経済産業省
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地域企業 評価手法・評価指標検討会(第1回)‐議事要旨

日時:2015年5月29日(金曜日)12時45分~14時45分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議事概要

  • この検討会は注目度の高い検討会なので、是非活発なご意見をお願いしたい。十年来やっている中小企業支援、リレーションシップバンキングに関する議論の中で、企業をきちっと評価しなければいけないと言われているにもかかわらず、中々進んでいないと感じている。そのような中、是非皆様の知見をいただいて、具体的に使えるようなものにしていかなければならないと考えている。
  • 地域経済の持続可能性をどう確保してくのかが非常に重要な課題。グローバル企業と異なり、地域企業にはサステナビリティに重点を置くような産業もあるのではないか。検討に当たっては、きちんとしたデータに基づいた産業界の考え方を示し、金融機関の皆様方はどう見るだろうかという議論が出来れば非常に有益ではないか。地域経済分析システム(RESAS)についても、これで全てが分かる、全てが解決するというわけではないが、取引構造の見える化や時系列的な比較が可能。こういう手法も活用しながら、地域の経営力や生産性向上、こういったものを評価する手法・指標が考えられるのかというのを議論したい。
  • 資料3のとおりで異議無し。
  • 資料4説明
  • 帝国データバンク資料5ご説明
  • フルグローバルの熾烈な競争下にある産業分野では、企業は勝ち抜くことが至上命題。そのような企業に対するベンチマークは、グローバルで勝ち抜くための軌道修正力、新陳代謝力の強化に向けてのツールにしないと価値がなく、指標としては、成長性、収益性、効率性が基本。
  • 一方でローカル産業の多くは、地域のステークホルダーとの共存共栄が基本 原則であるが、競争が不完全なため、地域で淘汰がすすまない業態・業種が存在。そのため、検討のゴールは「地域と共に、持続的繁栄を牽引できる生産性が高い企業体」を揃えるというシンプルなものであり、ベンチマークとしては生産性、健全性、収益性が基本となる。
  • ベンチマーク活用と平行して、連結決算の実施などのインフラの整備、マネジメント人材の確保等もクリアするのが望ましい。
  • 衰退期~再生期の企業の見極めをなるべく早くすることが再生の可能性を上げるポイント。成熟期~衰退期の時点で着手できれば再生の可能性はかなり高まる。
  • 再生完了の姿は、「地域金融機関からリファイナンスを受けられる」ことだと考えている。再生にあたっては、「本来こうあるべきだ」という施策をきちんと打てるかが大事。しかし、地方の金融機関では経営者との関係等もありそれが難しい場合があるのではないか。また、風評リスクは地方の個別企業の再生においては極めて重要。
  • 企業再生は個別性が極めて高く、共通項は少ないという感覚。しかし、地域企業では、数字がまともか、そもそも数字が本当なのかというケースが往々にしてあるため、そこの部分の改善や、経営をきちんと数値化して示してあげるだけでも経営に資するのではないか。
  • 企業の評価指標については、企業ごとに異なることが多く標準的な指標を提供することは困難が伴うと考えている。
  • しかし、評価指標を提供するための汎用的な手法という面からは、顧客提供価値を視点においた手法があると考えている。
  • 企業が顧客に提供しているものは、製品やサービスそのものではなく、その製品・サービスからもたらされる「明日」であり、お客さんが選んでくれる理由は何か、あるいはお客さんはそれを受ける事で何を得ているか、「明日」どうなっていたいか、という顧客価値である。
  • その顧客価値を実現するために企業として何が必要かを定義し、その定義を実現するためには何を実行するべきか、何を資産として高めるべきか、という考え方からKPIの設定を行う。そして、そのKPIについて定期的な見直しを行えるようPDCAを回す仕組みを構築していく。それらのKPIが評価指標になると考えている。
  • この「仕組み」の有効性を高めるには、経営陣の気づきが大切で、気づきがないと顧客価値に向かうKPIのつながりのストーリーが描けないと考えている。
  • 再生をやっているが、例えば病院というのは厚労省がゲームのルールを決めているので、ベンチマーク分析がやりやすく、経営上の問題が分かりやすい。しかし、他の産業は競争環境がある上、例えば小売業でも多種多様で、百貨店とスーパーのP/Lを見比べても全然費用構造が違い、それを比較しても経営上の問題が見えてこない。
  • ベンチマーク分析が効果的なのは、同業と比較して見た時に、「あなたの会社は同業他社より粗利率が低いですね、何故なんですか」、という問いかけができること。今後新しい産業を作って成長していく企業にそんな話をしてもしょうがないので、対象の企業はライフステージで言うと成熟期から後ろの企業がいいのかなと思う。
  • 全国の金融機関で似たような感じだと思うが、お取引先の赤字や債務超過、あるいは借金に比べてキャッシュフローが低下したなど、明らかに業績が悪化している企業とは経営改善計画に取り組む話をできるが、従前からなかなか経営者の方と危機意識が共有出来ず、もっと早めに着手できれば良かったと痛感するケースがよくある。今回の成果物も、明らかに業績が悪化する手前のところで経営者の方に提案が出来るようなものになればいいと思うが、中々大変なテーマと感じる。
  • 成果物は、色々な指標を並べながら、健康診断表のようにシグナルを指摘でき、共有するようなものというイメージを持っている。
  • ベンチャーファンドや再生ファンド等にLP出資という形で参加し、中小企業の支援をしている。特に、再生ファンドの投資先の中小企業についてみると、先程のお話のように計数管理がしっかりと出来ていないことが多いのが実態である。ある程度当たり前のことを当たり前にやっていけば、事業を継続できるというのが実感であり、おそらく皆様もお分かりなのではないでしょうか。
  • 再生支援については、事業者又は金融機関の事情により先送りされることも多い。評価指標がなんらかのメルクマールになれば活用が高まり、ファンドと再生支援協議会、地域金融機関が組んでもう少し痒い所に手が届く様な支援ができるようになるとよいのではないか。
  • 事業再生や知財担保融資など、ここまでの経験から、やはり企業の評価における個別性は本当に広い。指標化も大変だが、これを生かしていくのも大事。いわば人間ドックならぬ企業ドックに入っていただいて、あなたの健康状態こうですよ、こういうところが将来悪化しそうですよ。どうしますか、これはあなたの経営判断ですよ、と気づきを与え、マネジメントの改善を図るような活用が望ましい。その時に経営改善を進める人財やこれを支える仕組みをパッケージにした指標を活用していかないと意味がないのではないか。
  • コングロマリットは把握するのが難しく、基本的に個別事業の指標間の分析が大事になるのではないか。また、技術評価については、知財は知財だけでは成り立たない。これを活用する人材やノウハウが必要であり、技術進行の速さへの対応なども留意すべき。
  • 再生支援の現場の声として、中小企業を再生していく上では、経営者の方の理解と実行に尽きると考えている。今回の指標に基づいて、顧客に対して位置づけはどういうところにいますよということを分かりやすく示すことができ、なおかつそれを実行した暁には助成金や対外的な信用力の向上、税務免除などのメリットが整備されていると、現場にとっては経営者に対して伝えやすい。
  • 経営改善の現場において、財務的な分析は非常に良い仕組みができているのだが、現実的には、経営者の方の納得や理解が、なかなか十分に進まないという場合もあるので、そういった場合にはベンチマークとかそういったものがあると話が進めやすいかなと思う。どうしても、課題からいきなりP/LとかB/Sにいきがちであるが、KPIなどを設定することによって対話が出来れば効果的と思っているので、ベンチマークがそういった方向性になると、有意義だと思っている。
  • 私共のお客様は大企業と違って社長が株主であり、財務も会社と個人が全く分離していない状況。例えば年商10億円足らずの企業で毎期5,000万円ずつ、20年位赤字を続けている企業があったが、社長が先代から受け継いだ資産を大量に持っていて、会社にどんどんつぎ込んでいき、結果として20年赤字を垂れ流しても潰れずにいるという状況もある。最終的には2年ほど前に再生支援協議会に入れて、今は黒字になっているが、中々社長ご自身からは動いていただけない。ぜひ色んな指標や兆候などを勉強させていただいて意見交換出来ればと思う。
  • 中小企業や小規模企業の経営者の方も、一番難しいのはやる気にさせることであり、やはり何かのきっかけが必要。再生という話になると、皆さん面子もある中で、どうやって兆候を掴むのかというところもある。そこで、今回の指標を、全国の商工会議所の経営指導員に周知することによって何かきっかけ作りが出来るかどうかが大事。先程お話があった通り、メリットがセットであると、余計にやる気になる場合があるので、その辺りは助成や保証、融資、税制と色んな形があるでしょうけれど、そこをセットでお考えいただけるといいのかなと思う。
  • 評価指標の目的は、現状が分かるだけではなく、改善につなげることだろう。その為にはある程度シンプルで考えやすい構造と、経営者と従業員が協力して改善できる指標が良いのではないか。
  • 例えば労働生産性であり、ある温泉旅館で、1人1時間当たりの生産性が2,000円だったが、それを、付加価値を上げる為にどうしようというのを従業員と一緒に考えて、無駄なことをまず止め、逆に食材なんかはお金をかける、それを経営者と従業員が対策を図りながら5,000円以上に高めたという事例がある。
  • また、事務局説明資料の12ページで紹介されている、JSCI(日本版顧客満足度指数)は、ある企業で中期経営目標に活用されている。その理由として、財務的な資料は従業員にとって実感はないが、お客さんの満足度は、従業員のモチベーションに繋がる。従業員の視点というのもぜひご検討いただきたい。
  • 金融庁では、昨年9月に金融モニタリング基本方針を策定し、その中で、事業性評価に基づく融資等を大きな柱としている。
  • ライフサイクル云々というお話は、様々なライフステージにある企業の事業の内容や成長性などを評価して、それに基づいて適切な支援策を提案し、その実行を支援していくという取組みであり、各金融機関には、今まさにそういった取組みを促しているところ。
  • ローカルベンチマークとは何かと考えると、経営者と経営支援の担い手との間の議論のきっかけになり、経営者が課題を認識してそれを共有するというツール、そういった気づきを与えるものにもなればいいと思う。
  • 今後、重要なのは、成長鈍化の局面に入っている企業にできるだけ早く経営課題を認識していただいた上で、様々な支援策を講じて、経営改善等を図れるようにしていくことではないかと考えている。

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最終更新日:2015年6月12日
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