経済産業省
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地域企業 評価手法・評価指標検討会(第3回)‐議事要旨

日時:2015年9月25日(金曜日)14時00分~16時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議事概要

委員等からのご説明

事務局説明

討議

  • どれも興味深い内容であった。中でもツトム経営研究所様の知的資産の部分は興味深かった。この知的資産を取扱ってから融資量・融資先数共に増えた信金の例があったが、審査する側からみると、お客様のことをよく知って、特に他社にない強みなどの知的資産の部分が書いてある所見であると、無担保であっても印鑑を押しやすいのは確かだと思う。それが書いていない通り一辺倒な所見であると、財務内容や担保に依存する融資となってしまう。そのため、事業性評価においては知的資産の部分は有効活用していかなければならない部分であると思った。
  • 私が2~3年前に営業部にいた時、お客さまの企業再生・経営改善を行うため、外回りの職員に行く先々で悩みを聞く活動をさせた。その中で驚いたのは、「うちには給与規定がない。」という中小零細企業の社長様の話である。その企業の社長様の話によると、その企業は、今まで親戚など身内の社員のみであったため、給料についても社長の独断で決めており、休みについても基本日曜は休みだが仕事がない時は休んでいいとしていた。売上も上がり、身内以外の社員を雇うようになってから、社員に、給与面・休暇面などについての将来への不安が高まり、やりがいがあまり感じられないという話が出るようになった。そのような話を受け、専門家の派遣の要請を行い、色々な規定の準備のお手伝いをさせて頂いた。その1年後に伺ったところ、社員のやる気が上がり、自分から色々な意見を言うようになったという話を聞いた。また、会社として売上も上がり、利益率も良くなったという結果を聞くことができ、嬉しかったというのがある。そのような悩みを抱える中小零細企業はまだまだあるので、これからも解決のお手伝いをできたらと改めて感じた。
  • 地域全体のマクロのベンチマークや、企業財務データからの指標や顧客満足度指数など、今回のプレゼンの内容を統合することは、価値のあるものと考えている。
  • 企業自体が改善活動・改革活動をしていく時、グローバルの企業と違って、地域差に違いはあるものの、比較的ノウハウの横展開をしやすい産業は多いと思う。そういう意味からすると、森下委員やひょうご産業活性化センター様の話にあったように、色々な指標や改善活動を横展開し続けることは大事だと感じた。
  • 例えば、今日プレゼンされたものを統合的に網羅し、全国一律どこでも使えるようにして、それを皆さんで使い、ブラシュアップしていけば、企業にも金融機関にも使い易いものになるのではないかと思う。コンポーネントとしては揃っているので、それをパッチワーク的に使うのではなくて、広域的に使えるものにするのが、今後の課題なのではないかと思う。
  • 事務局提案の定量的・財務的な指標は、考えていた様な内容であった。定性的なものをどう具現化・一般化していくというのが難しいと感じている。定性的なものの中でも、定量化できる顧客満足度はその中の一つで、従業員満足度のように他のものでも定量化の試みをしていくことが必要だと思う。
  • 知的資産経営の中では、価値創造プロセスの絵を描けるということが一番大事であると思った。価値創造のプロセスを認識することは企業単独では難しいので、金融機関や外部の専門家との対話を行い、自社がどこに力を入れていけばいいのかということがわかるようになることが必要だと感じた。
  • これまでの経験から、中堅・中小企業の財務データは正確性に疑義があることが多い。そもそも、企業評価のベンチマークを策定するにあたっては、定量的なアプローチに頼らざるを得ない。そのような中、今回の複数のプレゼンで、企業の定性的な部分におけるアプローチの成功例や分析例をお聞きして、極めて論理的なアプローチで企業を評価するよう努力されていることが良く分かった。こういう事例を参考にすれば、当委員会で目指しているゴールが随分近づくだろうという感想を持った。あとは、どういう切り口でどの指標を選択し、それぞれの項目についていかに意味ある内容を埋めていくかが、次のステップだと思う。
  • 定量的な指標において、自社の指標と比較するための基準点を設けるのは、まだ問題点を認識していない経営者の方と一緒に経営再生をしていく上では面白いと思う。
  • 一方で、定性的な分析のヒアリングシート(案)には、予め取引先の経営計画等の内容を把握していないと書けないものが含まれており、これから課題を共有していくという段階においては難しい面があるのではないか。また、定性的な分析は、金融機関内部では行っているが、そうした情報を取引先に提示することが難しい場合もある。但し、こうしたアプローチがなければ、経営再生のきっかけにもならない点は事実のため、何かいい定性的な指標をベンチマークとして見つけられたらいいと思う。
  • 定量分析は基本ぶれないが、定性的分析については、職員が様々なアプローチで分析を行うため作業量が増えるというのが、弊社の問題点と感じている。同じような会社に対して定性分析を行う時には、横串的に型を作って、手を動かす業務と考える業務に分ける必要があると考えている。手を動かす業務というのは、他に委託できる業務なので、データをみて真剣に考えていく時間を取らないと、弊社として生産性の問題がでてくる。特に定性情報をどう整理しようかというのが悩みの種となっている。皆さんのお話が参考になると感じた。
  • 大事なのは、経営者がどうやって気づくかということである。自分自身が疑問に感じている内容を経営者に提示しても説得力がないので、シンプルで分かり易いロジックで経営者に語り掛けることが大事なポイントだと思っている。事務局資料に書いてある「聞きやすい」「分かり易い」「聞く姿勢になるためのポイント」などの所謂当たり前のコミュニケーションの問題が、地域の企業が抱える問題となっていると感じている。アカデミックすぎない中小企業の経営者が分かり易いツールを作った方が、広がると思う。ゴールとしては、分かり易いロジックを作ることだと思う。
  • 事業再生の仕事も職員の経験値により差が出てくるので、一律というとどこまで目線を下げないといけないのか分からないが、分かり易いツールを作ることが、弊社内の生産性を上げることにも繋がるため取り組んでいきたいと考えている。
  • 経営者と従業員のギャップを過去に経験したことがある。私共には専門家派遣制度というのがあり、事業者の依頼に応じて専門家が1~2年かけて支援する。以前、豆腐を扱う企業の経営者から、効率化・生産性を上げたいという依頼があった。中小機構に専門家登録している元自動車メーカーの技術者と職員で3日ほど対話を行ったところ、生産性・効率性以前の問題があることが分かった。具体的には、経営者が目指す事業の方向性・ビジョンについて、社員と共有ができていないことが分かり、2年に渡り経営方針、事業計画等のアドバイス支援を実施した結果、その企業はV字回復をした。
  • 定性的な部分ではあるが、経営者の事業への思い、経営者が描く事業の方向性・ビジョンは明確であることが重要であると感じている。それらが何らかの形で指標化できると、従業員との目線合わせをする時にも使えると強く感じた。
  • 2006年から知的資産経営支援に関わり、当初は強みや弱みの洗い出しにはSWOT分析行っていたが、強みとした所が裏返すと弱みになったりすることで議論が混乱し、なかなか企業の本質に迫れなかった。
  • いい方法はないかと思い、業務プロセスを洗い直してはどうかと思い、実施したところ社員の方が自分自身の事として捉える事で強みや課題の見える化ができた。
  • プロセス分析では、「時間」を指標に、プロセスが円滑な箇所に「知的資産」が隠されている一方、滞っている箇所に知的資産の逆の「知的負債」があり、「なぜ」「なぜ」を繰り返してそれらを明確にさせることを狙いとしています。
  • プロセス分析では、どう改善すれば次工程以降が楽になるのか、お客様の価値に繋がるようになるのかを議論することで企業価値の「見える化」できるようになってきた。
  • 一方、知的資産経営の取り組みは個人個人の力量にばらつきがある。標準的な手順はないかと考え、資料のp30に掲載されているような一つのメッソドを作り、順番にワークシートに落とし込むことで知的資産経営に取り組めるようにした。
  • シートの左下のサークル図のところだが、最初の気づきが大切なので、沿革や業務プロセス分析を行い経営者や社員の皆さんに自社自身の事に気づいてもらうようにしている。次にその気づきから自社と他社との違いを考えてもらい、違いや尖りを更に高める方法を考えてもらうようにしている。気づきのフェーズでは細かい質問方法も提供している。
  • そうして判明した内容を元に、どのような形で実行していくのかなどの戦略を考え、次のフェーズとして具体的に戦略を実行し、その後、検証・見直しを行うという一連のPDCAサイクルが回るように作り込んでいる。
  • このメソッドを使って金融機関や支援機関などで企業さん向けに実施しているが、企業からの評価は高い。洗い出された事項は点数評価を行う事で更に明確にされるので、社長から具体的で前向きな意見を頂けるようになる。
  • このメソッドについては実施するたびに改善を加えている。支援者の力量によって支援にばらつきが出るのは良くないので、標準化したものを使用し、どのような手順で、どういう掘り下げをすべきかなど、具体的な手順書を使用すると良いと考えている。
  • 定性分析において、皆さんの悩みが共通していると感じた。
  • 私からは、事務局資料14頁の「定性分析について」における「項目4.経営者が話を聞く姿勢になるためのポイント」および「項目5.経営者から広く深く話を聞き出すための聞き方のポイント」について、意見を述べたい。
  • 私ども商工会議所は、支援機関の一つとして位置づけられていると思うが、経営支援を行う際、経営者に何らかのインセンティブや出口をお見せすることが必要だと思っている。単に「成長に向けて、事業計画を作りましょう」などと言っても、「仕事で多忙である」と言われてしまうことになってしまいがちである。
  • インセンティブとしては、金融機関の「融資」や、中小企業庁の「ものづくり等補助金」「小規模事業者持続化補助金」などの「補助金」は、とても有効である。また、先ほどご説明があった「知的資産経営報告書」や、都道府県知事が承認する「中小企業新事業活動促進法に基づく経営革新計画」等の活用によって、企業の信用度・知名度を上げることもインセンティブの一つとなる。
  • 商工会議所の経営指導員が、経営者にヒアリングする際に、一番気をつけていることは、経営者の潜在化しているニーズを聞き出すことである。例えば、商工会議所の相談窓口にお越しになられた経営者が、融資を希望されているとしても、単に融資相談に応えるだけではなく、より相談内容を掘り下げる必要がある。経営者は多種多様な課題を抱えて相談にこられるので、話を丁寧に掘り下げて聞いていくうちに、例えば、目先の課題に対応するための融資の相談というより、実は経営を立て直すために新製品を開発したいなどの、隠れたニーズが出てくることとなる。真のニーズを把握できれば、商工会議所の経営指導員は、事業計画の策定を直接支援したり、専門家との連携支援により、企業の経営課題の解決をご支援することとなる。
  • 今回、検討している共通フォーマットは、全国の約3,500人の経営指導員における経営支援の標準化に大きく寄与するのではないかと、大きく期待しているところである。
  • 地域経済循環分析の背景として、何の為にローカルベンチマークを策定するかというと、地域の活性化を企業レベルでどう実現化するかというところにある。その意味においては地域の企業の強み、それは個々の企業の強みでもあり、地域の産業の強みでもある訳だが、それを地域の企業の経営者の方や地域の金融機関の方に気づきとして認識してもらうということが出発点。定性指標についても、今後地域の自治体別に総合戦略として、地域の強みを生かした産業政策が打ち出されてくるだろうと考えており、そのあたりを定性指標の中にどう位置付けるのか、別の政策の中でどのように考えていくのかを議論した方がいいと考えている。
  • 数字だけでは経営者とは対話しにくいので、モデルケース・良いサンプルを活用してはどうかと考えている。もう一つ定性的なところでは、中小企業において経営者の資質は大きいと考える。そのため、経営者の経歴や在任期間中の業績の推移、具体的成長戦略の有無などを、定性指標の一つとして取り入れるのは難しいかもしれないが考え方としてはあり得ると思う。あとは、中小企業の場合、人材によるところが大きいと考えるので、人材の育成のやり方やシステムなども定性指標の中に入れてはどうかと思う。
  • 最後に一点、業種区分について、一律ではなく主業と副業を具体的に売上高の構成比などをもとに分析して対応していくことが大事だと思う。
  • 事業性評価ということが言われて久しいが、私共も金融機関としてやっていかないといけないことである。なぜ、そのようなことが言われているというと、現場では目標が設定されているため、即ビジネスに繋がらないものについて優先度合が低くなってしまうという現実がある。ここは反省しなければならないと考えている。
  • 事業性評価については、取引先の実態把握の進化であり、真のリレーション・課題・ニーズの相互共有が重要であるので、そのための対話手法・具体的な事例を現場に示し、それが近道なのだと経験させて、その気づきによる相互理解による喜びなどを与えられれば、現場に浸透していくと考えている。テクニックに走ることなく銀行員として本質的なところを呼び覚ますような高度になりすぎないような具体的な取組みを、産官学・外部の専門機関・こちらなどと連携しながら積み上げていくことが大事と考えているので、これからも様々な意見交換をさせて頂きたい。
  • 企業の経営者に「気づき」を得てもらうのが産業支援機関の役割である。評価指標については、例えばお金を貸す立場や産業支援の立場、行政の立場という多様な立場があるため、共通の指標を策定するのは難しいと思っていた。しかし、この「気づき」については、現状では、経営者にどういう問いかけをしたらよいのかという「問い」の出し方やワークシートはそれぞれの支援機関により千差万別でバラバラだと思う。標準的な「問い」を設定できれば、企業の課題を引き出す有効な手法になるかもしれない。金融機関であれ、産業支援機関であれ、行政機関であれ、企業の経営を支援するのは共通の目的なので、経営者の「気づき」のためにどのような「問い」を出せばいいのか効果的な手法をまとめて頂ければ、中小企業の経営支援のノウハウになるので是非使わせて頂きたい。
  • 様々な手法が既に存在していて、なおかつそれを使って色々なことが分かってきている。
  • 例えば話のあった信金のように、それによってすぐに業績がよくなったとかそのような単純な話ではなく、それをやろうとする企業の側も長期的にいうと正常先を少し下回るなど、要注意先だったりするなどがあるので、意外と具体的なランクアップとかに繋がるような話になってきている。いろいろな手法をバラバラに置いておくのではなく、上手く融合できるという方向性もありかなと考えている。
  • 事務局説明のところはもっと時間をかけてやって頂ければならないところだったが、業種・地域に差がないのは困ると思っている。業種も、産業全体の7割ぐらいがサービス業なので、事務局提案の区分けよりも観光業でくくるなど、別の区分けでやる方がいいのではないかなど考えている。 また、企業ステージごとに分析を行うなど課題が残っている。そのような課題を事務局へ投げかけてもらいたいと考えている。それを帝国データバンクの方に投げかけ、作業を行ってもらい、次回議論する必要があると考えている。このあと世の中にどう周知していくか、どういう形で世の中に普及していけるかというのが重要となってくると思うので、どういう団体に投げたらいいかなど、事務局が考えていることもあるが、幅広に考えていきたいと思う。
  • 次回については10月末開催予定している。今後は、今年末を一つのマイルストーンとする。対話のたたき台にするものを作り、それを使ってブラッシュアップすることが大事であるとあったので、そういうものを作っていく。我々事務局の考えとしては、皆様から頂いたもので皆様に作って頂くことを考えている。先ほどの27の指標もその一つで分析をさせて頂いている。その一方で、マイルストーンの後も含めて、このように使うなど活用のご議論を頂きたい。そのためには、先ほどの話にあったインセンティブの仕掛け等のように、こういうことを仕掛けてはどうかなどのご議論を頂きたい。
  • 最初にインパクトがある企業体としてコングロマリットの話があったが、固有名詞を含めて個別に見て、イメージとしてどのようなところが対象となっていくのか議論していく。ベンチマークは、指標だけではなく、行動、作法として評価する側あるいは企業の側がこういうことをしていくといいのではないかということも、定性指標と共にご議論頂きたい。

以上

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最終更新日:2015年10月16日
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