経済産業省
文字サイズ変更

コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会(第16回)‐議事要旨

日時:平成27年6月26日(金曜日)16時00分~17時10分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

神田委員、阿部委員(代理 小畑様)、石田委員、江良委員、大杉委員、大場委員、国井委員、黒見委員、澤口委員、静委員、関委員、武井委員、田代委員、寺下委員、広瀬委員、藤田委員、古本委員(代理 工藤様)、竹林オブザーバー、油布オブザーバー他

議題

研究会の検討の取りまとめについて

議事概要

はじめに事務局より報告書案等の修正部分について説明した後、討議を行った。その後、報告書の最終的な取りまとめとその公表の時期について座長一任となった。概要は以下のとおり。

1. 報告書(案)について

(1)題名

  • 積極的、ポジティブなイメージが出ること、中身をよく表すという観点から検討すべき。

(2)取締役会の機能

  • コーポレートガバナンス・コードでは「攻めのガバナンス」がテーマとされていた。監督機能だけでなく、戦略的意思決定機能も取締役会の機能に含まれることを分かりやすく示すべき。
  • 監督機能という言葉には、コンプライアンスの側面だけでなく業務執行の評価という意味も含まれている。もっとも、日本語でどう表現するかはなかなか難しい。海外の多くの会社では、こうした意味での監督を“oversight”などと呼んでいる。

(3)執行役員の他社での社外取締役への就任

  • 報告書の記載に異論はないが、企業の現実として、執行役員は基本的には自社の業務に専念する義務を負っているので、他社の社外取締役を引き受けるためには、企業文化や制度が変わっていく必要があるように思う。

2. 我が国企業のプラクティス集(案)について

  • プラクティスの収集は良い試みだと思う。様々な事例の中から企業の人がアイディアを得て、コーポレートガバナンス・コードに対応していければよい。
  • 投資家と企業の双方に非常に有効だと思う。対話の一つの材料を提供してくれている。日常的に活用できるハンドブックのようなものになると、活用度合いや頻度が高まると思う。
  • 各社が創意工夫をして各社らしくすることが大事。その際、白紙で議論するとそれほど発想も出てこず、同じような結論になりがちである。だが、今回プラクティス集という素材ができて、当社はこう考えるという議論が出てくるし、創意工夫が促進されてありがたいと思う。
  • 国内のプラクティス集と海外の開示資料集は、ちょうど今コーポレートガバナンス報告書を作成しなければならない各社にとって非常に参考になると思う。ひな形的に使うのではなく、各社で自ら考える中で参考にして使ってほしい。積極的に広報すべき。
  • 今後各社で実際にガバナンスコードに対応していくことになるが、この過程で各社が行った様々な取組み・工夫等(株主総会を対話型にする取組、取締役会の運営方法等々)をプラクティス集として集めると、他者にとって参考になると思う。
  • プラクティス集には監査役設置会社と指名委員会等設置会社があるが、当然ながらまだ監査等委員会設置会社のプラクティスがないので、これも今後ぜひ収集してもらいたい。
  • 「中心的な役割を担う社外取締役の選任」は結構キーである。プラクティス集には、リードディレクターの役割によって会社がどういう方向に向かうか変わってくるということが書いてある。既に日本企業でこういった取組をしている会社があるということを海外に訴えるときに役立つと思う。次のステップとして、内外でも成功した事例、失敗した事例があるので、何がプラスで何がマイナスかという点を取り込むことも検討してほしい。

3. 法的論点に関する解釈指針(案)について

(1)取締役会の上程事項

  • 日本ではよく取締役会の回数が多すぎるというのが話題になるが、それは決めることが多すぎるからだと聞く。上程事項を減らしたいと思っている企業が今回の指針に沿って検討を進めていけば、取締役会の回数が結果として減ることもあり得ると理解した。
  • 個人的には、取締役会にはせっかく社外役員もいるので、決議事項は少なくてもよいが、なるべく回数を増やして議論すべきだと思う。
  • 常々、取締役会の上程事項について、どの辺りで線引きをすべきか悩んでいた。今回論点として取り上げ、踏み込んだ記載をしていただいてありがたい。今まで保守的な対応をせざるを得ないと考えていた会社にとって、もう少し踏み込んだ対応ができるようになると考えている。

(2)税制

  • 法的論点も含めて実践するに当たり、税制が引っかかって使えないというのは困る。役員報酬や株式報酬も、しっかり税制面でも使えるようになればよい。

(3)その他

  • コーポレートガバナンス・コードと会社法を整合的に理解するための橋渡しとなる解釈指針として、評価したい。

4. 英米における取組の概要(案)について

  • 現時点でのコーポレートガバナンスの論点がまとまっていると思う。海外の開示資料集は企業にとって非常にありがたい。外国の事例を参考にしようと思ったときに、こういう資料を個別企業内部で作るのは大変。こういった資料がこうした機会にまとまるのはありがたい。アップデートしていくことも検討してほしい。

5. その他成果物及び今後の取組について

(1)広報

  • 各企業ともコーポレートガバナンス・コードへの対応が大変だという中で、対応した結果、経営にどう役に立つかが報告書では浮き彫りにされている。そういったことを積極的にアピールしてもらうと、企業側もコードに対応して良かったと思うようになると感じるので、広報をよろしくお願いする。
  • 素晴らしい内容の報告書に仕上がっていると思う。コーポレートガバナンス・コードにある「健全な起業家精神の発揮」につながる、まさに攻めの報告書・指針だと思う。補償や保険など、目に見えないボトルネックになっていた部分にも切り込んで整理されている。意味のある報告書・指針だと思う。コーポレートガバナンス・コードを持続的な成長に活かしたいと思っている企業の姿勢を後押しすると思う。広報を前向きに展開してほしい。

(2)今後の活用

  • 投資家が企業の取組をどう評価すれば稼ぐ力を高めていけるか、より良い対話になるか、コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードの両輪がうまくかみ合うのかを考えつつ、積極的に活用を進めていきたい。
  • 今回の報告書は、企業が実務の上で様々な選択肢を採る上で大変参考になる。実務の責任でこれを活かして、コーポレートガバナンス・コードと整合性が取れる使い方をしていきたいと思う。

(3)英訳

  • コーポレートガバナンスに関する一連の改革がここまで高まり、海外から一段と取り上げられている背景には、英語の力があると思うので、少なくとも報告書の本文などは、相当程度要約した上で英訳すると大変有効ではないかと思う。
  • 今回、日本がここまで取り組んでいるというメッセージが英語で語られるとすれば、我々の本気の姿勢を海外に伝えることができる。これは国家力としても極めて重要だと思う。

(4)今後の検討事項

  • 現在、会社法上は三種類の機関設計が選択可能で、それぞれに強みと弱みがあるはずだが、今回の報告書ではそれが表に出て来ていない。報告書が機関設計の選択を歪めることは望ましくないが、選択した機関設計によって取締役会の役割等に違いがあるとすれば、この報告書で説かれているガバナンスを実践するに当たって、各機関設計の選択に応じてどういう違いがあることになるか、といった点まで踏み込んだような補充的なガイダンスも、今後ある程度機関設計の選択が進んだ段階で必要になると思う。

以上

関連リンク

お問合せ先

経済産業政策局 産業組織課
電話:03-3501-6521
FAX:03-3501-6046

 
 
最終更新日:2015年8月14日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.