経済産業省
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産業・金融・IT融合に関する研究会(FinTech研究会)(第4回)‐議事要旨

日時:平成27年11月27日(金曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

議題

  1. 開催挨拶、趣旨説明
  2. プレゼンテーション
    (1) 小島プレス工業株式会社 兼子様
    (2) freee株式会社 佐々木様
  3. 自由討議

議事概要

1. 企業の経営管理、財務経理、資金管理等における現状と課題

(1)「本業」に専念するための課題、事務の効率化に向けた課題

  • 中小企業では、経理処理に手間がかかること、及び経理人材が不足しているとの見解が示された。
    • 手作業による受発注などの取引処理は、工数増や紙資料の山積といった課題だけでなく、ミスが起こりやすく、ミスが発生した際の原因究明も困難であるというリスクを抱えている。
    • 中小企業において、インターネットバンキングの普及率が低いこと、電子マネーの普及率が低いこと、法人クレジットカードが作りにくいことが、銀行取引明細を読み込み自動仕訳を行う、クラウド自動化会計ソフトの普及を阻害している。

(2) (中小)企業における資金調達の課題

  • 金融機関は、収益性の低い中小企業向けには、審査コストを考慮すると、積極的な融資に踏み切れないという課題があるとの意見が提示された。
    • 代金回収までのつなぎ運転資金を調達する際、金融機関が受発注情報を詳細情報としてリアルタイムで把握できていないため、発注先への見積書を元に審査を依頼しているが、担当者が変更になると、都度の説明が必要となる。
  • B to B、B to C取引において、クレジットカード取引が利用されていないという現状が示された。
    • アクワイアラが加盟店を審査する際、過去の売上データを元に加盟店審査を実施するため、ビジネスを立ち上げたばかりの企業は、審査を通過できない現状がある。
    • B to B取引において、法人のクレジットカード取引が伸び悩む現状がある。コーポレートカードの発行条件は厳しく、法人が取引で必要な与信枠を与えられないことも、普及しない要因の一つである。

2. FinTechによる経営革新の可能性

(1) 経理処理の効率化・自動化、経営管理の高度化

  • 受発注などの取引処理の自動化により、経理処理の効率化(処理時間の短縮、ミスの削減含む)及び、納品、支払サイクルの短縮化も実現できるとの見解が示された。
    • 全銀システムを利用した受発注情報の取得は、発注者と受注者双方の利用が必要だが、FinTech企業が提供するスマートフォンアプリを活用すれば、相手先の利用は不要で、自らの取引情報のみで取引処理の自動化が実現可能であり、利便性は高い。
  • 今後クラウド会計が普及し、スマートフォンでの利用が一般的となれば、社外でもデータ入力等の作業が可能となるため、経理処理負担が軽減されるとの見解が提示された。
    • クラウド会計ソフトにより取得した、給与計算結果情報に基づく振込、電子領収書に基づく顧客管理・マーケティングの実施等、規制緩和により、さらに利便性を提供できる分野は多くある。
  • 会計システムを経営に役立てるには、簿記会計の知識を習得する、あるいは税理士/公認会計士の指導を受けるなどして、正確な記帳が行われることが前提となる。そうしないと誤った経営判断がなされる虞があるとの見解が示された。

(2) 商流ファイナンス等、資金繰りの円滑化

  • 商流ファイナンスは、販売データがないと与信判断ができないが、データ連携が進むことで、新たな融資サービスの提供が可能になり、中小企業の資金繰り円滑化に寄与するとの見解が示された。
    • 各企業が持つ様々なデータと相互連携して、財務管理や与信審査に活用することで、中小企業の利便性は向上する。
    • クラウド会計の普及により、銀行が、企業の資金動向をより短い期間単位で把握できるようになれば、与信判断もより簡単になると考えられる。

3. 企業経営革新の実現に向けた課題

(1) 業務効率化等の実現に向けた課題

  • FinTechによる業務効率化等のインパクトを最大化させるために、まずはオンラインバンキングの利用率向上と行政手続きの電子化の推進が必要であるとの見解が提示された。
    • 年配の経理担当者は、従来の仕事の流れを変えたくないため、経理処理の自動化に否定的だが、若年層は効率化を歓迎している。世代が変われば、ITを活用した受発注などの取引処理は普及すると考える。

(2) 資金調達の円滑化に向けた課題

  • 資金調達の円滑化に向けては、各企業との情報連携により、企業経営の実態を把握し、金融機関の与信審査方法に活用していく必要があるとの見解が示された。
    • 商流ファイナンス等の融資に当たっては、不正リスクを考慮する必要がある。現状では、ある程度の期間の売上データがなければ見極めることが困難であり、業歴が浅い店舗への融資のボトルネックとなっている。
    • クラウド会計の利用により、短期間で経営状態の把握が可能となることから、銀行は今後与信審査の方法を考えていく必要がある。
    • 顧客から許可を取得することを前提に、各企業間での連携を推進し、情報を共有する取り組みが必要である。

以上

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経済産業政策局 産業資金課

 
 
最終更新日:2016年1月18日
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