経済産業省
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CGS研究会(コーポレート・ガバナンス・システム研究会)(第5回)‐議事要旨

日時:平成28年10月20日(木曜日)8時00分~9時45分
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

出席者

神田座長、青委員、石田委員、岩井委員、江良委員、大杉委員(9時30分途中退席)、大場委員、川村委員、後藤委員、佐久間委員、小林委員、澤口委員、武井委員、寺下委員、松元委員、御代川委員、柳川委員(9時00分途中退席)、竹林参事官、田原課長
(欠席:伊藤委員、大宮委員、翁委員、神作委員、冨山委員、藤田委員)

議題

取締役会の役割・機能(2)、指名・報酬の在り方(1)

議事概要

はじめに、本日の資料・議事等の公開について、資料2記載のとおりとすることについて委員の了承を得た。
次に、事務局より資料3の前半部分(39頁まで)の説明を行い、続いて、寺下委員より、資料4の説明が行われ、その後、討議を行った(討議(1))。
その後、事務局より資料3の後半部分(40頁以降)の説明を行い、再び討議を行った(討議(2))。討議の概要は以下のとおり。

討議(1)(資料3前半部分・資料4の説明後)

  • 【佐久間委員】事務局と寺下委員からの大変貴重なご説明に感謝申し上げる。このアンケートは非常に素晴らしい。今まで、ここまで徹底したものはあまりなかったと思われるので、大変貴重なデータだと思う。その上で、やはりこれからの整理をしていく上で、お願いしたい点がいくつかある。
    まず、取締役会の構成や、取締役会の議事進行等々を考える際には、当然、監査役の存在が非常に大きい。特に監査役会設置会社においては、監査役は取締役会の重要な出席者であり、場合によっては取締役の数より多いこともあるし、実際、日本の場合は監査役の中に占める社外監査役の数は非常に多い。したがって、社外監査役を意識した上で整理をしていただきたい。
    次に、委員会設置会社と監査役会設置会社では、取締役と執行との関係が違うので、ぜひそこも整理した上で分析をお願いしたい。
    加えて、若干個別の問題だが、資料3の35ページについて。取締役会の実効性評価は、あくまでも取締役会が行うというコーポレートガバナンスの原則になっている。実効性評価を社内事務局が行っている企業が最も多いというのは、実効性評価の事務をどこがやっているのかという次元の問題で、さすがに取締役が自分で資料を作って取締役会に報告するというのはあり得ないから事務局が行っているということのはずである。しかし、実効性評価を社内事務局が行っているという言葉だけをとらえると、日本のほとんどの会社で取締役会が何もしておらず事務方が勝手にやっているととられかねないので、そこは気をつけていただきたい。
  • 【江良委員】事務局がまとめていただいたアンケートは本当にすばらしいと思う。それを踏まえて質問したい。母集団についてだが、私の印象だと、事業特性や企業規模によって取り組みや対応に違いがあるように思うが、このデータはどういった企業を中心に調査されているものなのか、ご紹介いただけるとありがたい。
  • 【事務局】このアンケートは、1部、2部上場企業約2,500社に満遍なくお願いした結果、大体35%の回答率となっており、業種のばらつきは多少あるがあまり偏ってはいない。その上で、今ご指摘いただいたような、どういう属性の会社だとどういう回答になっているというクロス分析は、事務局でこれから工夫してみたいと考えている。
  • 【後藤委員】今後さらなる分析を進められるということで、要望を申し上げる。業界の特性ごとに何か見えてくればそれはそれで非常に面白いと思うが、コーポレートガバナンスは企業ごとにどのようになっているかというのが結局重要だとすると、業界ごとにみるだけでなく、本当は企業ごとにみなければいけないはずである。例えば、この1年で社外取締役を増やした企業は取締役会評価についてどのようにしているのかだとか、付議事項をどのように書いているのかといった項目ごとの関連性が重要であって、さらにそれが業界ごとで違いがあったりしたら、それはそれでまた面白いと思う。800社以上の回答があれば、しかるべき能力を持たれている方であればそういう分析もできるのではないかと思うので、クロスデータ分析をされるときに、各企業について項目間にどのような関係があるのかというところもわかるようにやっていただけると、非常に良いのではないかと感じている。
  • 【柳川委員】取締役会の実効性評価のところについて。こういうアンケートをしていくのはとても重要だけれども、先ほどご指摘があったように、実効性の評価をしていますかと聞かれると、何をやっていることを評価しているというのか、アンケートに答える側も若干難しかったのではないかと思う。評価システムを外部に別につくっているかどうかと聞かれているのだとすると、やはり何もしていないという答えが大きくなってしまう気がする。しかし、実際には取締役会で何を議論すべきかとか、どこまで議論すべきかということは当然議論していると思うので、何もしていないという回答についてもし追加で聞けるのであれば、実態としてどうかということを聞いておいたほうが、外へ情報を出したときに誤解を与えないのではないか。もう1つは、取締役会評価をするために外部の第三者委員会を作っているというのは、やり方としてはありうると思うが、これを繰り返していってしまうと、第三者委員会の評価をするために第三者委員会を作っていくという、会議体、評価体がどんどん増えていくということが若干気になる。もちろんこうやっておられる会社がどうということはない。
    その派生で少し感じたのは、多少自戒を込めて言うと、ガバナンスの話をしていると、ガバナンスをしっかり作ろうというところにフォーカスが当たるが、ガバナンスのためのガバナンスのようなことになってしまい、本来目指していたこととずれていく可能性がある。もともとコーポレートガバナンスの議論をしている目的は、経済成長だとか、企業の業績を拡大させるためであり、極端に言うと、そこが完璧にできるのであれば、ある意味で非常に軽いガバナンスの仕組みでもいいのだと思うし、形式的な部分をきっちりそろえても、業績が上がらなければ、ある意味でマーケットからも評価されないことになるので、どこかで、これが果たして企業の成長とか、経済成長とか、マーケットの評価にちゃんとつながるのかどうかというところを絶えずチェックしながら議論していかなければいけないというのを改めて感じた。
  • 【川村委員】事務局説明資料39ページの取締役会に関連する論点だが、ここに取締役会の形態という項目を入れる必要がないかどうかという質問である。形態というのは、指名委員会等設置会社がいいのか、監査役設置会社で任意の委員会を設けたような形がいいのかということである。今までいろいろ例題をお聞きしていると、実際の会社の例では指名委員会等設置会社であっても業績の良くないところはたくさんある。それから、従来の監査役設置会社の方式であっても非常によくガバナンスを構築しているところもある。したがって、実例をみると、どんな形であっても執行側がしっかりしていれば、ガバナンスがきちっとでき、かつ企業価値の向上に重点がある運営ができるようにも思う。しかしながら、欧米があれだけ指名委員会等設置会社に偏っているところをみると、やはり組織的に何がしか指名委員会等設置会社方式のほうがクリアカットなところがあるのではなかろうかという気もしていて、だからこの後、日本がグローバル化し、各企業が海外へ出ていって自分の説明を欧米の人にしなければいけない場合に、監査役設置会社という方式で良い実例もあるからということでいつまでも押し通せるかという問題もあると思う。どこかで取締役会の形態に関する比較で、比較表的なもの、優劣を書いたようなものでもいいと思うのだが、そういうものでそういう形態に関する議論が今後続いていくように工夫される必要があるのではないかと思う。
  • 【武井委員】3点ある。1点目として、まずはアンケートについて、先ほど佐久間委員から大変有益だというコメントがあったが、約870社も回答し、大変有益なアンケートだと思う。ここまで多く回答があったのは、事務局の方の質問の設定が良かった面があり、かなりガバナンスの実質化に資する回答が集まっていると思う。
    このアンケート結果を見ていると、多くの会社がガバナンスコード対応を1年にわたって行い、第1回取締役会実効性評価が終わり、2年目である現在は、実効性評価で見つかったいろいろな課題について中身を詰める段階に入っている企業が多いことがわかる。ガバナンス改革が形式から実質にというのが現在の大きなテーマだが、実質に向けた動きが着実に前に進んでいるということがまさに示されたアンケートだと思うので、そういったメッセージをまず総論で示していただいたほうが良いと思う。
    実際、事務局の方の質問の書き方がよかったので、一個一個の項目がガバナンスの実質化につながる問いと回答が1,000社近い上場会社からなされている。そういう意味でかなり貴重な実態把握でもあるので、政策的にもガバナンスの実質化が進んでいるという前向きなメッセージを発した上で、各論を検討したほうが良いと思う。
    2点目は、集中的にコメントが出ている35ページの実効性評価のところであるが、私も柳川委員・佐久間委員と同じ印象を持っている。実施していないという回答は多分回答者の意識の問題であり、本当に実施していないとは思えない。何らかの評価はやっているものの、実効性評価とまで硬いことを言われるとどうかな、と思った企業もあったのだと思う。35%といっても、エクスプレイン中で今検討している段階かもしれないし、その他いろいろな事情が混じっていると思うので、3割が評価自体をしていないという結論ではないように思う。取締役会評価は、取締役会が機能しているかどうかは会社自身が考える必要がある。第三者評価のパーセンテージが低いことは何らネガティブな話ではなく、第三者に手伝ってもらうことはありえても、最終的な評価自身は会社自身が行うことであり、外部の第三者が行っていると回答した企業が4%であることを悪くみるのは良くないという柳川先生の意見に賛成する。
    3点目だが、寺下委員のカンパニーセクレタリーの話も大変重要な指摘だと思う。ガバナンスコードができたときに、ガバナンスコードの対応を実際にどこの部署がやるのかは、企業によって異なり、実際どこがやるのかわからなかった企業も多かった。
    企業の中にガバナンス担当部署というものが置かれていないということに企業も気づきつつある。担当部署が置かれていないということは、人とお金がついていないということでもある。ガバナンスコードの対応を、どこかの部署で行う例もあれば、横串を刺していろいろな部署が協力して行う例もある。名前をカンパニーセクレタリーにするかどうかは企業によると思うが、こういったガバナンス担当部署という意識を持つことの問題指摘は確かに重要だと思う。ガバナンスコード第5章のところでIR、株主との接点については横串を刺した社内の体制を作りましょうとあるが、その発展型として、ガバナンス担当部署についても横串を刺しましょうという問題提起として重要だと思う。
  • 【小林委員】2つ簡単に意見と質問を述べたい。1つ目は意見だが、事務局説明資料9ページの統合報告書とか、8ページのコンプライアンス報告書などに関連して、財務情報は定量的に評価して数字で報告できるが、統合報告書の非財務情報となってくると極めて定性的であり、これをどういう方向で比較可能に一部定量化していくかが問題となる。フェアに評価するという意味では、IIRC(国際統合報告評議会)のフレームワーク的なまとめ方がいいのか、あるいは日本独自の体系にまとめるのかは別として、やはり徐々に定量化の議論が必要になってくると考える。
    2つ目は質問で、川村委員のご質問・ご意見とも絡むが、非常に良いアンケート結果がこれだけそろっているので、3つの会社の類型と、色々な評価結果を分類、分析して、会社のパフォーマンスはやはり3類型のいずれかによって相当差が出ているのか、あるいは類型による差はさほどないのか、この辺を知りたい。
  • 【大杉委員】寺下委員からカンパニーセクレタリーのご紹介があった。これは日本でいう取締役会事務局、秘書室とか、財務、法務、IRなどをまとめたようなものだが、日本ではなかなかそうなっていないという点をご説明いただいたのを聞いて、前々回のこの会議での三菱重工さんのお話を思い出した。私の記憶で言うと、取締役と執行役員の役割を分離することと、取締役会にCFOやCTOを入れ、事業部長は外すとした上で、取締役会の下の経営会議には事業部門の長を入れるとともに、さらに法務部長も入れるというようにやっていくという話があったけれども、企業からいらしている委員の方々に、それぞれの会社でカンパニーセクレタリー的な、つまり事務局のみならず、財務、法務、IRなどを統合していくような工夫をどのようになさっているかを教えていただきたい。もちろん、今日説明していただくのはなかなか難しいかもしれないので、今日あるいは次回以降で、ご無理のない範囲で委員の方に教えていただきたい。
  • 【佐久間委員】コメントの前に、今の大杉先生のご質問について、私がいる新日鐵住金のお話をしたい。コーポレートセクレタリーに対応する部として総務部があり、そこでこの全てをやっていた。ただ、グローバル化とともに法務的な仕事のボリュームが非常に増えたので、組織としては法務部がつい最近分かれたのだが、つい最近まで法務部も総務部の中にあったので、一元的に総務部が全てやっていたということである。ただし、今回のコーポレートガバナンス報告書にあるように、株式の相互保有などについては、どうしてもフィナンシャルコミュニティーとの付き合いがあるので、財務も一緒にやっているということにはなるが、窓口という点では総務部に完全に一本化されている。その中に、先ほど寺下委員が整理されていた全ての機能が入っているということである。
    次に、コメントであるが、先ほど私が申し上げた、監査役会設置会社がやはり多いという現実を考慮していただきたい。具体例を言うと、事務局説明資料の21ページの取締役会の構成の中に社外取締役の数が書いてあるが、これが横文字になると、単純に社外役員は3名以上が4割ということになるが、これだけの会社であれば、普通、社外監査役の方が3名から4名おられるので、実際は社外役員が7名いる会社が4割だということだと思う。そこが誤解のないように整理していただきたい。特に、モニタリングをどちらかというと重視する今の議論からすれば、まさに監査役はモニタリングを専門にしている機関だから、社外監査役の方をここに入れないというのは非常に実態を表していないということである。それから、実態的にも社外監査役の方の多くは、社外取締役の方と同じ目線で取締役会でご発言されていることが多いのではないかと思うので、そのことを一言加えさせていただきたい。
  • 【御代川委員】私も一企業の紹介になってしまうと思うけれども、取締役会の構成について、たまたま当社は社外取締役が半数以上と回答した約1割の中に入っていて、社内取締役が2名で社外取締役が4名となっている。社内がマイノリティー、社外がマジョリティになるので、取締役会の雰囲気は社外取締役が非常に発言しやすいものになっているだろうと思っている。そういう意味では、社内の人間からすると緊張感をもって説明しているということを感じる。これは想像だが、おそらく多くの日本の企業は経営会議のある程度延長のような感じで物事が決まっていくのではないかという気がする。一方で感じることは、社外取締役が多くなると、ビジネスに対する理解はやはり必要となるので、業界用語の解説に始まり、各企業にそれぞれ存在するであろう社内用語の解説に手間が非常にかかり、さらにビジネスについて社外取締役に十分理解いただくように説明に時間をとらなければいけないということで、取締役会事務局はやはり複数の部署からの構成でなっている。海外は確かに寺下委員がおっしゃっていたように、コーポレートセクレタリーという役職があり、当社の米国子会社では、ジェネラルカウンセルという法務出身の人間が担っている。多分いろいろな意味での外部に対する契約の問題とか発信とか、いろいろなことに対して経験を積んだ人がなると思うけれども、そこまでは一気に行くのは少し難しいかなということがある。やはり社外取締役への説明は増えれば増えるほど、企業は心していかないと、なかなか議論が活発にならないという印象を持っている。
  • 【石田委員】寺下委員ご指摘のコーポレートセクレタリーについてだが、私たちが議案を分析する際に内容がわからないときに会社に電話する。特に去年などはそうだったが、新しいタイプの報酬議案が出てきたときに、複雑なので会社に電話するのだが、会社に電話してもわからないことが結構ある。社長の報酬は秘書課や、人事部や法務のようないろいろな部局が関連していて、なかなか回答を得ることができないことがある。外部から質問があったときに、すぐに答えられる部局があるというのは、これから重要になると思う。
  • 【小林委員】当社(三菱ケミカルホールディングス)の実情は、新日鐵住金さんとほぼ似ており、寺下委員提出資料の4ページでいう財務部のファンクションを除くと大体みんな総務が絡んでいて、総務の中に法務という相当スペシフィックな専門家集団を置いている。よって、コーポレートガバナンスに関する対外窓口はやはり総務で、資本政策とかそういった個々の各論については、当然窓口の総務で受けて、財務などの部署に回す形になる。また、取締役会等の事務局的機能は完全に総務が担っている。監査委員会等への連絡や、議論のための情報共有も完全に総務がやっている。一方、指名委員会と報酬委員会は人事が担当しているが、当社も来年の4月に向けて、人事と総務を一緒にしようかとか、法務は独立した部署として総務の外に出そうかとか、いろいろ議論している中で、今回の議論を参考にさせてもらおうと思っている。
  • 【武井委員】御代川委員の話を聞いて1点思った。事務局説明資料15ページに、3Dの4象限になった表があるが、それとの関係で1つ大事なのが、31ページ以降にある付議事項の見直しである。特に、経営会議の繰り返しの取締役会では意味がないという問題意識、経営会議の議論とどう違って、社外取締役がいる会議体で何を議論する意味があるのかという問題意識がかなり浸透しつつある。経営会議とは違う議論あるいは議論の深み、アジェンダなどの違いをどうするかということにかなり実務の関心が寄せられつつある。
    経営会議の繰り返しではない取締役会のあり方は昔から監査役会設置会社の大きな課題だったわけだが、そこを見直す動きが最近実質化しつつある。中長期の経営戦略などは1つの大きなアジェンダであるし、ガバナンスコードでも、基本原則4-1で、経営計画について、あえて主語が取締役会になっていたと思うが、取締役会できちんと議論してくれとなっている。そういった問題意識が浸透しつつあるというのが事務局説明資料の31ページなどに出ており、こうした点もガバナンスの実質化が進みつつある重要な証左だと思うので、そこも追加で指摘しておきたい。
  • 【柳川委員】寺下委員からお話が出ていたカンパニーセクレタリーの話だが、ご議論があったように、ポイントは2つあるのだと思う。
    1つは、要するに窓口の一本化で、ここで全部話は済まなくてもいいのだけれども、ある種のワンストップの話と一緒で、まずそこへ声をかけるといろいろなところへつないでくれて、全部外側からわかる。こういうものがないと、外から情報にアクセスしたときになかなか難しいというのがポイントの1つだと思う。
    ポイントは多分そこだけではなくて、形式的に誰か窓口に1人いればいいという話ではなく、株主との対話のところの統合戦略が必要だという話なのだと思う。窓口だけの話ではなく、先ほど石田委員からお話があったように、取締役全体あるいは経営陣全体として、どういう形でどういうメッセージを株主なり対外的に発信していくかという統合的な戦略をもっと練っていかないと、そういうことを期待している海外の株主に対応できなくなる。これは今までのコーポレートガバナンスの話でもある程度はできたのだと思うが、そういう形で少し整理してみたときに、やはり見えてくる重要なポイントがあるのだろうと本日のお話を伺って感じた。
  • 【寺下委員】取締役会評価について。我が社は取締役会評価の真最中だが、誰かが誰かを審査するということではなくて、先ほど柳川委員と武井委員が言ってくださったような、評価のポイントのプロセス、方法論を、どういうものを入れながら客観的に分析していくかがポイントである。取締役会評価を第三者がチェックするという考え方もあるとは思うが、今の日本の実態としてみれば、評価する項目やプロセスに少なくとも最先端なものを導入していく必要がある。要するに、身内だけで固まった中でどういう方法論でチェックしているかというところが問題であって、第三者が何点と評価することが重要ではなくて、評価の中身が極めて重要だということが今見えてきている。実際やってみると、プロセスによって、いろいろなリスクの洗い出しなどの実効性はかなり上がっているという事実が出てきているから、評価のポイントが重要ではなくて、そのプロセスが極めて重要だという点をちょっと強調させていただきたい。
  • 【大場委員】多岐にわたる議論が出ているが、コーポレートセクレタリーのところに焦点を当ててご意見を申し上げたい。私が前回でも申し上げたように、この観点でも、やはりキーワードはディスクロージャーではないかと思う。
    2つのコードができて、株主と企業の対話が進んできている。そのときに何が起きているかというと、窓口がお互いに複線化していることが明らかになってきた。例えば、決算のときには決算ご担当の方がお見えになる。株主総会が近づくと総務部の方がお見えになる。それから、別の何かの大きな案件が出てくると、今度はIRの方がお見えになる。投資家も、企業を分析するのがアナリスト。それから、責任投資原則など、国連のPRIに署名したり、ESG関連の評価をするアナリストがまた別にいる。それから、株主総会のときに議案を審査する担当者がいる。このように、お互い窓口が複線化している。先ほどの石田委員の話ではないけれども、問い合わせても、どこに問い合わせていいのかという問題が現実に起こっている。
    そこで私どもは、対話をしたときに、ある企業の誰からどういう質問があってどのような回答をしたかということを関係者が見られるイントラネットのようなものを作ってみた。どういう方がどういう会話をしたかということを見える化する、そういう意味でのディスクロージャーが非常に大事ではないかということを感じている。全てこれで解決するとはとても思わないが、少なくとも相当効率的になって、同じ質問を繰り返さないとか、せっかく答えたのに、それが共有されていないということが相当防げるのではないかと思うので、参考事例としてご意見申し上げたい。

討議(2)(資料3後半部分の説明後)

  • 【佐久間委員】アンケートのまとめにあたっての意見だが、取締役の任期が1年のところと2年のところが多分ある。それ以外があるのかどうか定かではないが、やはり1年の場合は、ほぼ毎年開かれる総会で必ず選任されるか否かが決まる。2年の場合はそうではないというところであり、実質的にそこは違いが出るということなので、そこにも少し留意していただければと思う。
  • 【江良委員】事務局説明資料の43ページのあたりの、社長・CEOの指名、後継者の計画について、これは我々もよく企業にお聞きするものの、意外とまとまった整理された回答が来ないというイメージがある。どうやったら回答を引き出せるかを工夫している。実際にお聞きすると、社長あるいはCEO、CFOなどのトップ中のトップの選任、指名については、明確なルールを持っていない会社もあるが、むしろ明確なルールはあるもののそれを明文化していないというケースが多い。そういったケースでは、明文化されていないのでわからないとか、特に決まっていないとアンケートで回答された企業も少しあるのかなという印象を受けた。
    2つ目は、質問の工夫に係る部分だが、社長・CEOではなくて、取締役レベル、あるいは経営幹部候補生や経営幹部をどのように育成されているかという質問をすることで実態を把握するようにしている。要は、日本企業は一般的に内部昇格が多いので、課長、部長レベルのときから教育投資をされたうえで、経営陣にそのまま上がるということが多いわけで、そういった部分のプロセスをお伺いすると、明確なお考えをご回答いただける会社も非常に多い。そのため、社長・CEOの選任のみならず、前述のとおりもう少し広い範囲で後継者の計画をどのように考えているかという聞き方をすると、また違った答えが見えてくるのではないかという印象を受けた。
  • 【後藤委員】今の江良委員の1点目と少し関連するかと思うけれども、後継のCEOをどう選定するかというときに、わからないという回答は多分決まっているわけではないという意味なのかなと考えた。また、社長がこの人ですというのを1人決めてきた場合には、それを覆すことはあまり多くないだろうと思われるのに対して、複数の候補者が出されると、そのうちの誰にしましょうかという話になる。これは以前もこの場でどなたかからいろいろな例を紹介していただいたかと思う。そうすると、複数の候補者を選定してきて誰にしましょうかというのは、それなりに皆でちゃんと審議しているように思うが、1人を連れてくると、あとはどこでオーソライズするかはさておき、事実上、社長が連れてきたというところに変わりはないような気がしている。したがって、注目すべきであるのは、事務局説明資料44ページの選択肢の上4つと下4つの違いであり、結局、1人連れてくるというほうが多いというところなのかなという気がする。
    次に、その関連でいくと、指名委員会の答申内容が取締役会を拘束するのかどうかというところで、取締役候補者は法律上、指名委員会の決定で決まるので、拘束しないというのは、法定の指名委員会でついでに社長候補者を誰にするかを答申したときに拘束しないという意味だと思われるが、この拘束しないというのが、実際に答申をひっくり返したことがあるという意味なのか、それともその余地はあるが事実上尊重されているということなのか、何とも理解が難しいという気がしており、このアンケート結果を外部に出したときに誤解を招かないようにする必要があると思う。どういう構成の諮問委員会なのかというところとも関連するかもしれないが、そのあたりをもう少し調べられればいいのではないかという気がしている。追加調査をされる余力があるのかわからないが。
    また、報酬のところで1つ興味深いと思ったのは、事務局説明資料58ページで経営陣幹部の報酬を議論する際に何を考慮していますかという設問について、日本の企業は、業績を考慮するというのは、それはそうだという気がするし、逆に考慮していない会社が18%もあるのかというほうが驚くが、それよりも一番興味深かったのは、従業員の給与水準と比較している会社は実は4分の1ぐらいしか存在しないというところである。従来、従業員と取締役との連続性というのが日本企業の特徴の1つであるとされてきたが、ひょっとしたら日本の企業はその意識が薄くなってきているのかもしれない。どういう意味で比較しているのかということ次第なのかもしれないが。
    また、同業他社と比べていないというのも興味深い話で、他社に引き抜かれる心配はないからやっていないというだけなのか。この点も報酬の決め方や水準に影響するような気がしている。
  • 【岩井委員】私がいる資生堂は監査役設置会社なので、役員指名諮問委員会を設けている。当然社長の選解任については取締役会が決定すべきものだが、それに先立って、社長の選任に関して言うと、当然、役員指名諮問委員会で議論する。役員指名諮問委員会での審議や取締役会での決議という手続きで公正性・透明性等を担保するという前提であれば、CEOが自らの後継者を指名するということは、基本的にはありだと思う。だが、それだけに頼ることではなく、役員指名諮問委員会はCEOが有すべき資質等についてガイドラインを作っていくという使命を持っていると私は思っている。具体的にどういうことをしているかというと、いわゆるCEO候補者が有すべき資質を明確化する等の議論を通じ、サクセッションプランニングに関与するということを役員指名諮問委員会のミッションに定めることで、CEOが指名するだけでなく、候補者についてロングリスト、ショートリストを用意していくということをやろうとしている。それと同時に、CEOだけではなくて、社外取締役の選任についても同様のことについて議論していかなければいけないということを今ようやく始めているという段階である。
  • 【川村委員】私も自分の会社の例でお話すると、今の社長を決めるときは、3人の候補者をCEOが示して、その3人を取締役会の場に案件の説明で出てくるようにして、取締役会の中でもいろいろな議論をして、彼はここはマルだ、ここはバツだ、ここは三角だという比較を取締役がその中でできるように、ある程度の工夫をしながら、1年間かけてやった。1年というのは短すぎるけれども、それはたまたまそのときの事情でそのようにした。
    それで1人が選ばれて社長になったわけだが、今後はまだ非常に流動的だと思う。日本の中で比較的オープンに社長、CEOを決めていくというのは、今はまだ本当に始まったばかりだから、今後が非常に大事だと思うが、今後は育成の方法とかガイダンスを取締役会で決めて、45歳から50歳ぐらいの間にある種の候補者を10人弱選出して、それを社内外で育成するということで、取り組んでいる最中である。その育成の中には、タフアサインメントというのがあり、自分の専門の部門の中で静かに上がってきたということにしないようにということである。だから、キャリアパスローテーションをやるということだが、そういうことをある期間やって、それをある種の条件として選んでいく。
    それでも適任者が現れない場合は、社外から選ばなければいけない。社外から選ぶというときには、やはり社外取締役の役割が非常に大事になってくる。それらが全てまだ進行形だから、あまりこういうところできれいにお話しできないようなところがたくさんある。
    報酬に関しても全く同じで、日本のCEOその他の固定報酬は少し多過ぎると思っている。だが、諸般の事情で、今はまだ一挙には変えていない。けれども、日本の中でいえば、例えば証券とか、金融機関などは固定報酬が少ないようである。だから、会社ごとに比率などは大いに変わってくるが、変動部分がだんだん増えていくという格好に移っていくと思う。
    だから、アンケートの結果が非常にばらついているのは、どの会社もまだ悪戦苦闘している最中だと思う。よって、どれがいいとあまり言えないと思うけれども、従来よりはかなりオープンにやるようになってきつつあるというのは、私は自分の会社からしても、それから、ほかの会社の社外取締役をしている経験でも、実感している。いろいろな会社で取締役会に次の社長の候補者の中の1人だという人が時々登場するようになってきたから、聞くほうも、あれは候補者の1人だとわかりながら聞くというようになってきているので、質問も、本人が説明に来たプロジェクトの話に限らず、その人間の人格、識見を問うような質問まで混じってくるようになってきている。だから、今はそういう状況だということをご参考までに申し上げておきたい。
  • 【武井委員】事務局説明資料の70ページのところに、諮問事項について、方針の策定まで委員会に担わせるかという問いがあるが、実際、社外過半数の指名委員会で選定基準を一から作るのは難しい。というか、もともとは社内のほうで何らかの選定基準があって、それを指名委員会のほうでいろいろな形で揉むということになると思う。原案から全部社外過半数の方が作るというより、何らかの社内の選定基準がまず先にあるのだと思う。
    さっき江良委員もおっしゃったが、そういった選定基準が明文化されていない企業が多いのだと思う。今、川村委員からもお話があったけれども、まさにどのようにしたものかということを考えていらっしゃる状態だと思う。そこで、先ほどガイドラインという話も出たが、そういった社内の選定基準をつくるのに、企業の現場にとって何らかのヒントになるような成果物を作っていくのが良いと思う。
    ガイドラインに組込む要素はいろいろあると思うが、まず実質の部分については、会社の事業によっていろいろ違うが、大体いろいろな方がおっしゃるのは、社内調整力を伴った決断力とか、変化への対応力とか、必要条件としてインテグリティー・高潔性であるとか、そういう要素が実質面で並ぶと思う。
    その上で実質面と同等に重要なのは、今、川村委員からのお話もあったけれども、その資質をどういう手続で見抜くのか、どのように審査するのかという見抜き方のプロセスだと思う。単に指名委員会に最後かければ何でもかんでもプロセスが回るという話ではなくて、どういった形で資質を見抜くような社内プロセスを経るかというところが重要な実務的視点だと思う。先ほどお話いただいた、取締役会で説明させるとか、子会社の社長をやらせるとか、そういったいろいろな工夫が各企業でなされているので、そういった実務的なことを含めたものをガイドラインに含めたほうが、抽象的にどういう人が社長にふさわしいかなどという中身だけを書くものよりも、より実務的な指名に伴う助けになる視点を提供できるように思う。そういった点をぜひいろいろな会社さんからヒアリングしていただいて、知恵の結集を作っていただければと思う。
  • 【小林委員】事務局説明資料50ページの指名委員会の開催頻度の数値をみて、当社や、私が社外取締役を務めている会社と比較して、とても回数が少ないので、これで本当に指名委員会が機能するのだろうかという印象をまず受けた。
    いろいろと選定基準を整備すると同時に、執行役以上あたりのクラスから意見を聴いたりアンケートを取ったりすることも一つのやり方だと思う。また、私の経験だと、5人程度の指名委員が、大体5人、10人、20人といった規模で候補者の面接をして適性をチェックすると、指名委員の意見は不思議なほど一致する。やはりそういう意味で、直接会って話を聴くことが重要だ。まさに川村委員が言われたように、役員会でのプレゼンテーションで人間性の部分もチェックするというのはかなり有効ではないか。
    それと、事務局説明資料69ページにある、社外取締役に対する株式報酬とか業績連動報酬をどう考えるかという点について。これは私の個人的意見だが、やはり監督がメインである社外取締役である以上、常任の監査役や監査委員の方は別として、株式報酬や業績連動報酬は明確に外しておいたほうが、社外からの監督という固有のファンクションが明確になるのではないか。
  • 【佐久間委員】2点ある。まず1点は、事務局説明資料70ページの指名・報酬委員会の論点のところである。やはり最終的には監査役会設置会社とそれ以外では、取締役候補者についての指名委員会の権限は全く違うから、そこは分けて整理していただく必要があろうかと思う。CEOについては同じでいいと思う。
    それと、報酬のところで、常々思っているのは、日本の場合は業績部分が少ないという議論がある。ちなみに当社の場合は、役員は100%業績連動で、固定部分はないのだが、一般的にはそう言われている。ただ、これは絶対額で、単純に比較して、CEOでいうと米国は日本の一定の上場会社の20倍あるから、業績連動で大きく動いても生活に困ることはないわけだが、同じことを日本でやった場合、額は20分の1だから、生活に困るかどうかわからないが、生活は変えなければいけない。当社は業績連動なので、業績が非常に悪かったときに、役員によっては影響を受ける者もいる。
  • 【後藤委員】先ほど小林委員がご指摘された事務局説明資料69ページの社外取締役の報酬をどうすべきかというところだが、確かに社外取締役は基本的にはモニタリング、監督のためにいるわけで、本人が業績を上げるため直接的に何かするというわけではなく、また、監督をするときに例えば利益操作のようなことを見逃すインセンティブを与えては良くないということで、社外取締役に業績連動報酬を与えるべきではないという議論もあるというのは理解している。
    他方で、昨今の社外取締役、独立取締役に期待する議論は、株主の利益の代弁者としての役割を期待しているというわけであり、そうすると、株主の利益に一番センシティブでなければいけない人は社外取締役、独立取締役であるとも言える。そうすると、例えばCEOの業績をモニタリングするに際して、社外取締役、独立取締役に株主の利益のためにモニタリングをするインセンティブをどうやって与えるかという問題もあるように思われ、その人が本当に固定額の報酬だけでいいのかというと、引っかかりを覚える。結局良いバランスはどの辺なのかという問題ではあるが、一概に排除するというのはどうなのかなという気もしている。
    ストックオプションを与えるというのは何か違うような気もしているが、社外取締役、独立取締役が長期で株式を保有するということは、長期の株主利益のことを考えてモニタリングしてくれるということで決しておかしなことではないようにも思われる。業績連動の中身次第ということではあるのかもしれない。また、これは社外取締役、独立取締役の監督機能といっているが、どういう中身の監督を期待しているのかということによる問題であり、違法行為の防止を期待するのであれば、業績連動はもってのほかということになるのかもしれないが、いわゆる攻めのガバナンスに向けた監督を期待するのだとすれば、当然に排除しなくてもいいのかなと思う。その国の経済状況によってどういう機能を期待するのかということは違ってくるのかもしれないが、社外取締役には業績連動報酬を渡してはいけないという限定的なメッセージを出すのは慎重であったほうがいいのかなという気がしている。
  • 【神田座長】90年代の前半だったと思うが、ヨーロッパではイギリスを含めて社外取締役に業績連動報酬を払うのは良くないという議論が非常に強く、それに対してアメリカでは、社外取締役といえども業績連動報酬はありだというので、全く違う意見に分かれた。その後、そこそこのところに収束しつつあるということではないかと思う。
  • 【小林委員】それに関してはまさにいろいろ議論してもらったほうがいいと思う。そういう意味で、報酬をほとんど株でもらうといった、オプションの自由度を付与するというのは1つのやり方かなと思う。その辺はまさに会社の状況にもよると思うので、例えばコンプライアンス問題で苦しんでいる会社と、非常に業績がよくて積極的に勝負している会社とでは大分変わってくるのではないか。
    それと、業績連動報酬の基準となる業績は、今はほとんどが財務的業績か もしれないが、今後、財務と非財務を一体化した、統合報告的な戦略策定が強まっていくことを考えると、例えば財務的業績90%、非財務的業績10%といったようなやり方は考えられないか。例えば、単純に原油価格が下がったから会社が儲かってそれだけで給料を上げるというより、もう少し中長期的な観点からの非財務的業績も取り入れるべきではないか。具体的にどういうアイテムを業績と見なすかは、かなり個々の会社の状況に依存すると思うが、統合報告的な方向性をプロモートするという意味でも、非財務ファクターを例えば10%ぐらい取り入れるようなことはありうるのではないか。定量性がないので大々的に入れるのは難しいとしても。
    また、当社は5段階で業績評価をして報酬を決めているが、当社のような製造業の場合には、大きな事故やコンプライアンス問題を起こしたら、たとえどんなに財務のパフォーマンスが良くても最低評価として、ボーナスもストックオプションもゼロにするというようなクライテリアを明確にしておくのがいいのではないかと思っている。
  • 【石田委員】2点ある。まず報酬のところで、業績連動報酬と株式報酬が結構ブームのような雰囲気があり、世の中の動きとしてこれが広まっていく。もちろん一般論として業績連動報酬はすばらしいことだと思う。しかし、業績連動報酬が意味を持つかは、会社の状況によって違うだろう。例えばリストラしている会社だと、普通の意味のアップサイドの業績ではリストラの進捗度を測ることはできない。リストラを成し遂げることが課題なら、それに集中できるように、あえて業績連動をやめて固定報酬を増やす。そしてリストが完了して次のステージになったときに、業績連動を入れるというような柔軟性は必要ではないかと思う。つまり、経営計画が主であり、報酬政策はそれを反映するに過ぎない。その逆ではない。これを忘れると、個社の文脈を無視した一般論化した報酬制度が量産される恐れがある。
    もう1つは、事務局説明資料の中で、任意の指名委員会、任意の報酬委員会を作っていないという会社がまだ半分以上あるという話があった。法定の委員会かどうかは置いておいて、平時に何もないときから報酬とか指名を議論する場所があることで、いざ有事、例えば次に誰が社長になるかというお家騒動的なものが起きたときなどでも、それに備えた訓練というか、準備ができるのではないかと思う。よって、報告書の方向性として、指名や報酬について任意でもあるほうが望ましいというトーンが重要ではないかと思う。
    今年6月に監査等委員会設置会社が投資家の間でも話題になり、そのときにそれに反対する海外の投資家の話を聞いてみると、任意の委員会か、法定の委員会かは置いておいて、やはり委員会すらないと先に進まないのではないかということもあったので、あって悪いことではない。あれば、その間にどうやっていこうかというのはどんどん議論がまとまってくると思うので、それが重要だ。
  • 【御代川委員】これもまた感想なのだが、業績連動賞与とか評価については、その比率をやはり経営陣は高くしていかなければいけない。当社も固定報酬の比率を低くして業績連動の比率を高めていっている。
    一方で、例えば業績で評価されると、今当社は海外の売り上げのほうが大きいものだから、為替の影響で必ず良くなったり悪くなったりする。だから、海外子会社も現地の通貨ベースでいけば増収増益であっても、為替によって減収になったり、増収になったりということがある。為替による影響は、経営陣に対してはそのまま受け入れなければいけないと思っているが、海外子会社のトップに対しては調整している。
    それから、社長の解職については、今後変わっていくのかもしれないが、日本の場合においてはやはりコンプライアンスの問題で社会的な責任をとったときは、トップも自ら責任をとらなければいけないということで退任すると思うが、周りから社長を解職するという基準は非常に作りにくいと感じる。業績だけでいうと、先ほど申し上げたような、為替など不可抗力のような状況で変わってしまうという問題もあり、これは検討しなければいけないと思っている。
  • 【佐久間委員】私が先ほど取締役の任期1年、2年ということについて触れた理由の1つは、1年であれば、いずれにしても1年ごとの評価、最終的には株主が決めるということになるわけで、1年の途中で業績が悪くなったのでCEOを首にするということはなかなかない。ところが、2年であれば、2年の総会を待たずに1年というのはあるのだろうなと思う。つまり決算がはっきり出るわけだから、結果が出た上でも2年任期を全うするかどうかという議論はあると思うが、1年の場合は現実的にはなかなか難しいのではないかということがあるので、やはり1年と2年はかなり違う。海外に比べても、日本の場合は1年というのは非常に厳しい。つまり、CEOで取締役でない方がほとんどおられないとすれば、CEOの方は1年ごとに全て選任を受けているということなので、1年と2年、それ以上では実態としては大分変わってくるということで先ほど申し上げた。
  • 【神田座長】確かにご指摘のように、諸外国ではCEOの任期そのものが1年ではないし、取締役である必要もない。取締役であっても任期が1年を超える場合が通常である。

以上

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最終更新日:2016年12月28日
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