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産業・金融・IT融合に関する研究会(FinTech研究会)(第8回)‐議事要旨

日時:平成28年1月20日(水曜日)16時00分~18時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議題

  1. 開催挨拶、趣旨説明
  2. プレゼンテーション
    (1) Fenox Venture Capital ウッザマン様
    (2) Omise.Inc 長谷川様
  3. 自由討議

議事概要

1. FinTech産業を取り巻く環境における日本と海外との相違点

i. 日本のFinTech市場・金融サービス市場の特徴

  • 日本の消費者はローンを利用する際、即時性や与信枠の大きさを重視する一方、海外では金利の低さが重視されるとの見解が示された。

ii. 海外FinTech市場の動向

  • アジアにおけるFinTechサービスの展開に際しては、現地政府との密接なコミュニケーションが不可欠であるとの見解が示された。
    • アジアにおけるFinTechサービスは、インフラを提供する金融機関、テクノロジー、ライセンスを付与する政府の理解、の3点が揃って初めて提供可能となる。
  • 米国ではすでにFinTechに対する期待がピークアウトしているという意見が提示された。
    • FinTech市場において業容拡大が著しいのは、融資および経理支援の分野に限られ、その他の分野では苦戦している企業も多い。

iii. 各国の顧客ニーズの違いについて

  • 国ごとに異なるニーズの違いを理解することの重要性について指摘がなされた。
    • 米国において融資系ベンチャーが拡大している背景には、学費は学生が自ら払うことが一般的であり、低利の学生ローンへのニーズが極めて強いという事情がある。親が学費を支払うことが多い日本において、同様のビジネスが根付くとは考えにくく、日本の事情に合わせたビジネスを展開する必要がある。
    • 日本では数年前から、個人のリスクマネーをいかに呼び込むかという問題意識の下、資本市場改革が実行されてきた。一方、欧米では、経営者が過大なリスクを取らないようにガバナンス改革に注力している。この違いを踏まえると、米国では苦戦も報じられているWealthfrontのような資産運用系の新サービスが、日本においては成長余力が大きい、という可能性も考えられる。
    • 東南アジアの消費者に対してFinTechサービスを展開する場合、フィーチャーフォンへの対応は必須である。

2. 日本のFinTech産業を国際市場で競争力あるものにしていくために日本政府・日本企業がなすべきこと

i. 日本政府がなすべきこと

  • FinTech企業に対する認可の付与プロセスを迅速化・透明化するべきとの意見が提示された。
    • 他業界のウェブサービスでは、ベータ版を速やかにローンチし、随時改良していくことが通常だが、日本における金融サービスでは、認可取得に時間を要するためベータ版を公開するまでの時間がかかる。これによりキャッシュフローの予測、資金調達が困難になる傾向がある。
    • 日本の規制を、海外の事業者から見ても透明性の高いものにするべきである。例えば、適切な規制の緩和、英国のSand boxのような試行環境の提供、認可のスピードを上げる、等が必要である。
    • 日本のFinTech市場活性化のためには、当局の認可までのタイムラインの明確化が必要である。
  • 政府によるFinTechサービス事業者支援について意見が提示された。
    • 日本企業の海外展開を支援するため、日本の各種ライセンスが海外でも有効となるよう日本政府が海外当局に働きかけることも有効ではないか。
    • シンガポールでは、規制当局である金融管理局と業界が共同してイノベーション創出に取り組んでいる。日本でも、政府による関与という意味で参考にするべき点があると考えられる。
  • 若年層に対する金融教育の必要性について意見が提示された。
    • 日本が行うべきことは、今後一層人口が減る中で、若年層を取込むことである。このためには、若年層の金融リテラシーを上げることが必要となる。具体的には、学校で財務の教育を行うことや、確定申告を強制し収入や資産への意識を高めることも考えるべきではないか。

ii. 日本企業がなすべきこと

  • 日本企業に対する投資活性化の方法について意見が提示された。
    • 日本は海外からの投資を呼び込めていない。その理由はイノベーションが少ないことである。これは大手企業、ベンチャー企業双方に共通している。イノベーション促進には、アライアンスの活性化と海外展開による国際的視点の獲得(ガラパゴス化の回避)が重要と考えている。
    • リスクマネーを呼び込むため、大手企業によるベンチャー企業の買収事例を増やすことが求められる。
  • 人材流動性を高めることがFinTech企業の競争力強化に貢献しうるとの意見が提示された。
    • FinTech企業では、ウェブサービスに精通したエンジニア、金融システムに精通したエンジニア、金融機関出身者の間でコミュニケーションのギャップが頻繁に発生し、効率性が低下している。一つの解決策は、人材の流動性を高め、異なるカルチャーに触れる機会を増やすことではないか。
  • 基本的な金融サービスでも改善するべき点が多くみられるとの指摘がなされた。
    • 日本は訪日外国人誘致に注力する一方、海外のキャッシュカードで現金引き出しができるATMが少ない。また、中小企業においてはペーパレス化が進展していないため、クラウド化の余地が大きい。
  • 顧客体験向上とコラボレーションの重要性について指摘がなされた。
    • 技術自体の先進性も重要だが、より重要なのは技術を用いて顧客体験を向上させることである。また、銀行間あるいは銀行とベンチャー企業のコラボレーションにより顧客体験の向上等シナジーを創出している例は多く、協業の有効性を認識する必要がある。

以上

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最終更新日:2016年4月8日
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