経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

競争戦略としてのダイバーシティ経営(ダイバーシティ2.0)の在り方に関する検討会(第4回)‐議事要旨

日時:平成28年11月14日(月曜日)14時00分~16時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議題

  1. 外国人材の登用
  2. 海外投資家との意見交換

議事概要

1. 外国人材の登用

外国人材登用の必要性と効果

  • 日本企業が国際展開を進める中、グローバル人材の登用が戦略上必要となる。
  • 外国人材登用は女性登用と比べ、そのニュアンスが異なる。多くの企業は国際市場に対応するために海外企業と協議・連携する中で、外国人材が必要となる。
  • 外国人材の増加に伴い、日本人の英語能力や英語のマネジメント能力も向上している。多様な人材が混ざることで、経営やサービスに良い影響を与えることを実感している。

職務の定義づけ、ジョブディスクリプションの明確化

  • 多様な人財を登用する上でジョブが不明確である点がネックとなっている。メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へ人財マネジメントシステム転換が必要である。
  • 管理職以上の全ポストの格付けや、人材評価であるパフォーマンスマネジメント、管理職の処遇制度の改訂(ジョブベースの処遇制度)等を全世界共通の仕組みとして実施している。
  • 現場レベルのマネジメントは全てジョブ型にはなっておらず、外国人従業員からの不満もあり、改善の余地が大きい。

外国人材の採用・登用

  • 女性人材の獲得競争が短期的に激化することが見込まれる中、外国人材についても同様に獲得競争が激化するのではないか。
  • 優秀な人材の獲得が難しくなっている。海外の外国人材にとって日本企業の魅力は薄れ、日本人留学生ですら日本に帰りたくないと考えている。
  • 従来型の“日本+海外”の発想から脱却し、グローバル視点による人財マネジメントに転換している。新卒もグローバル人財として採用することを明言している。
  • 中途新卒問わず、ポストごとの要求基準に相応しい人材を採用すると、外国人材の採用が増えていく。日本語ができなくても英語ができれば採用の検討対象となる。
  • 国籍に依存しないグローバル人材の採用方針を取っている。日本人自身がグローバル人材たりうることが求められている。
  • 「国際化のサポートスタッフのように扱われている」と不満を感じる外国人材は少なくない。外国人材にとって、日本企業の居心地の悪さに繋がっている。
  • 若手人材の登用は、それを支えるプロセスや制度の整備が必要である。一方、トップマネジメントの登用は、その人材にグローバルマネジメントの力量さえあれば簡単に実現可能であるため、相対的にプロセスや制度の重要性は落ちる。
  • 人財ミックス促進の取組として、日本で採用する外国人留学生の目標採用比率(現地採用は除く)を10%に設定している。
  • 現地化にて現地人材の採用のみならず、現地の経営人材をどのように国際的に登用していくのかという点が課題である。
  • 日本のローカルマーケットに外国人材を多く登用するのは合理的ではない。外国人材の登用は複数の論点が混在しがちであるため、交通整理が必要である。

外国人材登用における研修・育成

  • 現地主導経営体制の強化するため、ボーダレスで経営人材を育成する取組を進めている。これまでは日本と異なる育成プログラムを海外現地の外国人材に用いていたが、現在は全世界共通のプログラムを多言語化して適用している。
  • 外国人材の新卒採用も増える中、ヘッドクオーターでグローバル人材の育成を行っている。
  • 外国企業との提携以降、東京で異文化コミュニケーションの研修が実施されるほか、日本に来る外国人材向けに、「日本人との働き方」という研修が行われていた。
  • 外国人材登用で失敗する原因は人材育成であるケースが多い。日本的な時間をかけた人材育成は、外国人材には馴染まず、計画なきOJTや長時間労働を強いられることにより、離職に繋がっている側面がある。
  • 外国人の増加に伴い、サクセッションプランに日本人がいなくなることが課題となる中、日本人とグローバル人材の両方の育成を検討している。

外国人材登用における課題

  • 日本人は昇級に時間を要しても文句を言わないが、「日本よりも海外の方が昇級・出世しやすい、給料が良い」と多くの外国人材は考えており、定着率は極めて低い。
  • 外国人材登用におけるボトルネックは離職率である。外国人材の離職率は、新卒の日本人に比べて相対的に高い。離職要因として、キャリアパスに対する考え方の違いや家庭事情がある。
  • 外国人材登用の環境や制度といった基本インフラは整備されておらず、成果が繋がっていない。制度を整備しないまま外国人材を採用しても、外国人材は十分に活躍できず、悪い化学反応しか起こらない。
  • 国・地域毎に社内風土や労働法も異なるため、人事制度は基本的にローカルなものである。

日本人人材側の課題

  • グローバルで戦うため、日本人がグローバルの水準に合せていかなければならない。
  • 他の属性の登用と比べて、日本における外国人材を登用することの難易度は高い。他方、日本人を海外で登用することの難易度はさらに高い。
  • 最近の日本人は優秀ではなく、昔のように勤勉でもなく、人件費は高いが役に立たない人材と見なされている。

マネジメントレベルの外国人材の登用

  • 外国人材をトップマネジメントに登用すること自体が目的ではなく、多様な視点による戦略に寄与することがそもそもの意義である。
  • 地域統括拠点の3分の2は外国人材がヘッドとして配置されている。以前は現地に日本人を送りこんでいたが、現地に権限委譲を進めている。
  • 海外現地に精通している地域統括拠点のヘッドが本社の意思決定に関与できる体制が採られている。

外国人材を受容できる働き方

  • 優秀な人材を受け入れる土壌として、働き方の改革を必要である。外国人材を受容することにより、結果として、働き方の転換が進むと考えられる。
  • 外国人を登用するために働き方改革が必要である。働き方改革や、外国人の登用は、日本の企業全体にとって良いことである。日本企業にはお酒を飲みながら意思決定をする等、外国人が働きにくいと感じる文化がまだある。
  • ある外国人管理職は、「同僚の日本人管理職が遅くまで残業しているため、自分も遅くまで残らざるを得ない」という話があった。同化を求める風潮は問題である。
  • 外国人留学生はキャリアパスやライフイベントについて、どこの国が子育てしやすいかなど、よりグローバルな見方をしている。外国人材にとって魅力的な企業となるには両立するうえでの働き方や配属とキャリアの描き方の関係などを見直す必要がある。

言語、英語化

  • 迅速な海外の情報の取得とコミュニケーションを実現するため、共通言語と英語に決定した。
  • 国際色が豊かな職場において、完璧な英語は必ずしも必要ない。実際に海外の外資企業のマネジメントを見ても、ブロークン・イングリッシュが飛び交っている。
  • 外国人材とのコミュニケーションの議論になると、短絡的に「英語」の話として捉えがちではないか。
  • 外国人材が増えている中、非公式ながら「社内公用語は英語」という声も経営陣から出始めている。
     

2. 海外投資家との対話

企業評価における投資家の視点

  • 投資家は企業経営者によるダイバーシティに関する取組や関連する情報について関心がある。特に長期的な株主価値の源泉として、国・地域や業種を問わず、広くダイバーシティに対して投資家の注目が集まっている。
  • 取締役会の構成変更に並行し、人材候補のプールを拡大する必要がある。特にビジネス経験のある社外取締役が更に増えてほしい。数値目標が導入される中、企業はこれまで以上に人材候補を探さなければならない。
  • 米国企業の取締役会の女性比率は英国ほど高くない。背景として米国企業の取締役は任期が長く、同じ取締役が居座り続ける傾向があるためではないか。
  • 取締役会の候補者に関する情報(年齢、性別、国籍、学歴、民族、取締役経験、利害関係の有無 等)に加え、取締役会における女性比率やマイノリティー比率といった定量情報に関心があり、測定可能な形式で企業として開示することが望ましい。
  • 取締役会の実効性評価に関する議論が盛んになっており、取締役会評価(Board Evaluation)、任期、選任プロセス、指名委員会の構成や評価プロセス等に関心が集まっている。日本の場合、複数の企業の取締役職を掛け持ちするケースがみられるが、多すぎる掛け持ちは避けるべきである。

企業による開示の取組

  • 欧州企業は開示情報上でダイバーシティに触れている事例が多い。ある製薬企業大手はアニュアルレポートにおいて、「ダイバーシティがイノベーションをリードする」と記載している。

対話における投資家の取組

  • 投資家は株主として議決権行使の指針を企業に対して開示し、取締役選任におけるダイバーシティの考慮等を明確に企業に対して示すことが望ましい。
  • 30% Clubは取締役の女性比率に関する質問例が挙げられており、対話において、投資家が企業に対して質問する際の参照となっている。

英国における取締役会の多様性の動向

  • 2011年のDavies Review発表以降、英国企業の取締役会の女性比率は倍以上に伸び、2015年目標の25%をクリアし、更に2020年目標として33%を設定した。ただし、直近はBREXITの影響もあってか、伸びは減速している。
  • 英国政府からHampton Alexander Reviewが公開された。ダイバーシティの浸透や企業風土を変えるための提言を示している。
  • FTSE 100企業に対して、執行役員候補者のパイプラインの女性比率の2020年目標として33%まで向上すること、また、FTSE 350企業に対して、取締役会の女性比率の2020年目標として少なくとも33%まで向上することを提言している。また、CEO自身がコミットし、女性の採用、離職防止、昇級を後押しすることも提言している。
  • FTSE 350企業に対して、企業は執行委員会(Executive Committee)の女性比率を開示するようFRCに対して英国コーポレートガバナンスコードを改定することを提言している。また、曖昧に使われがちな上級経営者(Senior Management)の定義を明確にすることも提言している。
  • 英国企業の場合、国土が小さいことから、先進的な企業に対して、他の企業が追随しやすいこと、また、取締役のポストに見合った高い能力を持った女性人材が豊富にいたこと、これらが英国において取締役会の女性比率が堅調に伸び、2015年目標を達成した要因ではないか。

形骸化の防止

  • 日本企業による女性登用が活発化しているが、形骸化していないかどうか、疑念が残る。投資家は単なる数合わせ(Box ticking)ではないことを適切に確認し、また、企業は投資家に対して、数合わせではないことを伝えることが必要である。
  • 形骸化を監視・防止するため、透明性のある開示が重要である。ただし、開示だけでは不十分であり対話が不可欠である。対話を促す方向で制度も動いており、投資家にとっては、より企業に耳を傾けることができる環境となりつつある。

以上

関連リンク

お問合せ先

経済産業政策局 経済社会政策室
電話:03-3501-0650
FAX:03-3501-0382

最終更新日:2016年12月21日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.