経済産業省
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第四次産業革命に向けた横断的制度研究会(第3回)‐議事要旨

日時:平成28年2月24日(水曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

大橋座長、華頂委員、加藤委員、川濵委員、田中委員、根本委員、福井委員、三好委員、本村委員、森委員、矢嶋委員、山本委員等

議事概要

事務局より資料の説明、産業界からのゲストスピーカー及び委員よりプレゼンテーションの後、討議を行った。委員等からの主な御意見は以下のとおり。

  • NDAの範囲は様々。行政に対する報告を明示的に禁止する条項はない。ただし、行政に対する報告もNDAの範囲内だと思っている事業者が多く、(行政への報告を)NDAによって阻害されていることは事実。
  • NDAによって事業者が萎縮してしまうこと、プラットフォーマーによる私的エンフォースメントといえる状況が広がっていること、不透明な超国家的なルールメイクの懸念などの指摘は、これまでの本研究会の議論と符合する。
  • 日本でもかつてはテレビゲームでプラットフォームをつくっていたが、グローバルプラットフォームをつくるのは難しい。世界のプラットフォーマーがたまたま見てなかった部分などで、ローカルでプラットフォームが成立する可能性はあるが、対抗するというよりもこぼれ落ちた需要の取込にすぎない。
  • プラットフォームに対して、国家が規制をかけられるか。ネット時代の強制力の1点目は、プラットフォームのサービスを日本で止めさせられる執行力。例えば、日本の事業者のサーバーは海外にあるため、執行ができず、海外企業の自主的な精神に期待するしかない。アクセス制限は、ロシアと中国がやろうとしており、EUはやろうとしているが出来ない。強制力の2点目は、決済。プラットフォームは、日本の企業や個人から何らかの形に収入を得るビジネスゆえ、規制をかけられるかとは、決済に規制をかけられるかということ。
  • 日本の事業者が、プラットフォーマーに対して不満があってもなかなか言わないのは、(たとえ公の場で不満等を発言したとしても)彼らにメリットが無いからであろう。
  • ローカルな立場の国と、グローバルにビジネスを展開しているプラットフォーマーのどちらの言うことを聞くことが一事業者として得策かと考えると、国に期待できることが少なくなってきていると感じる。
  • ビッグデータに関する論点は、個人情報やプライバシーに関するものが中心。どのようなデータがどのように使われるのか、また当該データに関して削除要請ができるかなど、結果としての扱いに注目しがちであるが、その扱いに至るプロセスも重要。
  • AIは、なぜその結論になるのかという、プロセスが見えずブラックボックス化されやすい。プロセスの見える化に取り組むことで、ユーザーはルールメイクに関与することができるし、無用な炎上などを避けられ、事業者の自衛にもつながる。また、プラットフォーム寡占の弊害対策としても、プロセスを見せていくことが重要である。
  • インターネットはオープンなものであったが、2010年頃からクローズな方向への移行が目立ち、ブラックボックス化が進んでいる印象。
  • 協調領域と競争領域の切り分けについての検討が必要。また、医療系のカルテ情報など、本人に開示されない個人情報の取り扱いも重要となる。医療系以外の通常のビジネスにおいても同様の要素があり、その部分のルール化が必要である。
  • 特許的な観点からの議論も必要。例えば、IoT、AIにより、機械的に生み出されるものが増えるほど、特許機会の可能性が高まっている。プラットフォーマーは、特許を買い集めてポートフォリオを充実させており、その地位を確立させようとしている。
  • データの利活用において、汎用的な形で特許化されると、強い競争力を持ちうる可能性もある。
  • データの利活用には、様々な問題点もあるが、利点を訴えることも必要である。不安点ばかりを見ていると、萎縮するばかりとなってしまう。ユーザーは、利点や利便性が分かると納得する。
  • 取得型のプライバシー侵害に関しては、「受忍限度」を超えるかどうかが問題となる。利便性及びプロセスが明確化されれば、(データを取得される側も)ある程度やむを得ないと思うようになるのではないか。受忍限度を上げていくことが必要。
  • データの利活用における利点・利便性について、個人情報の扱いに関しては大きな課題がある。例えば、米国における銃乱射事件において、スマートフォンのロック解除が要請されているが、このような警察的・安全保障的な目的からの個人情報の利用については議論しやすい。一方、現在議論しているのは、主に産業振興の視点。この視点から鑑みると、個人情報の利用は、ユーザー側のメリットではなく、主に事業者側の価値となっている。本当の意味でのユーザーのメリットが示されていないのではないか。
  • 「消費者向けオンラインサービスにおける通知と同意・選択に関するガイドライン」の策定など、プロセスの見える化、透明性の確保は進んでいる面もある。消費者が炎上するのは、こっそりと情報を取得した場合や説明をしっかりしなかった場合、虚偽の説明があった場合等。ただし、説明は長いとと分かりにくく、短いと不十分だと勘繰られるため、ガイドラインに基づき、出来るだけ簡潔に分かりやすく、標準化していくことになる。こうした検討は、パーソナルデータにおける議論の中で進んでおり、後はプロモーションをすれば良い。
  • 日本ではプラットフォームがもう生まれないという前提で政策を決めるのか、あるいは、生まれる前提か、さらには両立てで考えるのか。制度設計にあたっての軸を決めるべき。協調と競争、特許とオープン・クローズ戦略において、軸の決め方が線引きに影響を与える。
  • AI等でイノベーティブなものが出てくる中、個々の事例に囚われてルールを固めてしまうと、柔軟に動けなくなる。基本原則だけを決めるといった柔軟なルールづくりに重点を置くべきである。
  • プロセスの見える化は重要だが、実際行うのは難しい。
  • プラットフォームのルールの恣意性については、単純化できず説明のしようがないところがあるのだろう。設計の基本思想を明かせとは言えるが、営業秘密に関わってくる可能性が高い。公的介入の手がかりとして、どこまで入っていくことができるか。
  • 直接的な規制や、間接的なソフトローによって、プロセスにメスを入れていく必要がある。

以上

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最終更新日:2016年3月18日
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