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- 微生物遺伝資源の整備及び利用促進に関する検討会(第2回)‐議事要旨
微生物遺伝資源の整備及び利用促進に関する検討会(第2回)‐議事要旨
日時:平成25年1月30日(水曜日)14時~16時10分
場所:経済産業省別館5階526共用会議室
出席者
- 五十嵐泰夫 東京大学大学院 農学生命科学研究科 教授
- 尾崎 克也 花王株式会社 生物科学研究所 第1研究室 室長
- 梶浦 貴之 味の素株式会社 イノベーション研究所 主席研究員
- 鎌形 洋一 独立行政法人産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門 研究部門長
- 鈴木 賢一 学校法人北里研究所 北里大学 感染制御研究機構 産学連携コーディネーター
- 竹山 春子 早稲田大学理工学術院 先進理工学部 生命医科学科 教授
- 冨田 房男 放送大学 客員教授
- 中川 智 協和発酵バイオ株式会社 ヘルスケア商品開発センター 学術研究企画室 室長
- 福田 雅夫 長岡技術科学大学 工学部生物系 教授
- 藤江 昭彦 アステラス製薬株式会社 研究本部 研究推進部 研究推進グループ 課長
- 不藤 亮介 一般財団法人バイオインダストリー協会 企画部 部長
- 松田 譲(座長) 協和発酵キリン株式会社 相談役
- 山本 佳宏 京都市産業技術研究所 加工技術グループ バイオチーム 研究担当課長補佐
議題
- 検討会における検討課題について
- 微生物遺伝資源の情報付加への対応
- 生物多様性条約への対応
- 微生物リスクへの対応
- その他
議事概要
(1) 検討会における検討課題について
事務局から資料3、資料4-1及び資料4-2に基づいて検討会の検討課題(案)やその背景となる情報について説明をした後、「微生物遺伝資源の情報付加への対応」、「生物多様性条約への対応」及び「微生物リスクへの対応」について議論を行った。出席者から出された主な意見は以下のとおり。
微生物遺伝資源の情報付加への対応
- 微生物による工業的な物質生産を行う立場からすると、微生物はより培養が簡単なものが重宝され、培養の難しい微生物は物質生産に有用な部品(遺伝子)を供給する資源という位置づけとなる。そうなると、微生物に付加されるべきゲノム情報は、詳細なゲノム解析の情報ではなく、遺伝子領域をカバーしているようなドラフト解析のレベルがあれば十分である。これに加えて発現するタンパク質の情報があればなお良い。
- 食品企業にとっては食品由来の微生物であるということが重要。どういう環境にどういう微生物が存在しているのかを知りたい。
- ゲノム情報から必要な遺伝子の情報を見つけられずに困っている者もいる。大学などは情報を引き出すのが特にむずかしい。自分たちではソフトウェアを組むこともできないので、ゲノム情報から遺伝子情報を検索できるインターフェースを利用できると良い。
- ゲノム情報の付加については賛成する。しかし、ゲノム情報から遺伝子を見つけたとしても実際に発現するとは限らない。このため、将来的にはプロテオームやメタボロームの情報も基盤情報として整備して欲しい。
- 誰しも自分の研究にとって有益な情報は欲しくてしょうがない。ここで重要なのは国家としてどういったレベルの基盤情報整備が必要なのかということ。整備機関である製品評価技術基盤機構(NITE)は、まずどこにどういった微生物が存在しているのかを示すデータ整備を行うべき。
- ドイツのDSMZなどが行っているゲノム解析プロジェクトは、まず基準となる微生物を解析して全体をカバーしようとするもの。その先の細かい部分をどう解析するかは彼らも悩んでいる。
- プロテオームやメタボロームは他省庁がすでに大きな国家プロジェクトをやっているので、知的基盤にさらなる整備を求めるのは非効率ではないか。遺伝子機能の情報付加についても基本的にはそれぞれの企業や研究者が行うべきことではないか。
- NITEに整備された微生物を利用したいユーザーと、その微生物に付加されている情報を利用したいユーザーがいる。自ら微生物を分離したいという企業は後者に分類される。ゲノム情報があればどこにどういう微生物がいて、その微生物にはどのような遺伝子があるのかを効率的に調べることができる。
- 微生物の分離は基本的に自社で行う。自社で見つからない場合には外部機関や海外に求めることになる。外部から微生物を導入する先としてNITEに期待している。また、遺伝子からさかのぼって微生物を検索できることはターゲットを絞る上で重要。
生物多様性条約への対応
- 実際に海外の微生物遺伝資源を利用するには、NITEのように相手国との橋渡しをしてくれる機関に頼らざるを得ない。あえてお願いするなら手続きの簡略化と、より短期間で微生物遺伝資源が利用可能になるようにしていただきたい。個人的には、複合微生物系の取り扱いについても解決策を検討して欲しい。
- できるだけ短時間で微生物遺伝資源を利用する仕組みとなるよう、アジアコンソーシアムなどを通じて各国に働きかけるべき。
- 多くの大学ではアジア重視の方針を打ち出しており、アジアとの共同研究が増えていく見込み。NITEの仕組みを利用したい者は多いと思う。
- 日本の企業や大学は生物多様性条約を遵守してきちんとアクセスしていること裏付ける役割を担うべき。
- 医薬企業を除いては海外の微生物遺伝資源を利用することについて、利用条件、利益配分の内容、特許の持分に関する不安がありハードルが高いように思う。たとえば利用に関するハードルが下がっていることを示せれば、利用者も増えるのではないか。
- NITEによる枠組みやサポートは重要である。一方で、たとえばミャンマーやチベットへ微生物を採りに行かないと採取できない微生物がいるのかどうか誰も検証していない。日本と海外を比べてどちらにどの程度の多様性や特徴があるのかを示して欲しい。
- NITEが日本における海外微生物遺伝資源の利用促進をリードすべき。
微生物リスクへの対応
- 微生物の病原性は定義が難しい。微生物を大量培養する関係で動物実験を行って病原性を評価しているが、どのような判断基準で行うべきかいろいろ検索しても見えてこない。実際の実験データを照らし合わせながらデータの評価を行わないと、出したデータが微生物の利用を阻害することになるのではないか。また、業種によって考え方も変わってくるので取り扱いが難しい。
- たとえばSaccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス・セレビシエ)であれば酒造りに使えるという判断がなされているが、まさにこれは人類による利用の歴史によって安全と判断されている。
- 何らかの病原因子はほとんどの微生物が持っているので、病原因子の有無だけで判断することは難しい。病原因子の情報をどのように公開するかについては検討を要す。
- ゲノムを決めることで安全性を確認したいという顧客の要望を受けたことがある。ゲノム解析すればわかるところもあるし、解析してもわからないこともある。また、解析したことで知りたくないことまでわかってしまい、かえって微生物を利用するための余計な手間が増えてしまうのではないか。
- チェックすべき遺伝子を確認することができるようなデータ整備をするのはどうか。
- 病原性については他省庁でも取り組まれており、安全性評価はそちらの専門家に任せるべきではないか。
- これは有用遺伝子情報といったポジティブな情報ではなく、ネガティブな情報。ひとたびデータベースから公開すればどう一人歩きするのかわからない。科学的な根拠はきちんと整備すべきであるが、どういった目的なのかわからない情報提供はすべきでない。整備機関であるNITEが微生物リスクへの対応まで行うのはやややり過ぎではないか。
- 情報付加の付帯的な記載にとどめるべきで、安全性について議論すべきではない。
- 微生物を産業利用するための基本的な情報の一つとしてまとめるべきではないか。
- リスク情報についてはあまり詳細な情報を整備すべきではない。病原菌と分類学的に近いのか遠いいのかを区別できる程度で良い。
その他
- 先生が大学を退官されると同時に有用な微生物が破棄されることが多い。微生物を廃棄せずに国が保管するような体制をつくるべき。
(2) その他
事務局から次回以降のスケジュールについて説明。
お問合せ先
産業技術環境局 知的基盤課
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最終更新日:2013年2月8日
