経済産業省
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産業・金融・IT融合に関する研究会(FinTech研究会)(第6回)‐議事要旨

日時:平成27年12月4日(金曜日)10時00分~11時45分
場所:英国大使館

議題

  1. 開催挨拶、趣旨説明
  2. プレゼンテーション
    (1) Anna Wallace, Head, FCA Innovation Hub Financial Conduct Authority
    (2) 経済産業省 経済産業政策局 産業資金課長 福本拓也
  3. 自由討議

議事概要

1. 英国におけるFinTech産業に対する規制について

英国金融行動監視機構(FCA)による新たな施策 “Regulatory Sand box”について

  • FCAはFinTech産業に対する規制に際して新たな手法の導入を続けている。その最たる例が2016年に施行予定のRegulatory Sand boxである。これは、予め設定された区域内において、ベンチャー企業が革新的なアイデアに基づく事業の試行を許可することで、顧客への便益やリスクを検証する施策である。FCAは、限定区域内での事業の許可、ノーアクションレターの、個別の事業に対する助言、を行う予定である。

英国における当局の監督について

  • 一般的にノーアクションレターは、一定の条件が満たされた場合に、FCAが慎重に事業内容を精査したうえでされる。先行企業が存在しない新規の事業で、かつ利用者にとって多大な便益をもたらすと見込まれる場合、FCAは事業の認可等一連のプロセスを速やかに進める方針である。
  • 少額決済事業者は比較的容易に当局から認可を得ることができる(認可を得てはじめて銀行システムに接続することが可能となる)。
  • 適用すべき規制や監督の手段は対象企業の規模に応じて異なるため、FCAは利用者の便益とリスクの大きさを見極めることに注力している。
  • FCA内の組織であるInnovation Hubは、ベンチャー企業が規制のために新サービス提供を躊躇することがないよう、ベンチャー企業に対し非公式のアドバイスを提供し、法令を順守しつつ事業を遂行できるよう支援している。FCAには事業の経験や法律知識が豊富な専門家が在籍しており、高度なスキルに基づくアドバイス提供が可能である。

2. 英国大手銀行によるFinTechの導入状況

英国大手銀行のFinTechへの取組姿勢について

  • FinTechベンチャー企業が銀行システムを利用する場合、大手銀行はベンチャー企業に対し、コンプライアンスについて極めて高い基準を要求している。これは、大手銀行がコンプライアンス違反による課徴金を課されるリスクに非常に敏感になっているからである。
    このため、スタートアップ企業が銀行システムを利用するサービスを展開することは困難な状態であり、事業展開の障壁は規制よりもむしろ銀行であると言える。
  • 大手銀行によるFinTechの活用は、新規事業の創造よりもアプリ開発等により、自社サービスへの注目度を高めることに重点が置かれている。一方、FinTechベンチャー企業は、既存の金融サービスを見直し、全く新しいサービスを開発することに注力している。

ベンチャー企業による、マネーロンダリング防止基準の順守と、銀行システムへのアクセス確保のバランスについて

  • FCAは現在、FinTechベンチャー企業がマネーロンダリング防止基準を順守しつつ、銀行システムへのアクセスを確保するための方法について調査・検討を行っている。テクノロジーを活用した有効な方法があるのではないかと想定している。
  • シリコンバレー銀行のような、リスク許容度が高い銀行の参入を期待している。

3. 英国と日本の類似点・相違点

FCAと金融庁の規制方針の類似点について

  • 両者とも、明文化される規制には原則のみを記載し、個々のビジネスの適法性はその都度判断する、との考え方は共通している。
  • (英国にはFinTechベンチャー企業と規制当局が対話するチャネルがあるが、日本には不足しいるのではないかとの指摘に対して) 金融庁の内部にも、FCAがスタートアップ企業との対話を強化しているようにスタートアップ企業との接点を拡充するべき、との意見がある。
  • 英国で実施されている、銀行が保有する個人のデータを共有する枠組みであるオープンデータプログラムは、銀行間の競争促進と利用者の選択肢増加に大きく寄与しているのではないか。
    • オープンデータプログラムは官庁だけでなく政府の強い関与があって初めて実現したものである。日本でも、業界として問題提起すれば政府の対応を引き出せるのではないか。

日本の消費者の特徴について

  • 日本では、当局が銀行の自主性を重視するよう規制や監督の方針を変更している一方、銀行は従来通り当局の意向を斟酌する傾向が強い。また、日本では消費者の銀行に対する要求水準が非常に高いことも特徴である。
  • 消費者の要求水準が高いのは各国に共通するが、日本において最も特徴的な点は、企業や当局が消費者の反応に極めて神経質になっていることと考える。
  • 英国の銀行と日本の銀行の違いは、消費者の銀行への期待の高さであると考えている。例えば、日本で銀行システムに障害が発生すれば、盛んに報道されるが、英国では日常的に発生しており、ニュースになるほどのこととは捉えられていない。

4. その他の論点

国際送金サービスに対する課税について

  • ビットコインによる国際送金サービスでは、取引がどこで発生したかを補足することが困難である。このため、日本の事業者は8%の消費税を納める一方で、海外事業者は日本の消費者に同等のサービスを提供しながら納税を回避しており、不公平が生じている。

以上

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お問合せ先

経済産業政策局 産業資金課

 
 
最終更新日:2016年4月8日
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