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産業・金融・IT融合に関する研究会(FinTech研究会)(第2回)‐議事要旨

日時:平成27年10月16日(金曜日)14時00分~16時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議題

  1. 開催挨拶、趣旨説明
  2. プレゼンテーション
    1. FinTechの本質と全体像
    2. FinTechの成立と既存金融機関への影響
  3. 自由討議

議事概要

1. 金融産業構造論

(1) 新産業、新サービス

(1) 総論

(ア)日本のFintechを取り巻く環境・課題

i. 日本においてFinTechが振興している業態について

  • 今後日本でも規制業種においてFinTech企業が増加するとの見解が示された。
    • 現在では情報サービスなど、大規模資本が不要である等参入障壁が低いサービスを中心にベンチャー企業が登場しているが、今後は資産運用や個人向け融資等の規制業種セグメントへと中心が移るであろう。

ii. 金融機関の取り組みについて

  • 日本の金融機関のFinTech投資は効果が見えやすい領域に偏っているとの指摘があった。
    • 海外の金融機関は人工知能に加え、ブロックチェーンへの取り組みを開始している。例えば、米国R3社は世界の大手22銀行と共同で銀行間システムへの活用に向けた検討を始めている。日本の金融機関は、不確実性が高くとも将来の期待が高い領域についても投資を行うことが必要である。

(イ)今後有望な技術分野

  • ブロックチェーンが今後金融業界全体に極めて大きな影響をもたらすとの認識が提示された。
    • ブロックチェーンは金融機関のシステムコストを1/10~1/100に下げる技術とも言われており、従来のFinTech企業ですら打撃を受ける可能性もある。
    • ブロックチェーンのインパクトは絶大であり、インターネットの登場、Googleの登場と同等の重要性を持つ。
    • 銀行は制度変更等に際して発生するシステムの更改・保守のコストが高く、ブロックチェーンによりコストダウンが図れることを期待している。
  • 一方で、ブロックチェーンの発展に向けた課題が提示された。
    • ブロックチェーンは分散型であることが大きな特徴だが、株価の価格発見機能に代表されるように集中させることのメリットも十分踏まえ、検討する必要ある。
    • ブロックチェーンの浸透には、スループットの改善が課題である。
    • 将来的に量子コンピュータが実用化された場合に、安全性が破られないかが懸念される。
  • ブロックチェーン以外ではAIによるビッグデータ活用が有望技術であるとの認識が提示された。
    • 現在のAIの核心的要素であるディープラーニングは、ビッグデータ活用を支える技術であり、どれだけこの技術を活用できるかにより金融機関の競争力に大きく差がつくであろう。

(ウ)Fintech発展のため、官民で議論するべき点

  • 既存の規制がベンチャー企業の成長の最大の障害になっているとの意見が示された。
    • 一例を挙げると、資金決済法で定める資金移動の上限額が撤廃されれば、送金ビジネスをB2Bに提供するなど、ベンチャー企業のビジネスを格段に拡大させることができる。このように、法規制やコンプライアンスはベンチャー企業にとって大きな障害となっている。
  • 横断的規制とそれを補完するための手段の整備が必要との意見が示された。
    • 各業態の規制がそれぞれ独立に存在すると、規制の存在しない領域で、規制業種と類似のサービスを提供する、という規制のアービトラージが起きる。このような事態を防ぐべく、類似のサービスには類似の規制を横断的に制定することが求められる。
    • ただし、横断的な規制は総合的、包括的なものになるので、各事業者による動態的、分析的で堅確なモニタリングとリスクの程度に応じた適切なリスクアセスメントおよびリスクマネジメントで補完することが必要。更なる補完手段として、事業者・業界による自主ルールの設定も求められる。
    • 例えば、現在銀行でのビットコイン取引は、レピュテーションの問題やマネーロンダリングへ利用される懸念等がある。このような課題は、関係省庁をふくめ、業界全体で対処することが必要。
(2) 消費との結節点である決済分野におけるFinTechの先行的な取組状況

(ア)決済事業の収益性について

  • 決済事業単体でも持続的に収益を創出することが可能との意見が示された。
    • 決済サービス提供の初期コストが低下している。したがって、たとえトップラインが低下してもコストが低いため、一定規模を確保できれば、持続的に収益を創出する事業である。
  • 決済事業単体での収益は非常に低いが、決済データを元に様々な事業が展開可能であるとの見解が示された。
    • 先般PayPalが買収したXOOM社は、得られたマージンの大半がマーケティングコストに費やされた。決済は、標準的サービスとしての地位を獲得しなければ意味がないが、その地位を得るためには莫大な投資が求められる。
    • 決済事業単体の収益性は低い。しかし決済を通じて得られるデータを元に、銀行は融資できなかった人への融資、不正取引に対する保証サービス、サイト内での行動情報を基にしたマーケティング支援等を行うことが展望できる。
(3) FinTechは既存金融サービス・既存インフラに短期・中長期でどの程度の影響を及ぼすのか
  • ベンチャー企業にとっては、既存のインフラを経由しないサービス提供が有効である。
    • 預金や送金に参入することを想定した場合、全銀システムなど既存のインフラに依存するとコストが高く、事業として成立しない。独自のインフラを構築することがベンチャー企業にとって有効である。
  • 保険はFinTechにより大きく影響を受ける可能性があるとの意見が示された。
    • 情報の在り処が広がるということは、現在保険会社が担うリスク把握の価値が低くなるため、既存の保険業が大きな影響を受ける可能性がある。

以上

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最終更新日:2015年11月6日
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