経済産業省
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新輸出大国コンソーシアム(第1回)‐議事要旨

日時:平成28年2月26日(金曜日)15時50分~16時30分
場所:経済産業省本館17階第1~3共用会議室

議事概要

1. 開会

2. 新輸出大国コンソーシアムについて

片瀬通商政策局長、豊永中小企業庁長官より、資料に基づき説明。

3. 自由討議

独立行政法人日本貿易振興機構

  • TPPの合意を受けて、中小企業の海外展開に向けて、関係機関が力を合わせてサポートすることが極めて重要。中小企業、農業関係者が使わないTPPでは意味がないと考えている。
  • 先日、ケネディ駐日大使にお会いした際に、TPPを受けた我が国の支援の取組を説明したところ、先方は、TPP合意を受けて日本はここまでやっているのか、と非常に驚いていた。ジェトロでも大枠合意の直後から地方に相談窓口を開いて説明会等の対応を進めており、また今般、機関間連携の事務局となって頑張って欲しいという指示をいただいたので、期待に添えるよう頑張りたい。
  • サブスタンスの面についても一言。日本の中小企業で輸出を行っているのは2.8%、ドイツは約20%で、他の欧州諸国も20%前後。また、投資の形で海外展開をしている日本の中小企業の割合は0.3%。ドイツは2.3%となっており、ドイツに比べて日本は非常に低い。
  • 中小企業はやる気はあるのだが、なかなか進まないのはなぜか。ジェトロが調べたところでは、海外展開に際して直面する問題の多くは「人材」と「情報」。これを補っていくのがコンソーシアムの役割だと認識している。JETROはこの3年間、中小企業の人材・情報の支援を実行してきた。1600社の中小企業に外部専門家を派遣する事業では、1600社のうち約1200社が海外展開を実行ないし検討するところまで行った。
  • また、先程IDというお話があったが、JETROでは首都圏を中心に支援機関の連携を図るファストパスという実験的な取組も行っている。年間500件程度の実績が出ているが、これは首都圏に限定しているので、地方ワイドにも広げていく必要がある。
  • こうした経験を元に、新輸出大国コンソーシアムでは一層効果的な取組を行いたい。何より、関係機関の担当者が座っているだけではなく、自ら外に出かけて、実際に動くことが大事。

独立行政法人中小基盤整備機構

  • 中小機構では従来から海外展開ための各種支援に取組んでおり、これら手間暇をかけたきめ細やかな支援によって海外展開を行う成功事例を積み上げてきた。しかし、資金やマンパワーにも限界があり全ての企業の支援ができるわけではないため、よろず支援拠点や民間企業のネットワークなどを活用した支援も行っている。
  • 自動車を例にとると、未だに輸出ができるポテンシャルがあり、これまで海外に目を向けてこなかった中小企業にも大きな可能性がある。また、中小企業白書によれば、輸出未実施の中小企業の約4割、約150万社が海外展開に関心を持っており、TPPの影響で今後さらに増えると考えられる。
  • このような数の企業を支援していくためにはまずは自助努力で出来る所を増やしていくことが必要であり、そのためにはICTを活用した新たな手法での支援策の展開が必要。その手始めとして、e-コマースの活用促進のためのセミナー、EC事業者と連携、BtoBにおいて信頼できるパートナーづくりの基盤整備等を始めている。従来型の支援プラスICTの活用による支援の組み合わせにより、中小企業の海外展開に役立っていきたい。

株式会社商工組合中央金庫

  • 商工中金は、中小・中堅企業等の海外展開支援策として、親子ローン、国内の中小・中堅企業等が有する海外現地法人への直接貸出及び現地通貨建で資金調達をする際に保証を行うスキームであるスタンドバイ・クレジットなども提供している。
  • また、26年4月より政府の支援を受け、「グローバル・ニッチ・トップ支援貸付制度」を創設しており、特定分野に優れた技術や商品を有する中小・中堅企業が世界で活躍できるよう支援している。
  • 具体的には民間の金融機関との協調を前提に、10年間元本返済不要、成功払い金利とするなど、ユニークな条件としており、28年1月末現在で262億円の実績となっている。
  • 加えて、全国の支店に海外展開サポートデスクを設置しており、既に16,323件の相談を受けている。
  • また、タイ政府の投資委員会、JETROやNEXI等の海外関連政府機関とも連携している。
  • 当金庫の今後の支援方針としては、海外提携金融機関の増強、海外拠点の人員体制の拡充を検討していく。また、GNT支援貸付に関しては、政府予算案が国会審議中と聞いている。
  • 加えて、商工中金の国内・海外のネットワークをフルに活用し、海外現地法人間のビジネスマッチングを推進していく。
  • 本日設立される、新輸出大国コンソーシアムについても、積極的に貢献していきたい。

一般財団法人海外産業人材育成協会

  • HIDA・AOTSは、過去56年にわたり、37万人あまりの海外研修生の育成に携わってきた。HIDA・AOTSの帰国後研修生は、同窓会を組織化しており、彼らは日本が大好きで、かつ、現地の事情に明るい。
  • コンソーシアムの設立にあたって、この同窓会ネットワークと連携して、地元ならではの情報に基づいて、ビジネスパートナーの紹介、販路開拓、マーケティング、ビジネスマッチングなどの相談に応じて、海外展開を目指す中堅・中小企業を支援していきたい。
  • 具体例を申し上げると、アパレルメーカーに対して、バングラディシュの同窓会ネットワークと連携して現地の縫製メーカー8社を紹介したところ、そのうち4社と契約に至り、ビジネスを開始した企業がある。さらに、サンパウロの同窓会ネットワークを通じて紹介したブラジルのバイヤーから秋田の食品企業にコメの買い付けのオファーがあった事例もある。
  • HIDA・AOTSの同窓会ネットワークと連携して、現地ならではの、日本の製品を売るための情報を提供できるのではないかと思う。まずはベトナムで、そしてタイ、インドネシア、ミャンマーなど、東南アジアでこうしたサービスを段階的に開始したい。また、海外展開サポートセンターも開設し、TPPを契機に海外展開を図る中堅・中小企業を支援していきたい。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

  • NEDOは、研究開発マネジメント機関として、大型案件のみならず、中堅・中小も支援を行ってきた。
  • 中堅・中小の中にも、きらりと光る技術を持っている企業もあるが、海外展開はハードルが高い。その点、こうしたコンソーシアムでの活動は非常に重要であり、NEDOとして積極的に協力していきたい。

一般財団法人日本品質保証機構

  • 昭和30年代に輸出品検査をする団体として発足し、これまで我が国企業に貢献してきた。最近、国内においては、医療機器を輸出する事業者向けに対象国別にセミナーを行うとともに、ベトナム等に進出する日本企業向けには、現地で計量計測機器の管理セミナーを開催している。これまで、中堅・中小企業の海外展開に当たっては、輸出先の規格・認証の情報不足や、認証取得の困難さにより、優れた製品でも足踏みをするケースもあった。
  • そのため、今回のコンソーシアムへの参画に当たって、JQAとしては、進出先の規制対応、認証取得のサポート等を通じて、もの作り日本に貢献をして行きたい。

一般財団法人日本規格協会

  • 日本規格協会は、昨年11月から、地域の金融機関・自治体等と連携して、中堅・中小企業における標準化の戦略的活用を支援する「標準化活用支援パートナーシップ制度」の運用を開始している。現在、全国で73のパートナー機関と共に中堅・中小企業における標準化に関する相談から規格作成まで一気通貫の支援を行っている。
  • 今後も標準化を通じて、優れた技術を持つ企業の販路拡大を支援していきたい。

山田美樹外務政務官

  • 日本経済を後押しする経済外交の推進は、日米同盟の強化、近隣諸国との関係強化と並ぶ外交の3本柱の1つ。
  • これまで外務省としても、国際市場で日本企業が存分に活躍できるよう、経済連携協定、投資協定、租税条約の締結や、ODAの戦略的活用等を通じたビジネス環境の整備に積極的に取り組んできた。特に先般署名に至ったTPPは、今後アジア太平洋地域での人・モノ・資本・情報の流れを更に促進し、新たな投資や事業展開を促すことが期待される。
  • 今般発足した新輸出大国コンソーシアムは、TPP協定のメリットも最大限活かしながら中堅・中小企業が海外展開を進めるための総合的な支援。
  • 外務省としても、TPPの発効・活用促進のための啓発・広報事業に取り組んでいるところだが、今後も、276の在外公館等、そこには日本企業支援担当官が331名いるが、一層活用しながら、関係省庁と協力して、これまで以上に日本企業の海外展開を後押ししていく。

齋藤健農林水産副大臣発言

  • 御案内のとおり、日本の農業は大きな曲がり角に直面している。国内人口はこれから急速に減少していく中で、国内マーケットに依存をしてきた日本の農業は、大きく展開をしていかないと後継者すら守られない状況にあるということ。これに打ち勝つには2つしか方法がない。
  • 一つは国内マーケットが縮小するのであれば、海外のマーケットを取りに行く。幸い、海外のマーケットは急成長していくということである。もう一つは、6次産業化を進めて、流通加工の付加価値を生産分野に持って行くと。大きく言うとこの2つしか方法はない。
  • したがって、日本の農業が、引き続き、我々の子や孫にきちんと食料を提供しつづけるようにするためには、輸出にこれまでにない力を入れていく必要がある。
  • 食品企業は多くの中小企業から成り立っている。ただ残念ながら、あまり輸出に関わってこなかったので、皆様方の力が是非とも必要になってくる。地場の食品企業は地域の雇用にも大きく貢献をしているということであるので、地方の活力の維持の観点からも食品企業の発展が非常に重要と思っているので、是非、このコンソーシアムで、皆さんの力で助けていただければと思う。

林経済産業大臣発言

  • さまざまな御意見をいただいたことに感謝。御案内のとおり、我が国製造業の出荷額の約75%は中堅・中小企業によるもの。これまでEPAを利用するため原産地証明の発給のための登録を受けた企業の7割も中堅・中小企業。
  • TPPを契機に中堅・中小企業の海外展開を後押しすることは、これからの企業の発展を図るとともに、新輸出大国を実現するために不可欠。他方、中堅・中小企業が海外展開に当たって直面する課題や支援に対するニーズは多様であり、きめ細かな支援を行うためには、本日設立した、新輸出大国コンソーシアムの活動は極めて重要。このような視点から、お集まりの皆さんには、特に3点をお願いしたい。
  • 1点目は全国津々浦々の企業が支援を受けられるような体制の構築をお願いしたい。日本全国の中堅・中小企業が、経済産業局、JETRO、中小機構に最初に行かなくても、本コンソーシアムの支援を受けられるよう、みなさんのところに中堅・中小企業が相談に来られたら、コンソーシアムの総合支援の窓口として対応していただきたい。また、JETROにおいては、全国津々浦々の、このような窓口がしっかりと機能するようサポートをお願いする。
  • 2点目だが、成功事例の迅速な創出とその横展開をお願いしたい。これまで海外展開の経験のない中堅・中小企業を含め、多くの企業が海外展開に成功するため、コンソーシアムの総力を挙げて、各機関が早急に案件の発掘に取り組まして連携して支援を行い、成功事例を積み重ねていただきたい。そして成功事例を各機関が共有し、その成功事例を全国の中堅・中小企業に横展開できるようにしていただきたい。
  • 3点目だが、海外展開の成功の可能性を高めるため、異業種間の連携や他の政策との連携をお願いする。先日、食品、日用品等の輸出拡大に取組むため、コンビニエンスストアとJETROとの協議会を開始したところ。このような場を活用し、異業種間連携を進めながら、海外展開の実効性を上げていただきたい。また、観光などインバウンドの取組との連携への支援にも心がけていただきたい。
  • 経済産業省としても、先般、農林水産業の輸出力強化ワーキンググループが設置されたことも踏まえ、農林水産省を始め、関係省庁との連携を強化し、農水産品の輸出についても、農商工連携の促進や、本コンソーシアムの拡張により取り組んでいきたいと考えているので、よろしくお願いする。

(以上)

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お問合せ先

通商政策局 経済連携課
中小企業庁 経営支援部 創業・新事業促進課 海外展開支援室

 
 
最終更新日:2016年3月4日
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