経済産業省
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アジア・インフラファイナンス検討会(第3回)‐議事要旨

日時:平成28年3月16日(水曜日)15時30分~17時00分
場所:経済産業省本館17階第二特別会議室

議事概要

検討会の目的

ASEAN各国においては、PPP・インフラ整備に関し、JICA/JBIC等の支援もあり制度整備は進展してきているが、実案件の積み上げはこれからという状況。援助資金に頼りたくないという国も現れているが、政府資金のみでインフラ需要を満たすことができる状況でもなく、PPPや民間資金を活用する必要がある状況下で、日本として上手く関与することで、アジアのインフラプロジェクトが形成され、インフラプロジェクトに関わる日本企業のみならず、進出する企業にも裨益することが期待されるため、本検討会ではそのような方策につき議論し、政策提言につなげていく。

第3回検討会の位置づけ

第2回検討会で出された意見等をもとに、論点を整理し、中間報告書(案)を事務局にて作成。中間報告書(案)では、第1回、第2回の議論を元に、インフラ事業のシームレスなファイナンスの実現というアジア新興国におけるインフラファイナンスの目指す姿を実現するために、「1.投資を受ける側の視点」「2.案件を組成、投資するプレイヤーの視点」から、(1)インフラファイナンス活性化に向けてアジア各国で整備が必要な制度や必要な国際的枠組みは何か、(2)どのようにすれば我が国の戦略投資家を養成できるか、(3)投資家が参画しやすい環境を整備するにはどうしたらよいか、という論点に対する施策案が提示された。これら施策案について、各委員からの確認・提言を受け、検討会としての中間報告書を作成する。

議事概要

1.委員発言

  • 各国でインフラに対する財政負担が増大し、公的債務が増えている中で、資金のリサイクルを促進することが重要。また、インフラ事業は特に現地通貨での収入がある案件がほとんどであり、資金調達でも現地通貨での調達をサポートできる仕組みを日本としても様々な形で加速していくべき。さらに、日本の戦略投資家あるいはオペレーターの育成を図る必要がある。
  • 投資家の育成に関して、オペレーション能力を持っている自治体等も参画出来る仕組みを作ることは出来ないか。また、現在、インフラ整備にかかる民間資金調達と公共の財政負担の双方の対象となっていないプロジェクトの資金調達を実現するためには、官民双方の連携が重要となってくる。例えば、PPPのキャパシティビルディングと民間事業を繋ぐパッケージ作り等に際し、官民の対話や効果的な資源投入プロセスの仕組みが必要である。さらに、銀行が長期のインフラファイナンスを出していくことが難しくなるため、ミニパームのような手法も念頭に置きながら検討を進めると、インフラ資金のリサイクルにも繋がる。
  • インフラ案件の情報開示については、基本的なPPP案件情報のデータベース化というベーシックな情報開示と、質の高さをアピールする情報開示の両方がある。また、日本からの資金を入れるためには、為替リスクなどクロスボーダーリスクの処理が重要となる。CGIF(信用保証・投資ファシリティ)は、総保証額は17.5億ドルで、規模は大きくないが、今後の規模拡大や建設期間のリスクを保証するプログラムも打ち出す方向という議論もあり、活用のポテンシャルはある。
  • 戦略投資家、インフラのオペレーターとなるような存在がなければ、そもそもファイナンスの需要はないため、オペレーターの能力を向上させることが必要である。また、インフラファンドの優遇税制は、日本はむしろ遅れておりキャッチアップしなくてはならない立場にある。
  • インフラ事業のシームレスなファイナンスのイメージに関して、資金を出した人がエグジットして次の案件に投資するという資金循環の仕組みを構築するのが非常に重要なポイントであり、そのためには、セカンダリーマーケットの存在が重要になってくる。また、プロジェクトファイナンスは長期かつ、リスク要素が複雑・多岐に渡るため、コーポレートファイナンスと比較してリスク分析の難易度が高い。投資に関する情報開示と潜在的な投資家(地銀や機関投資家等)のリスク分析力の向上をセットで促進することがインフラ資金の循環実現には効果的である。
  • 技術支援に関して、制度と合わせた資金援助の施策パッケージとして導入することを打ち出すべきである。また、案件を組成するプレイヤーにとっては、オペレーションやノウハウを学ぶ方策として海外のインフランファンドへのLP出資は選択肢の1つではないか。なお、インベスタブルでバンカブルな案件の拡大に関し、国の視点、分野の視点、事業の視点のそれぞれの施策を整理して報告すれば、施策と実際の問題意識と今回の検討会の射程が1つのストーリーとなって読みやすくなるのではないか。
  • 前提として、各国にはインフラに関するレギュレーションは当然のごとく存在している。この規制環境の標準化・明確化され、透明性が高く恣意性のない状態で運用がなされることにより、投資家にとってのリスクは低減することとなる。また、インベスタブル・バンカブルな案件数を増やす方策として、韓国のPIMAC、日本の内閣府の官民連携推進室のような横串を通す形での案件形成推進の組織が検討されると良い。さらに、LP出資の際に人員も派遣することにより、インフラ事業のノウハウを得るという点を強調すると、より具体的な提案となるのではないか。
  • 質の高いインフラを証明するための「基準」作りを日本が先導するということをもっと押し出すべき。質の高いインフラとして、例えば「グリーンインフラ」に注目し、それを日本が先導していくのもおもしろいのではないか。

2.オブザーバー発言

(JICA)
  • PPP向け円借款については、エクイティバックファイナンス・VGF・PPPインフラ信用補完スタンドバイ円借款等質の高いインフラパートナーシップの下で新たな制度が構築されてきたが、引き続き周知徹底し、有効活用を進めたい。また、PPP F/Sについても随時採択の導入等様々な工夫を行っているが、引き続き周知・改善に努めていく。近年、ADB、IFC等の国際機関も、民間連携部門が様々な支援スキームを構築しており、日本企業がこれらを上手く活用していくことも一つの選択肢と考える。現在、ADB向け信託基金に対する出資を準備中であり、同基金も活用しつつ日本企業とADBとを繋げる機会を設けていきたい。また、途上国のセクター情報にかかる基礎的調査も行っているが、かかる調査結果の共有が民間企業の方に有用な場合もあるところ、今後、積極的に情報提供の場を設けていく所存。
(JBIC)
  • グローバルなインフラプロジェクトは日本の収益機会に繋がるものであり、ジャパンインタレストを踏まえて公的機関を効果的に活用いただくような形で民間企業にご活躍いただきたいと考えており、インフラファイナンスの円滑な実現のためにご意見をいただきながら、官民連携で相談しながら真摯に対応して参りたい。
(NEXI)
  • 輸出信用と投資金融が商品の大きな分類となるが、投資金融の引受に際しては、出資のみならず日本企業のオペレーションへの関与の有無も重視している。また、最近では地銀もプロジェクトファイナンスに参入して頂いている。機会を提供し、少しでも参入する金融機関を増やしていきたい。

今後の進め方

委員から出された意見を踏まえ、事務局にて中間報告書を修正し、最終報告案として3月中を目途に公表する。

以上

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貿易経済協力局 資金協力課

 
 
最終更新日:2016年3月30日
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