経済産業省
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コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会(第15回)‐議事要旨

日時:平成27年5月22日(金曜日)15時30分~16時50分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

神田委員、阿部委員、江良委員、大杉委員、大場委員、国井委員、黒見委員、静委員、関委員、武井委員、田代委員、寺下委員、濱口委員、広瀬委員、藤田委員、古本委員(代理 長谷川様)、竹林オブザーバー他

議題

研究会の検討の取りまとめについて

議事概要

はじめに事務局より報告書の骨子案等について説明した後、討議を行った。概要は以下のとおり。

1. 法的論点に関する解釈指針(素案)について

(1)取締役会の上程事項に係る具体的な考慮要素について

  • 社外取締役の活用の在り方は各社各様であり、助言者として積極的に関わってもらうことを指向する会社においては、上程事項を限定せずに広く議案を取締役会に上げていくというガバナンスの在り方もあると思うので、取締役会に期待する機能に応じて考え方を整理すべき。

(2)社外取締役の役割・機能及び業務執行性について

  • 企業が大規模な第三者割当増資や支配株主との重要な取引等を行うときに、上場ルールで、独立した方の意見を入手することが求められているが、社外役員の意見を使っている企業もある。上場規則等の求めに応じて「独立した立場から意見を述べること」も、当たり前かもしれないが、業務執行にあたらない例として加えてはどうか。そうすれば、そうした例も今後増えてくるだろう。
  • 社外取締役が「自らM&Aその他の商取引の相手方を発見し、紹介すること」は、アメリカのビジネス書ではよくある話として書かれている。もし業務執行に該当しうる場面を挙げるとすれば、外部のサービスを紹介する時に、外部側のセールスマネージャーのような立場に立ってしまう場合。そういう場合でない限りは、社外取締役を務めている会社の利益を図るために情報提供するのは十分許される。
  • 素案では、社外取締役の役割・機能として3つ挙げられているが、コーポレートガバナンス・コードでは4つ記載しており、抜けているのは「少数株主をはじめとするステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させること」である。整合性の観点からはこれを加えてもよいのではないか。
  • ステークホルダーの意見を反映させることというのは、社外取締役の役割の背後にある究極的な目的であり、業務執行の基準をはっきりさせるという意味では必ずしも追加しなくてもよいと考える。
  • 社外取締役が株主と対話・面談する場合の目的が、株主に対し監督者として取締役が機能しているかどうかのアカウンタビリティーを果たすことであるとすれば、対話の際、資本効率性の向上や収益性といった執行に関わる話には踏み込まないことも考えられる。
  • 投資家の定義は不明確であり、例えば自らを投資家と偽れば誰でも社外取締役に会えてしまう可能性がある点は留意すべき。
  • 今後の議論として、対話の相手が社内者ではなく社外取締役の出席を求めたときに、社外取締役がどう行動すべきかを考えていく必要があると思う。
  • 上記の点は、コーポレートガバナンス・コードの思想として、社外取締役は株主を含むその他のステークホルダーの利害を考慮すべきとされている関係でも、今後検討すべき。
  • 株主総会でも監査役向けにあった質問に対して執行側が答えるか非業務執行者が答えるかという区分けがあるので、そうした考え方を利用して、非業務執行役員も義務ではないとの前提の下で、対話に参加することとすればよいと思う。

(3)会社補償について

  • 補償は、リスクが多様化する中で重要な部分。軽過失は結果論的な部分がある。社外役員の拡充を含めて、グローバルで攻めの経営をするなら、役員就任環境整備もイコールフッティングの観点から必要だと思うが、この点、バランス良くまとめられていると思う。

(4)取締役の責任追及に関する提訴の判断について

  • 現状においては法律上監査役が提訴の判断を行っているが、社外取締役が関わる意味をもう少し整理してほしい。
  • 社外取締役が関与することの意味は、報告書の考え方の前提として、社外取締役に監査役とは違う役割を期待していることとも関係すると思う。つまり、提訴判断には取締役を萎縮させないという意味で経営判断にも関わってくるが、それは社外取締役が加わった方がより良い判断ができる。
  • 社外取締役も取締役であり、取締役会で決議されたことには責任を負う立場になるので、うまく議論を整理する必要がある。

2. 報告書の骨子、D&O保険の実務上の検討ポイントについて

(1)報告書の骨子について

  • 株式報酬を実際に導入しようとすると税が問題になると思うので、今後の検討が必要。
  • 自社株報酬について、直接交付されるスキームとして信託が利用され始めており、その位置付け等を記載すべき。
  • 今回のテーマとは直接関係しないが、会社法改正により責任限定契約を結べる者の範囲が拡大した一方で、業務執行取締役は依然として軽過失でも無限定の責任を負っている。保険や会社補償という新しい切り口の解決策も出されているが、そもそもそのような法制上の建付でよいか、今後論点としてはあってもよいと感じた。また、日本の会社においても、社外役員が取締役会の中で一定の割合を占めつつあるので、今後、取締役の責任追及訴訟の議論の中で、米国の例なども参考に社外役員の判断・意見を裁判所が最大限尊重する仕組みがあってもよいかと思う。

(2)D&O保険の実務上の検討ポイントについて

  • D&O保険の保険料負担について、会社が負担してもよいとあるが、税務上の位置づけをどうするか今後検討してほしい。

以上

関連リンク

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最終更新日:2015年8月14日
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