経済産業省
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地域企業 評価手法・評価指標検討会(第7回)‐議事要旨

日時:2016年2月9日(火曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議事概要

試用結果についてのご報告

  • 有限会社ツトム経営研究所様
  • 株式会社横浜銀行様

事務局より取りまとめ案について説明

討議

  • 複数の金融機関の社外取締役をしている。本日、委員2名からトライアルの話を聞いて、やはり定性部分のところの理解の必要性が大きいと感じた。財務の部分については自分が社外取締役をしているある銀行については、全てデータベース化し、PDCAを回している。決算書から4ヶ月の段階で全てデータをいれて、財務面のみならず経営面、営業面の経営課題の共有も経営者と行っている。
  • 一番の大きな問題は定性のところで、ここは非常に難しい。特に知的資産の部分はヒアリングしても担当者により濃淡が有り反映されていない。地方の場合ファミリービジネスが多いので、地域の企業の伝統と革新が何処にあるのかを把握していくことが課題だと感じている。知的資産をどう深めていくか、流行っているラーメン屋とそうでないラーメン屋の違いがどこにあるのか、そういうレベルで把握することが必要。
  • 知的資産をどう組み込んでいくかがローカルベンチマークの次のステージで力点を置いて欲しい部分。金融機関は財務面のところは自信があるが非財務(定性)は弱い。これを機会に知的資産の考え方を広めて欲しい。
  • 地方創生でどこに目線を置くかを考えたときに、政令指定都市とそうでない地方にある企業を比べたときに年商に大きなギャップがある。当然ながら見るべきベンチマークも変わってくる。現在選定されているベンチマークの中では、特に労働生産性に違和感がある。労働生産性は確かに重要な視点であるが、地方においてはどれだけ地域の雇用を維持するかも大事。決して儲かっていなくても従業員を抱えている企業は地域にとって重要ではないか。生産性を上げようとすると、強烈な失業が発生する。大都市であれば失業を吸収出来るキャパシティがあるが、産業空洞化している地方ではそうはいかない。銀行が一緒になって再就職先を探してあげている状況。理屈では労働生産性は大事だが地域の実情を考えると頭が痛い。そこをどう組み込んでいくかも今後検討頂ければ。
  • 最初に、今日提示頂いた取りまとめ案についてはこれまでの検討会の議論を踏まえた内容になっていると感じている。先程トライアルの話を聞いたが、自行で活用出来るという話を聞き、金融機関として安心している。中小零細企業の経営者の多くは現状を打破しないといけないと思いつつも何も手を付けずに目の前の仕事をこなしているのが現状。
  • 我々は条件変更先については企業再生チームを作っている。それ以外についてはサポートチームを作り2つのチーム体勢で動いている。全先には廻りきれないが、リストアップした先について自行のツールで提案をしているが、ローカルベンチマークを活用しながら対話を進めて企業を良くする活動に繋げたい。
  • 問題は、アプローチできていない先がまだ相当数あるが、そのような先はなんとかしようと思いながらも手を打てず、金融機関や他の支援機関からのアドバイスも受けていない。ローカルベンチマークは会話のツールだが、企業経営者自身が使用して、自社が今置かれている立ち位置を認識することや、分析内容をもって経営者サイドから支援機関を訪問するなどのアクションを起こすことも必要なのではと感じた。いずれにしても最終的にはお客様と会話をして良い方向にもっていくツールとしては使えると考えている。
  • それぞれの金融機関が各自の様式で動いているが、ロカベンの考え方をいかに組み込んで活動していくかが今後の課題では無いか。
  • 取りまとめについては個別に具体的な意見は特段無いが、やはり一番大事なのは活用を定着化させること。今回トライアルをしてもらい、経営者、金融機関双方に意義あるものだと分かった。ただ課題は実際に評価する金融機関、支援機関の担当者のスキルだと思う。このツールについての研修を行うなどして理解を深めることや、それを推進する機関が必要かなと思う。
  • また、各金融機関、支援機関でも独自のツールがあり、各自が今回のツールをカスタマイズして使うことになるかと思うが、いろいろな活用の仕方を共有してブラッシュアップするために情報を集める組織があっても良いのではないか。
  • PDCAを回すためには、一番の活用者と期待される金融機関が企業を評価して、ある程度の課題を共有した後に、他の支援機関に上手く繋げる仕掛けがあると企業の改善にも非常に繋がってくるのでは無いか。
  • 本日の発表についても大変参考になった。ヒアリングにかかった時間が2~3時間ということだったが、随分短い時間でヒアリングできたなと言う印象。記載されている内容を突き詰めてヒアリングしようとすれば、本来もっと時間がかかると思う。今回ヒアリングを行った担当者は、事業評価に慣れている方々だったのだろう。
  • ここに書かれているヒアリング項目は、本来銀行の担当者であれば知っていないといけないこと。今回のような一定のフォーマットに従って、事業の内容について企業の経営者と膝詰めでヒアリングすることは、大変意味のあること。銀行が会社を知るという意味でも重要だし、担当者の「事業を見る目」の育成という観点でも意味があること。このフォーマットで良いのかという問題もあるだろうが、個人的にはこれを共通のフォーマットとしてある種義務づけすることが、成果をより発揮することにつながると思う。本来であれば、金融機関はこのフォーマットを埋めた後には、何を顧客に提案するかを考えるべきであり、これはあくまでベースのデータという位置づけ。
  • ただ、繰り返しになるが、このヒアリングは相当に難しいと考えている。会社サイドにとっても、ヒアリングを行う銀行が同業他社と取引がある場合、その事業内容を全て話して良いのか迷うこともあるだろう。どこまで深くヒアリングできるかは、金融機関と会社の信頼関係の中で生まれるもの。少なくとも金融機関にとって、メインバンクとなっている先については、この全てを完全に聞ける状態じゃ無いとだめだろう。その上で、金融機関は何を提案出来るかを考えないといけない。
  • マイナス金利が発動される中、最近地方銀行では、「事業に対する融資」だけでなく、「事業のエクイティ投資」についても検討していると聞く。「事業のエクイティ投資」に取り組むには、通常の「事業に対する融資」の場合よりもっと深く事業を知る必要があり、このような事業性評価の取り組みは必須だと思う。また、商工会議所でも問題意識のある「事業承継」について、取引先の悩みを解決するには、銀行はM&Aにも積極的に取り組まないといけない。そういう意味でも、今回の取り組みは重要だと思う。
  • 今回の取組みをどう定着させるかが最も重要なので、関係当局の皆様には是非お力添え頂きたい。また、一旦ヒアリングした内容について、どういうタイミングで更新していくかも大事。1年に1回、決算書の出たタイミングでいいのか、もっと頻繁にするべきなのか、それは作業効率と効果の兼ね合いで考えるべき。
  • 金融機関、支援機関がどういうことを各企業から聞きたいのかということを世の中にオープンにすることの意味合いは大きいのでは無いか。金融機関、支援機関で多様な様式を使って企業支援をしているが、一つの共通のフォーマットとしてローカルベンチマークがあるのは非常に大きいと思う。
  • 普段各支店等で企業再生に携わっているが、企業経営者によって再生に取り組むモチベーションが全く異なる。今日トライアル結果を発表頂いた6先はおそらくメイン先でコミュニケーションがとれているところだと思うが、実際にはなかなかコミュニケーションがとれずメイン先、準メイン先でも苦労することは多い。そのような企業にこうしたツールを使ってヒアリングをするということは、まだ内容を良く分かっていない以上、どんな支援ができるか不明な状態でヒアリングをするということになる。中には十分な応援ができない企業も出てくるだろう。そうした企業もあり得るということは心に留めておく必要がある。
  • この検討会が始まってから我々が考えていたのは、どのような形で検討してきた指標を活用していくのかということである。基本的には、銀行を中心とする地域金融機関が融資先の事業性評価を行う際に利用されると想定されるが、その他にも我々が過去に対応した産業診断や地域診断のようなものにも上手く活用出来る余地があるのではないかと思われる。
  • 現在、我々のところに、或る温泉地域から地域の面的再生に向けたファンド組成の相談が来ている。その地域は産業として温泉しかなく、観光資源が乏しい中で旅館が疲弊している。そのため、ファイナンスによるB/Sだけの改善では不十分で、その先のものとして、地域の活性化につながるアイデアを考えていかなくてはいけない状況にある。その中心的な役割として期待されるのが地域行政や地域金融機関である。これらがある一定の方向性を共有し取り組むことによりモデルケースになると思われる。
  • その際、内閣官房及び経済産業省が開発に携わってきた「RESAS」が地域経済分析を行う際に地域行政のサポートになっていると考えている。しかし、「RESAS」は民間では全てのメニューを使えない。そこで、当検討会で検討してきた指標と併せて、行政、銀行、支援機関による面的な地域経済診断につながれば、各地域において足りない産業、余剰になりつつある産業が見えてくるのではないかと考えられる。また、このような取り組みが深化すれば、地域の活性化につながる新しい取り組みが創出できるのではないかと感じている。以上が1年間にわたり本検討会に関わってきて感じたことである。
  • プレゼンについて興味深く聞かせて頂いた。聞く側のトレーニングが大事でそこが根っこに無いと形骸化してしまう。その意味でもこれを作って終わりでは無く発展させていく、例えば業種別の質問項目を作る、少なくとも製造業、非製造業を分けるなどの複数のバージョンを作る取り組みなどを今後のPDCAで行っていくべき。
  • また、これを何のために作ったのかということで言うと、本来、地域企業の成長戦略に繋げるためのローカルベンチマークであったかと思う。いかに地域に周知させ使って貰うかが重要であり、周知の原動力になるものを考える必要がある。それは成功体験をシェアするということ。ツールを使うことでどのように成功していったのか、経営が改善していったのかを横展開していく。各企業の中でシェアすることが周知の原動力になるだろう。そのため、対話のツールを使って経営に成功された企業のデータベースを構築することも大事では無いか。
  • 今回トライアルでヒアリングされた方はベテラン中のベテランである。経験の浅い担当者がいかにこのツールを使っていくかという点がポイントだろう。トライアンドエラーにより場数を踏んでいく他、複数の委員からご指摘があったように、成功事例の共有がなされれば活用が広まるのではないか。
  • 6つの指標を有効に活用するのは重要な見方だと思う一方、指標を一律適用するのはどうかなという思いもある。再生支援、事業承継、地域の雇用といったことを考えた際に、例えば生産性だけを見ればいいのか、そういうところを解きほぐす必要がある。専門機関にどう繋ぐかという意見があったが、まさに我々はその専門機関として活動している。
  • 表面財務でなかなか見えないところがある。例えば、売れ筋がなんなのか、返品がどれくらいあるのか等は、なかなか財務指標だけでは見えてこない。我々は実地調査をしながら商品自体の時価を出す。そうすると企業の事業価値そのものにかなり迫れる。
  • また知的資産の考え方は事業価値そのものを見極める上で非常に重要。非財務情報については今後勿論議論を深めていくと思うが、このなかで、オンバランスの事業性資産の実地調査や時価情報などを活用し、オフバランスの知的資産も評価することで、具体的に実抜計画等を組み再生支援をしていく、そうなると、事業承継もスムーズにいく、さらには成長支援においてもこうした考え方を活用することが大事だと感じている。
  • 様々な方が仰って頂いた内容と重なるが、ベンチマークは、如何に活用され、経営改善という成果を上げていくかが重要である。金融庁が金融機関に対して、指標を一律に適用するように働きかけると、金融機関と経営者の対話は形式的なものとなり成果が上がらず、1・2年は盛り上がっても、いずれ消えてしまう。そのようなことにならないためにも、最終的にはこのベンチマークを、「経営を改善するという成果」、「意味ある対話」に繋げていく実務レベルの定着が必要。
  • 現案のローカルベンチマークは金融機関の実務からみると入口ベースであり、金融庁が金融機関に求めている事業性評価に基づく融資というのは、これだけでは無理というのが正直なところ。この入口から更に深い対話を行い、経営課題を見える化して、それについて金融機関と経営者のコミットメントができて初めて事業性評価に基づく融資と言える。そういう点ではこれを入口として使っていくという位置づけは明確に示していく必要がある。そこがはっきりしていないと、「これだけで融資ができる」、「これだけで事業性評価に基づく融資と言える」という誤解を生み、逆に現行の金融機関のレベルを下げてしまう。入口という意味で大事ポイントは、利用しようとしない企業にどう利用させるかということ。金融庁において企業ヒアリングを実施しているが、メインの金融機関と日頃経営課題について対話をしていないという企業が3割程度存在。残り7割についても対話をしているものの、その内容は非常に簡単なものが多い。そのような金融機関と企業の関係の改善に、どのように活用していくかというのが一つの課題ではないか。重要なのは、金融機関だけではなく、支援機関含めた共通言語として使用できるということ。そして定性面の更なる深化も期待される。
  • このローカルベンチマークが、ある意味でコアのところは共通言語化していく必要があるが、その先で、様々な人に使って貰うために、「支援機関毎・企業毎に色々なバージョンが出来て浸透していく」というのも一つの考え方。今後、PDCAサイクルを回すなかで、そういった改善をしていくことも必要なのではないか。
  • 今日の段階で、前回までの議論を踏まえて大体こんな形で世の中に出してもおかしくないという内容にまとまってきたのではいか。多くの方が言われたように多分役立てられるのだと思うが、作ってみたけど結局は使われないとならないようにフォローアップもしていくことも含め、事務局に引き取って貰えればと思う。まとめについては細かい微修正については事務局に任せ、しかるべきタイミングで公表すべきと考えている。
  • 今日の議論を受け、事務局としての今後の作業、進め方について、いただいた示唆を含めいくつか申し上げたい。今回の会議を受けて、「中間取りまとめ」としてまとめていく作業に入る。これまでの検討会で頂いた意見はおおよそ素材として入れていただいたと思うので、後は体裁を整えることとどう分かり易く伝わるようにしていくかという作業をしていく。その過程ではまた意見をいただければそれを事務局のほうで整理していこうと考えている。
  • ツール、データ等、これまでの資料も含め、どのようにセットとして発表していくかも含めて事務局として整理し、皆様にご相談したいと思う。経営を改善するためのツールとして成果を上げることが重要という意見があったが、これまでここにいる委員の皆様の英知と経験を結集してまずはツールを作ってみた。そういう意味では帰納的に、現場の感覚も含めて、きっと経営改善に資するだろうという仮説、叩き台、スタート台としての材料はそろえていただいたと感じている。これをまさにフォローアップしていき、実際使ってみてどうだったのかという作業をしていく段階に入ると考えている。
  • これから中間取りまとめに向かって皆様からご意見頂戴するもの、お示しするものはスタート地点であり、今後はベンチマークを入り口として、むしろベストプラクティスを見ていく、広げていくという段階になると考えている。これはそれぞれの機関の方、企業規模、業種によって違うと思うので、皆様のご協力をいただいて取り組んでいきたい。
  • 「中間とりまとめ」の発表のタイミングについては、何人かの方から2月末~3月の頭くらいに出ていると、来年度の事業計画に組み入れ易いという意見もあったので、まずはたたき台として2月中には皆様にお示ししつつ、できるだけ早め、3月の頭には発表をできるように準備していきたい。
  • 関係省庁とこれから関連施策も出てくるので、ローカルベンチマークが出た後、どう連携していくのか、そして支援機関とも連携の話をしているので、発表後の第一フェーズとしてそこの話をやっていきたい。金融機関、支援機関の活用例を伺って集めていく。財務、非財務もデータの積み重ねもフォローアップとしてできればとの示唆もあったので検討してご相談したい。関係機関、支援機関が参照とするツールのようなもの、データ面、これまで蓄積したものも地域の経済動向の把握として使える物も皆様からのご示唆も得ながらお示しできればと思う。
  • 第一ステップとしてこの取りまとめをしていくのにご協力頂き、その後に各機関での周知、関係省庁や施策との関連づけをしていきたい。そして、活用例、データ、ベストプラクティスのフォローアップをしていく準備も並行して行う。これを踏まえてベンチマーク自体をお示ししていきたい。
  • まずは、作るところまではこれでということで、次の使うフェーズで皆様のお知恵を借りていきたい。本日はありがとうございました。

以上

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最終更新日:2016年2月26日
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