナンスを考えるにあたり、日本のテクニカル・アシスタンスを実施する仕組みがあっても良い。日本で考えうるインフラファイナンスのあり方、手続きの進め方を、日本側の技術的な支援により実施するという方策も考えられるのではないだろうか。
  • PPP法を整備する際には、担保執行ができるような担保法制度の整備を望む。また、競合相手の国々から受け手側の国々に資金が流れやすい状況になっている点に鑑みると、日本だけが質の高いインフラ整備を提唱しても、相手国に受け入れられる土壌が弱まっているのではないかと感じており、国際機関とともに実施していただくことが重要になってくるのではないだろうか。
  • 現地通貨との間のヘッジ(投資家サイドに対して)については、例えば、政府の方で相手国政府とスキームを構築し、政府が現地通貨を受けて、それを投資家・金融機関に出していく仕組み等の整備が望まれる。
  • 質の高いインフラを証明する基準作りを日本がリードして、世界的に向けて発信していくのはどうだろうか。環境性能などで選別して投資している投資家を評価する仕組みであるGRESB等も参考に、エネルギー消費やグリーン性といった観点でインフラの基準を作っていくというのもあり得るかもしれない。
  • 日本にディールを持ってくるという観点で話をすると、早い段階(潜在的なプロジェクトの選定や発注準備の段階)において、各国の発注官公庁と連携して、枠組みを構築していくことが重要であると考える。
  • プロジェクトの早い段階で日本が入り込むという戦略も理解できるが、長期的な戦略でグローバルな投資資金を呼び込む観点からは、標準化しつつ規制環境に合わせていくことが最終的には近道なのではないだろうか。
  • 民間資金が入るように制度を組み込んでいないという課題がある。法的な観点に加え、ファイナンスの観点も加味した上で枠組みを構築していただけると、機能するのではないかと感じている。
  • 欧州では、スペイン、フランスなど、建設会社を母体としたオペレーターがインフラ事業を展開しているケースが多く、インフラプロジェクトに応じたサービス提供会社を買収し、内製化することにより、さらに事業を拡大する戦略をとっている。コンセッションをはじめることにより、事業領域が拡大し、グループ内のシナジー効果が発揮される上、収益性もある程度高く、安定化してきている。日本企業がこうしたオペレーターになるハードルは高いが、インフラのプロジェクトを実際に行う人たちが数多く現れると良い。
  • リスクの高い分野でも、ある程度ストラクチャーをしっかりと決めた資金の供給ができるような仕組みを作ることは可能。また、日本の事業者の中でも戦略的な意味合いも含めて、出資参加するところが出てきている。
  • 海外では、建設会社と投資家がコンソーシアムを形成するケースも少なくないが、日本ではまだ見られない。イグジットのところで金融投資家が買い取るような仕組み等ができれば理想的と感じている。
  • 戦略投資家育成の方法を議論する際には、日本国内案件の少なさから、日本の中で対象となるプロジェクトでの経験を通じ、育っていくというのはあまり現実的ではない。むしろ、海外でいきなり実施するという、かなりハードルの高い選択を覚悟しなければいけない。
  • 海外の事業入札にあたって、同種事業の経験がないと入札参加資格を満たせない可能性もあり、現実的には海外でインフラオペレーターとしての第一歩を踏み出すのは困難である。戦略投資家とインフラオペレーターが同一でない時期があることも、暫くの間は仕方がないかもしれない。
  • インフラ事業での日本への裨益に関し時間軸を設定し、「どの時点でどのような裨益を達成したいのか」「そのためにどのような戦略を立てていくのか」を検討いただければと思う。
  • 海外の「戦略投資家」の多くが、何らかの形でパートナーを求めていたり、資産の一部切り出し、分社化しようとしている。経済環境にもよるが、M&Aの機会は今後も出てくると理解している。
  • インフラファンドに限らず、オプトイン・オプトアウト型の資金プールなど、柔軟な仕組みを構築すれば、投資家が参画しやすい環境が構築されるのではないだろうか。
  • 投資判断に資する情報、リテラシー向上の観点の施策もあってもいい。機関投資家等が参加しにくい状況を解決できる方策を打ち出されば良いと思う。
  • アジアに向かってのクロスボーダー取引になるので、アジアの金融システムの発展、金融規制等を調和に向かう話も進められている。インフラに限定せず、資本規制、税制、為替など、クロスボーダープロジェクトを実施する上での多数の障害を除去していくことも必要になってくると考える。

今後の進め方

委員から出された意見を踏まえ、事務局にてまとめ案を作成の上、第3回検討会で議論する。

以上

関連リンク

お問合せ先

貿易経済協力局 資金協力課

 
 
最終更新日:2016年3月23日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.