経済産業省
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微生物遺伝資源の整備及び利用促進に関する検討会(第1回)‐議事要旨

日時:平成24年12月26日(水曜日)14時~16時10分
場所:経済産業省別館5階526共用会議室

出席者

  • 尾崎 克也 花王株式会社 生物科学研究所 第1研究室 室長
  • 梶浦 貴之 味の素株式会社 イノベーション研究所 主席研究員
  • 鎌形 洋一 独立行政法人産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門 研究部門長
  • 鈴木 賢一 学校法人北里研究所 北里大学 感染制御研究機構 産学連携コーディネーター
  • 竹山 春子 早稲田大学理工学術院 先進理工学部 生命医科学科 教授
  • 冨田 房男 放送大学 客員教授
  • 中川 智 協和発酵バイオ株式会社 ヘルスケア商品開発センター  学術研究企画室 室長
  • 藤江 昭彦 アステラス製薬株式会社 研究本部 研究推進部 研究推進グループ 課長
  • 不藤 亮介 一般財団法人バイオインダストリー協会 企画部 部長
  • 松田 譲 協和発酵キリン株式会社 相談役
  • 山本 佳宏 京都市産業技術研究所 加工技術グループ バイオチーム 研究担当課長補佐

議題

  1. 検討会について
  2. 中間報告の概要について
  3. 検討会における検討課題について
  4. その他

議事概要

(1) 検討会について

事務局から資料3に基づいて本検討会の趣旨を説明。

(2) 中間報告の概要について

事務局から資料4に基づいて知的基盤整備特別委員会の中間報告の概要を説明。

(3) 検討会における検討課題について

事務局から資料5-1及び資料5-2に基づいて検討会の検討課題(案)やその背景となる情報について説明をした後、「世界トップクラスの微生物遺伝資源機関の維持・向上」及び「微生物遺伝資源の情報付加への対応」について議論を行った。出席者から出された主な意見は以下のとおり。

世界トップクラスの微生物遺伝資源機関の維持・向上

  • 経済産業省が微生物遺伝資源の整備を企業活動の支援の土台として位置づけることには賛成する。近年、基礎研究等への投資が少なくなっているので、経済産業省が産業のタネを育てるために整備を実施することが重要。
  • 我々は、動植物に比べて、微生物については本当に一部しか知らない状況であり、こうした観点からも幅広い微生物遺伝資源を整備することが重要。
  • これまでに整備した微生物遺伝資源を利用することによってどのような成果が出たのか、どのような産業に役立ったのか目に見える形で示すことも重要ではないか。
  • 微生物由来の製品の市場規模から税収等を計算する等、定量的にデータを示すことも必要ではないか。
  • 例えば、酒造りに使われる酵母は、かつては「蔵付き」といわれたものがどこにでもあり様々な種類があったが、現在は専門機関による供給体制が整っていることもあり大体20種類ぐらいに集約されている。このため、最近の需要に対応していざ昔の味を再現しようにも、微生物が保存されていないため再現することができない。それでは自然環境から新たに酵母を探すということになるが、現在供給されている酵母は育種等によって改良されているため大変能力が高く、自然界から新たに探すというのは非常に打率が低く上手くいっていない。こうしたことからも微生物遺伝資源をきちんと整備・保存することの意義があるのではないか。
  • 企業においても微生物を利用した研究には時間がかかる。例えば製薬であれば、研究をはじめてから実際に市場投入されるまで最低10年かかる。NBRCのスクリーニング株を利用しているが、価格も手ごろで使いやすい条件なので、今後とも使っていきたいと思っている。
  • 10年間で20株以下の分譲実績が右肩上がりというグラフを見ても、微生物の多様なニーズを示している。これからも増加が期待できる。技術が変われば、微生物に対する見方も研究手法も変わるものである。これまで微生物とはあまり関係のなかった新しい人を巻き込むことも必要。巻き込むには、待つのではなく、こちらから捕まえに行くべき。
  • 大学のユーザーとしては、どこにでもある一般的な微生物を研究対象にすることにはあまり魅力を感じない。
  • 例えば、諸外国に対しても圧倒的なプレゼンスを示すために100万種の微生物遺伝資源を整備するという目標を立てるのはどうか。この場合、一株あたりの保存スペースをスケールダウンするような保存技術を併せて開発する必要がある。
  • 微生物の能力を最大限活かすことができる研究者の存在というのも重要である。微生物の培養条件の相談をするとNBRCからは非常に丁寧な返答がある。こうしたキュレーターとしての能力は今後も維持して欲しい。
  • 微生物遺伝資源を使うプロジェクトを経済産業省で是非つくっていただきたい。
  • NBRCはこの10年間非常に良くやっていたと思うが、成果が出るには時間がかかる。資源の少ない日本が有する数少ない有用な資源は微生物である。例えばある種の生物と共生関係にある微生物は今後重要になるのではないか。
  • 微生物遺伝資源は中小企業でも利用したいというニーズがある。ただし、わからないことがあった場合どこに聞いたら良いのかわからない。麹菌は供給業者が存在しているが、ゲノム情報の利用といった新しい技術に対応できていない。こうした供給業者に新たな麹菌を供給するという役割も担ってはどうか。
  • 乳酸菌は漬物や食品の開発に重要な微生物であるが、麹菌や酵母の例のような供給業者がない。公設試でも乳酸菌の専門家が少なくなかなか対応できないので、中小企業にとってもすがる先がない状況である。

微生物遺伝資源の情報付加への対応

  • ゲノム解析は一企業では幅広く実施できないものであり、公的機関が是非実施すべき。しかし、ゲノム情報をどう利用して良いのかわからないユーザーが多いのも実態としてあるので、ゲノム情報を初めて使う利用者を支援するための仕組み(問い合わせ窓口、わかりやすい表現)が必要。
  • ゲノム解析情報は網羅的に付加すべき。ゲノム情報から微生物にどのような機能があるのかを検索することができれば、微生物の新しい研究の方向性を模索することができる。
  • 解析技術の向上に従って今後は一度に数百、数千の微生物のゲノム情報を扱うことが想定される。是非、ITとの連携をはかり、ユーザーがデータベース上で自由に遺伝子情報を活用できるようにして欲しい。
  • 真核生物のゲノム解析は世の中の状況を見ながら取り組んで欲しい。ゲノム情報の活用方法をユーザーから提案をしてもらうというのも考えられる。
  • 微生物から有用機能を探索するなどのスクリーニングでは段階によって必要な情報が異なる。最初の段階で必要な情報は、病原微生物との類似性といった安全性に関する情報である。
  • 原核生物のゲノム解析であれば企業でもできる。国はより解析が難しい真核生物のゲノム解析にチャレンジすべきではないか。
  • ゲノム情報がわかれば、例えば同じ微生物でも毒性や病原性を持つものとそうでないものとの比較をすることができる。

(4) その他

事務局から次回以降のスケジュールについて説明。

お問合せ先

産業技術環境局 知的基盤課

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最終更新日:2013年1月10日
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