経済産業省
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第四次産業革命に向けた横断的制度研究会(第2回)‐議事要旨

日時:平成28年2月12日(金曜日)12時30分~15時00分
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

出席者

大橋座長、上野委員、華頂委員、加藤委員、川濵委員、武田委員、田中委員、根本委員(吉田代理)、福井委員、三好委員、本村委員、森委員、矢嶋委員、柳川委員、山本委員等

議事概要

事務局より資料の説明、委員よりプレゼンテーションの後、討議を行った。委員からの主な御意見は以下のとおり。

  • 利用者情報の収集・蓄積が競争力の源泉となり独占に繋がっているのではないかという議論はあるが、データを保有していることだけでは競争法上問題にすることはできない。独占状態になってから取り締まるのでは遅すぎるという議論もあるかもしれない。
  • 企業結合において、データの結合が潜在的に競争に影響を及ぼし得るものであれば、競争法上の制限根拠になるのか。データ集積についてどのような特定データ同士が合わさることをもって問題となる過度な集積とみなし得るか、この判断の手掛かりは難しい。ネットワーク効果の実現でみるのか、他のセグメントのレバレッジとして使うことをみるのか。また、問題となるデータベースが技術革新の結果、解消する可能があるかもしれない。こうした独禁法におけるデータの扱いに対する検討が必要となろう。
  • 公正取引委員会が10年ほど前に主催したマイクロソフトの独占問題に関する議論では、一般法である独禁法として取り組むには限界があり、特別法をつくることではどうかという議論があった。かつての電気通信事業法のように、ネットワーク効果を持つものについて特別法を作ることも一案か。
  • 特別法は、方法論としてどうかという観点はあるも、迅速さ・スピードの点では有意だと感じる。
  • 日本の独禁法の執行事案が少ない理由は、公正取引委員会の動きが遅い、申告する当事者が少ないといったことが考えられる。
  • 外資相手となると独禁法の適用には、より慎重になりやすい傾向がある。外資に法執行するには理屈と証拠を入念に準備する必要があり、証拠を集めるために時間的な限界もあることなどがハードルを上げている面もある。
  • 欧米企業がインターネットを介して日本の消費者市場に入っている現状を踏まえると、法執行の面で弱いと感じる。一方で事業者は、プラットフォーマーから排除される恐怖があるため告発できない。これについては、告発がなくとも法執行はできるはずなので、行政に対応していただきたい。
  • 外資企業に対抗する武器が弱いという要因も一つある。日本国内企業の場合は、武器がなくても行儀が良いので従ってもらえるが、外資企業は対抗してくるため武器が必要である。
  • EUと同じことを日本単独で行うのではなく、市場規模ゆえ影響力のあるEUや中国等と組んで、海外企業に対する対抗策を講じるべきである。
  • コンテンツ分野に限れば、声を上げる事業者が全般に少ない。日本のコンテンツ企業は、論点を明確にして契約交渉を重ねていくプロセスを得意としていないように思う。裁判管轄権や準拠法について相手先に有利な条項を入れ込まれているケースもあり、日本側の交渉力がしばしばあまりに弱い。民間の声だけでは動かせず、政府主導で是正へと誘導することも必要である。プラットフォーマーも日本市場は重視しており、そうすれば交渉は不可能ではない。
  • 報復が怖いという話があるが、告発できる雰囲気・空気を情勢していくことが重要である。問題提起しやすい環境作りが大切。
  • 今回の経済産業省と公正取引委員会の共同実態調査が良い機会になるのではないか。潜在的課題を世間に知ってもらうことが大事である。
  • 経済産業省と公取の共同調査にあたり、守秘義務の遵守が重要である。日本の事業者は、取引先との秘密保持条項を真面目に考えるがゆえに、業界内で話をすることすらできない場合もある。議論を盛り上げていくことで、声を上げてもいいと思う事業者も増えていくだろう。
  • 独禁法第40条に基づいて調査権限を活用してもいいのではないか。秘密保持契約に対する切り札になると思われる。独禁法第40条の法の運用上の必要性があるというためには、世論の喚起も必要である。
  • 新たな競争相手の新規参入の可能性も踏まえて、競争法で考えることが重要である。データ・情報の蓄積が、どの程度利用者のスイッチングコストを高めているのかということが論点になる。技術的特性やマーケットの特性に注目し、実態調査と将来の潜在的可能性を踏まえた丁寧な検討が必要である。
  • 新規参入については、いわゆる覇権企業が交代すればいいということではなく、プラットフォーマーの数が増加し、問題が固定化・拡散していることを懸念している。
  • 新たなプラットフォーム育成等の産業政策を考えるのも建設的ではないか。日本発の新産業創出のためにもここは不利益のないよう頑張るべきである。多層構造のプラットフォームの中で日本独自のプラットフォームを育てていくという発想が必要である。
  • 汎用型ではない特化型プラットフォームを、コンテンツ分野に限らず多段階で育成する戦略もあり得る。
  • 守るにせよ攻めにせよ、プラットフォームの特性を知ることが重要である。特に新たなプラットフォームについては、処理の高速化などだけではなく、ユーザーエクスペリエンスの良さから見ていくことが必要である。
  • 日本ではフェアユースといいつつも、フリーユースになっている面もある。そのため、オールジャパンでコンテンツを大事にする新しいプラットフォームを作ることが重要である。
  • フェアユースの議論があった当時、日本のコンテンツ事業者は敏感に反応し、権利者は危機感を持っていた。しかし、その結果フェアユースを導入しなかった日本に、フェアユース規定がある米国で発展したプラットフォームが上陸し、国内のコンテンツ事業者が不利な交渉を余儀なくされる現状がある。新たな国内プラットフォーム育成やフェアユースの推進は避けられない。

以上

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最終更新日:2016年3月18日
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