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第四次産業革命を視野に入れた知財システムの在り方に関する検討会(第1回)‐議事要旨

日時:平成28年10月17日(月曜日)10時00分~12時00分
場所:特許庁9階庁議室

出席委員

渡部座長、平塚座長代理、君嶋委員、後藤委員、近藤委員、日置様(鮫島委員代理)、杉村委員、鈴木委員、芹沢委員、鶴原委員、長澤委員、西岡委員、御供委員、三好委員

配布資料

  • 議事次第・配布資料一覧
  • 委員名簿
  • 資料1 第四次産業革命を視野に入れた知財システムの在り方に関する検討会について
  • 資料2 第四次産業革命の中で知財システムに何が起きているか
  • 参考資料1 第四次産業革命に向けた横断的制度研究会報告書の概要

議事内容

事務局より、資料1及び資料2に沿って、検討会の開催趣旨、検討会での検討事項について説明をした後、自由討議を行った。各検討事項に対する委員からの主な意見は以下のとおり。

産業財産権システムに関して

  • 特許は強く守らないと研究開発に対するインセンティブが失われる。一般的に、長期研究開発投資を伴うような重要な特許については、特許権者は流通させない。一方、長期投資を伴わないでも獲得できる特許が企業にとって売却の対象になりやすく、流通しやすい。そのように特許を分けて考えることは重要。
  • AIそのものを権利として強く保護することは我が国としては不利。AIを利用するためのデータの入力や出力形態の特定などの周辺の創意工夫を権利として保護した方が我が国には良いのではないか。
  • クロスボーダーの特許問題については、例えば、A国で蓄えられた特許侵害品を生成するためのデータが通信され、特許制度のない他のB国で特許侵害品が作られるようなケースでは、どういった権利行使ができるのかを検討すべき。
  • データをつくるところから、最終的にオペレーションするところまで、様々な知財が絡んでくる。
  • 一企業ではできない社会インフラのように協調利用する特許と、商品やモノに対する特許は別物であり、特許権の在り方については2種類で見ていく必要がある。PAEの活動により社会インフラが滞る場合には、国が守る、そしてそれに反する場合には罰があるといったことが必要ではないか。
  • 社会を変革するキーテクノロジーはベンチャー企業や大学で起こるもの。そのようなベンチャー企業・大学に対するインセンティブを与えるシステムでなければならない。その意味で、標準必須特許は安くなりすぎている。また、通信インフラは社会インフラであるが、こういうところにも入っていくことについてベンチャー企業・大学のインセンティブになるシステムでなければならない。
  • AIにより創作される権利についての指針があると有り難い。また、国境を跨(また)がるケースにおいて、どのように権利を守るかについても関心がある。
  • 中小・中堅企業を対象としてトロールの活動が活発化していると聞く。制度設計の際にはこの点を踏まえて検討すべき。また、中小企業では、第四次産業革命という言葉すら知らないという事実もあるので周知が必要であるとともに、第四次産業革命を契機に中小企業がグローバル化する支援体制を強化する必要があるのではないか。
  • 欧米では民間調査会社に「IoT Patent Wars 2020」を作成させ、IoT時代の特許紛争対策を済ませている。2020年に日本は勝てるのか。例えば、NPEの保有する特許の情報も重要ではないか。また、AI関連発明について、どのように記載すれば権利が取れるのかという事例追加等は良いが、企業が半導体を売るのか、ソフトウェアを売るのか、サービスを売るのか、ビジネス類型を先に調べるべきではないか。
  • オープンイノベーションの促進においては、他社の技術を使っていくことが重要。差止請求権に関し権利を2種類に分けることや、ライセンス・オブ・ライトの導入について、検討すべき時期に来ているのではないか。
  • 大企業が大量の権利でベンチャー企業や新ビジネスモデルを潰すような行動が見られる。新技術やビジネスモデルを有するベンチャー企業を大企業が取り込むような思考が必要ではないか。

データの利活用に関して

  • データベース保護は欧州や米国の議論をみていると、個人情報保護と独占禁止法の問題と大きく関わる。
  • 学習済みモデルやデータを第三者に提供して、外注のような形で学習させた場合に、どのようなビジネスモデルや課題が新たに起こるのかも含めて今後検討すべきではないか。
  • データの収集にインセンティブがあることが重要だが、不正競争防止法のみで守れるのかは懸念される。また、欧州のデータベース権の良い点、悪い点の実態を踏まえた議論をすべき。AIを用いた成果物、特に学習済みモデルへの権利付与は慎重に検討すべき。当事者間の契約に委ねることが良いと思う。
  • 自分たちで良質なデータを作ろうとすると大きな投資が必要。しかし、作成したデータが接収されてしまうようでは投資が無駄になってしまうので、ガイドライン等が必要ではないか。
  • データの種類はいくつかあり、例えば、AI創作物のデータとロボット制御に用いるデータは、同じデータであっても価値が捉え方によって異なる。別々に検討すると理解が進むのではないか。
  • データの取引は、誰にデータが帰属するのかが重要だが、企業間のパワーバランスによって、当事者間の契約ではバランスを失することもあるのではないか。契約当事者以外に対する権利が必要ならば、法制度等の何らかの担保が必要ではないか。
  • データ構造の保護については、権利保護される対象の予見性を高めるためにもガイドライン的なものが必要ではないか。
  • データ部分の保護やAI技術の保護、AI創作物の保護については、契約で行うのか、排他的保護を行うのか、それとも一般不法行為で保護するのかを使い分ける必要がある。また、個人情報保護との整理も必要。
  • 契約形態のガイドラインがあるとデータの利活用が促進されるのではないか。リースされている工作機械のデータの場合などでは、所有権を持つリース会社から民法89条での「果実」に類するとして同意が必要とも考えられるが、この点は明確ではない。また、企業としては、個人情報や著作権等を含むようなリスクのあるデータは欲しくないので、リスクに対する責任の所在を明確化できる指針があると利活用は一層促進されるのではないか。ビッグデータについては、営業秘密だけでの保護は難しいのではないか。データの独占によるリスクに留意しつつも、保護の在り方について行為規制型か権利付与型か検討すべき。
  • データの種類については類型を整理して、どのデータがどの法律、どの権利で保護されるのかを考えるべき。
  • データには、(個人情報が含まれる)人のデータと、物のデータがあり、対象ごとに議論を分けるべき。また、事実そのものを表すデータと、事実から導かれる知識としてのデータがあり、事実データは時間とともに価値が下がる傾向がある。人と物、事実と知識の2つの軸に分けて議論すべき。

国際標準化に関して

  • ネットワークに関係する標準化活動は、欧米が進んでおり、中国、韓国、日本が遅れていると思われるが、次の世代の標準化活動に関しては日本が一番遅れているという認識をもって制度設計しなければならない。
  • 標準化の流れはデジュールからコンソーシアムになってきており、日本から出て行くだけではなくて、海外もしっかりと巻き込む、仲間作りがとても重要。
  • 日本から国際標準化機関に有為な人材を更に積極的に送りこめる体制が必要ではないか。
  • 欧米には欧米のやり方があり、中国は市場規模の大きさをレバレッジとしている。その中で、日本はどうすべきか。最初から全てオープンにすることには懸念があるが、日本の標準が孤立すると結果的に市場を限定してしまう懸念もある。また、5Gの規格を例にとると、低消費電力、低レイテンシ、高速大容量通信など細分化されており、何をやるかで注力する標準化も異なる。日本の産業の中でどこを強くするのか、ユースケースで分けて議論するなどを考慮した上で進めていく必要がある。

以上

関連リンク

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電話:03-3501-3752
FAX:03-3501-3580

産業技術環境局 基準認証政策課
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FAX:03-3580-1418

特許庁 総務課
電話:03-6810-7496
FAX:03-3593-2397

最終更新日:2016年11月16日
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